2020/07/04

私は、サバイバーです。脳脊髄液減少症の・・・。
ここに初めて来る人たちにとって、「脳脊髄液減少症って何?」って人もいることでしょう。
この辺で少し説明したいとおもいます。
脳脊髄液減少症が何かは、私がここでいろいろな記事で書いていますのでそちらを見ていただければと思いますけど、要は、人体に与えられる交通事故や転倒、転落、暴力、体罰、スポーツでの怪我や事故などが原因で、誰にでも起こりうるケガみたいなもんです。
でも、その症状が出てくるのが、時間差であることがあって、体に衝撃を受けてから、しばらくは症状が出ないことがあるのです。
だから患者本人も発症しているのに気づくのに遅れるし、症状が「不定愁訴」みたいに医師に思われるような頭痛、だるさ、微熱、だったりするもんだから、医師にもすぐには「脳脊髄液減少症だ」って見つけてもらえないんです。
それで、偶然にも別の医師に「脳脊髄液減少症かも?」って思ってもらって、脳脊髄液漏れを診断することが目的での特別な検査をしてもらえたり、脳脊髄液減少症に詳しい医師に紹介してもらえる患者はまだいいのです。多くは、症状を医師に訴えても訴えても、普通の検査ではたいした異状も出ないから、何もしてもらえず、風邪でしょう?精神的なものでしょう?と言われてしまいがちなのです。
それで、眠れなければ睡眠薬、精神不安があれば、精神安定剤、頭痛や身体痛など痛みがあれば痛み止め、などを出されて家に帰されてしまうのです。
最近のニュースを見ていると、新型コロナウィルス(COVID-19)に感染した患者さんも、脳脊髄液減少症患者の私と似たような経過をたどって、なかなか適切な診断と治療にたどり着けず、そのうちに重症化しているな、と感じています。
私もそうでしたから。
病名は違っても、医師の頭の中に、新しい疾患の知識がないと、症状からだけでは、ただの風邪とかたいしたことのない患者だと思われがちです。
患者がいくら、体調が尋常ではないことを医師に繰り返し訴えたところで、「こうして病院に来れて、症状を説明できるんだから大丈夫」的な扱いを受けるのが脳脊髄液減少症の私の経験です。
だから、先日命を落とした80代の女性が、発熱してから病院に運ばれ検査されるまで1週間もかかったことがとても残念です。
COVID-19の患者さんたちが、自分たちが感じている症状の深刻さをいくら医師に訴えても、何もしてもらえないまま、いたずらに時間が過ぎていった様子を伝え聞くにつれ、自分の体験と重なり、いたたまれません。
私は、脳脊髄液減少症でしたが、COVID-19だろうが、脳脊髄液減少症だろうが、今現在教科書に詳しく書かれていないものを抱えた患者に対する世間や医師、医療関係者の対応は、なかなかスムーズに行きません。
どんなに今まで聞いたこともない病態であったとしても、すぐさまその存在すら否定したり、たいしたことないと楽観視したりしないで、
まずは、実際の患者の症状の訴えに真摯に耳を傾け、患者の苦痛をいち早くとるという姿勢は医師には必須だと思うのです。
脳脊髄液減少症も新型コロナウィルス(COVID-19)も船外の医師か、船内の医師か、原因がウィルスでないか、ウィルスかの違いだけで、
ほとんど多くの医師に経験がなく、大学でも学んでいない病態で、そのために
「少ない医師に患者が殺到して、何時間も待たされ、患者が苦痛に耐えざるをえなくなり、必要な医療がすぐさま受けられない。」ということでは
両者の患者の置かれた環境はとても似ていると思いました。
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