2020/07/04

羽鳥モーニングショー 米倉涼子 「低髄液圧症候群」を告白1 の続きです。
番組内で、2019年ドクターX 第6シリーズの制作発表会での米倉涼子さんの言葉が放送されました。
番組内容の抜粋をまとめてみます。
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米倉涼子 制作発表で告白 低髄液圧症候群を患っていた
とのタイトルが出てから
制作発表会での映像
司会者:『2年ぶりに失敗しない女が帰ってきました。大門未知子役 主演の米倉涼子さんです。』
米倉:『今日はお忙しい中、え~お越しいただきありがとうございます。大門未知子役、米倉涼子です。よろしくお願いします。』
米倉:「あのやっぱり久しぶりなので緊張しますし、あの~うれしいです、皆さんにお会いできて。
で、あの~ちょっとあと、このあと、30分ぐらい話す大丈夫ですか?」
司会者:『え、手短に、ぎゅぎゅと濃縮な』
米倉:『(話すのに30分ぐらいは) かかっちゃう、かかっちゃう』
ナレーター:『米倉さんは30分話すのは大丈夫ですか?そう切り出し、自らの闘病を告白したのです。』
米倉:『あの~このドラマの前に、私、ミュージカルをやってたんですね。アメリカと日本で、やってたんですけど。その一か月ぐらい前にちょっと病気になって、病気?
低髄液圧症候群っていって、脊髄に傷が入って脳の髄液が落ちていく? なのでまっすぐ歩けなくなったりとか、やる気がなくなったりとか、もう本当に2週間はもう安静のままで、練習もできないまま、ちょっと本当にこのまま・・・と
あ、今、ぜんぜん元気なので話しているんですけど・・・。
あの~
どうしようと思って、で、舞台は回ったり跳んだりとかするので、
本当に1曲やるともう無理、ご飯食べてても気持ち悪くなる、っていう感じでいて、
あの、今は元気だから話せるんですけど、
もう本当にこのまま「ドクターX」もできなくなっちゃうんじゃないかなっていう・・・。』
ナレーション:『4か月ほど前、主演を務めるミュージカル「シカゴ」の練習を行っているころに症状が出たと言います。』
ナレーション『低髄液圧症候群とは?。脳と脊髄は硬膜という袋の中に入っていて髄液に満たされています。低髄液圧症候群とはなんらかの原因で髄液が少なくなり、吐き気やめまいなど、さまざまな症状を引き起こす病気です。米倉さんは脊髄(字幕では脊椎と書かかれていた。)に傷が入り、そこから髄液が漏れていたのです。脳神経の専門家(佐々木勝氏が出演)によれば大きな外傷はなくても髄液が漏れるケースはあると言います。
佐々木勝 氏『いろんなスポーツの怪我とかそういう人たちはいますけど、中にははっきりしないっていうのはけっこういるんで・・・。転んだり、りきんだり、くしゃみしたり、』
ナレーション:『髄液が漏れた場所に痛みはなく、本人が気づかないまま症状が悪化するケースが多いといいます。』
佐々木勝氏『(治療法は)単純に穴をふさげばいいので、一般的にはブラッドパッチって、いわゆる自分の血を採血して、その血をその破れたところに、あるていどこう注入して、自分の血で癒着して穴をふさごうという措置がありますので。』
ナレーション『米倉さんは適切な治療を行い、病を克服したと言います。』
米倉:『何とか舞台に立てるようになったんですね、なので、(涙声?で)あのこの場を借りてその先生方にお礼を申し上げたいなと思って、「本当にありがとうございました。」っていうのと、そのいろんな思いもあって、あのドクターX、前回最後に大門未知子が病気に、大病をしたんですけど、その時にちょっとはっきりとしたセリフは覚えてないんですけど、
「外科医も医者も患者になるべきだ」っていうセリフがあったんですね。
で、私は本当の医者ではないんですが、本当にお医者様に頼る気持ちとか、的確な意見とアドバイスと処置をすぐに求める(字幕では「すぐに見る」と出ましたが私は「すぐに求める」と聞こえました。)気持ちとかが、本当にあの心の中で「あ、こういうことなんだ」って実感できたんですね。』
ナレーション:『前シリーズのラストは米倉さん演じる大門未知子が病気を患うストーリーでした。自らも病気を患い患者になったことで、理想的な医師の姿が見えたと言います。』
米倉:『患者の心によりそう医療っていうのは、すごく大事なんだなぁと思うんですが、やっぱり的確でかつ、俊敏な意見とか、そういうものも大門未知子(少しろれつが回っていないような言葉で)には備わっているはずだし、さらに腕がある、やっぱりそういう先生っていうのを求められているんだっていうのを改めて感じて、今回「大門未知子」に挑めるなぁっていうことで気合は入っています。』
