リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

脳脊髄液減少症患者への誤解

time 2016/02/16

脳脊髄液減少症患者への誤解

先週の「ザ!世界仰天ニュース」の
27年間続いた片頭痛の原因が、
心臓の卵円孔の穴で、その穴を閉じたら、片頭痛も治ったという女性の番組を見た感想の続きです。

その番組の中で、
その女性の就職したころまでのエピソードについての感想は、
前回までに書いてきましたが、今日はその続きです。

前回までの内容は、「頭が痛くなる日が予想できるようになって、
その日は、猛暑の日、雨の日、生理前だった。」という内容でした。

そこまでも、すでに脳脊髄液減少症の私と特徴が似ていることは、
前回も書きましたが、
その先の続きのエピソードも、とても似ているのです。
特に
症状のために、仕事がはかどらなくなったり、つきあいが悪くなったり、
表情がしかめっ面だったりするのに、
それが周囲に誤解されていくエピソードが

脳脊髄液減少症の私にそっくりだったので、紹介します。

その続きの再現ドラマの番組内容を要約すると、
「①頭が痛くなる日は仕事に集中できず、つきあいも悪くなった。
同僚にお昼の外食を誘われても、断りやすいよう、お昼はあらかじめ買っておいた。

②痛みをこらえた表情が、怒っている、いつも不機嫌、と誤解された。

③頭痛のせいで仕事がはかどらず落ち込む。

④なんども薬をためそうと思ったが、本に薬物乱用頭痛を起こすこともあると書いてあったから
使わずに耐えた。

⑤やがて仕事上で周りに気を使わせ、迷惑をかけることが多くなった。

⑥頭痛のせいだと言ったところで、「それぐらいで」「何を甘えているんだ。」と言われることを恐れて、
誰にも相談できなかった。」というものでした。

この方は、心臓の卵円孔が出生後うまく閉じなかったために、頭痛が起こっていたとされる。
心臓の穴を閉じてすぐ、頭痛が消えたというから、確かにそうだったのだろうと思います。

しかし、エピソードは
脳脊髄液減少症の私とかなり似ているのです。

頭痛を「症状」と置き換えて私にあてはめてみると、

私も、長く症状が続いていると、
症状が悪化する日の特徴に気づきはじめ、私も予想できるようになりました。

それは、生理の前、
天候との関係には当時、あまり気づけなかったが、曇りの日は頭がどんより重く気分も沈んで気力がわかなかったのを
覚えています。

番組で、
心臓の穴が原因だということが見逃されて頭痛に耐えていた女性のエピソードと比べて
脳脊髄液減少症が見逃されていた時期の私の場合を書いてみると、

①症状がひどい日は仕事や日常生活が困難になり、ましてや人とのつきあいなどできなくなった。
 体調はその日のその時間になってみないとわからないため、予測がつかず、人との約束などできなくなった。

体調が悪いと動くのがしんどく外出もつらいため、誘いをあらかじめ断ることが多くなり、
結果的に人との付き合いが悪いと思われ、友人たちから次第に誘われなくなった。

②症状に耐えて、耐えて生活しているためと、今思えば、脳脊髄液減少症で顔の筋肉が動きにくく、無表情のようになっていて、笑顔がないため、誤解された。

③症状のせいで、すべてがはかどらず、精神的にもまいって落ちこみ、悪循環に感じた。

④私は医師に相談して症状ごとに薬はいろいろ試したが、いつも原因が他にある気がして、精神や脳に影響するような薬は依存を引き起こすと感じて、薬は極力のまずに、ただただ、こらえることを選んだ。

⑤仕事をしていた時期も、体調悪化でしょっちゅう休んだり、病院にいったりで、職場に迷惑をかけることが多かった。

⑥症状のつらさ苦しさを周囲に説明して理解を求めようとしたが、はっきりとした病名がなかったために、「気のせいだ」「何を大げさに言っているんだ。」と言われるのが嫌で、黙って耐えて、普通に生活しているように見せるので必死だった。

となります。

私の場合は、誰にも相談できなかったわけではなく、周囲の親や医師に、苦しさを何度も、訴え続けてきたのですが、
私の外見と、その言っている症状の苦しさとにギャップがあることで、苦しさの程度を信じてもらえなかった経験が続き、
結果的に、誰にも言わない、相談できない、うっかり本当のことを打ち明けられない雰囲気の中、
一人苦しんでいました。

