2020/07/04
先週土曜日、NHKで再放送された、
“洞窟おじさん”を見ました。
親の虐待に耐えかねて、13歳で家を出て、洞窟で一人で生活し、
平成15年(つい最近!)に発見されるまで、
43年間も生き抜いた、男性の実話に基づいたドラマです。
平成15年にBSで放送されたもののようです。
先週2月11日に、第1回と第2回が再放送され、
今週、2月19日の土曜日に、第3回と第4回が放送されます。
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洞窟おじさんはすごいサバイバー
洞窟おじさんは、まさにサバイバーの鏡です。
その強靭な生命力と、知恵と勇気には脱帽です。
脳脊髄液減少症を医師に見逃され続けても、生き抜いた私のサバイバー力では、
洞窟おじさんの足元にも及びません。
13歳の少年が、親の虐待から逃れるべく、家を出て、洞窟で寝起きし、ヘビなどをとって食べ、
罠を作って、命がけでイノシシを狩り、
火を起こし、そのイノシシの皮で衣類を作り、
後を追ってついてきた愛犬とともにしばらく生きるも、
愛犬にも先立たれてしまう。
それでも悲しみに耐え、たくましく生きていく。
実在した人がモデルになっているからこその、お話しならではで、
そこから生きる力をもらえます。
たった一人で生き、成長し、時には人に助けられ、時には人に騙されても、絶望もせず、
生き抜いたその人生は、感嘆に価するものだと感じました。
たったひとりで、体調を崩したこともあったろうに、そんな時、どうしたんだろうか?
お腹を壊した時もあったろう?
風邪を引いた時だってあるだろう。
冬は暖房もなく、布団もない洞窟で、寒かったろうに、どうして過ごしていたんだろうか?
山菜などの食料がない冬は、狩りができなければ、ひもじい日もあっただろうに・・・。
南国での洞窟暮らしではなく、北関東での洞窟での一人暮らしらしいから、
どうやってたった一人で生き延びてきたのか?
いろいろと思いが浮かびます。
「洞窟おじさん」から生き延びるすべを学ぶ
脳脊髄液減少症で、
自分は「不幸だ。」「悲惨だ。」「死んでしまいたいぐらいつらい」「もうだめだ。」
「つらい現実から逃げたい。」「どうせ自分なんて、もう未来がない。」などと
思いがちな人は、ぜひこの
“洞窟おじさん”を見て考えていただきたいと思いました。
そして、どうか、「自分の中に眠る本能的な生き延びる力」の存在を、
信じてほしいと思いました。
人は、どんな過酷な環境に置かれても、
自分を救う力と知恵を生まれつき持ち合わせていて、
その能力を存分に発揮できれば、自分を救えるし、生き残れるんだ、と信じられるドラマ内容です。
人にいじめられ、冷たくされ、人に騙され、裏切られて、人に傷つけられても、
また別の人にやさしくされ、助けられ、導かれ、支えられ、生きていける、ということを、
「洞窟おじさん」の人生から、学ばされるような思いです。
自分で自分を生かし続ける
自分で自分を見捨てさえしなければ、
どんな理不尽な人生も、
孤独も、大切な存在との別れも、悲しみも、
精神的なつらさも、
肉体的なつらさも、
乗り越えていけるんだと
思えます。
親のひどい虐待から逃れて、13歳で洞窟で暮らすことを考えれば、
または、
「脳脊髄液減少症」の病名がない時代を、治療もされず、怠け者扱いされて生きることや
治療を自費でやってこざるを得なかった私のような患者を考えれば、
「脳脊髄液減少症」という病態が認められつつあり、「脳脊髄液漏出症」の治療法である
「ブラッドパッチ治療」が健康保険適用に昨年からなった現在では、
生き残ること、回復することは、さほど難しいことではないはずです。
自分にはサバイバー能力がない、とか、
つらい毎日を生き抜く力が衰えがたちな人には、
「洞窟おじさん」から、
実在の人の経験だからこそ得られる、学びや、勇気や、生きる力を、
たくさん得てほしいと思いました。