2020/07/04
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チョイス 疲労
NHKのチョイス 病気になったとき 疲労が、本日、再放送されました。前回は最初からは見ていなかったので、改めて見てますます疑問がわきました。その私の疑問について、少し書いてみたいと思います。
日本の就労人口の4割が、6か月以上疲れを感じているそうです。この中には、私は脳脊髄液減少症の見逃し患者が必ずいると思っています。
筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群と脳の炎症?
2014年、理化学研究所が、慢性疲労症候群と脳の炎症についての発表をしたようですが、これについて私はとある経験があり、疑問がわきました。
実は、脳脊髄液減少症の私は、脳脊髄液減少症だとわかる前、あちことの医師めぐりをしていましたが、ある日脳外科でのMRI画像がひっかかりました。その画像には、いかにも脳に炎症があるかのような画像が撮られていたのです。
その後、さらに私は遠くの有名な脳外科のある病院を訪れ、その医師の判断で脳波検査や、脳のMRI画像を撮りました。
すると、やはり脳の画像に異常が映るのです。
何度撮影しても数か月経過観察のため、脳外科に通い、MRIを撮り続けましたが、結局その病変のように映る部分が、拡大しなかったのと当時、私の脳脊髄液減少症の症状は、小康状態で、その当時は遠くの脳外科専門に自分一人で通えるぐらい元気に医師には見えたためか、そのまま「心配ない。」ということで通院は終わりました。
その後、脳脊髄液減少症が悪化し、座っていることすらできなくなりましたが、今の主治医の元で、脳をMRI撮影しなどしていますが、当時、かつて何か月も消えなかった、あの脳の病変らしい部分が全く映らないのです。消えてしまっているのです。
これは何を意味するのでしょうか?
脳脊髄液減少症によって、脳が下に下がり、ひしゃげたようになったために、あたかも脳が炎症を起こしているように映ったのではないか?と私は考えています。
ひしゃげた脳が正常に機能しなくなり、そのことで炎症のように映ることがあるのかどうかは私にはわかりませんが、とにかく、脳脊髄液が減って、脳が正常な位置を保てず、重力で下に落ちてしまうことで、なんらかの脳が不調を起こしていたのではないか?と推測しています。
だからこそ、ブラッドパッチ治療や、人工髄液などの治療を繰り返した後、診断前、治療前は、まるで脳に病変が存在するかのように写っていた部分が消えてしまったのではないでしょうか?そうとしか、私には思えません。
その時の画像はPITではありませんでしたが、たとえMRI検査だけだとしても、理化学研究所や、慢性疲労症候群の研究に取り組む医師たちは、脳脊髄液減少症の患者でも、まるで脳に病変があるような画像が撮れることがあることを、ご存じなのでしょうか?
ご存じないのではないでしょうか?
米国は脳脊髄液減少症研究の先進国ではないので、脳脊髄液減少症でもSEIDの状態になることを、多くの医師はご存じないのではないかと思います。
SIED(全身性労作不耐疾患)の診断基準と私の症状
読売新聞のヨミドクターによると、今まで、慢性疲労症候群と呼ばれ、体に痛みがある人は筋痛性脳脊髄炎と呼ばれ、これからSEIDと呼ぼうとしている疾患に対して、の
診断基準を、米国が新しくしたようです。
慢性疲労症候群という病名では、病気の深刻さが伝わらないことから、筋痛性脳脊髄炎という病名が使われることが多い。だが、筋肉の痛み以外に様々な症状があり、不適切との意見もある。
米国では今年2月、多くの医師がこの病気に適切に対応できるように、専門家の委員会が9000以上の文献を調べ、新たな病名と診断基準を提案した。新病名は「SEID」。日本語訳は未定だが、直訳すれば「全身性労作不耐疾患」。
体や脳の活動が、極度の疲労を中心とする全身の不調を引き起こすという意味だそうです。SEIDの診断基準は、