番組の再現ドラマでは、
「頭痛のせいだと言ったところで、それぐらいで、と言われるにきまってる。何を甘えているんだ、とみんなを不愉快にさせる。こうして彼女は頭痛のことを誰にも相談できなかった。
いままでの経験から結婚した夫にも頭痛のせいだと言えなかった。」としか、表現されていませんでしたが、

彼女が
そう考えるに至るまでに、彼女はいろいろなつらい経験をした結果、そういう選択をしたのだと思います。

おそらく、頭痛のことで、何件も医師をめぐっても治らなかったのではなかったかと思います。

相談しても、原因がわからないことで、医師に不信感を持ったからこそ、薬にも頼らなかったのかもしれませんし。
実際に、付き合いが悪くなったことも、仕事がはかどらないことも、不機嫌な表情も、
すべて頭痛のせいですと言ってみたことが過去にあったけれど、周囲に真剣に受け止めてもらない経験があったからこそ、「本当のことを言っても理解されないなら、黙ってひたすら耐え抜いて普通を装ってすごそう。」という判断になったのだと思います。

脳脊髄液減少症の私は、少なくともそうでしたから。
言っても真剣に取り合ってもらえないし、理解されないし、
解決方法も見つからないなら、言わないで症状をがまんして、普通を装ったほうがまし。

そう思うことも、原因不明で改善方法も見つからない症状を抱えて生き抜く戦略だったように思います。

何も、最初から、誰にも相談しないなんてことは、
ありえないことですから。

自分が苦しいのを、なんとか解決しようと、行動するのが、
普通だと思いますから。

この番組を見て、
過去には誰かに相談したんだけれども、ダメだった過去の経験が、
彼女をひたすら耐えさせ、本当のことを周囲に伝えて理解を求める行動をやめさせたのだと
私は感じました。

たとえ、もっと早く、彼女が誰かに相談していたら、

彼女を長い間苦しませてきた、だるさや、つかれやすさや、
片頭痛の原因、正体が、

心臓の卵円孔という穴にあった、などということが、
わかったでしょうか?

誰にでも起こりうる、身近な症状である、
だるさ、つかれやすさ、片頭痛から、

心臓の卵円孔の穴が原因だということに、気づいて、さらに専門医を紹介してくれるような医師に、

出会える確率はどれくらいなのでしょうか?

その確率は、あまり高くない気が
私はします。

彼女が悪化して、脳梗塞を起こして、はじめて、
脳梗塞を引き起こす心臓の穴という発想を持った医師に出会えたのかもしれないと思うと、

なんとかもっと早く、こうしたありふれた症状の影に隠れた原因に
早期に気づくための医師が増えてほしいと思います。

実際、脳脊髄液減少症の私は、
似たような、だるさ、頭痛などの、
誰にも起こりうるような身近な症状からでは、ひとりの医師にも、
脳脊髄液減少症の存在には気づいてもらえませんでした。

自分で気づきました。

当時、
すでに、一部の医師たちから脳脊髄液減少症の存在が叫ばれて、
数年たっていたにもかかわらず、

私を苦しめている症状に潜む、脳脊髄液減少症のその可能性を、
私に教えてくれる医師は、
ひとりもいませんでした。

今回の番組の再現ドラマのモデルとなって、
取材に応じてくださった27年間片頭痛に苦しんだ女性も、

脳脊髄液減少症を見逃され続けた私も、

原因があるのに、その原因が見逃され治療もされないで放置されると、

症状に加えて、
「周囲に理解されない、
言っても、真剣にとりあってもらえない。
つきあいが悪い、いつも不機嫌だと誤解される。」
という、

心の苦しみまで加わるのです。

それは、患者にとって、あまりにもつらいことです。

だから、
多くの人たちに、
こういう原因で、こういう症状が出て、
こういう風に誤解されるんだよ、ということは、

経験した本人たちが、
どんどん発信していかないと、

いつまでたっても、気づけないで、
また同じことを繰り返してしまう
人たちを出してしまうと思うのです。

同じ過ちは
繰り返してはならず、

先人たちから、学んで、

早期発見、早期治療に至る、
道しるべを早く作らねばならないと思います。

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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