2020/07/04

本日、2017年8月13日のTBS系「健康カプセルゲンキの時間」で水中運動について取り上げられていました。
解説は水中運動の著書もある、水中運動の効果に詳しい国士舘大学 体育学部教授 医学博士の須藤明治先生でした。
私は、私自身の水中リハビリ経験から「脳脊髄液減少症の体幹機能低下や筋力低下、視力低下」などにも、水中運動はすごく効果的だと考えています。
水中で、目のぼやけなどの脳脊髄液減少症の症状が改善するのは何度も実感しています。
これは水圧が体にかかることで、少ない脳脊髄液でも上に圧力で押し上げられているのではないか?と私は想像しています。
つまり、脳脊髄液がまだ漏れている、あるいは、なんらかの理由で髄液圧が低い状態での視神経の周りの髄液が少なくなっていたことで私の身体に起こっていた目のぼやけなどの症状を、水圧が体にかかることで、一時的に改善していたのではないか?と私は考えています。これについては後日詳しく書こうとは思っていますが、とにかく、水中での運動は効果的だと思います。
とくに、私は水中を歩くだけでも体にかかる水圧とか、水に浮かんで体をまっすぐにしてけのびをしたりする時の、水に浮かぶことで、陸上では首に重くのしかかっていた頭の重さから、首をいったん解放したりするのを感じ、陸上では得られないものを感じました。
須藤先生の本でも、こんな本を見つけました。
ただし、座っているのもつらいような、かつての私のような脳脊髄液減少症患者は、自分ひとりでの外出そのものが無理ですから、プールに行けるまでに回復すのが大変でした。
一度、外出できなくなると、どんどんと筋力は落ち、思考力も落ちますから、なるべく体も頭も機能低下しないようにするのがポイントです。
その場合は、まずは自宅で自分に無理なくできることから筋力だけは落とさないよう、心がけるといいと思います。
前置きが長くなりましたが、本日見た内容をまとめます。
sponsored link
2017年8月13日「ゲンキの時間」の内容
水中運動が、陸上での運動より優れている点
消費カロリーが高い
水中でのウォーキングでの消費カロリーは360キロカロリーなのに対し、陸上ウォーキングの消費カロリーが1時間平均150キロカロリー。
つまり、同じ運動をするにしても、水中の中での運動の方が、消費カロリーが倍近く高いそうです。
重力が軽減し足への荷重が軽減し、水圧で血流がアップ
さらに、水中では立った時に水位が高ければ高いほど、(つまり水中に立った時に、水深が深ければ深いほど)足にかかる荷重が軽減されるそうで、その値は、おへそのあたりの位置で50%、胸のあたりの位置で30%、脇の位置では10%まで荷重が軽減されるそうです。
つまり、足にかかる負担は、水中に立った時の水位がおへそのあたりで体重の半分に、水位がわきのあたりの時で10分の1まで減るということです。
そのため水中での運動は、膝や腰の関節にかかる負担が軽減され、陸上での運動に比べて関節への負担が少なく、それによって、継続的に運動できるそうです。
加えて、水の中では水圧が体にかかることで、静脈の血液が上の方に上がるため、水中にいるだけで血流が良くなるそうです。
ART(アクア・リセット・トレーニング)
アクア・リセット・トレーニングとは、水中で体の中の筋肉である、インナーマッスルを鍛えることで関節をほぐして身体の動きをスムーズにするトレーニングだそうです。
ARTがなぜいいのか?