ナレーション:『出演者たちも知らされていなかった病気に驚くとともに、元気な姿を見せた米倉さんに一同ほっとした様子でした。』
米倉:『医者として今まで演じてきた上に、さらになんかこう自分のことを通してまた医者を演じる意味っていうのがなんとなくなんかこう違った目線で見れるようになったかなぁっていうふうに、ちょっとやさしい大門未知子になっちゃってるかもしれませんけど・・・。』
以上、番組内容の抜粋でしたが、まだ次回に続きます。
ここまでの私の感想
私の感想
米倉さんが最初にあいさつするシーンで「大門未知子役の」というところが、ろれつがうまくまわっていない気がしましたので心配です。
ブラッドパッチして症状が一部良くなくなったとしても、すぐには完全には良くならないし、再発もあるので、私はあまり無理はしない方がいいと思いました。
米倉さんが「脊髄に傷が入って」と言っているように私には聞こえましたが、字幕が「脊椎に傷が入って」となっているのが気になりました。
米倉さんが、「まっすぐ歩けなくなったり、ご飯食べてても気持ち悪くなる、やる気がなくなったり」と言っていましたが、そんな症状はまだまだ症状の序の口ですと私は言いたくなりました。
第一、症状が出てすぐ、髄液漏れを医師に疑ってもらえて、2週間安静に(入院で?)させてもらえる患者なんてごくまれだと思います。
私なんて、ひどい髄液漏れの再発で病院に駆け込んでも、見た目で「病院に来れたのだから大丈夫」と判断され、家に返されましたから。家に帰れば家事が待っていて、とても安静になんかできない環境なのに。
見た目がとても重症に見えないからすぐさま入院で2週間の安静になんて受け入れてもらえません。
あの時、すぐ私も安静2週間の入院をさせてもらえていたら、もっと早く回復しただろうに、あんなに苦しまなくてもよかったろうにと、悲しくてたまりません。
今もなお、昔と少しも変わらず、髄液漏れ患者はいとも簡単に見逃され、早期発見早期治療をされず、症状をみすみす悪化させられているのです。原因は転んだり、交通事故だったり自分側にあったとしても、脳脊髄液減少症を知らない医師が日本の医師の大多数であるがために、症状から髄液漏れを見抜けず、早期発見と早期治療をされずに症状を悪化させたのは医療側の怠慢だと私は悲しく思います。
患者がいくら異常を訴え、重症化を訴えても、医師が診て大丈夫そうなら「軽症」と判断されて入院でなく、家にいともたやすく帰されてしまうのです。それはそれは患者にとって恐ろしいことです。医療機関に苦しみが通じず、助けてもらえず見捨てられてしまう恐ろしさです。
私が体験した脳脊髄液減少症の症状の恐ろしさ、周囲の無理解による恐ろしさはとにかく、番組で説明されたような、そんな程度のものではないです。
しかも、発症から4か月以内で、診断も治療も行われ回復できるなんて、そんなに恵まれた人ばかりではないです。
少なくとも私は、ほぼ毎日寝たまま状態にまで行きましたし、座っていられない状態まで体験しましたし、恐ろしい高次脳機能障害も経験しました。
それでも米倉さんなりに、診断治療までに、おそらく医師にも症状のつらさを理解してもらえない経験を何回かしたのかもしれません。この疾患の抱える問題点や医師の在り方について、なんらかの気づきがあったからこそ、ああいうコメントをしてくれたのだと思います。
貴重な発表会見の場で、ご自身のつらい体験を通じて、低髄液圧症候群という古くからの病名であっても、間接的には「脳脊髄液減少症」に対する理解を広めてくれたことを感謝しています。
米倉さんは適切な治療をして克服したとナレーターが説明していましたが、適切な治療とは何なのか?ブラッドパッチをしたのか?具体的にはっきり伝えてほしかったです。ここまで説明したのですから、治療の過程も回復の過程も説明してほしかったです。
脳神経の専門家の意見も、「単純に穴をふさげば」というのが、「髄液漏れの穴をふさげば簡単に治る。」と視聴者に誤解を与えないかな、と私は思いました。
最近、近所のクリニックの理学療法士が「ああ脳脊髄液減少症ね、あれねブラッドパッチで簡単に治るんだよね。」と言われて私は愕然としましたから。
髄液漏れて、すぐさま1週間以内、数か月以内に診断治療されて漏れを止めてもらえたら、漏れが止まると同時ぐらいに、症状もきれいに治るかもしれませんが、そういう患者ばかりではないのです。
