2020/07/04

新型コロナウィルス(COVID-19)に対して、「正しく恐れろ!」という人たちがいます。
でも未知の物に対して、人々が、恐怖を抱いてなんとか自分の身を守ろうとする、恐怖からなんとかして逃れようと必死になるのは、DNAに組み込まれた、人類の種の保存の本能だと私は思います。
だから、「正しく恐れろ!」なんて無理ですよ。
いつか来る地震や津波を恐れて、身を守る準備をする人たちには、その心がけを褒めたたえられることはあっても、避難はされない。ましてや、「正しく恐れろ」なんてたぶん言われない。
悲しんでいる人に、正しく悲しめとか、間違って悲しむなとか言わないように、その人に沸き起こる感情や不安に対して、他人が「正しい」とか「正しくない」とか言うべきではないと思うのです。
怖がっている人がいたら、その人たちのその恐怖によりそい、その恐怖を拭い去るような、丁寧な説明、丁寧な対応、詳しい情報提供ができる、政府、学者、専門家であってほしいと私は思うのです。
日本が、「人権、人権」と言って、「個人の人権が、公共の福祉、公共の人たちの生命の安全より優先される風潮」は、私は間違っていると思うのですが、なぜそうなったのかは、過去の日本での「ハンセン病患者さんへの誤った国策」の教訓、反動なのではないかと私は思っています。
ハンセン病の時も、当時としては、ハンセン病の詳しい知識がなかったとはいえ、患者の人権を配慮しつつ、周囲の人たちへの不安と恐怖に向き合う努力を、もっと真剣にしていれば、ああした悲劇はもう少し小さくなっていたのではないか?と思っています。