リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

医師も知らない脳脊髄液減少症当事者の思いと現実

発達障害と脳脊髄液減少症3

time 2018/05/14

発達障害と脳脊髄液減少症3

2018年5月13日放送の「もっとNHK」という番組で発達障害についてのNHKの取り組みを見た感想の第三回めです。

2017年にはじまったNHKの発達障害プロジェクト

たしか私の記憶では昨年の5月からこのNHKの発達障害プロジェクトがはじまったように思います。

あれから1年。

NHKでは一年前の2017年から発達障害プロジェクトをはじめました。NHKの番組「あさイチ」「ETV特集」「ウワサの保護者会」[NHKスペシャル」「おはよう日本」「クローズアップ現代」「サイエンスZERO」「すくすく子育て」「シブ5時」「バリバラ」「ハートネットTV」など
当事者に向けた福祉番組、家庭や学校での問題を取り上げる教育番組など多くの番組で発達障害について伝えてきたそうです。

私はそのすべては見ていませんが、仕事をしていない子育て中の人も、そうでない人も、日中は働いている人も、福祉に関心がある人もない人も、Eテレを見ず総合テレビしか見ない人も、夜遅くテレビを見る人にも、いろいろな年齢層の人の目に届くように配慮されているのが番組名から感じ取れます。

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5月26日にまた発達障害について放送

今月26日(2018年5月26日土 Eテレ)では、夜9時から「ちゃんと知りたい!こどもの発達障害」という、「すくすく子育て」と「ウワサの保護者会」がタッグを組んで、幼いこどもの発達障害の悩みにこたえる番組を放送するそうです。

「ウワサの保護者会」のプロデューサー岡本朋子さんはこう話されていました。

「学校現場では困っている子どもたちがまだたくさんいると認識しています。少しサポートしてあげれば、うまく一緒に過ごせて楽しく過ごせるはずの子どもが、苦しんでいるという現状があると思っていますので(番組を)まだたくさん作っていきたいと思います。」

発達障害プロジェクトの中心となっている番組は、総合テレビで月曜から金曜の朝8時15分から放送している生活情報番組「あさイチ」
発達障害に関する特集をこれまで7回にわたって放送してきました。

中でも反響が大きかったのは2018年4月16日放送の、発達障害のグレーゾーンの特集だそうで、専門家に発達障害の可能性を指摘されたものの、はっきりとした診断がでていないこどもとその家族の悩みを紹介した回だそうです。
これは私も家事をしながらですが見ました。

その時のお母さんの『「(自分のこどもが)このぐらいのことはできるよ、きっと」と思っていることができないときのショック。普通っぽいのに普通じゃないショック。』という言葉は、まるで自分がその言葉を言われているようもさえ感じがしました。

私は生まれつきの発達障害ではなく、脳脊髄液減少症によって、一時的に後天的に発達障害もどきを強引に体験させられてしまった人ですが、まさしく、その言葉は自分が家族から言われているようでした。

私は自分の見た目が「普通っぽい」のに、私自身が感じている自分は、脳脊髄液減少症になる前の自分とあきらかに違っていて「普通ではない」のに、まわりからも医師からも「普通」に見られてしまう苦しみを嫌というほど味わいました。

まわりから「自分ひとりではなかなかできず手助けがほしいのに、周りからは、このぐらいのことはひとりでできるよね。」とほったらかされて手を貸してもらえなかったり、脳脊髄液減少症も見た目が普通っぽいから、どんなに症状が苦しくても、できないことがあってもなかなか周りに理解されたり助けてもらったりできないので、
生まれつきの発達障害の子どもたちも、もしかしたら、私が体験したようなことで苦しんでいるのかも?と思ったりしました。

「あさイチ」では放送中、視聴者からメールやファクスが寄せられるそうです。発達障害がテーマの回は普段より寄せられるメールやファックスが多く、この日は3200通を超えるメールとファックスが寄せられたそうです。

「あさイチ」を担当する、勝目卓ディレクターは発達障害プロジェクトの番組を数多く担当してきたそうです。

勝目さんは

「総合テレビの、なんでも扱う番組が2か月に1度、発達障害を取り上げ続けたというのは、たぶんとても意味があることで、それはつまり発達障害のことをよく知らないし、そもそも発達障害に関心がない人が何度も見たということだろうと思う。」

