リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

白熱ライブ・ビビットが伝えてくれたこと、伝えてくれなかったこと。

time 2016/06/05

白熱ライブ・ビビットが伝えてくれたこと、伝えてくれなかったこと。

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白熱ライブ・ビビット

先日の金曜日 TBS 白熱ライブ・ビビット6月3日の放送の中で
6月の花嫁」のコーナーで
脳脊髄液減少症について取り上げられました。

ストーリーにからめて、
伝えようとしてくださった番組制作側には感謝いたします。

しかし、内容は、
脳脊髄液減少症に関して適切に社会に伝わったかといえば、
私はそうは思えませんでした。
放送の目的が「脳脊髄液減少症を社会に知らしめる。」のとは違う目的ではなく、

二人の愛の物語として作成されていたので、
しかたがないとは思うのですが、

この時期、このタイミングで
脳脊髄液減少症を取り上げるなら、
せっかく取材に応じてくださった方のお気持ちに報いるためにも、

もう少し、
構成や内容を、今社会に伝えるべきものと、そうでもないものとにしっかりわけで、
伝えるべき最低限のものは、さりげなく盛り込んでいただきたかったと、少し残念に感じました。

私が放送を通じて社会に脳脊髄液減少症について伝えてくれたと思うことと、

伝えてもらえなかったと思うことを書いてみます。

 

伝えてくれたと思うこと

・脳脊髄液減少症という病態があって、2000年代になってから
そう診断される患者が出てきたこと。

・脳脊髄液の量がなんらかの理由で減ってしまうために、いろいろな症状がおこり、
日常生活も困難になることがあること。(私もそうでした。)

・髄液漏れという病態の存在と、それが原因で、歩行障害や激しいだるさで歩行も困難になり、杖や車いすが必要になることもあること。(私もそうでした。)

 

・こどものころ症状を自覚して医師を受診しているのに、

見逃され続けてなまけものと誤解されてきた脳脊髄液減少症患者が存在していること。

 

・脳脊髄液減少症で家事や買い物支援や洗髪、通院など、ひとりでは困難になり、介助が必要なことがあること。

それを、家族に支えてもらっている人がいること。(私もそうでした。)

 

・脳脊髄液減少症を専門に診て治療に取り組んでくださっている医師が

数は少ないものの、いること。

・つらい症状があっても、周囲の理解や愛する人の身体的精神的支援で
心穏やかに幸せを感じて、闘病中も生きることができること。

 

伝えてくれなかったと思うこと

・髄液漏れを止めるブラッドパッチ治療があり、今年4月から健康保険適用になったこと。しかし、検査で髄液漏れが確定した人のみ、
健康保険適用になるなど、診断基準が厳しく、多くの患者が漏れ落ちる恐れがあること。

・だれでもいつでもどこでも、すぐ、医師が相談に乗ってくれるわけではないこと。
(・脳脊髄液減少症が2000年代になってから、その存在を提唱する医師が現れても、
日本中のほとんどの医師が、その存在を信じようとせず、
提唱する医師たちを激しく攻撃してきたこと。)

・脳脊髄が漏れて減ってしまう原因について、具体的な実例。
たとえば、交通事故での衝撃や、スノーボードやスキーなどでの転倒や、
ラグビー、サッカー、柔道などでのスポーツ事故などでの人体への衝撃で
髄液が漏れ出すことで起こることが多いこと。

・髄液漏れによって脳脊髄液減少症が起こる場合と、
髄液漏れは確認できないものの、なんらかの理由で、脳脊髄液の生産量と吸収量のバランスが崩れるなどで、
正常な脳脊髄液量を保てないために、結果的に脳脊髄液減少症が起こる場合、
脱水によって、一時的に脳脊髄液の量も減ってしまって起こっている場合などがあり、

ひとくくりに脳脊髄液減少症といっても、人によってさまざまな原因があり、症状があるため、人により治療法対処法が異なる場合があること。

・脳脊髄液減少症は「重い病」ではないこと。特別な人に起こる特別な病ではなく、誰にでも事故で起こりうる身近な疾患であること。人によって、症状に重い軽いがあるだけだということ。たとえ一時的に体調が悪化しても、治療で回復する可能性があること。
(たとえ一時的に歩行障害がひどく、杖や車いすが必要になっても、髄液漏れがある場合、髄液漏れを徹底的に検査で探しだし、髄液漏れを止め、髄液を増やす治療などで、手足の運動機能の回復が可能で、時には、ダンスだって、スポーツだって楽しめるぐらいに回復することがあること。)

・しかし、髄液漏れや症状が再発する可能性もあること。

・こどものころから症状を感じて医師を受診しても見逃され続けていた脳脊髄液減少症患者が大人になって脳脊髄液減少症だと診断されたならば、今も症状を親や医師に訴えても、脳脊髄液減少症を見逃され続けているこどもがいる可能性があること。実際に不登校やうつ病とされて、精神科の薬を処方されていたこどもの中に、脳脊髄液減少症のこどもがいた事実。

