リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

NHKあさイチ・睡眠負債

time 2017/09/04

NHKあさイチ・睡眠負債

本日(2017年9月4日)、NHK あさイチで睡眠負債についてとりあげられていました。
睡眠負債の状態が続くと深刻な病気になるリスクを高まることが次々にわかってきたそうです。(そんなことは体験的にもわかりそうなものだけど・・・やはり“エビデンス”が大事でそれがないとテレビでは取り上げられなかったんでしょうね・・。)

最近の研究では、睡眠負債が、がん細胞の増加を加速させることがわかってきて、睡眠負債がつづくと、認知症の原因物質が脳に蓄積しやすくなるそうです。

睡眠研究の本場、アメリカ スタンフォード大学 睡眠生体リズム研究所の所長の西野精治 氏によると、「これまで睡眠は単なる休息状態と考えられていたが、それ以外の役割がわかってきたのは最近で、不適切な睡眠であると、病気の進行が速くなる可能性がある。」とのことです。

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睡眠負債が、がんにどう影響するのか

・マウスの実験によると、通常の睡眠のマウスのがんが0.54g(平均)なのに対し、睡眠負債に陥ったマウス(睡眠を制限したマウス)では、がんが巨大化し、3週間で2倍の重さの1.22g(平均)になった。(Hakim F et al. Cancer Res.2014)

・睡眠をしっかりとっていれば、体の中にがん細胞ができても、免疫細胞が攻撃して抑え込んでくれるが、睡眠負債になると、免疫細胞の働きが低下し、がん細胞の増殖を抑えられなくなる。

・藤田保健衛生大学講師の柿崎真沙子さんによる「睡眠時間と乳がんの発生」の調査によると、睡眠負債と乳がんの関係がわかってきた。

宮城県の住民 約2万4000人を約9年間追跡調査したしたところ、睡眠時間が6時間以下の人は、7時間睡眠の人に比べて乳がんになるリスクが1.67倍高かった。(Kakizaki M el al Br JCancer.2008)

・睡眠生体リズム研究所の所長の西野精治 氏によると、認知症の原因の一つとされるアミロイドβは毎日(Jae-Eun Kang et al. Science 326,1005(2009))

アミロイドβは毎日日中に脳内に発生するが眠っている間に脳から排出される。これが睡眠時間が足りないと排出しきれない。睡眠負債でこの状態が続くとアミロイドβが脳内に蓄積し認知症をひきおこす可能性がわかってきた。

西野氏によると、「(アミロイドβ)を効果的に除去するということに関しては、睡眠が大事で長い睡眠、深い睡眠が必要」だとそうです。

睡眠負債が引き起こす病気は、がん、認知症だけでなく、脳卒中、心筋梗塞、高血圧症、肥満、うつ病などリスクが高くなったり、進行を早めてしまったりすることが最近わかってきたそうです。

睡眠研究のスペシャリストで、睡眠評価研究機構代表 医学博士の 白川修一郎さんが解説されていました。

白川氏によると、基本的には成人は一日7時間前後、高齢者は短くなるが、最適7時間で5時間未満にならないようにする。こどもは8~10時間寝た方がいい、そうです。

睡眠負債のリスクチェック

① 寝床についてから実際に眠るまでどのくらいの時間がかかったか?

A 寝つきはよかった。
B 少し時間がかかった。
C かなり時間がかかった。
D 非常に時間がかかった。(または眠れなかった。)

② 夜間、睡眠の途中で目が覚めましたか?

A 問題になるほどではなかった。
B 少し困ることがあった。
C かなり困った。
D 深刻な状態。(または全く眠れなかった。)

③ 希望する起床時刻より早く目覚めそれ以降眠れないことは?

A そのようなことはなかった。
B 少し早かった。
C かなり早かった。
D 非常に早かった。(または全く眠れなかった。)

④ 夜の眠りや昼寝も合わせて睡眠時間は足りていましたか?

A 十分である。
B 少し足りない。
C かなり足りない。
D まったく足りない。(または全く眠れなかった。)

⑤ 全体的な睡眠の質についてどう感じていますか?

