リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

脳脊髄液減少症は「重い病」なんかではありません!。

time 2016/06/03

脳脊髄液減少症は「重い病」なんかではありません!。

今朝、TBSの白熱ライブ・ビビットで、
脳脊髄液減少症の若い夫婦が取り上げられていました。

6月の花嫁~ふたつの糸の物語~

脳脊髄液減少症について、
図入りでなされ、
多くの主婦たちが見ているであろう朝の番組で、
説明されただけでも、本当にまれなことで、
とてもよかったと思います。

勇気をもって取材に応じて、
脳脊髄液減少症を世に知らしめてくださろうとした患者さんとそのご家族の皆さま方に
心から感謝いたします。

ただ、もう少し、
製作者側が、脳脊髄液減少症の肝心な情報を伝えられなかったか、と
残念に感じる点もいくつかありました。

そこで、私は、今日から何回かに分けて、
テレビ放送を見た感想や、
私自身の考えを書いてみたいと思います。

まず、テーマが「6月の嫁」ということですから
しかたがないのでしょうが、

私にとっては、
脳脊髄液減少症が小道具になった
単なるきれいなラブストーリーにすぎない印象でした。

「民放が好んで作りそうな、
主婦たちが好みそうな感動話に仕上がってしまっていたのが
残念でした。

脳脊髄液減少症に関して、一番社会に知らしめるべき
肝心なことが、
スポンと抜け落ちていたように感じました。

社会への警告的な情報もほとんどなく、

専門医がほとんどいないような現状が続いていることも、

誰にでもありそうな、身近な症状に潜んでいる可能性も、

交通事故や身近な事故で起こる可能性も、

この3月まで治療さえ健康保険がきかず自費だったことも、

ほとんど何も伝えられませんでした。

そんな中、治療に取り組む
山王病院の高橋先生が、
お話しくださったのは、よかったと思いました。

脳脊髄液減少症に対する情報が
ほとんどちまたに流れない中、

せっかく脳脊髄液減少症というキーワードが使われる番組の機会ですから、
番組制作者の方々には、
ただの「感動」を生むラブストーリーだけではなく、

もう少し見ているものに「気づき」を与えるような
突っ込んだ内容にしていただきたかったです。

何年か前、いくつかの民放で脳脊髄液減少症が取り上げられたときも、
似たような車いすの花嫁との結婚話で、
私はがっかりした経験があります。

どうも、民放はこの手の話でしか取り上げてくださらないようです。

脳脊髄液減少症は、高齢者も子供も働き盛りのお父さんにも起こります。

誰にでも起こることだと、わかる放送内容を作ってほしいです。

ただの「感動話」にまとめられていたので、
脳脊髄液減少症について肝心なことが伝わらず、
残念に感じた覚えがあります。

ああ、またかという感じです。

取材に応じてくださった方々には感謝いたしますが、
なんだか、
見終わって
とても複雑な感情がわきました。

私は何年も、医師にも家族にも肉親にも、理解されなかったからかもしれないし、
つい最近も、地域の医師に、脳脊髄液減少症の病名を出したとたん、理解されない態度をとられたからかも
しれません。

本当は
脳脊髄液減少症患者たちの多くが体験した、ひとりひとりの物語は、
こんな美しく暖かく
感動的なお話しばかりではないはずです。

その辺を、きちんとわかった上で放送しないと
見ている私のような脳脊髄液減少症患者の心まで傷つける結果を生みます。

でも、
社会に問題提起することが目的ではないとしたら、
こうしたただの感動話で終わってしまっても、しかたがないのかもしれません。、

ただし、
若い男女の思いやりにあふれた、きれいなラブストーリーを通じてでも、

「脳脊髄液減少症」という病名だけでも放送してくださったことに、
TBSと取材に応じてくださった方がたには感謝いたします。

がんや認知症に対しては、
どんどんいろいろな番組でもとりあげられますが、

こと、脳脊髄液減少症に関しては、ほとんど取り上げられません。

誰にでも今すぐにでも、身にふりかかることだってありうる
身近な疾患(事故後遺症)にもかかわらず、

マスコミがほとんど取り上げないため、
ちまたに情報がほとんどありません。

情報がないってことは、
人々は自分で気づけないことだと思います。

2000年から、今まで16年たっても、
正しい情報が、
なかなか社会に広がってきません。

ほとんどマスコミが取り上げられない中、
今回のような感動のお話ばかりが
マスコミに取り上げられ続けられると、

脳脊髄液減少症の悲惨さや、理不尽さ、問題点などが、
全く社会に伝わらないという危機感をも
私は感じました。

「脳脊髄液減少症という病態を社会に伝え注意喚起しようという目的が趣旨なのではなく、

脳脊髄液減少症という「重い病」を抱えた花嫁を取り上げることで、
見ている視聴者に、人と人のつながりの暖かさを伝え、6月の朝に、
さわやかな感動の涙をそそるための目的で作られた放送内容」なのでしょう。

