2020/07/04

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月経前不快気分障害(PMDD)と脳脊髄液減少症の関係
NHKの今日の健康で4月「生理前の不快な症状 月経前症候群」について放送を見ました。
NHK きょうの健康テキスト2018年4月号によると
月経前症候群とは、生理の前に現れる心と体の症状で日常生活に支障を来す
月経前症候群は、生理が始まる前に起こる不調で、長い人では生理の10日ほど前から症状が現れます。症状は人それぞれ異なりますが、心と体にさまざまな不調が起こり、症状が強い場合は、生活の質が著しく低下します。
と書いてありました。
月経前症候群の症状
NHKきょうの健康 2018年4月号テキストによると、
心の症状は
・抑うつ気分
・怒りの爆発
・イライラ
・不安感
・混乱した気分などです。
体の症状は、
・乳房の痛み、張り
・おなかの張り
・頭痛
・関節痛、筋肉痛
・体重増加
・手足のむくみで
これらの症状のうち、どれか一つでも過去3回の整理で続けて起こっている場合に月経前症候群と考えられます。
と書いてありました。
しかし、月経前症候群と脳脊髄液減少症との関連性には一切触れられていませんでした。あたりまえですが・・・。
産婦人科医も脳脊髄液減少症をあまり知らない現状では当たり前のことかもしれませんが、
脳脊髄液漏れによってその女性の脳が置かれた環境が脳脊髄液減少の状態となると月経に関した症状がでてきます。
脳脊髄液が漏れて減ると、それによって、脳が正常に働くことが困難になり、その結果それらの症状が出たりするのではないか?と私は体験から考えています。
脳脊髄液減少症で起こる「婦人科関連症状」については、気づいている産婦人科医はほとんどおらず、髄液漏れがない通常の女性のPMS症状より、重症化した症状が出ることなど想像する産婦人科医などいまだ皆無なのでしょう。
おそらく、脳脊髄液減少症は産婦人科医にとって、自分たちとは関係のないもので、研究対象にもなっていないことなのかもしれません。
私の経験では、生理がある女性が、髄液が漏れたまま放置されている場合、日常生活に支障がでるほどの激しい症状が月経周期で悪化したり、改善したりすることがあると体験から感じます。
具体的には、私の場合、
・月経前の頭が割られるような頭痛
・月経前の額(前頭部の重さ)ひどい頭重感
・寒気
・全身の激しいだるさ
・爆発的な怒り、激しいイライラでの対人関係や日常生活のトラブル増加
・直接的な気分の悪化と間接的な気分の悪化(様々な症状と激しいだるさ、頭の混乱感で日常生活ができなくなりそれによって周囲から「またか」と思われることでの二次的な気分の落ち込み)
・わけもない不安感、恐怖感
などで、髄液漏れが見逃されていた私は、結果的に重症PMSつまり、PMDDと当時複数の医師に思われていました。
これが何を意味するのかというと、今も、PMSあるいは、PMDDと診断されて治療を受けている女性たちの中に、脳脊髄液減少症が見逃されて、脳脊髄液減少症のひとつの症状として出ているPMS、PMDDの状態について、根本治療をしないまま、対症療法を産婦人科で受けているにすぎない人たちがいるのではないか?ということです。
たぶん、多くの産婦人科医はまだ気づいていないと思います。
私の考え
ほとんどの医師は脳脊髄液減少症の産婦人科症状を知らない
今もなお、産婦人科医が脳脊髄液減少症を知らない以上、脳脊髄液が漏れて減ってしまった脳で生きざるをえない人たち、髄液漏れたまま日常生活を余儀なくされている女性たちが生理周期によって、さまざま通常以上の苦しみを抱えて苦しんでいることも、ほとんどの医師が気づいていないでしょう。
多くの脳脊髄液減少症の女性を診察して、その患者たちの話を直接聞き続けている、一部の脳脊髄液減少症の脳外科医だけが、脳脊髄液減少症の女性の産婦人科症状に気づいているかもしれません。
しかし、いくら脳脊髄液減少症の専門医といえども、男性の脳外科医がほとんどでしょうから、脳脊髄液減少症の産婦人科症状について知っている医師は多くはないでしょう。