実際は、症状からまず「髄液漏れ」を疑って検査を進めてくれる医師にまず出会えないし、たとえそういう医師にたまたま出会えたとしても、髄液漏れの検査ができる検査機器と、その検査になれた医師と技師がそろっている病院にまず出会えないし、検査がたまたまできたとしても、撮れた画像を正しく読影し、異常を発見できる脳外科医や放射線科医に出会える可能性はとは限らないし、そんなに診断、治療、回復に至る道は簡単ではないです。
現実はそんなに甘くないのです。
漏れている場所を正しく判断し、ブラッドパッチ治療がうまくできたとしても、症状がすぐさま治まるとは限らないし。
あと、「漏れている箇所その場所に痛みを感じることはない」とナレーションで説明していましたが、そんなことはないです。私は痛みを感じました。のちの検査でまさにそこが漏れている場所でしたから。
確かに漏れている場所と、まったくかけ離れたところに、さまざまな症状が出ますが、私の場合、違和感を感じるところ、痛いところが実際検査で漏れが見つかりましたから。
実際の患者の体験とは、違った情報が独り歩きすることに、私は危機感を感じました。
あと、「低髄液圧症候群」という病名は確かに今まで過去から正式に認められてきた病名かもしれませんが、「脳脊髄液減少症」という病名が今後、一番正確に病態を表している物として正式に採用されていくべきだと私は考えてきたので、「低髄液圧症候群」はなるべく使わないようにしています。
実際の地元の医療現場で出会う医師も、けっして「脳脊髄液減少症」の病名は口にせず「低髄液圧症候群」の病名を必ず使います。しかし私は「低髄液圧症候群」の病名を口にする医師は、本当の意味で「脳脊髄液減少症」をわかっていない医師だと勝手に思っています。
だって、脳脊髄液減少症の患者を多く診ている医師なら、必ずしも患者の髄液圧が低いとは限らないことを知っているはずだからです。
この点については、ゲストの玉川さんが適切に説明していたので、後でそのことについても書こうと思います。
そもそも、不定愁訴の患者に寄り添って「脳脊髄液漏れ」を疑ってなんとか助けようとしてくれる医師がいたとしても、その周りの放射線科医、脳外科医、神経内科医、泌尿器科医が脳脊髄液減少症に理解がない医師ばかりでは、結果的は治療にたどりつけず、どうにもならないのです。
少ない脳脊髄液減少症の医師に患者が集中し、専門医は疲弊し、患者は症状があるのに何か月も待たされているのです。
少ない脳脊髄液減少症の専門医をめぐっては、子供の患者が治療を最優先され、大人の患者は幼い子供を抱えていても、複数の子供の子育て中で家事育児をしなくてはならない厳しい環境でも、老人の介護中でも、職場からクビになりそうになっても、大人だからという理由で治療を後回しにされ、とにかく何か月も待機せねばならず、その間、家族ごと、自分ごと、死んだ方がましだと思うほど、追い詰められてしまう患者たちもいるのです。自殺に至る大人患者もいます。
本当に脳脊髄液減少症の患者の置かれた環境は、非常に厳しいのです。
ネットで、脳脊髄液減少症の患者の本音や思い、窮状を発信できる人なんて全体の患者のごくごく一部です。いろいろな幸運が重なって、発信できるような環境にあるだけで、本当に窮状に置かれている人たちは、声さえ上げられない環境にあると、私は推測しています。悲惨な声が少ないのは、症状が重いと自ら発信することさえ、身体的、精神的、時間的、環境的にできなくなるからです。
子供の患者なら、保護者がなんとか代弁してくれても、大人患者には代弁者がいるとは限りません。
それどころか配偶者や親にまで怠け者扱いされ、嫌われ、友達も去って行って孤立している人もいることでしょう。
子供の患者には、親や保護者という代弁者がいるけれど、大人の患者には代弁者はいません。配偶者が代わりに発信してくれたとしても、本当の患者の気持ちなんて代弁できっこない、それが脳脊髄液減少症の患者の症状を伝える難しさだと思っています。
私は子供ではないから、子供の患者の苦しみは代弁できません。けれど、大人の患者の苦しみなら自分の経験を通して発信できます。
ごくまれな疾患とされて、昔から医学の教科書に存在していた「低髄液圧症候群」の病名だけが今、独り歩きして、病態を今、一番総括して的確に表現していると思える「脳脊髄液減少症」の言葉が理解が広まらないと困るから、少なくとも私は、ここまで発信してきたのだから、私は大人患者の苦しみに限って発信していきたいと思います。
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