と話していました。

発達障害の子は昔から存在していた

発達障害の人は、10年前だって30年前だって50年前だっていたわけです。
ですから、そのころの発達障害の子とその親たちから見たら、当時の無理解な社会を生き抜いた人たちから見たら、今のこのNHKの取り組み「発達障害プロジェクト」は、積極的にNHKが「発達障害」の理解を社会に広めてくれようとしてくれているのですから、「昔と比べて夢のように進化した時代」になったと感じることでしょう。

しかし、私から見たら、脳脊髄液減少症に関しても、NHKがこれほどまでに取り組んでくれる時代は、遠い未来の気がして、気が遠くなりそうになりました。
勝目さんにお言葉をまねて語るなら、
「総合テレビの、なんでも扱う番組が、もし、今後2か月に1度、脳脊髄液減少症のことを取り上げてくれたなら、きっと脳脊髄液減少症に対する理解が少しずつ広まりはじめるでしょう。

もし、NHKが、「発達障害プロジェクト」のように、NHKのさまざまな番組と連携し、脳脊髄液減少症のことを繰り返し取り上げ、こどもや青年、大人、親、働き盛り、高齢者、それぞれの年齢に応じた、脳脊髄液減少症が引き起こす問題点や困難や症状のことを、この「発達障害プロジェクト」のように、繰り返し、繰り返し、放送してくれたなら、
それこそ、脳脊髄液減少症のことを知らないし、そもそも脳脊髄液減少症なんて自分には関係ないと思っている人が何度も繰り返し見ることになると思うのです。

それができてはじめて、気づいた人たちからのメールやファックスが届きだすでしょう。番組が放送されるたびに、メールやファックスが届きだし、それがどんどん脳脊髄液減少症の問題点を暴き始めることでしょう。

しかし、現段階では「脳脊髄液減少症プロジェクト」がNHKに立ち上がることはまずないでしょう。

なぜなら、番組プロデューサーも、脳脊髄液減少症が抱える事の重大さに気づいていないのはしかたがないにしても、
医師、特に脳外科医や神経内科医でさえ、あまり脳脊髄液減少症のことをわかっていないように、私は感じるからです。

現段階では、脳脊髄液減少症に詳しい医師でさえ、脳脊髄液減少症で発達障害のような状態になることをご存知ないかもしれません。
ましてや、ふつうの病気しか診たことのない脳外科医や神経内科医、小児科医、など、すべての医師は、脳脊髄液減少症で人体に起こる、発達障害様の不思議な状態を、知る人はゼロに近いことでしょう。

知っているのは、脳脊髄液減少症で、発達障害様の症状を経験しそれを自覚できた患者だけでしょう。
それは、もともと発達障害の状態を知っていて、脳脊髄液減少症で起こった自分の状態や生きづらさが「発達障害の人の症状や生きづらさに似ている」と気づけた場合だけでしょう。

そもそも、番組プロデューサーなる人が、医師も知らないような脳脊髄液減少症の「公共放送として放送するに値すること」に、気づけること自体難しいし、無理なのです。
ましてや、番組にするとか、しかもそれをあちこちの番組で取り上げ、世間に知らしめるなど、それが実現するのは何十年先かわからない、遠い未来になる気がしてならないのです。

そう、今から50年前の人が、現在、やっとこの「発達障害プロジェクト」のNHKの取り組みを目にするように、私たち脳脊髄液減少症患者は、NHKが「脳脊髄液減少症」を取り上げるまで長い年月を世間や医師の無理解と周囲の無支援に耐え続けなければならないかもしれないのです。少なくとも私はそう覚悟しています。

続く・・・。

関連記事:

発達障害と脳脊髄液減少症4

発達障害と脳脊髄液減少症1

発達障害と脳脊髄液減少症2

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コメント

  • dadkoalaさんようこそ!
    ただいま、事情があって、ここにdadkoalaさんからのコメントを転載させていただきます。ご了承ください。

    dadkoalaさんからいただいたコメント
    「初めまして、藪医者ことDr.Koalaです。
    今は(昔も?)耄碌して、非常勤となった一応内科医ですが、偶然このBLGを見つけました。
    私はCSF症例を数名しか診たことありませんが、GL(ガイドライン)なるものがかえって治療の妨げになっている日本の現実に失望しています。」