「腕を伸ばして横に動かす運動を行った場合」を例にあげると、
陸上: 重力があるため、腕の重さを支えるために三角筋などのアウターマッスルを使う。
水中: 重力の影響が減るため、(腕が水に浮くことで)腕を支える必要がないため、アウターマッスルはほとんど使われず、代わりに関節の周りにあるインナーマッスルが多く使われる。
重力のかかる陸上では、アウターマッスルの作用で関節が引っ張られてずれてしまうため、水中に入ることで、アウターマッスルを休め、インナーマッスルを鍛えることができ、それによって関節をリセットできるそうです。
ART・(アクア リセット トレーニング)の方法
肩のART
・水の中で腕を伸ばし、力を抜いて、ゆらゆらさせる。
腰のART
・水中で片足を上げ、ゆらゆらさせる。
・水中でももを抱え込み、背中やお尻の外側の筋肉をゆるめる。
ひざのART
・足を前に蹴り上げながら水中歩行する。
これらをそれぞれ約5分行う。
実際に、ARTをやった人たちの感想では
Aさん「運動でこういう風に軽くなるのははじめてしりました。そんなに難しくなくて結構できるんだな、そのあと(肩が)やっぱり軽いですよね。」
Bさん「ある程度の年齢だと筋肉運動は苦手なんですけれども、水の中だとそんなに負担がかからなくてできたってことがいいなと思いました。」
Cさん「水中だと今まで曲げることが痛かったのが無理なく曲げることができて、ひざの重苦しいのが取れた気がしてダンスでも勝てそうな気がします。」などと述べていました。
「実際に足圧のバランスをたった5分のARTをやる前とやった後とで比べてみると、ART前は、Aさんは、左足52%で右足が48%だった人が、ART後は、左足が51%で右足が49%になって右足の指に重心がかかるようになった。」という結果が出ていました。
このAさんは、ART前は、右足の足の指に重心がかかっていなかったのが、腕のARTをやったことで、肩の関節がもとの場所に戻り、左右のバランスが整い、右足の先にも重心がかかるようになったということだそうです。
Bさんは、足圧のバランスが、かかとに重心がかかっていて、右足が59%、右足41%だったものが、ART後は右足が50%、左足が50%で均等になり、かかとにかかっていた圧が足全体に広がり、その結果、反り腰から、背筋がまっすぐに伸び、骨盤が立った状態に改善していました。
Bさん自身もこれには驚き「やった結果がこれだけの効果がでると励みになりますよね。」と話していました。
CさんもART前の足圧は、左足が59%、右足41%で、左足に重心がかかっていたものが、ART後は、左足が54%、右足が46%で、右足にも重心が乗るようになっていました。痛い右ひざを水中ではかばうことなく左右均等の運動ができたことで姿勢もまっすぐ改善していました。
須藤先生によると、
「このアクア・リセット・トレーニングは毎日行う必要はなく、週に2回、3か月くらい継続すると筋肉の動きが向上するのを感じられるそうです。
関節を動かすことでまわりの筋肉が温められ、血流が促進され、(プールで冷える)というよりは、温められると考えている。
プールで尿意を感じるのはいいこと。プールに入った時に尿意を感じるのは、水圧によって、血液が足の方から体幹に上がってくる。そうすると、「利尿ホルモン」が分泌され、尿意を感じる現象が起こる。プールに入って尿意を感じるのは、血流が良くなっている証拠だそうです。
お風呂で5分でできるストレッチ・BRS(バスリセットストレッチ)
プールに行けない人は、自宅のお風呂で出来る(バス・リセット・トレーニング)BRTがおすすめ。
肩こり改善のBRS
肩のインナーマッスルを鍛え、痛みやコリの解消に役立ちます。
① 肩までお湯につかり、手を肩につけたまま大きく5回まわす。
② 次に手を軽く合わせて合掌のポーズをする。
③ そのまま肩甲骨をひらくように指先を前に伸ばし、息を吸いながら戻し、今度はひねるように手のひらを上にして同じように前に伸ばしてから戻します。これを2~3回繰り返します。
腰痛改善のBRS
・脚を付け根から同じふり幅で左右に動かし、振り子運動をする。
これによりおしりの中殿筋を鍛え、骨盤のバランスを改善する。(左右10回3セットずつ行う)
・浴槽の中で片足を抱え込み、息を吐きながら身体を後ろに倒し、背中とおしりの筋肉をリラックスさせます。(1回5秒 左右5回ずつ行う。)
ひざ痛改善のBRS
浴槽の中で足をまっすぐのばし、ボールを上に蹴り上げるような動作をする。蹴ったり、足を伸ばす動作で太ももの筋肉が鍛えられ、ひざの関節が安定する。
左右5回ずつ、3セット行う。
このお風呂の中でのストレッチは、須藤先生によると、お風呂の温度は、夏の今の時季は36℃~39℃くらいのぬるめのお湯で行うといいそうです。
まとめ
水中運動の効果は、最初にも書きましたが、私は実際に経験してみていいと思っています。
脳脊髄液減少症の患者の体に、水圧をかける上、体を浮かせながらでインナーマッスルを鍛えられる、とてもいい運動だと、私自身、体験して思います。
ただ、そこに行きつくまでの筋トレが、孤独と筋肉をつけるのがとても大変でした。
水中運動がいきなりできる人は、健康な人だと思います。
まずは、陸上で地道に筋トレをやって、ある程度自分でプールまで行けるようになってから、水中運動に取り組むとよいと思います。
普通のプールは、健常者用ですから、病院のリハビリ室みたいにつきっきりでみてくれる人などいません。
健常者に交じって、水中を歩いたり、健常者と一緒のクラスで水中ストレッチをやったりするのですから、それだけの体力気力、症状改善があってからしか、水中運動には取り組めないと思います。
けれど、水中運動に取り組みはじめて、陸上にはない、「重力から体が解放されて、頭の重さから解放されると感じました。
また、体全体にプールの水圧がかかることで、まるで高気圧の中にいるような体調にいい変化があること(髄液漏れたままだと水からあがると元にもどりますが)
しかも水圧がかかりながら動くことで、加圧トレーニング的な要素も体にかかるのではないか?と感じました。
ともあれ、また、水中運動に取り組みたいと思っています。