でも、ちょっと待ってください。

脳脊髄液減少症は「重い病」なんかではないと私は思っています。

今回の放送で、一番の問題点は、
「重い病」を連呼したことだと感じました。

「脳脊髄液減少症=重い病」 なのに、治療やリハビリで治る。という番組での説明は、

見ている人たちを、混乱させると思いました。

実際の患者の私が説明するなら、

脳脊髄液減少症は、早期発見早期治療で完治も可能なケガ後遺症、あるいは脳脊髄液の循環障害だと私は思います。
改善可能だと思います。

問題は、診断治療になかなか至れないために、
早期発見早期治療がかなわず、慢性化してしまい治りにくくなることだと
私は感じています。

どんな病やケガでも、
症状があるのに、医師が原因を正しく特定できず、
何年も診断も治療もされずに放置されれば、治りにくくなったり、悪化しても当然です。

子供のころから脳脊髄液減少症の症状があった人を
私も実際に知っていますが、

こどもですから、何が原因で発症したのか、
記憶にないと、
原因不明での発症ということになってしまいます。

子供が症状を訴えても、
検査をしても異常が見いだせず、

医師にも親にも、症状の苦しみを
信じてもらえず、原因不明で片付けられ、
あるいは、心の病でかたづけられているこどもたちが、

現在もいるかもしれないってことに、
多くの大人たちが気づいてほしいです。

その可能性について、
番組のどこかで、ナレーションでも当人でも、
誰かが、
社会に向かって伝えてほしかったし、

早期発見されたら、こんなに長く苦しまなくても
治った可能性についても、
別の方の完治例をあげてでも、
伝えてほしかったです。

長い間、脳脊髄液減少症と診断してもらえないまま、ほったらかされて、
精神科医の薬漬けになっていたり、
カウンセリングに通っていたり、している人もいるはずです。

やっと脳脊髄液減少症に気づいて自ら専門医をたずねて、詳しい検査で脳脊髄液減少症だと診断されて
やっと治療をされても、
なかなか完治が難しくなって、症状がいろいろでて、
一見「重い病」みたいになっていることもあります。

だからといって、
脳脊髄液減少症=重い病 みたいに連呼する番組づくりは
いかがなものかと感じました。

「重い病」のような状態にさせてしまっているのは、
社会の無知であり、
医師の無知が招いたことなのですから・・・。

しかし、これは私の経験ですが、
一見、なかなか治らない状態に陥っても、
自費ですが、新しい治療を試みることで、
回復に向かう可能性だってあるのです。

脳脊髄液減少症は早期発見、早期治療で治る病です。
決して「重い病」なんかではありません。

私のように、長期間見逃された後でも、
根気強く治療を続ければ、
回復可能な病です。

ですから脳脊髄液減少症に対して、
重い病とか、なかなか治らない難病みたいな印象を、
世間に広げないでいただきたいのです。

なかなか治らないのは、主に、
医師が早期に気づけず放置されたからなのですから。

どんな病気だって、ケガだって、
原因をそのままに放置すれば、
症状をこじらせるでしょう。

それと同じだと思います。

「重い病」というその言葉自体が、
視聴者に誤解を与えてしまいかねない、罪作りな内容になっていたと感じました。

とても残念です。

脳脊髄液減少症の文字を出すなら、
せっかくですから、脳脊髄液減少症について一番社会に伝えるべき情報を、
さりげなく、ラブストーリーにからめて、
一般視聴者が自然に情報を受け取れるように工夫して、
この際、しっかり伝えてほしかったです。

どんな症状が出て、どんな風に医師に理解されず、誤診されたり、
「なんともない」と帰されてしまったりするのか?

病名がつかないことで、どんな風にまわりから誤解され、
どんなつらいことが今まであったのか?など、

長く診断がつかないまま病名もなく放置されると、次第にどんな症状がでて、どんな風に周囲から
冷たく扱われ、
どんな家庭的、社会的、経済的問題が起こってくるか?