    以上、dadkoalaさんからのコメントでした。

    ここから先は私(lily)からのお返事です。

    dadkoalaさん、コメントありがとうございます。このブログをはじめて2年を過ぎましたが、はじめての「医師」を名乗ってくださった方だと思います。医師の立場からの貴重なご意見をありがとうございます。
    こうみえて、このサイトだけ見たら私はまともそうに感じるかもしれませんが、こうみえて私も長い髄液漏れの見逃しで、若い時からかなり脳が「耄碌(もうろく)」しているので、いつまでこのサイトを続けられるかわかりません。
    しかし今も、私の住む身近な医師にも理解がないので、怒りをぶつける形でストレス発散の意味もあって書いています。
    今朝もNHKで大人の発達障害についてやっていましたが、発達障害とかなりかぶる症状を私は脳脊髄液減少症で経験しているので、髄液漏れの有無を検査で確認もしないまま、「発達障害」とか「うつ病」とか「産後うつ」とか「診断」されている人がかなりいると思います。
    dadkoalaさんは「CSF症例を数名しか診たことがない。」とおっしゃっていますが、それは違うと思います。きっと知らないうちにもっとたくさんの患者に会っているはずです。ただ、症状があまりにもありふれていて不定愁訴ばかりなので気づいていない症例が、いままでのdadkoalaさんのご経験の中でたくさんあるはずです。
    実は私は、「髄液漏れ」だとわかった後、何人もの内科医、耳鼻科医、整形外科医、神経内科医に、わざわざ受診して、「あの時のあの私の症状は後で髄液漏れが原因だったとわかりました。あなたのあの時の見立ては間違っていたのです。私はあなたに髄液漏れを見逃されたのです。あなたは誤診したのですよ。もっと勉強してください。」と伝えに行きたい、そうでないとあの医師たちは、一生見逃しに気づかないだろう、と思ったことがあります。
    患者は医師を受診して、病名をつけてもらっても、治らないと普通は不信感を持ってしまい、別の医師を受診します。しかしあまりにもその先生がお優しくて、人格が優れていればいるほど、その医師の診断をたとえ間違っていても受け入れてしまい、その医師を離れられなくなり、その病名からも離れなくなる人たちもいます。
    でも、いままでお世話になった医師からもその診断名からも離れる勇気を持ち、別の医師の別の視点で、やっと症状の真相がわかり回復に向かう患者もいます。でもそうなっても、患者は昔、お世話になった医師に、そのことを教えにきてはくれません。

    たしかに、今あるガイドラインは、水俣病患者を苦しめた診断基準のように、「患者を広く早く助けるものではなく、多くの患者をなるべく切り捨て、診断基準にひっかかる患者をできるだけ少なくし、患者数を絞るためのもの」という冷酷さを患者としても感じます。

    最後に、私の闘病生活の中で、身近な脳神経外科医、神経内科医、整形外科医、麻酔科医は脳脊髄液減少症に否定的、あるいは批判的で「自分たちのできることで患者を少しでも助けてあげよう」と熱心に取り組む人たちはいまだに現れません。しかし、内科の先生たちは、まだブラッドパッチ治療が健康保険適用になる前から、かなり理解を示してくださいました。

    私は、患者が「風邪かな?」と思うような、頭痛やだるさやめまい、吐き気など、いろいろな症状で一番最初に行きやすい内科や小児科の医師たちが、「自分たちが早期発見のカギを握っている。」と思って、脳脊髄液減少症をもっと、身近に感じて、学んでほしいと願っています。
    内科系の医師たちが脳脊髄液減少症をもっと学んで現状を知れば、「線維筋痛症」とか「慢性疲労症候群」などとされてきた病態が実は、脳脊髄液減少症が深い関係があることに、気づきはじめ、誤診や見逃しが減っていくと期待しています。

    by lily €2018年11月19日 6:06 PM

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

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