女性の脳脊髄液減少症患者は産婦人科症状を男性脳外科医には言いにくい
それに、女性患者は、男性脳外科医に、生理についてや性についての自分の今までとは違う体調の変化、症状を
普通、気軽に伝えられないと思うのです。
患者は、その医師に理解してもらえる症状だけを、その医師の専門分野にあてはまる症状だけを、全体の症状から無意識に選択して話していると思われます。
耳鼻科医に産婦人科系の症状は話さないでしょう?話せば、そんな症状は産婦人科医に相談しなさいを言われれてしまうのがオチでしょうから。
同じように、産婦人科医に、味がわかりにくい、手足がしびれるといった症状はあまり言わないでしょう。
脳脊髄液減少症は、精神症状も、産婦人科症状も、耳鼻科の症状も、目の症状もいろいろ出るのですから、脳脊髄液減少症の専門医にぐらい全部話しても大丈夫そうですが、そうもいかないのです。
忙しい医師の、貴重な診察時間の中で、患者が優先して話すことは、その医師に理解してもらいやすその医師の専門分野の症状で、かつ、言いやすい、一番困っている身体症状でしょう。
たとえば、頭痛とか、だるさ、とか、手足の痛みとかしびれとか、だれにでも口にしやすく脳神経外科医や神経内科医に理解されやすい症状をまずは医師に伝えるでしょう。
限られた診察時間には、数多くある症状の中で、一番つらい症状から医師に伝えることでしょう。
相談しにくい、口に出しにくい、言葉で表現しにくい症状は医師に伝えるのは後回しになることでしょう。
脳脊髄液減少症の症状はいろいろあるんですが、男性医師に言いにくい症状、(産婦人科系の症状とか)を勇気をもって言葉にして医師に伝える患者はごく一部の患者だと、私は想像します。
この私でさえ、膣が潤いにくい、とか、生理不順とか、そういう症状については、ほとんど脳外科医に話してきませんでしたから。
言葉で表現するのが難しい症状、言ってもおそらく医師が興味関心を持たないかもしれない症状、自分の中でなんとかがまんできそうな症状、恥ずかしくて相談する勇気がでない症状は、なかなか医師に伝えられませんでした。
私は相当、自分の感じている症状を表現する患者のほうだと思うのですが、それでも脳脊髄液減少症で感じている症状や困りごとの、ほんの一部しか医師に伝えられなかったのです。
ですから、多くの患者さんも、なかなかすべての症状を医師に伝えられないのではないか?と想像しています。
今後、産婦人科医、精神科医、などすべての科の医師の皆様にも、脳脊髄液減少症にもっと関心をもっていただきたいと思います。
患者は自ら自分の症状を治せる医師を探し出す努力が必要
同時に、患者は、自分から自分の症状はこれが原因ではないか?と気づき、専門医にセカンドオピニオン、サードオピニオンを求めるぐらいの勇気と行動力は必要だと感じます。
自分で「これが自分の症状の原因ではないか?」などと初対面の医師にいきなり言うと、脳脊髄液減少症を知らない医師は、
内心、知らないのであわてふためいたり、困ったり、うんざりされたり、「自己診断の方はお断り、あなたはそうだから自分で病を作っている。」などと言われて、身構えられ、きちんと相談に乗ってもらえないことがあるので、意見を求める患者側も、それなりの知識がある医師を探し出す努力も必要ですが。
なにより、患者という自分は自分にとって一番の理解者、専門家である、と自分の体からの症状というメッセージを信頼して、その原因を自分で探ることも大切で、これからの時代「この疾患ではないか?」と患者が最初に「自己診断で気づく」ことをまるで悪であるかのように医師に批判されるべきではないと思います。
(以前私は、「風邪みたいなんです。」と医師に診察時に言っただけで、医師に怒られました。診断するのは医師だ!と。とんでもない横柄な医師です。)
実際、私は結局最後は、自分で、症状の原因である「脳脊髄液減少症」にたどりつきました。
医師も人間ですから、自分の知っている「症状と原因」が結びつけばその、「知っている病名」をつけるという現実も患者は知るべきだと思います。
