2020/07/04
先日2月22日に放送されたNHKの「ためしてガッテン」の内容が、
非難を浴び、番組ホームページで謝罪したそうです。
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睡眠薬嫌いの私が感じた番組の違和感
私も、「血糖値のコントロールのために、睡眠薬を勧めるような内容」が
気になりました。
たしかに、番組に対して、
「睡眠薬の副作用を軽視している。」「睡眠薬の不適切な使用を助長しかねない。」という
批判が来たのは理解できます。
私は脳脊髄液減少症とわかる前は、医師の勧めるまま、処方するままに、睡眠薬もためしましたが、
脳脊髄液減少症とわかってからは、さまざまなタイプの睡眠障害に苦しみながらも、
睡眠薬は使わず、食事やサプリや生活習慣などで、なんとか対処してきましたから、
睡眠薬は頼らないに越したことはない、という考えです。
先日、ここのトップページにも、睡眠薬に頼らない私の睡眠の工夫について、記事をUPしました。
脳脊髄液減少症、あるいは他の疾患で
睡眠障害に苦しんでいる人の参考になればと思います。
番組の中で「一理ある」と感じた点
番組を見ていて、一理あると感じた点は、
やはり、規則正しく適度な時間の睡眠は、どんな疾病の回復には大切だということです。
しかし、番組が勧めるような、8時間半もの睡眠時間を得るのは、
入院している患者なら、9時に消灯とともに9時半ごろから眠り、翌朝6時ごろまで眠れれば、確保できますが、
そうでない自宅にいる脳脊髄液減少症患者には、8時間半の睡眠時間の確保は難しいと感じました。
起きていられないほどの、寝ていても、体の置きどころがないほどの苦しみの、重篤な症状があっても、地元では見捨てられ、入院も一切させてもらえなかった時代を生き抜いた脳脊髄液減少症患者の私としてみれば、
自宅療養では、入院患者同様の睡眠時間を確保することは非常に困難です。
自宅では家事をせざるをえず、遅く帰ってくる家族の食事の世話や後片付けをすれば、9時になど床につけるはずもなく、寝るのは11時、時には12時になるときもあり、翌日は6時~6時半に起きなきゃならない日もあり、とても8時間半の睡眠時間を毎日確保することは、困難だからです。
そういう患者の過酷な環境が、脳脊髄液減少症の回復を遅らせるとも感じてきました。
地元では、脳脊髄液減少症患者の支援のために動く医師も、入院での対応可能な多くの診療科の医師が連携した総合病院もなく、日ごろのこまごまとした症状の相談や、悪化時の対応に応じてくれる医師もいませんでした。
もし、脳脊髄液減少症の検査や診断や治療を、遠くの他県の病院で受けてきた患者であっても、それ以後は
地元で丁寧に療養まで面倒をみるよ、という体制の病院と医師があって、
規則正しい生活と食事と、充分な睡眠時間を確保して、1週間でも、2週間でも、治療後の患者を休ませてくれたり、療養させてくれれば、ブラッドパッチ治療後の回復率はさらに上がるはずだと私は思うのです。
脳脊髄液減少症の回復こそ、睡眠が大事なのですが、
脳脊髄液減少症によって、睡眠障害や、ホルモン障害、痛みやしびれや、脱水や、数々の症状で、深く眠ろうにも眠れなくなるので、なかなか症状が回復しない、あるいは、いつまでたっても治らない、と悪循環にはまってしまうような気がしています。
その悪循環を絶つのが大変なのは、私自身も経験してきました。
より質のいい、深い睡眠が脳にいいこと、脳脊髄液減少症の症状を回復させることも体験してきました。
ですから、「ためしてガッテン」も、
「脳波のデルタ波が出るほどの深い睡眠は、ホルモンのバランスを整える。」ぐらいにまとめておけばよかったのでしょうが、
「血糖値のコントロールに睡眠薬が効く」と誤解されかねない内容になってしまい、
睡眠障害がない人であっても、血糖値のコントロールのために、睡眠薬を勧めるような内容になってしまって、
非難を受けたのだと思います。
“深い睡眠”と“疾病の回復”の関係性
あくまで、脳脊髄液減少症の私の個人の例ですが、
連続した睡眠時間、規則正しい睡眠リズム、
浅い眠りの改善、があったとき、脳脊髄液減少症の症状が改善したのは体験しています。
より質のいい深いい睡眠をとると、ホルモンの状態が回復するのか、自律神経が整うのか、その両方によって、水分の摂取と吸収と排出のバランスが整うのか、なぜ、睡眠がいいと症状が回復するのかは、私にはわかりません。
しかし、今後、脳脊髄液減少症のより高い治癒率を目指すためには、
治療だけでなく、治療後のある程度の医療管理下での、しっかりとした支援は必要だと思います。
その一つに、質のいい睡眠とその時間のしっかりとした確保があると私は考えています。
どの患者も、どんな病気でも、睡眠リズムを整え、充分な睡眠時間を確保することは、重要なことです。
だからこそ、入院生活では、9時消灯なのだと思います。
しかし、それを病院以外で、自宅でできるかというと難しいのです。
親に保護された子供ならともかく、子供を持った親世代、親を介護する世代、働き盛りの世代の脳脊髄液減少症患者は、
見た目が元気そうなだけに、自宅に戻れば、何かと周囲にやらされ、動かざるを得ず、睡眠時間の確保もままならないことが多いと思います。
大人患者で自宅に帰れば子供や家族の世話や、職場復帰での仕事をしながらの療養生活をしなければならないとしたら、
自宅で8時間半の睡眠時間を確保することは非常に難しいのです。
せめて脳脊髄液減少症の腰椎穿刺を伴う検査や治療後の2週間ぐらいは、
夜の睡眠リズムと睡眠時間は、医療施設での支援の元、きちんと確保させてもらいたいものです。