リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

ザ・ノンフィクション SP「人殺しの息子と呼ばれて」

time 2017/12/15

ザ・ノンフィクション SP「人殺しの息子と呼ばれて」

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関東ローカル番組「ザ・ノンフィクション」

『ザ・ノンフィクション』とは、毎週日曜・14時~14時55分まで、関東ローカルで放送されている番組です。
私は、毎週真剣に見ているわけではなく、興味を持った内容の時だけ見ています。

でも、日曜の午後14時は他に見る番組もなく、自然に毎週見ている時も多いです。

その中で、最近衝撃の内容で話題になった回がありました。

殺人者を両親に持った青年のお話です。

その2回分の放送のお話が、今夜、(2017年12月15日金曜日)午後9時から、フジテレビ系で、過去に私が記事に書いた、
ザ・ノンフィクションSP 人殺しの息子と呼ばれて」の番組が再編集され、スペシャル番組として放送されるようです。

これは、10月の日曜日に、2週にわたって放送された番組ですが、私は2回とも全部見ました。
しかし関東ローカルだけの放送だったため、他の地方の人たちは、この番組を見られていないはずです。

それが、今夜、やっと見ることができます。
1週間前の、12月8日にすでに放送が決まっていたんですね。気づきませんでした。

ザ・ノンフィクションSP 放送決定には以下のように書いてありました。

2002年に発覚した北九州連続監禁殺人事件の犯人である夫婦の元に生まれ、「人殺しの息子」と呼ばれながら生きてきた息子(24)が、初めてメディアのインタビューを受けたもので、自身の怒りや悲しみ、そして苦悩の日々などを激白しました。
その壮絶な証言の数々に大きな反響が集まり、15日(日)の前編の視聴率は6.3%(ビデオリサーチ調べ・関東地区、以下同)、後編は10.0%でした。
番組放送後に全国の視聴者の方々から「是非全国放送でやってもらいたい」との声が多く寄せられたため、全国ネットで放送することになりました。

2回の放送後、反響が大きかったことはすでに気づいていましたので、「いつか深夜にでも再放送はあるかな?」と思っていましたが、まさか金曜日の9時という時間帯に、再びスペシャル番組として再編集されて2時間近い枠で放送されるなんて、全く想像もしていませんでした。
それだけ反響が大きかったのでしょう。

反響は、取材に応じてくださった青年と、それを放送しようとしてくれたスタッフの思いが、視聴者に伝わった結果だと思います。

しかも、放送される時間帯は、日本テレビでは金曜ロードショーの「スターウォーズ フォースの覚醒(2015年米)」が地上波でノーカット放送される時間と重なっています。

これは、フジテレビ側も、かなり挑戦的というか、視聴率が取れると自信を持ってのことなのか、なにか意気込みを感じます。

私は、「映画」ではなく、ザ・ノンフィクションの方を見ます。
何があったのかその場にいた当事者が、自分が体験したまま感じたままを語る、衝撃の番組内容と、その貴重さを知らない人は、作り話の「映画」の方を選んで見るかもしれません。

脳脊髄液減少症の目には見えないすさまじい症状とそれが周囲に伝わらないむごさや理不尽さその無理解の辛さを嫌というほど経験してから、「作り物の物語」が、あまり好きではなくなりました。
「作り物の物語に、いくら感動的なシーンや、お涙頂戴の部分があっても、感情があまり動かなくなりました。」

アニメはたまに見ますし、映画もドラマもたまに見ますが、やはり私の心を揺さぶるものは、真実の話、ドキュメンタリー話です。

私を支え、私を勇気づけてくれた番組

この「人殺しの息子と呼ばれて」は、私がちょうど、「台風シーズンから体調を崩して、具合の悪さと周囲の無理解で、脳脊髄液減少症の残酷さを改めて感じて、絶望感と苦しさでつらい最中」にいた時に見て、強い衝撃と勇気をもらった番組です。

交通事故の被害者という何の罪のない段階で、こんな目にあうなんて、ひどすぎると感じて落ち込んでいた時に出会った番組で、本当に、自分はまだまあ「甘い」と感じました。

私は、自分も、こんな脳脊髄液減少症という「見えない怪我」を負ってしまい、自分には何も罪はないのに、今もその後遺症に振り回された自分の人生を嘆いたこともありました。