今まで、自殺した脳脊髄液減少症患者が何人もいた事実。

そこをしっかり伝えなければ、
脳脊髄液減少症というものの抱える全体像は伝わらないはずです。

それをいかにうまく、ラブストーリーにさりげなくもりこむか、
そこが、製作者の皆さまの腕の見せ所だったのに・・・
がっかりしました。

せっかく取材に応じてくださった患者さんから、
今までの誤診の経緯や、理解されなかった時期の苦しみを
もっと聞き出して放送してほしかったです。

一番残念に感じたのは、

まるで、ふつうの病気のように、あたりまえに病院で治療を受けられ、

今までずっと、ふつうに治療に健康保険がきき、
普通にリハビリをうけられ、
家族に支えられるのがあたりまえの、「難病」のように、描かれてしまっていることです。

今回の放送で、
また、脳脊髄液減少症に対して誤解を招くと感じました。

しかし、今までの民放の脳脊髄液減少症の放送は、
みんなこんな風だったので、しかたがないかもしれません。

テレビ製作者側の人間がが脳脊髄液減少症のことや、

今までの脳脊髄液減少症をめぐる理解のない医師の存在や、

医学論争や
裁判のことや、

損害保険会社のひどい仕打ちや、
医学界での論争の出来事の影で、
さらに精神的にも肉体的にも
理不尽に苦しんできた患者の姿を、全くご存じないから、
こうした描き方になるのでしょう。

こうしたことは、いつかNHKが豊富な取材費を使って、ドキュメンタリーでも制作しない限り、
今までの脳脊髄液減少症をめぐる影の部分は
世間にさらされることはないのかもしれません。

脳脊髄液減少症を伝える方々は、
安易に、脳脊髄液減少症を取り上げる前に、

脳脊髄液減少症をめぐる数々の問題を、しっかりと学んでから
番組制作に取り組んでいただきたいし、

いかに視聴者に、
自分にも、自分の子供にも、家族にも無関係ではない情報か?が
わかりやすく理解しやすく伝える努力をして制作してほしいと思いました。

そうでないと、せっかく取材に応じてくださった方々のご厚意を
十分に生かせないと感じました。

今後に期待したいと思います。

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コメント

  • こんにちは。
    わたくし番組みてないのですが、家族が番組をみていて、放送していたことをあとで知りました。

    NHKスペシャルかETV特集か、クローズアップ現代+ でもいいから、放送してくれたらいいですねえ。

    お身体お大事に。

    by 心の文 €2016年6月5日 5:17 PM

    • 心の文さん、こんにちは。
      初コメントです。ありがとうございます。
      同感です。
      ほんとそうですよね。NHKスペシャルかETV特番か、クローズアップ現代+ ハートネットTVあたりで取り上げてくださらない限り、
      なかなか実態が伝わらないんでしょうね。
      民放が放送すると、どうも全体として、「わかってないな~」という感じで、
      世間に理解より誤解が広がりそうで・・・・。
      でも、伝えようとしてくれた民放スタッフには、全く伝えようとしない民放より、はるかにありがたいですが。
      まだまだ勉強不足ですね。

      by lily €2016年6月10日 1:31 PM

  • リカ様
    はじめまして。

    離島の母と申します。

    6月の花嫁の放送の存在を知らず、見逃し番組はないかな?と検索していて、リカさんに巡り合えました。
    我が家は、娘(中3)が脳脊髄液減少症です。
    1年4か月前に発症し、発症2か月後には、ブラットパッチまでたどり着けたので、きっと、幸運者のうちにはいるのだと思います。
    が、1回目のブラットパッチ後も、大波小波で、症状に苦しむ娘です。

    現在も、この3週間は、ほぼ寝たきりです。

    文頭、紹介にもあるように、私と娘の住む地域は、離島です。
    リカさまも、病院通いにはかなりご苦労されているようですし、文章読ませていただいていて、共感することばかりでした。
    漠然と感じていた思いが、ここに明文化されているようで、ある意味喜びさえ感じたほどです。

    不便や、怒り?のような感情だけではなく、感謝や進歩を願う前向きな思いも抱えながら
    情報を集めることをあきらめずに進んでいく姿勢を失いたくない…とこの1年ちょっとの間、娘の症状を見守りながら、伴走しているつもりです。

