2020/07/04
本日、首都圏のテレビ番組、テレビ東京のL4youで、「疲労」が取り上げられていました。
私の感想・考えを述べたいと思います。
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報道されない脳脊髄液減少症の情報
慢性疲労症候群の主な症状として、
半年以上にわたって続く、異常な疲労感
睡眠の異常(不眠と過眠)
全身の痛み
集中力低下や物忘れ
喉のリンパ節が腫れる・等
ということが番組で紹介されていました。
私はこれの、ほとんどすべての症状を経験していますが、
慢性疲労症候群ではなく、「脳脊髄液減少症」が原因でした。
しかも、その激しい疲労感は、半年どころではなく、数年にわたり続き、脳脊髄液減少症だと判明するまでは、さらに長い年月がかかりました。
不眠と過眠という睡眠障害も同じ、全身の痛み、集中力の低下や物忘れも同じ、です。
なのに、今回の番組でも、
疲労専門医は、激しい疲労感を出す「脳脊髄液減少症」については、まったく触れられませんでした。
私は、脳脊髄液減少症とわかる前の治療前の私の症状と、
慢性疲労症候群とされている人たちの症状とがあまりにも似ているため、とても残念に思いました。
この番組をもし、
症状の原因が実は脳脊髄液減少症なのに、そのことにも気づかれず、今現在、多くの医師たちに、
「原因不明、気のせい、精神的なもの」、と言われて続けて困窮している人が見たら、
「ああ自分はこれ(慢性疲労症候群)かもしれない。」と思って、慢性疲労症候群を研究する医師を受診してしまい、
そう診断されてしまい、脳脊髄液減少症にはますます気づけなくなる危険性を強く感じました。
なぜ、テレビや雑誌は、慢性疲労症候群は取り上げても、症状がほぼそれと同じ脳脊髄液減少症については、触れることさえしないのでしょうか?
それはおそらく、激しい疲労感を伴う原因不明の症状に苦しむ患者さんがいるという事実は、「慢性疲労症候群」の名で、すでに30年以上前の古くから日本でも一部で知られていたからかもしれません。
しかし、脳脊髄液減少症の存在が一部の医師から叫ばれはじめたのは、つい17年ほど前で、まだまだ世間一般には知られておらず、
医師にも認知度が低いせいではないか?と私は考えます。
慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)と診断されるにはまず、
原因もあり回復も可能である、脳脊髄液減少症の除外が必須だと私は考えています。
症状の原因が脳脊髄液減少症なら回復する
また、慢性疲労症候群の主な傾向として、
アレルギーや免疫病になりやすい体質があり、
その上に、ストレスや感染症が重なって発病することが多い
中でも20歳~40歳での発病率が高い
ということですが、これについても、脳脊髄液減少症の私には独特の視点からの考えがあります。
それは、私は脳脊髄液減少症になってから、アレルギーがひどくなり、免疫力も下がり、感染症に感染しやすく悪化しやすい経験があるからです。
慢性疲労症候群が原因として先にあって、結果的に、
アレルギーや免疫病にかかりやすくなりストレスや感染症で発症しやすい。という考え方を、
私が原因と結果を逆にして考えてみます。
すると、
脳脊髄液減少症が原因で、アレルギーの悪化、免疫力の低下や免疫系統が狂ったことによる免疫病の発病、感染症にかかりやすく悪化しやすい傾向の体になってしまい、結果的に、ストレスに弱く感染症にもかかりやすく、激しい疲労感で日常生活も困難になり、結果的に慢性疲労症候群の病名がつけられてしまう。という可能性もあると考られます。
20歳~40歳での発病率が高いのは、脳脊髄液減少症での激しい疲労感を抱えて日常生活さえ困難だった私から言わせれば、
それは、女性の生理のある年齢と出産時期の年齢と重なるからだと感じます。
これはあくまで私の経験に基づく考えですが、脳脊髄液減少症での激しい疲労感は、生理周期の低温期に集中して起こったり、悪化したりするからです。
私自身が、髄液漏れの状態の時、番組に出てきた患者さんが話されていたのと同様、
体を起こしていられず、外出時も座ったり立ったりする姿勢(体を縦にする姿勢)が保てず、
地面であろうが、路上であろうが、横にならずにいられないほどの苦しさでした。
それが脳脊髄液減少症の治療を続けた今は、そういうことが一切ありません。
つまり、体を起こしていられないほどの症状は、慢性疲労症候群だけでなく、脳脊髄液減少症でもでるし、治療で回復可能なのです。
この事実は、慢性疲労症候群の治療に携わる医師は、必ず知っていてほしいと思います。
慢性疲労症候群が“感染がきっかけで発症する”ことに対する私の見解
脳脊髄液減少症になると、免疫力が低下するのか、感染症にかかりやすくなります。
私自身、次から次へと感染症にかかりました。
私の場合、脳脊髄液減少症の症状の一環としての、免疫力の低下で、
結果的に、感染症にかかりやすくなったということに、のちに気づくことができましたが、
脳脊髄液減少症とまだわからない人たちは、自分がなぜ、こんなにも感染症に弱くなり、
治ったと思ったら、感染症に連続感染し、重症化するのか理解できないでしょう。
まさかそれらの現象の背景に、髄液漏れによる髄液減少による脳と体の不調にあるとは、
誰が気づけるでしょうか?