・脳脊髄液減少症で、買い物にも行けず、洗髪も困難な時、病名が社会に認められていなかったために、医療的にも福祉的にも狭間に落ち込んでいて、ヘルパー派遣もされず、患者が放置され続けた事実。

・一人暮らしの独身者や頼れる親族もいないシングルマザー、シングルファーザーが脳脊髄液減少症になった場合、診断もつかず、病名もつかず、何が原因での症状かもわからず、苦しみながら、家事や仕事や育児をこなさなければならない人たちがいる事実。

・周囲に理解されず、精神的身体的支援を受けられず、職場や友人たちからも、誤解され続け、
もともとの身体的精神的症状に加え、周囲の友人知人家族の人たちの無理解、社会の無理解、医師の無理解によって
さらに精神的に追い詰められている患者もいる事実。(私がそうでした。)

・周囲から暖かく支えられている人たちばかりではないこと。

・なんとか脳脊髄液減少症に詳しい医師のいる病院に行けても、脳脊髄液減少症と診断されても、一度行けなくなっても、支えてくれる家族がいない場合や、一人暮らしの場合。

・今も脳脊髄液減少症に関する情報を持たず、自分の原因不明の症状が、実は脳脊髄液減少症であっても、それに気づくことができない人たちが大勢社会に潜在していると思われること。

・どんな病気やケガでもそうであるように、脳脊髄液減少症も早期発見早期治療が大切で、症状があって医師を受診しても医師が見逃してしまえば、あとで脳脊髄液減少症の診断がついて治療を受けても、回復に時間と費用が掛かる場合があること。

・脳脊髄液減少症は、診断も治療もましてやリハビリなんて医療施設で、どこでも取り組んでいるわけではないこと。むしろ、取り組んでいる病院や医師が、ごくごく少数で、全国どこでもそれらの恩恵を受けられるわけではないこと。

・脳脊髄液減少症患者は、具合が悪くても、点滴をいつでもどこでも、受けられるわけではないこと。

・脳脊髄液減少症と診断してくれた医師のいる病院が遠い場合、症状悪化時、近くの病院に助けを求めても、医師や病院の門前払いにあうことも過去には少なくなかったこと。それが今もまだ続いている可能性があること。

・脳脊髄液減少症の高次脳機能障害について。今までできたことが困難になったり、感情のコントロールもできなくなり、怒りっぽくキレやすくなったり、性格変化も起こり、周囲からそれを脳脊髄液減少症のせいでそうなっていると理解されず、敬遠され孤立する可能性もあること。(暖かく周囲から支えてもらえる患者ばかりではないこと。)

・脳脊髄液減少症は、診断される前に、病名がつかないために、周囲から誤解されたり、症状により、もとのその人らしさやその人の仕事や生活ができなくなり、それをさらに誤解され、勉学の機会を奪われたり、失業したり、家族にも理解されず見放され、家庭崩壊したり、症状の苦しみとそれが周囲に理解されず、精神的にも追い詰められ、

自殺に至ったりする例もあること。

・これらの脳脊髄液減少症の抱える数々の問題点。

残念に感じたこと

・まだ脳脊髄液減少症の情報を何も持たず、自分の原因不明の症状が脳脊髄液減少症かもしれないと、
その人たちが気づくことができるような仕掛けが、放送内容に何も感じられなかったこと。

・交通事故との因果関係や、脳脊髄液漏出症について、何も説明がないまま、脳脊髄液減少症だけを説明したこと。

・脳脊髄液減少症が、ふつうの病気やケガのように、当たり前にいつでもどこでも誰でも、医師にすぐに診断治療され、リハビリまでされ、
助けてもらえるような印象を社会に与えてしまったこと。

・「重い病気」だけど「治療とリハビリで治る。」というわかりにくい表現で伝えられてしまったこと。
(おそらくなにも知らない人がナレーションの原稿を書いたのでしょう。)

(患者の私が自分の実体験から、同じことを説明するなら、
「重い症状も出るけれど、医師のもとでの検査と治療と自分自身の日々の取り組みで症状は改善する可能性がある。」ということです。

もっと詳しく書けば、
「脳脊髄液減少症で起こっている症状を、原因不明とされて見逃されたり、誤診されて脳脊髄液減少症と気づけないままだと、だんだん重い症状も出てくることもあるけれど、
数少ない医師を探し出し、這ってでもそこへたどりつき、根気強く診断治療に実績のある医師のもとで、根気強く治療と経過観察と、患者自身の日常生活でのセルフメディケーションを続ければ、症状の改善も可能です。」ってことです。

それがいつでもどこでも簡単に医療支援が受けられる社会になれば、脳脊髄液減少症が「重い病」なんて言われ方はしなくなると私は思うのですが・・・。
その当たり前のいつでもどこでもという、医療支援がないのが脳脊髄液減少症の問題なのです。と。)

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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