〈1〉活動レベルの大幅低下が半年以上続き、休んでも回復しない疲労がある。
〈2〉運動や作業後に悪化する極度の倦怠感
〈3〉睡眠障害――の三つの症状があることに加え、
〈1〉認知機能の低下
〈2〉めまいなどで立っているのが困難――の少なくとも一つがあるとした。
とあり、驚きました。
脳脊髄液減少症の私は、これらすべてに当てはまってしまうからです。
つまり、脳脊髄液減少症の私が、脳脊髄液減少症については詳しくない医師で、SEIDの診断基準に私の症状を当てはめる医師を受診したなら、私はSEIDと診断されて、脳脊髄液減少症が原因であることを見逃されてしまうのではないか?と感じました。
慢性疲労症候群には世界でいろいろな呼び方がされていた
番組によると、
「筋痛性脳脊髄炎」という名づけ方に関しての説明では、
筋肉の痛みを訴える患者に「筋痛性」、それがおそらく「たぶん脳脊髄系に問題が起こっているだろう。」と医師が考えて「脳脊髄炎」とつけてそういう患者を「筋痛性脳脊髄炎」と呼んでいた。
しかし、慢性疲労症候群という診断基準をアメリカが発表していたので、それに当てはめてみると、「筋痛性脳脊髄炎」の患者さんの多くが、「慢性疲労症候群」の診断基準を満たしていた。
しかし、1990年から最近まで通常のCT検査MRI検査、血液検査では、炎症を証明することができなかった。医学が進歩して2000年以降識別できる検査方法が開発されてきた。
と話されていましたが、
世界中の医師もアメリカの医師も、脳脊髄液減少症の存在やその患者の身に起こる症状を知らなければ、とらえどころのない患者の訴えや症状に、どう対処していいやらわからず、病名ひとつをとっても、どう表していいか苦労しているんだろうな、と感じました。
アメリカの医師なりに、苦悩している様子がその病名からも伝わってきます。
と、同時に、世界中で、脳脊髄液減少症患者が見逃されて、別の病名をつけられたリする可能性も高いのではないかと感じました。
脳脊髄液減少症のかつての治療前の私は、とにかくだるくて、つらくて、症状が痛みやだるさや物忘れや、あれやこれや全身に出て、日常生活が困難になるために、もし、私がアメリカ人だったら、アメリカの医師に、「筋痛性脳脊髄炎」や「慢性疲労症候群」と診断されても、おかしくないと思いました。実際にかつての髄液漏れ状態の私は、実に多彩な脳脊髄液減少症の症状により全身的にふつうの労作に耐えられない状態になっており、「SEID」の病名の方がその時の私の状態を適切に表現していただろうとさえ感じました。
一見とらえどころのないような症状を出すのが、脳脊髄液減少症です。
しかし、外見からは想像もできないほど、患者本人の苦痛は、生き地獄のようにひどいこともあるのが脳脊髄液減少症なのです。
「チョイス 病気になった時 疲労」の中で医師が話していたように、「筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群」も最近まで炎症が証明できなかったという特徴と同じく、脳脊髄液減少症も、通常のCT検査、MRI検査、血液検査で、全く炎症が証明できないことが多いと思います。
たとえ、異常がたまたまひっかかったとしても、既成の病名のいずれにもあてはまならいため、原因不明とされてしまうこともあると思います。
アメリカ主導の日本の医学界、しかし脳脊髄液減少症の研究先進国は日本
日本は何でも外国の診断基準に追従するような傾向があるように私は感じますが、
こと、脳脊髄液減少症の研究に関しては、アメリカよりも日本の方が進んでいると、私は考えています。
このSIEDの診断基準を考えたアメリカの医師たちは、いったい、どれだけ脳脊髄液減少症についての知識があるのか、疑問に感じました。
アメリカの医師たちも、おそらく、脳脊髄液減少症患者を一度は目にしているはずで、ただ、それが、髄液漏れで起こっている症状だと気づけない場合が多いのではないでしょうか?
