リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

ギフト・神様からの贈りもの

time 2016/06/13

ギフト・神様からの贈りもの

先日、NHKで、

指がジストニアになり、思うように動かなくなった7本指のピアニスト
の方のお話しをテレビで見ました。

それが、本日午後1時05分から再放送されます。

ブレイクスルー 僕だけの音を奏でるピアニスト

その方が、 自分の指のジストニアの障害について、

「これはギフトです。神様からの贈り物」と言っていたのを聞いて、

私は、自分の脳脊髄液減少症を、

「ギフト」とか「神様からの贈り物」だなんて
そんな風には思えないなぁと思いました。

そう思えるか思えないかの差はなんなのか?と考えたとき、

その人が15歳からのピアノを始めるという、あまりにも遅すぎるピアノとの出会いに
コンプレックスを感じて、そのコンプレックスを吹き飛ばすべく、
一生懸命ピアノを練習して練習して、努力して努力して、

その結果、ジストニアになったという経緯と、

突然、交通事故で、他者の不注意によって、
いきなり脳脊髄液減少症にさせられ、

十分な補償も受けられず、症状を誰にも理解されず、

生き延びてきた私との 違いだと気づきました。

 

がんサバイバーの方と、

脳脊髄液減少症サバイバーの自分との違いについてもそうですが、

 

病や障害を負ったとき、

それが、他者のかかわりなしに自分の体から自然に発生したものなのか?

あるいは、自分がしたいと思い、好きなことをしていて起こった事故でのことなのか?

それとも、自分の全く意図しないところで、
他者によっていきなり引き起こされた事故などで、

結果的に背負わされた障害や後遺症なのか?によって、

自分の障害や後遺症などに対する思いは

違ってくると思うのです。

 

高次脳機能障害を負った人の話題を耳にしたときにも、

同じことを感じました。

 

高次脳機能障害を負った人でも、

自分が好きなことをやっていて、
他者がかかわりなく、自分で転倒し、自分で事故を起こして高次脳機能障害を負った人と、
自分には意図しないときと所で、

他者の不注意によって、事故にあい、いきなり高次脳機能障害を負わされた人とでは、

障害や後遺症に対する思いはあまりにも違うのではないか?と

思いました。

 

他者がかかわらず、自らの体に自然発生的に起こった病や障害や後遺症と、

他者がかかわって起こった結果的に起こった病や、障害や後遺症には、

大きな差があります。

 

「これはギフトです。神様からの贈り物」だと思えるのは、

前者の「他者がかかわらない発症の人」が

ほとんどかもしれません。

 

けれど、

後者の「他者によって与えられた障害や後遺症」であっても、

その理不尽さに耐え、生き続けるためには、

人の脳は、無意識に、心理学的に「合理化」という手法を用いて、

「これは自分が、人として成長するための、

神様が与えてくれたプレゼントだ。自分は、こうなったから、この人に出会えたし、こうなったから、

こんなことが感じられるようになったし、相手の気持ちがわかるようになった。」

などと、

自分を納得させるような考えかたを持つようにもなることがあります。

私もそうでした。

そうでも思わなければ、自分の人生を受け入れられないし、

あまりの不条理さと理不尽さとつらさに、生き続けることなどできなかったと

思います。

 

そんないろいろなことを考えながら、番組を見ていて、

その方が、弾くピアノの音を聞いているうちに、

自然に涙があふれてきました。

 

その涙がなんなのか?

自分でもわからずとまどいました。

 

演奏のすばらしさに感動する涙でも、

同情の涙でもない。

 

絶望や困難を乗り越えてきた人だけが与えられる、

その人の存在自体から発せられる、希望や勇気が

不自由な指で一生懸命奏でられるピアノの音を通じて、
私の体に伝わってくるような感じがしました。

身震いするような感動に似た感じや、
「今までつらさに耐えて、死なないで生きぬいてきてよかった。」と思えるような
そんな自己肯定感がわいてくるような感じがしたのです。

そのピアノの音を聞いていると、
体の中から沸き起こってくるような、
そんな感じがして、涙が流れてきたのです。

障害が他者から与えられたものではなく、
自分の体から自然に発せられたものであっても、
障害や困難を自ら道を切り開いて、
苦労して苦労して乗り越えて生きてきた人の姿と考え方、

そして奏でる音は、

それだけで、何にもまして、
私に、生きる力を与えてくれる、と 感じました。

今日も、再放送で、また、
あの
7本指のピアニスト
から発せられるピアノの音を聞きながら、
これからも今までの理不尽さに耐えて、

人生を全うするためのエネルギーを
充電したいと思っています。

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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