リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

脳脊髄液減少症は身近な事故後遺症

time 2017/02/03

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「深刻な病」というより「身近な事故後遺症」

脳脊髄液減少症について、昨年ビビットという番組で「重い病」と表現していたので、脳脊髄液減少症 当事者の私は強い違和感を感じ、このブログでも抗議しました。

すると、なぜか年末の番組の続編では、脳脊髄液減少症について微妙に言い回しが変わって「深刻な病」と表現していました。

これについては「脳脊髄液減少症は深刻な病か?」という記事に書きましたが、また続きの思いを書いてみたいと思います。

症状は確かに「深刻」しかし、決して予後は悲観的ではない。

私の経験では、脳脊髄液減少症は、確かに深刻な症状はでます。

痛みといい、だるさといい、視覚、聴覚、嗅覚、味覚の障害といい、記憶障害といい、その症状はどれをとっても、恐ろしく確かに深刻なものでした。
その上、本人の苦しみに対して、見た目元気そうに見えたり、一般的な検査では、症状を裏付ける悪い検査結果が出ないために、医師にもその症状の深刻さが信じてもらえず、何もされずに帰されたり、放置されたり、ストレスのせい、何か心理的なものが症状に影響している、と誤解されたりします。

家族にも医師にも親にも兄弟にも、見捨てられている人も必ずいるはずで、症状のつらさしんどさ日常生活への障害がきちんと理解されない、適切に緩和ケアをしてもらえない、動けないのに、介護もヘルパーも適切に利用できない、近所で治療もリハビリもさせてもらえない、医療機関に相手にされない、そういう脳脊髄液減少症患者も大勢いるはずで、

むしろ、脳脊髄液減少症に関しては、患者に対するその「周囲の無理解と無支援、社会の無関心」の方が「深刻」だと私は思うのです。

脳脊髄液減少症を発症しながらも、無支援無治療時代を生き残り、やがて診断治療されてからここまで回復してきたサバイバーの私から言わせれば、脳脊髄液減少症自体が「深刻な病」ではなく、深刻なのは「症状」であって、治りにくいのも、早期発見早期治療が遅れて、こじらせた場合であって、たとえ、見逃され続けてこじらせても、脳脊髄液減少症だと気づけて簡単な治療を続ければ、私の程度まで回復するということは、「決して深刻な病ではない!」と私は思うのです。

問題なのは治療体制が十分でないことと

問題なのは、脳脊髄液減少症の見逃しで起こる症状の深刻さ、しんどさ、患者の苦痛が、社会的にも、医師にも、充分理解されていないために、治療体制、リハビリ体制が十分整っていない地域に住んでいる脳脊髄液減少症患者たちは、発見も遅れるし、闘病生活も十分支えてもらえないし、もちろん相談窓口もないし、リハビリなんて夢の夢で、そんな体制に恵まれていない患者が大多数だってことの方が
深刻だと、私は思うのです。

家族に支えられ、配偶者に理解され、自宅から通える範囲に脳脊髄液減少症に理解ある専門医がいて、頻繁に病院で診てもらえ、点滴してもらえ、リハビリまで受けられる、そんな恵まれた環境がなくて、孤独の中、無支援、無理解の中を、ただただ症状に耐えている、
そんな患者の存在を放置している社会の方が、私は深刻だと思うのです。

「深刻な病」というより、誰にでも起こりえる「身近な事故後遺症」

「深刻な病、脳脊髄液減少症」と表現され放送されるのと、ただ認知度が非常に低いだけで「誰にでも事故で起こりえる身近な事故後遺症」と表現され放送されるのとでは、聞いた人、放送を見た人の印象がだいぶ変わると思います。

前者は見た人には「へぇ~難しい名前の難病もあるものね~患者さん、気の毒に、でも私には関係ないわ。」と思われてしまうかもしれません。

後者だと、「あれ?症状をいろいろ訴えてるから病院で診てもらっても異常なしのうちの子の症状に似ているかも?もしかしたら?」と気づきのきっかけになるかもしれません。

脳脊髄液減少症は、私の中では「病」ではなく、「ケガによって起こるもの」です。
決して私の体が弱くて抵抗力がなくて発症したものでも、自分の細胞が自然発生させた疾患でもないから。
あくまで他人の「事故」という信じられない暴力が加わったために起きたケガに起因するものだから。

なのに、以前、主治医以外の医師に、「髄液が漏れやすい体質、遺伝的疾患では?」と言われたときには、愕然とし悲しくなりました。
これが、脳脊髄液減少症治療にこれから取り組もうとしている医師のいう言葉かと・・・。

私は家族に同じように髄液が漏れた人はいませんし、親族にも誰にもいません。

髄液が漏れたのは事故で強い衝撃を受けた私だけですから私の遺伝的要素でもないと思います。

もし、髄液が漏れやすい体なら、今後ささいな衝撃にも気を付けなければいけないのか?と不安になり、
遺伝の先生にも相談しましたが、遺伝のせいではないと言われました。

確かに同じような事故にあっても、髄液が漏れる人と漏れない人、同じ事故車両に乗っていても、髄液が漏れる人と漏れない人はいるでしょう。

男性より女性が首が細くて振れやすいとか、確かに漏れやすい素因が人体にあることもあるでしょう。

けれど、だからといって他人の暴力で起こったケガ、たとえば他人に殴りつけられて皮膚が割けて血が出た患者に対して、

それは、その程度の暴力で皮膚が割けない人もいるわけだから、あなたの遺伝的要素で皮膚が衝撃に弱いんじゃないの?などと、言う医師が果たしているでしょうか?