日本の疲労研究者たちは、アメリカの作った診断基準には従うし、耳を傾けるけれども、日本で、医学界のバッシングに遭いながらも、脳脊髄液減少症の患者を数多く診てきた医師の話や、その患者の声には、耳を傾けてもらえないとしたら、とても残念だし、今後も脳脊髄液減少症患者が見逃されてしまい、かつての私のように、治る症状が、治らないものとして、放置されてしまうのではないか?と
とても心配になりました。
SEIDと脳脊髄液減少症が、全く別の疾患なのか、関係があるものなのかは、今後の研究と医学の進歩を待ちたいと思いますが、症状に共通点が多い以上、双方の研究者は、連携すべきだと感じます。
しかし、それができないのが、日本の、研究者なのかもしれません。
縦割りで、横の連携が難しいのが、研究者かもしれません。
もしかしたら、手柄を立てるのは自分たちでありたいから、他の視点での研究者はライバルなのかもしれません。
自分たちの研究成果での手柄よりなにより、原点に立ち返って、一刻も早く、ひとりでも多くの人を救うために、研究者が連携してもらいたいものです。
今後、脳脊髄液減少症患者の脳も、RI脳槽シンチグラフィー検査や、CT検査やMRI検査だけではなく、脳の血流を調べるSPECTや、うつ病の診断にも応用されはじえた、光トポグラフィ―検査、などが行われたり、ブラッドパッチ治療前と後との、精神状態の比較、視力や嗅覚や味覚の検査の比較、ホルモン値の比較、歩行状態の比較、神経障害の状態の比較など、脳外科だけでなく、精神科、耳鼻科、内科、眼科、内分泌科などすべての科の連携と協力で、もっと、研究が進むことを患者として期待しています。
そうすれば、きっと、脳脊髄液減少症の全体像が見えてくるはずだと思います。
最後に
筋痛性脳脊髄炎、慢性疲労症候群、SEIDとされている患者さんへ、
私は、かつては、読売新聞ヨミドクターの記事の画像にある、患者さんと同じく、座位さえ保てない体でした。
症状もそこに書かれているそのものでした。
しかし、私は筋痛性脳脊髄炎でも慢性疲労症候群でもSEIDでもなく、脳脊髄液減少症でした。
そう言えるのは、脳脊髄液減少症の脳脊髄液漏れが発見され、その漏れを止める治療や髄液圧を一時的にあげる治療などを繰り返した結果、症状が改善したからです。
脳脊髄液減少症とわかる前の私は、原因不明の症状に苦しみ続けてきました。
激しい疲労感に加えて、頭痛、微熱、思考力の低下、記憶力の低下、全身の痛み、関節痛、筋肉痛、脱力、筋力低下、睡眠障害など、の症状で、家の中から出られず、一日中家の中で横になっていました。
しかし、脳脊髄液減少症とわかり、治療を受けた結果、一日中、起きていられる体になり、外出もできるようになりました。
今では調子がいいと踊ったりもしています。
ですから、医師にも見逃されやすい、脳脊髄液減少症だけはどうかくれぐれも見逃さないようにご注意ください。
脳脊髄液減少症は、症状が多彩なため、症状から気づくことはなかなか困難でも、治療で回復する疾患なのですから。
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コメント
test さん。はじめまして。
いただいたコメントをここに掲載させていただきます。
【test さんからのコメント】
『私としてはME/CFSから見た繊維筋痛症に対してと同じく併発するのではと思っています。
CFSは診断されています。慢性疲労他は自律神経失調があり、筋緊張からの痛みや体力低下、脳の疲労や認知機能の低下など。
交通事故で首の骨が歪んでおり随液漏れの可能性はゼロでは無いそうですが、要するに減少だけではなく髄液圧低下もあり得るという事だと理解しています。
この様に疲労研究からも疲労の一つとしては脳脊髄液減少症は入っているということです。連携まではわかりません。
ただ検査は勧められませんでした。優先順位は低いとの認識です。
今は穴をあけなくても検査が出きるそうですので、自分で検査を受ける予定です。
肩から来るものもあるようなので現在整形外科で肩専門のリハビリをしています。
この様に複数原因複数の箇所から来る状態もあります。
また全てが脳に炎症があると決まったわけではなく、今は実証の為に被験者をあつめている段階です。
PET(陽電子放射断層撮影)ですのでこの記事とまた違うかもしれませんが。
ただし、pet以外で写ると言う話は見たことありません。』
【このご意見に関する私lilyからのお返事】
私は、あなた様が患者様なのか、精神科医の方なのかわかりませんので、いただいたコメントに対し、私の意見を以下に書かせていただきます。
私としての考えはあなた様とは少し違うのかもしれません。あくまでも患者の当事者目線の考えなので、その点ご了承くださいませ。
