リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

ドクターGでも見逃す脳脊髄液減少症

time 2017/06/06

先日の2017年5月24日のNHK総合診療医ドクターGの「右胸が痛い」の回で、原因不明の胸の痛みなどの症状を訴える女性に「身体症状症」という診断をした総合診療医と研修医たちに違和感を感じて、先日

「身体症状症?」ドクターG様その診断、大丈夫?

多発性硬化症の症状に似ている脳脊髄液減少症

身体症状症と脳脊髄液減少症

脳脊髄液減少症は身体症状症と誤診されやすい

のいくつかの記事を書きました。

その後の、過去の番組の医師の診断を称賛しつつ、確認する番組に関しても失望し、

・総合診療医でも見逃す脳脊髄液減少症

という記事も書きました。

いくら推理探偵のような優秀な総合診療医でも、脳脊髄液減少症は見逃す可能性が高いと感じたからです。

その感想の続きです。

あの番組で、私がとても気になったシーンがあります。

それは、原因不明の症状を抱えた女性が夫に病院に一緒に行ってくれるよう頼むシーンです。

このシーンに対して、ドクターGと研修医は、「何か隠された病気のヒント」とは感じなかったようです。

それどころか、ゲストも含めて出演者すべてが、その女性が特に神経質で、不安になりがちだから、といった精神的な資質の問題として捕らえていたようです。
もともとそういう資質の人だから、不安になって、ネットで症状から病名を自分で探したりもするし、異常なしの診断に納得できず、ドクターショッピングもするし、夫を病院につきあわせようとするし、自分が重病だと思い込んでしまっている身体症状症なのではないか?という結論に至るための、材料になってしまっているように感じました。

しかし、患者の私は、医師たちとは全く違った視点で、このシーンを見ました。

私の過去の経験と重なり、その時の彼女の気持ちと、その行動の意味が、ある程度想像できたからです。
番組は医師の視点でのみ作られており、患者の視点では作られていません。
そこに、病気の見逃しの危険を感じました。

普通、大人なら、自分で病院に行けるはずです。
たとえ、片道2時間かかったとしても、病院に行ける体調と体力があれば行けるはずです。

それが、母親でもある女性が、夫に仕事を休んでまで一緒に病院に行ってもらいたい、と思う理由を、ドクターGたち医師は全く考えないのでしょうか?

第三者の夫や医師には、
その原因不明の症状を抱えた女性は、見た目では元気そう、重症でなさそうに見えても、実は本人は、本来の自分の体ではないと感じていて、ひとりで病院に行くのはとてもしんどく心細かったりしたから、付き添いがほしいと思ったのではないでしょうか?

たとえば頭が混乱して電車の乗り換えを間違えそうだとか、
遠方までの交通機関での移動や、受付から受診、会計の一連の流れの間、自分一人でこなせる自信がないほどの体調変化を抱えているとか、そういったことは医師は全く考えないのでしょうか?

ただの甘えんぼの心配性の妻として片付けてよいのでしょうか?

原因がわからない症状を訴える人間は、神経質で、不安神経症、心気症、身体症状症の人間として、最初から色眼鏡で患者を診ているとしたら、そこの違和感は医師も見逃すでしょう。

患者の些細な行動や言葉からでも謎を読み解くのがドクターGではなかったのでしょうか?

医師たちは、原因がわからない症状を訴える患者をもてあましたあげく、医師である自分たちを納得させるために「身体症状症」の病名をつけたとしたら、それは病気が隠されていても、見逃す可能性が高いと思います。
特に脳脊髄液減少症は見逃されやすいと感じます。

このシーンと同じことを、私は過去に実際に経験しているからです。

今回の番組を見て、ドクターGに「身体症状症」として、「真剣に」向き合ってもらえたことで快方にむかっているといったまとめ方でしたが、
もし、その一見快方に向かったような状態が、脳脊髄液減少症がたまたま天気がよい季節に入って気圧が安定したための快方の時期と重なっていたかもしれません。

かえって、患者が「身体症状症」の診断に納得せず、さらにドクターショッピングを重ねた方が、本当の症状の原因にたどり着けたかもしれない、などと、見ていて複雑な思いになりました。

実は私が、そうだったからです。

ドクターショッピングが悪いものだという見方は、医師側からのものであって、誤診が続いて真相に近づけず、結果的にドクターショッピングをせざるを得なかった患者もいることを、知ってもらいたいと思いました。

やはり、この番組は、医師による、医師のための、医師称賛番組だと改めて感じ、患者の私は見てはいけない番組かも?と思ったりもしています。
患者の私が、脳脊髄液減少症見逃され体験と重ねてみると、いつも不安を感じています。

私の経験では、医師は神様じゃない。医師も人間、間違うことだってあるし、知らないことは診断もできないし、検査で読み解けないし、治せないってことを思い知っています。
しかし、いつもテレビでは、「医師は神様、万能で強者、患者は無能で無知で弱者」みたいに描かれているように感じます。

なんだかやりきれません。
患者による、患者の体験に基づく、回ごとにその道の専門医がもちまわりで監修する、医師、患者双方からの、本当の探偵医師の、番組を見てみたいです。
しかし、ただでさえ、再現ドラマをつくったり、医学チェックがなされたりと番組制作が大変なのに、
患者による患者の体験に基づく、患者の気づきを導くような、そんな番組は、手間暇かかりすぎて費用もかさむものは作るのは無理でしょうけれど。
番組へのメッセージに、この記事に書いたことを伝えようとしましたが、記入に「必須」が多くてめんどうなのでやめました。

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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