たとえば、同じ事故車両に乗っていて、亡くなった人と助かった人がいて、亡くなった人に、「それは遺伝的に衝撃に弱い体質だったのでは?」という医師がいるでしょうか?

いないと思います。

だだでさえ、被害者として症状に苦しんでいる脳脊髄液減少症患者に対して、あたかも、加害者ではなく、「被害者のあなたの体の弱さもろさに問題がある。」というような表現で、さらに患者を自責させ苦しめる医療者の存在の方も、「深刻」だと思います。

まとめ

脳脊髄液減少症で深刻だと言えるのは、見逃されて起こる「多彩な症状」と社会の無関心と無理解の方です。

深刻なのは、脳脊髄液減少症自体ではなく、むしろ、脳脊髄液減少症の患者を取り囲む、理解されない、適切に支援されない、助けてもらえない、緩和してもらえない、見た目ではわからない無理解な医師にさらに苦しめられることだと、サバイバーの私は思います。

年末のビビットでの放送は、脳脊髄液減少症について「重い病」を「深刻な病」と表現を変えることで、深刻な症状をなんとか伝えてくれようとしているのは感謝しますが、そうではないと私は思っています。

深刻なのは疾患自体ではなく、症状だし、見逃されることことだし、それによって重症化することだと思います。

風邪がそれ自体は誰にでも起こりうる深刻な疾患ではなく、見逃され放置されることで風邪から肺炎になるなど症状が重症化することが深刻なのと同じだと私は思っています。

しかし、症状が深刻なのではなく、疾患自体が深刻で、それはごく一部の人にしかかからないような
そんな「深刻な病」というイメージを見た人に植え付けてしまった感じがして、残念でした。

脳脊髄液減少症が身近な事故後遺症で、見逃されると症状がとても深刻になり、日常生活にも支障がでて、回復にも時間がかかり、
とても深刻な事態になること、しかし、ブラッドパッチ治療などの今考えられるすべての治療を根気強く繰り返せば回復すること、
それは私が自分の体で体験してきたことです。

しかし、その肝心の必要最低限のブラッドパッチ治療さえ、今まで大多数の無理解な医師によって叩かれ続け、健康保険が適用されなかったり、自費の治療が家族に理解されなかったり、して受けられない人たちがいたこともまた事実です。

健康保険が適用になった今も、専門に治療に取り組む医師が少なく、診断にも治療におたどり着けない患者世界に潜在しているであろうということ、その方が本当に深刻だということが、番組内容からは抜け落ちていたことが、とても残念でした。

これから脳脊髄液減少症について放送しようとする人があれば、うつ病や、社交不安障害、引きこもりや不登校などの精神科分野の病や症状、あるいは線維筋痛症や慢性疲労症候群のような原因不明の疾患と一度は診断されて治らなかった人、あるいは日常生活も困難なほどの症状を体験しながら、脳脊髄液減少症の治療で回復したような、そんな回復者たちいた人たちがいたことを含めて放送してほしいと思います。

ブラッドパッチで回復し復職した人、回復して復学した人、再発を恐れず、趣味の運動を始めた人、ダンスを習い始めた人、外出不能だったのに、どんどん一人で外出を始めた人、再発したことがある人、そこからまた回復した人、一度は寝たきり状態になりながらも、回復した脳脊髄液減少症患者など、さまざまな人を取材すれば、決して脳脊髄液減少症をまるで回復不能なようなイメージ、難病のイメージ、
一生車いす、歩けないような、そんなイメージは払しょくされ、「深刻な病」とは放送できないはずです。

問題なのは、適切に早期に診断されたか、専門医にたどりつけたか、身近に専門医と連携して診てくれる医師がいたかで患者の予後はかなり変わってしまうと思います。

確かにさまざまなタイプ症状の脳脊髄液減少症患者がいるはずです。
特に回復した元患者たちは表に出てこないから知られていないだけだと思います。

早期発見早期治療で治った脳脊髄液減少症患者がいちいちマスコミに出てはこないでしょう。

早期発見早期治療であればあるほど、脳脊髄液減少症が見逃されて起こってくる、
さまざまな深刻な事態を体験していないのですから、その深刻さも、
社会に発信する重要さも、感じていないでしょうから・・・。

だから、脳脊髄液減少症は、治らない患者ばかりが目立つんだと私は思います。

脳脊髄液減少症は治ります。それを今私は自分の体で確信しています。

「身近だけど、医療界にも社会にも非常に認知度がにくく、こじらせると大変深刻な症状が出るけれど、

治療で回復する可能性がある。のが脳脊髄液減少症だと私は思っています。

脳脊髄液減少症になっても、決して悲観しないでほしいから、

脳脊髄液減少症が「深刻な病」なんて、見た人に悲観的なイメージを与えるような放送をしないでほしいと思いました。

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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