リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

感動ポルノと脳脊髄液減少症

time 2016/09/16

感動ポルノと脳脊髄液減少症

2016年9月13日の朝日新聞朝刊の社会面に、
リオパラリンピックに関しての記事がありました。

リオで記者が書いたと思われる
「安楽死報道で考えた。」という記事です。

障害者の姿を、過度に、感動的に取り上げることは、
「感動ポルノ」と呼ばれるそうです。

私はその言葉を、この記事で初めて知りました。
衝撃的な言葉でした。

ベルギー人で、筋力が衰える進行性の脊髄の病気を持つ、女性車いす陸上選手が、
自らの安楽死の書類を準備したことで、すぐにでも死のうとしているという報道のされ方をされ、
その直後から、各国のメディアから取材の申し込みが殺到したことで、
自ら説明するために、異例の記者会見を開いたそうです。

その記者会見の場で、
「リオ語に安楽肢sるという報道は間違いです。」と笑顔で語ったそうです。

記事によると、
苦痛に耐えられなくなった時のために、安楽死という選択もあると
三人の石の判断を得て、合法的に安楽死をする書類を準備したそうですが、

「私はまだメダリストとして生きることをたのしみたい。
2020年には観客として日本に行きたい。」

そうです。

この記事を書いた朝日新聞記者はこうつづっています。

困難を乗り越えて挑戦する選手らの姿を伝えることは、スポーツ報道の大切な要素だ。

ただ、障害者スポーツでは、読者に伝わりやすく、記事に仕立てやすい障害の部分だけを、
ことさら取り上げてしまう自分に気づくことがある。

と。

さらには

パラリンピックで障害者を取り巻く状況を伝えることは大切だ。
その上で、
それぞれがどんな知恵と心構えで、勝負に挑んでいるのかを、的確に報じたいと思う。
大げさでショックな話にしなくても、
(選手の)状況の深刻さは伝わる。

 と。

「感動ポルノ」

今まで脳脊髄液減少症の報道を見るたび、私感じてきた違和感は、その違和感の原因がよくわからなかったのですが、
これだったんだと気づきました。

つまり、
脳脊髄液減少症について、社会的な問題点を詳しく取材し、的確に伝えることをせずして、
大まかな病気の説明だけで、それが、さも、ごく一部の特殊な人だけに起こるようなものとして扱い、
さらには、
患者の症状や障害の部分だけを取り上げ、視聴者の感動や涙を呼ぼうとする、その報道の仕方に、
私は強い違和感を感じたんだ、と、気づきました。

その上で、患者たちが、それぞれがどんな困難や苦労を乗り越え、どんな知恵と心構えで、今に至るのか?
どうやって回復という勝負を勝ち残ってきたのか?などを報じるならともかく、
お涙ちょうだいで終わる。

ただただ、患者の症状や障害の部分と、
世間の同情と、感動を得やすい部分だけを
大げさに取り上げて、
感動話に仕立てられるような報道の仕方をする側が問題だったのです。

今回の
パラリンピック選手の安楽死報道に限らず、

世間の興味関心と、感動と同情を呼ぶためだけを優先しているような
報道の仕方は、
その疾患や、患者や障害を持つ人に対して、
理解どころか、かえって誤解や無理解を呼び、
真実が伝わらない恐れがあると私は感じました。

それは、
脳脊髄液減少症の報道であっても、
同じことが言えると思います。

現状では、
脳脊髄液減少症の真実は、
何年たっても、世間に適切に伝わらず、

医師たちと世間の無関心が、
今後何年も、
続きかねないと私は思っています。

今後、マスコミ関係者の皆様には、

脳脊髄液減少症について報じる際は、
脳脊髄液減少症患者を過度に感動的に取り上げることのないよう、
お願いしたいと思います。

「感動ポルノ」にならないような、
適切な報道の仕方をしていただきたいと、
私は願っています。

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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