脳脊髄液減少症が正しく診断されないまま放置されている患者に、症状として、「ME、CFS、線維筋痛症の状態が引き起こされる。」ことがあると私は考えています。
これは実際に私が髄液漏れが見逃され中にそれらの病名と診断されても全くおかしくない症状を経験しているからです。
それらの医師の専門家がどうお考えなのかはわかりませんが、少なくとも現状ではまだまだ脳脊髄液減少症と自分たちの専門分野が、無関係ではないことに気づかれていない医師や研究者は山ほど存在していることでしょう。
医学的には、髄液圧が低くなるということは昔から「ごくまれだが」ということで人体に起こりえることが知られていたようですが、だからといって、髄液圧が正常範囲だからといって髄液漏れがない、脳脊髄液減少がその人にないとは言えないと思うのです。
なぜなら、髄液圧が教科書的には正常範囲の時であっても、髄液漏れが存在していた事実があるからです。私の例のように。
疲労の中に、髄液の関連性を研究者が気付きだしたのは、つい最近のことでしょう。
もし、疲労研究の専門家や研究者たちが、今までの研究のプライドを捨ててでも、脳脊髄液減少症の研究者や第一人者の医師と連携して研究したりすることがあるならもっと新たな発見があると私は信じています。
肩からくる症状もあるようなので肩専門の整形外科でリハビリを受けているとのことですが、私は髄液漏れが見逃されていた時代、ひどい肩こりに悩まされ、整形外科でリハビリを受けていました。
つまり、脳脊髄液減少症が原因で整形外科疾患と間違われかねない症状がでるという事実が実際に存在したということです。
脳脊髄液が減ったからといってすべて脳に炎症が現れるとは限らないと思うし、髄液が漏れ漏れでも、脳のPETで異常が映るとは限らないでしょう。
髄液が漏れていても。ほとんどの髄液漏れ患者の脳のPET画像には異常が映らないのではないでしょうか?
普通の検査では異常がわからず、それによって患者の感じている症状のつらさしんどさがすぐさま医師に伝わらないから、患者は治療の対象として見てもらえずとてもつらい思いをするのです。
もっと、いつでもどこでもどの医師でも、患者の髄液漏れの有無が簡単にわかる検査方法の確立が待たれます。
by lily 2018年7月17日 11:30 AM
コメントが表示されておらず分からなくなっているので自分か判らないのですが
脳脊髄液減圧減少は可能性はゼロではないので、似た症状があるのであれば最低限MRIを専門医で受けるべきでしょうね。今は減少減圧が検査である程度判る時代です。
また肩のケガの前歴がある場合、背中に酷い癒着や緊張、神経圧迫などリハビリや整形での治療は意味のあるものです。
症状がある以上、全ての可能性を排除すべきではありません。
まともに取り合ってくれる医師が居るのが前提ですが。
酷い医師が居るのは事実。
不見識を棚に上げて患者の怠慢だの頭がおかしいなら精神科へなどと言ってしまう人間には医師免許は関係ありません。人間性の問題。
by test? 2018年11月15日 9:04 AM
test?様、コメント公開、いまごろになって申し訳ありません。
by lily 2020年6月27日 11:21 AM
「test?」さん、コメントありがとうございます。
前回「test?」さんのコメントを表示しなかったのは、「test?」さんが前回コメントをくださった時入力してくださったメルアドが、失礼ながらあまりにも「変」だったから不審に思ってのことです。
今回、コメントを再度いただくにあたり、繰り返しこちらに来て参考にしてくださっている方かもしれないと思い、過去の記事に同一の方と思われる「test」さんからのいただいたコメントをコピペでそっくり表示させていただきました。ネームに「?」がついているかいないかの違いだけなので。
今回のコメントについても、「test?」さんは、当事者ではないな?と感じました。あくまで当事者を外側から見ている感じが強くするので、と。いただいたコメントと、それへのお返事についてはまた・・・。
いずれにせよ、当事者以外の人にも、脳脊髄液減少症の当事者の声を届けたいし、ご理解いただきたいと思っているので、当事者でない方が、こんなニッチなサイトにたびたび来ていただき、ご意見をいただくことは貴重です。
まじめに、脳脊髄液減少症を知ろう、当事者から学ぼうとしてくださっている方が前提ですが・・・・。
test?さんのご意見「最低限MRI検査である程度(脳脊髄液減少症)かどうかわかる。」「整形外科での治療に意味がある」というご意見については、私自身は「そうとは思えない」と感じています。なぜそう思うかは、気が向いたら、またお返事します。
by lily 2018年11月16日 10:06 AM