    リカさまの、病院の選び方の、考え方には、胸にささるものがありました。

    今の主治医は、遠い遠いところなので、普段のフォローは全くしていただけていないし、
    また、それだけではなく、主治医の先生と会話していていると、ものすごい不快感があるのです。
    リカさまのおっしゃるような直観的な要素に重点を置くならば、本当に「なし」と私の心はずっと思ってきた状態でした。
    でも、小児の症例件数を多数経験されている先生ですし、娘の病気を明らかにし、ブラットパッチをしてくださった感謝の思いは、大きいです。
    こちらには真偽のほどは、よくはわかりませんが、きっと腕もいいのだろうと思うと、不快感はあるものの今後も主治医としてはこの先生にみてもらっていき、2回目のブラットパッチも考慮していく感じになるのかな?ともやもやしていましたが。

    リカさまの病院の選び方を、読ませていただき、心のつかえがとれました。

    地元に近い地域で、真剣に主治医の探し直しをしたい。する。します。

    1回のブラットパッチで、ほぼ全快していれば、そう思うこともなかったかもしれませんが。
    この病気を調べて勉強すればするほど、先の長い、じっくり向き合っていく可能性の大きい疾患とわかりました。

    長く、信頼関係を築けて、この病気と並走してくださる医師を探してみます。

    苦しむ娘をみているのは、(苦しんでいる娘が一番つらいのでしょうが)私もツライです。

    でも、こうして、リカさまのように、ご自身が苦しまれている中でも、啓蒙活動をされ、情報発信をしてくださる方々のおかげで、安心感や頑張る気持ちをいただけました。

    本当に、ありがとうございます。
    心から、リカさまの病状の回復をお祈りいたします。

    これからも、こまめに、寄らせていただきたいと思います。!(^^)!

    by 離島の母 €2016年6月11日 9:01 PM

    • 離島の母様、はじめまして。
      コメントありがとうございます。
      私は、リカではなく、一応lilyと申します。(ただし、一時名前を「リカ」にしようと思いましたが、できないままそのままです。
      そのうち改名するかもしれませんが、
      今はどうぞよろしくお願いいたします。

      ここを「リカ場」としたのは、「リカさんの場所」の意味ではなく、
      私の「リカバ」リーの「場」にしようと思ったからです。
      リカバリーとは「回復」の意味です。
      紛らわしくて申し訳ありません。でも、リカと呼んでくださってもいいですよ。

      さて、1回のブラッドパッチで治らないからと、それが理由で主治医を変えるのは、「ちょっと待って」という思いです。
      治療後症状が良くなったり悪くなったりするのが、それが現在の治療の限界というか、今における普通の脳脊髄液減少症の治り方だと思います。私もそうでしたから。
      脳脊髄液減少症は劇的回復でそのまま治ってしまう人もいるようですが、
      多くは大波小波を繰り返しながら治っていくのではないでしょうか?。
      そのうち研究が進めば、一発で治る方法が見つかるかもしれませんし。
      しかし、今はそれが医療の限界なのだと私はとらえています。

      「医師を変えたら治る」というわけでもありません。
      私はすでにかかっている医師を変えた方がいいという意味で「医師の選び方」のあの記事を書いたわけではないのです。

      ただでさえ、脳脊髄液減少症に取り組む医師が少ない中、小児の脳脊髄液減少症に取り組む医師はさらに少ないはずです。
      すでに、小児の症例数のある医師を受診中であれば、他に医師を探そうとしても、そうはいないのではないでしょうか?

      医師と患者も人間同士ですから相性というものがありますが、
      脳脊髄液減少症の治療に取り組んでくださっているというだけで、それだけで、
      他の脳脊髄液減少症には見向きもしない、無視、あるいは見て見ぬふりをきめこんでいる医師から比べたら、はるかにいい医師かもしれませんよ。

      もう一度じっくり考えてくださいね。答えはお母さんではなく、中三ともなれば、娘さん本人が出せるはずです。

      最後に、私の回復まで祈っていただき、日本のどこかでそんなことを思っていただける方がいらっしゃるだけで、私も励まされます。
      本当にありがとうございます。

      まだまだお伝えしたいことは山ほどありますが、私も患者ゆえ、コメント欄では今日はこの辺で・・・・。
      (試しにコメント欄開けてみましたが、コメント欄でお返事書けるのは、私の能力的には、一日先着1人か2人が限度かも。
      あとはいただいたコメント表示するだけになるかも・・・?すみません。)

      私が経験してきたことで、みなさんにお伝えしたいことは、また少しずつ記事にします。
      また来てくださいね。待っています。

      by lily €2016年6月11日 10:05 PM

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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