しかし、殺人者の親を持った子は、それ以上に、自分に罪はないのに、過酷な人生を強いられ、それでも、生きぬいていかなければならない人たちもいることをしりました。

その人たちのありのままの告白は、知らない人たちにとって驚きであり、普通の生活を送っている人たちには、信じがたいことばかりです。

でも、真実は当事者しかないはずです。

どんなに「さまざまな事件の背景に詳しい研究者」や「犯罪者の心理に詳しい心理学者の大学教授」や「殺人事件を数多く扱ってきた凄腕の刑事さんたち」であっても、どんなに高い地位や肩書を持つ人たちであって、ひとつひとつの事件の真相は知らないし、過去の事例や研究結果やデータにのっとった想像の範囲でしか語れないと思うのです。

真実を知るのは、「当事者」だけだし、その時の気持ちはその後の思いは「当事者」しか語れないと思うのです。

生きるのもつらい中、理不尽な社会と、自分の運命を受け入れがたい心理状態の中で、「自分に起こったことを」相手に信じてもらおうが、信じてもらえなからろうが、受け入れられようが、受け入れられまいが、発信していくことは、とても勇気とエネルギーがいることだと感じます。

私も苦しみの程度は違っても、「いち当事者」が「社会に自分の経験したことや、その時の思いを発信していくこと」に対して、同じ大変さを感じているからです。

彼が、過酷な人生の中でも、力強く生き抜き、さらに、テレビカメラの前で、自分の体験や思いを語ったことは、黙って居続ける人より、はるかにすばらしいし、多くの人たちの考えるきっかけを与えると思います。

少なくとも、私は彼から生きる勇気をもらいました。

今、つらくてつらくて、死にたいと思う人たちは、自分には何も罪がないのに、誰でも親は選べないのに、殺人者を両親に持ち、それでも生き抜いてきた彼の言葉に、耳を傾けてほしいと思います。

今年は、「沈黙を破った人」たちが多くいた気がします。

アメリカのタイム誌は「ことしの人に、沈黙を破った人たち(サイレントブレーカーズ)を選んだそうです。

日本にもいる「沈黙を破った人たち」

勇気がないと、沈黙は破れないものです。
沈黙を破ると、自分がさらに生きにくくなる危険もあるからです。

「人殺しの息子と呼ばれて」の彼も、間違いないく「’silence breakers’(沈黙を破った人)」でしょう。

医療のことで、弱者の患者が体験や思いを語ることも勇気がいることです。

テレビの医療番組はいろいろ見ていますが、どうしても「医師寄り、医師賛美」だといつも感じます。

私は、高齢になって「死ぬ前に」と戦争の真実を語ってから亡くなった人も「沈黙を破った人たち」だと感じています。
若い人たちが知らないこと、歴史に埋もれて、都合の悪いことは消し去られ忘れさられようとしていること、水俣病や、ハンセン病や、〇〇〇素ミルク事件とか、さまざまな当事者の実態を自分の言葉で語った人も同じく、沈黙を破った人たちだと思っています。

中には自分の言葉や文字で伝える手段さえ、奪われた人たちもいるはずで、伝えられる人が、伝えられない人の分まで伝えようするのは、大変だけど意味のあることだと思っています。

何も知らない私たちは、「沈黙を破って語ってくれた人」たちから真実を知り、そこから学び、今後に生かせるのだと思います。

私も、「脳脊髄液減少症が私に何をしたか、周囲の無理解が何をしたか、同時を生き抜いたサバイバーとして語らなければならないと思っています。それを教訓に若い医師や医療従事者が何かを学び取ってくれ、同じ思いを患者にさせないでくれたらと思うからです。

私の苦しみは、殺人者を両親に持った彼とはくらべものにならないほどちっぽけな苦しみかもしれませんが、当事者しか伝えられないことがたくさんあります。

彼も、告白することが、逆に自分を傷つけ貶める人たちを増えさせ、生きにくさを増してしまうリスクも感じ、恐れや迷いもあったと思います。

そんな中、ありのままを語ってくれたことで、事件を外側からでなく、内側から見た思いで、報道だけでは何もわからなかったことが、何も知らない人たちに、当事者の言葉だからだから伝わったものもあると思うのです。

だから彼のように、私もありのままに、
「自身の怒りや悲しみ、そして苦悩の日々」などを激白し続け、私なりには「壮絶」だと感じたことを「脳脊髄液減少症のことを何もわかっていない人たち」に伝えていきたいと思っています。
彼から勇気をもらいました。
ありがとう。

私の過去の関連記事:
ザ・ノンフィクション“人殺しの息子と呼ばれて”

ETV特集「告白~満蒙開拓団の女たち~」を見て

関連ニュース:
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アメリカ・タイム誌の記事

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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