少なくとも、脳神経外科や神経内科、整形外科医師でさえ、患者の症状から脳脊髄液減少症を見抜けない医師がまだまだ大多数の現在、ましてや産婦人科医の先生が、患者の症状の背景に、脳脊髄液減少症が隠されていることに気づける確率はかなり低いと、私は思います。
自分を回復に道びくのは自分
患者自身に一番詳しいのは患者自身だと私は思います。
医師だからと言って、24時間365日その患者と一体になっているわけではないのですから。
24時間365日自分の症状を観察し続けているのは自分なんですから。
もっと、自分の感覚を信じて、医師を探し、正しく自分の症状を理解し、症状の原因を見つけ出し、治療しなおしてくれる医師を探す努力が、患者自身に必要だと私は思っています。
コメント
初めてコメントします。
症状の痛み、あまりの辛さに眠る事が出来ず
こちらのサイトにたどり着きました。
周囲に理解して貰う事を諦めた私は普通をふるまって生活をしてきましたが
無理が祟ったのかその誤魔化しも通用しない程に症状が悪化してきています。
無念です。
言葉にする事を出来ずにきた憤り、辛さ、悔しさ、数々の思いを
代弁して頂いているような素晴らしい記事を発信し続けていらっしゃる事
本当に尊敬致します。
そしてありがとうございます。
少しでも多くの方の目に触れ、理解が広まりますように。
by spring 2020年3月17日 4:21 AM
springさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
どんな痛みに苦しんでおられるのでしょうか?
心配です。
症状には必ず原因があると、回復した今、私は強く感じています。
by lily 2020年3月17日 10:39 AM
お返事ありがとうございます。
lilyさんの諸症状ですがまさにそう!同じ!という事ばかりで
そんな同じような苦しみを味わってきた方に心配して頂き、
そして力強く励まして頂けて涙が出る程(実際出ました 笑)嬉しいです。
交通事故により脳髄液減少症になりました。
7年程前にブラッドパッチを経験、
その前の4年はどこの病院でもただのむちうち扱いで
期間の約半分は寝たきりで過ごしました。
ブラッドパッチ後少し快方に向かったと感じられる日も増え
だましだましやってきましたが
昨年から症状が悪化しはじめ
腰、背中、首、頭の痛みと吐き気で座る事もままならなくなる時間が日に日に多くなり
今は横になっても同様の痛みで眠る事も難しいです。
精神的にもかなり不安定だと感じます、悲しいですね。
ですがlilyさんの力強いお言葉に、本当に救われました。
lilyさんの回復された過程を知る為にも記事をもっと熟読しますね。
心配してくださったお気持ち、心から感謝します。
by spring 2020年3月18日 4:52 AM
springさん、そうでしたか・・・。私と同じ原因、同じ症状、そして医師にも理解されないことまで同じですね。
私も、もっと身近で支えあえる同じ患者がいたら、どんなに心強いかと何度も思いました。
ブラッドパッチしても症状がまだ残るのは、私の経験だと「まだ漏れている」可能性が高いと思います。
たった一度の一か所のみのブラッドパッチで治る人は、もともと「たった一か所」だけで漏れていて、それが「たった一回」のブラッドパッチで運よく漏れが止まった人だけだと私は思います。
「ブラッドパッチは一度で治すのがベスト」だとは思いますが、漏れ方も漏れている場所も、体に受けた衝撃によって、人それぞれで、そうは一度の治療で完治などしないのが自然だと私は思います。
症状は体からの貴重な、自分から自分へのメッセージ、まだどこか異常があるからこそ、症状があるのだと思います。
けれど、そのことを専門医に伝えるのも理解して再検査してもらえるのも、難しいのが現状。
脳脊髄液減少症治療の現場は、医師が患者に対してあまりにも少ないから。
なかなか次の検査にたどりつけない。これも現実。
過去に、「ブラッドパッチと脳脊髄液減少症に関する誤解」という記事に書きましたのでよろしかったら参考にしてみてください。
by lily 2020年3月18日 1:43 PM