2020/07/04

6月3日(金)の白熱ライブ・ビビットの
「6月の花嫁」というより、
「脳脊髄液減少症の花嫁」の中で、
先日も記事に何度も書いたように
「重い病」「重い病」の連呼には、同じ脳脊髄液減少症の私はまいりました。
次に問題だと感じた言葉は、
「一生つきあわなければならない病」という言葉でした。
当事者の私は、
脳脊髄液減少症を専門に診てくれる医師もひとりもいない土地で、
完治を目指して
日々情報を集め、一生懸命、日々セルフメディケーションに励み、
日常生活で自分にできることは、
つらくてもなるべく人に頼らずやり続けることこそが、
何よりのリハビリになると、頑張っているのに、
そのナレーションの言葉は酷でしょ!という感じでした。
それでいて、「治療とリハビリで治る。」という、おかしなナレーション。
脳脊髄液減少症について、伝えるつもりで作ってくださったのに、
患者の私から見たら、
にわか知識の番組制作スタッフが、作った罪作りな番組内容に仕上がってしまったことが、
残念でした。
見ている患者たちは、
あの「一生つきあわなければならない病」の言葉に、
どんなに希望を失ったことでしょう。
実は、この言葉を、
私は同級生に、直接言われたことがあります。
ひさしぶりにあった会食の場で、
こうして会食に出かけてこれるまで、回復したことを、「脳脊髄液減少症」という言葉とともに、
話したのですが、
その女性は、脳脊髄液減少症の知識もろくにないでしょうに、
わかったような顔をして、
唐突に私に、
「ああ、一生つきあわなければならない病なのね。」と唐突に言ったのです。
その言葉を聞いたとき、
私はとても不愉快な気持ちになりました。
それは、
「あなたは一生その苦しみが続き、その苦しみとともにこれからも生きなきゃならないのよ!」と
いう言葉を投げつけられたかのように感じたからです。
脳脊髄液減少症について、何も知識がない人たちには、
脳脊髄液減少症の病名もない時代を生き抜き、やがて自力で治療にたどりつき、
苦しみながらさらに生き抜いて、
現在まで回復してきた人間の思いや、
患者の今後の希望など、
想像する力もないのでしょう。
幸せな健康な人生順調に生きてきた人が、思わず悪気なく出てしまった言葉だとは思うのですが、
とても、
いやな気分になりました。
ですから、こんな私の実体験からも、
番組で使うべき言葉ではなかったと思っています。
早期発見早期治療で完治した人もいるというのに、
闘病中の患者の生きる希望まで奪いかねないような言葉は、
使わないでほしかったです。
見ているのは、一般の主婦層だけでなく、
患者も見ている可能性も想像して番組を作ってほしかったです。
正直、私は心の中では、
「このまま完治できず、一生痛みや動きにくさやしんどさを抱えたまま、終わるのかもしれない。
もしかしたら、また悪化して動けなくなったり、
手が動かずパソコンでこうして患者の厳しい現状を伝えることさえ
できなくなるかもしれない。
年をとって、症状が急激に悪化し、また寝たきり同様になるかもしれない。」とは覚悟しています。
なにしろ、
発症から診断まで、
テレビに出てきた患者さんと同じくらい見逃されてきたのですから。
それでも、
脳脊髄液減少症を経験したこともない何も知らない人から
「一生つきあわなければならない病」なんて言葉は言われたくないのです。
一生つきあわなければならないかもしれない症状を生むのは、
脳脊髄液減少症という病態本体そのものでそうなる、というより、
社会や医師の無知による、
脳脊髄液減少症の長期間の見逃しによる早期発見早期治療がなされないから、という方に、
むしろ原因があるのではないか
と私は思うからです。
そのことに、多くの医師や人々が
そろそろ気づいてほしいです。
つらい症状の中、
取材に応じてくださった方々のお気持ちを、最大限に生かした番組づくりをするには、
番組を見てくれている多くの普通の視聴者の興味と感心と感動と涙を誘うことも、
製作者側には視聴率的には大切な目的かもしれませんが、
はじめて脳脊髄液減少症の情報に触れる人に対して、一番大切な情報、
つまり、
「脳脊髄液減少症は、決して難病ではなく、決して他人事ではなく、あなたもいつ転倒して発症するかもしれない、身近な疾患なのですよ。」
「あなたの原因不明の症状も、もしかしたら、脳脊髄液減少症かもしれませんよ。」
「早期発見早期治療で完治も可能なものですよ。」という
人々の気づきのメッセージを、
さりげなく仕込むことが重要でした。
そして、
「一生付き合わなければ病」というナレーションは不要でした。
大切な情報が足りず、何も知らない人が見たら誤解を招きかねない言葉が要所にちりばめられている、
さらに、闘病中の患者の生きる気力まで奪われかねない言葉までおまけでついてくる、
そんな印象を感じた番組で、
番組の構成に少し難を感じました。
それでも、
何も取り上げてくださらないメディアに比べれば、
病名だけでも人々に届けられたことはよかったと思います。
お辛い症状の中、お顔を出して、実名を挙げて、
取材を受けてくださった方々には
本当に、心より感謝申し上げます。