医師も気づけないことを、素人が気づけるはずがありません。
もし、脳脊髄液減少症が先にあって、でも症状が軽くて、天気の悪い日の頭痛とか、気圧の低い日の眠気程度だった人が、まだ脳脊髄液減少症だと気づけない時、
インフルエンザとか、風邪とかの感染症が起きて、それがきっかけとなって、
起きていられないほどの激しい疲労感が出て、
もし、それが先に「慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)」と名前がつけられてしまった時、
患者は、“感染症がきっかけで、慢性疲労症候群が発症した”と思い込んでしまうかもしれません。
しかし、実は、脳脊髄液減少症が先にあって、それによって免疫力が低下し、それによって、感染症にかかりやすく、重症化しやすくなっているところへ、下痢や発熱などで、脱水などを起こした場合、
それがきっかけで、もともと軽かった脳脊髄液減少症の症状が、劇的に悪化することも考えられると思います。
しかし、そんなことは、患者自身も、
また、慢性疲労症候群の専門医も、想像できないことかもしれません。
脳脊髄液減少症の私だからこその、想像かもしれません。
脳脊髄液減少症の場合、もともと脳脊髄液減少症があって、何かの症状を悪化させるようなきっかけ、(低気圧、発熱、脱水、月経)などによって、もともと正常ではなかった自律神経がさらに乱れれば、以前とは比べものにならないほどの激しい症状が出ることもあると思います。
その時、「感染症がきっかけで、初めて慢性疲労症候群の症状が発症した。」と勘違いしてしまう人だっていると私は思います。
感染症になる前に、何か症状はなかったか?
転倒や事故にあっていないか?
よくよく患者さんの経緯をさかのぼって聞き出してから診断しないと、
「脳脊髄液減少症の症状としての免疫力の低下で感染症になり、それでさらに脳脊髄液減少症の症状が悪化して、まるで今はじめて発症したように患者自身が思い込んでいる。」のか、
あるいは、「感染症がきっかけで、慢性疲労症候群が新たに発症した。」のか、第三者の医師にもなかなか判断は難しいと思います。
慢性疲労症候群の専門医も脳脊髄液減少症の研究参加へ
慢性疲労症候群になって26年という患者さんがおしゃっていた。
「朝起きようと思っても、体がベットの中にのめりこんでしまうような重さみたいな。」という表現は、
まさに、私が脳脊髄液減少症で体験した状態と同じです。
疲労感と、体の沈み込むような、寝ていても置きどころのない体のしんどさをうまく言葉で表現しています。
この慢性疲労症候群の患者さんは、「自分で足が動かせるものの、足が極度に重たく感じるため」というその説明も、 まさに私の状態と同じでした。
慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)と脳脊髄液減少症は、これだけ症状が似ているのに、その症状の類似性について、 慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)の研究者の先生が、
脳脊髄液減少症については、全く触れないのはなぜなのでしょうか?
慢性疲労症候群は、原因不明ながらも、1988年からアメリカ発祥で言われてきた歴史があるからでしょうか?
アメリカ発祥か、日本発祥かの違いでしょうか?
アメリカ発祥の病名は日本で認められやすく、日本発祥の病名は、日本では受け入れにくいのでしょうか?
脳脊髄液減少症は、つい10年ほど前から日本の一部の医師たちが、
日本の大多数の医師のバッシングを受けながらも提唱し続けた病態であり、
脳脊髄液漏出症としては、昨年、ブラッドパッチ治療が健康保険適用になったばかりです。
だから、まだ世間で知られていないのはしかたがないかもしれません。
しかし、すべての医師は、脳脊髄液減少症の実際について詳しく学び、
特によく似た症状を呈する疾患の専門医とされている先生方には、
脳脊髄液減少症の研究に今すぐ参加していただきたいと、患者の私は思います。
まとめ
とにかく、私は、なんどもここで記事にしてきましたが、
慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)と診断されている人の中に、脳脊髄液減少症の人が混じっているような気がしてなりません。
なぜなら、脳脊髄液減少症の検査や治療の情報が世間に広く普及していないからです。
患者も知らなければ医師も知らない。そういうことが現実にまだまだあると思っています。
慢性疲労症候群の症状とそっくりなその症状の原因は、
実は脳脊髄液漏れ、あるいは、脳脊髄液が減少しその人の脳にとってはベストな量でない状態にあるために出ている、場合もあると私は思っています。
もし、私がまだ症状の原因がわからず、いくら医師めぐりをしても原因がわからず苦しんでいる状態で、
本日のテレビ内容で慢性疲労症候群の症状を知ったなら、
間違いなく、私は、慢性疲労症候群の医師を探しだして、受診し、慢性疲労症候群と診断されることでしょう。
かつての私の、体を起こしてさえいられないあの状態が、「慢性疲労症候群」と診断されないなら、
ではいったいどんな症状の人が慢性疲労症候群と診断されるのか、お聞きしたいぐらいです。
いったん、慢性疲労症候群と診断されれば、私は、番組でも紹介されていた
「和温療法」「ビタミン」や「酵素」による治療に回復への期待をかけたことでしょう。
でも、症状の実態は「脳脊髄液減少症」ですから、自律神経の安定などで、一時的な症状の緩和はあったとしても、髄液が漏れたままえは、症状は改善しなかったでしょう。
そう考えると、慢性疲労症候群や、線維筋痛症という、脳脊髄液減少症でも起こりうる症状、重なる症状の病名の情報をテレビで流す時には、必ず、「原因があって、回復可能な、脳脊髄液減少症」という病態もある。という情報も一緒に流してあげてほしいと思います。
また、疲労専門医を名乗る先生方は、
あるいは疲労を研究する国の研究班、あるいは、疲労医学講座に参加している講師や医師のたまごの皆様には、
絶対に「脳脊髄液減少症」を無視しないでいただきたいと思います。