2020/07/04
NHK チョイス 病気になった時 「疲労」を見た続きです。
番組の最後の方で、治療しても回復が難しい病気として、慢性疲労症候群について取り上げられていました。
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慢性疲労症候群とは
出演されていた先生のお話しによると、慢性疲労とは疲れが続いていることの総称。それに対して慢性疲労症候群とは「激しい疲労のために、日常生活、社会生活が明らかに障害をかかえていて、それが半年以上続いている状況。慢性疲労と慢性疲労症候群とは全く違うもの」と説明されていました。
それをいうなら、私の激しい疲労感は、着替えすらままならない、歯磨きすら疲れてできない。入浴も疲れてできないほどで、日常生活、社会生活が明らかに障害を抱えていて、それが半年以上何年も続いていた状況でしたから、慢性疲労症候群と言ってもいいと思いました。
しかし、私の場合は、脳脊髄液減少症の治療で回復しました。
この事実は、慢性疲労症候群とされてしまう人の中に、実は脳脊髄液減少症が原因での激しい疲労感の人がいる可能性を示唆していると思います。
さらに、番組で挙げられた慢性疲労症候群の症状には、私の症状が驚くほど一致していました。
慢性疲労症候群の主な症状
・激しい疲労感
・微熱
・頭痛
・のどの痛み
・関節痛
・筋肉痛
・脱力
・筋力低下
・思考 集中力の低下
・睡眠障害
・首のリンパ節の腫れ
が挙げられていましたが、私自身の自覚症状では、「首のリンパ節の腫れ」以外、すべて脳脊髄液減少症で経験した症状です。
これはつまり、慢性疲労症候群と呼ばれている病態と、脳脊髄液減少症は、症状がかなり同じであり、治療しても回復が難しいとされている「慢性疲労症候群」の患者の中に、実は原因が脳脊髄液減少症であり、脳脊髄液減少症の治療で、症状の回復が可能な患者が潜んでいる可能性を示唆するものだと思いました。
日本にいる慢性疲労症候群患者の推計と潜在脳脊髄液減少症
番組によると、厚生労働省の慢性疲労症候群の研究班が、日本で疫学調査をしてみたところ、慢性疲労症候群の患者は24万人~36万人いると推計されているとのことでした。
しかし、厚生労働省の研究班と言えども、以前ホームページで拝見したところ、研究班同士が連携しているわけではないように思え、たとえば、似た症状の、脳脊髄液減少症の研究班の情報と、慢性疲労症候群の研究班の情報など、横の連携での研究はあるのか?と疑問に感じました。
もし、研究班ごとの縦割りだけの組織であれば、似た疾患や病態を別の視点で研究している他の研究班の情報など知ることもなく、情報交換もなく、気づくべきことにも気づけない危険も私はかねてから感じています。
厚生労働省にはさまざまな研究班があるようですが、私は素人考えですが、認知症の研究班も慢性疲労症候群の研究班も、脳脊髄液減少症の研究班も、脳にかかわる研究班は連携しながら研究を進めるべきで、その方がさまざまな視点からの情報が集まり、それぞれの研究にも大きな進歩があると考えています。
しかし、そう一国民が思うほど、研究班とは簡単なものではないのでしょう。
それぞれが競い合って、成果を出すのが研究班なのかもしれませんし、横の連携などもってのほかなのかもしれません。
その年度で成果を出せなければ、次年度の予算も下りないのかもしれませんし、皆さん、自分たちだけの成果を出すことで必死なのかもしれません。
いろいろ想像してみますが、えらい人たちのやることは、一患者の私にはわかりません。
しかし、患者、当事者として、自分の体で知ってしまった事実がある以上、疑問は疑問として、感じてしまいます。
厚生労働省の慢性疲労症候群の研究班の推計である、国内に24~36万人いると推測されているその人たちの中に、必ず、脳脊髄液減少症の見逃し患者がいると、私は確信しています。
筋痛性脳脊髄炎 慢性疲労症候群
慢性疲労症候群の患者団体が、「慢性疲労症候群」という呼び名だと、誤解を受けやすいので、
「呼び名を筋痛性脳脊髄炎と変えてほしい!」と訴えて、それをマスコミが一時期よく取り上げていました。
その「筋痛性脳脊髄炎」という病名が、今回も取り上げられました。
どうやら、この「筋痛性脳脊髄炎」という呼び方は、外国で始まったようです。
疲労研究の倉恒先生のお話しによると、「筋痛性脳脊髄炎」の患者さんは、筋肉の痛みを訴えていたので「筋痛性」、そして、たぶん、「脳脊髄系に問題があるんだろう」と、お医者さんが考えて「筋痛性脳脊髄炎」と病名をつけたそうです。しかし、その「筋痛性脳脊髄炎」の患者さんをアメリカがすでに発表していた、「慢性疲労症候群」という診断基準にあてはめてみると、非常に多くの患者さんがこの基準を満たしていた、とのことでした。
脳脊髄液減少症について詳しい医師は世界にはまだ少ない
ここまで聞いて、私はため息がでました。
しかし、そのことを含む、脳脊髄液減少症の症状について、何も知らない、想像もしない医師たちが、世界中にいるのを感じたからです。
今も原因がわからず、症状に苦しんでいる世界中の潜在脳脊髄液減少症患者さんたちの存在を想像して、ぞっとしました。
脳脊髄液減少症については、脳脊髄液減少症先進国の日本でさえ、医師にも情報がいきわたっていないのに、
ましてや、世界中の医師にはその症状や特徴すらまだまだ理解していないと思われたからです。
脳脊髄液減少症は全身のありとあらゆるところに痛みが出ますし、激しい疲労感もでます。
慢性疲労症候群の診断基準が最初にできたころ、アメリカの医師たちが当時診ていた原因不明で治療法もないとされていた「慢性疲労症候群」の患者は、もしかしたら、その何十年後かのちに「脳脊髄液減少症」と言われはじめて治療で回復可能な患者だったのかもしれませんから・・・。
そのことに、日本の疲労研究の専門家たちは、せめて気づいてほしいと見ていて思いました。
私は、個人的には、筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群の「合併症」として、脳脊髄液減少症が存在するというよりも、本当は脳脊髄液減少症で回復可能であるのに、慢性疲労症候群と「誤診」されてしまいかねない脳脊髄液減少症がそれらの人たちの中に、潜んでいるのではないか?と思っています。
もし、筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群の「合併症」として脳脊髄液減少症が存在するのなら、その反対の脳脊髄液減少症の合併症としての、「筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群」があるはずで、もし、同じ症状の同じ患者が、先に、どの医師を受診したかによって病名が決まってしまい、先に、「筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群」を提唱する医師によってそう診断されたのか、「脳脊髄液減少症」を提唱する医師によってそう診断されたのかによって、「病名+合併症としての病名」が決まってしまうのも、なんだか腑に落ちない気がします。
両者が全く別の疾患なら、その見分け方の基準を早く医学界でまとめていただき、混乱のないようにしていただきたいと思います。
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