A 満足している。
B 少し不満である。
C かなり不満である。
D 非常に不満である。(または眠れなかった。)

⑥ 日中の気分はいかがでしたか?

A いつも通りだった。
B 少しめいった。
C かなりめいった。
D 非常にめいった。

⑦ 日中の活動(身体的・精神的)はいかがでしたか?

A いつも通りだった。
B 少し低下した。
C かなり低下した。
D 非常に低下した。

⑧ 日中に眠くなることはありましたか?

A 全くなかった。
B 少しあった。
C かなりあった。
D 激しかった。

配点

A:0点
B:1点
C:2点
D:3点    で合計点数を出す。

これはもともとは「不眠症のチェックリスト」だそうです。

睡眠負債チェック

・10点以上  危険度 高

・6~9点  危険度 中

・5点以下 危険度  低

白川氏の説明によると、40代50代の女性は、家事、育児、仕事、介護などで負担がかかりやすく、うまく自分の時間をコントロールできないため、睡眠負債のリスクが高いそうです。

ある調査によると、日本は15兆円以上、睡眠負債によって損失があるそうです。

番組では、取材に応じてくれた女性の睡眠負債対策として、
・寝入りのメリハリをつける。ことを実践していました。

その工夫とは、
工夫
その① 新聞はリビングで読む。
その② 毎日11時に寝ることを決め、寝室ではテレビも照明も消す。というものでした。

すると、あっと言う間に寝入り、起床時間の朝5時までぐっすり眠れた。
すると、家事の効率がよくなった。
一週間ぐっすり寝ることに取り組んでもらう前と後とでの二桁の計算テストと握力テストも、
結果は計算テストが53点から62点にアップしており、握力も32.4㎏から33.4㎏にアップしていた。
お母さんだけでなく、息子さんも同じ結果がでた。

白川氏によると、「しっかり眠ると脳のパフォーマンスが上がる。実感として生活がよくなっって気分が良くなる。脳の働きがよくなってくる。脳がちゃんとはたらかないと筋肉もちゃんと働かない。最近、脳と筋肉の関係が言われてきた。段取りがよくなるから、家事が早くなり、メリハリがよくなってきた。」との説明でした。

・寝室に入ったらスマホをみない。
・夜は暗くして寝て、朝は光をちゃんと浴びる。(10分程度、出勤時など、周りが明るければいい。外に出ることが大事)
などを注意して生活にメリハリをつけるといいそうです。

白川氏のQ&Aによると、
・短期間なら睡眠導入剤を飲んだほうがいい場合もあるが、ずっと飲み続けていると効かなくなるので、浅い睡眠になり不具合が出てくるので、断薬を含めて主治医とよく相談すること。アメリカの方では3か月以上は睡眠薬は飲まない方がいいと言われている。

・かかりつけの内科医にて睡眠薬を処方されもう2年飲んでいるという人に対しては、認知行動療法とか生活スタイルを変えるなどして治ることがある。

・寝だめではダメ。寝すぎると体のリズムが崩れるので、週末に寝だめするのではなく、平日でも30分でもいいから早く寝るようにする。

・寝る直前には食べない。寝る3時間前には食べ終わっておく。

・悪夢を見る時は、精神神経科か睡眠の専門医療機関を訪ねるといい。

昼寝のコツ

白川氏によると、

・アラームをかけて寝すぎないようにする。
・横になって寝ない。座って寝る。
・こどもは10分、成人は15分から20分、高齢者は30分前後、1時間以上は寝ない。
・昼寝の直前にコーヒーとか緑茶を飲むとカフェインが30分ごろから効いてくるのでよい。

寝つきを良くするコツ

白川氏によると、

・寝る前にぬるめのお風呂に入る。
・ちょっとした緊張をやわらげる呼吸法をする。
・香りをうまくつかう。
・夜間にトイレで起きてしまう人は、夕食後にあまり水分をたくさんとらず、午前中になるべく水分摂取を増やす。

(ぬるめのお風呂、ストレッチ、香りなどこれらについては、すでに私は実践しています。カフェインを含む飲み物は午後から摂りませんが、水分摂取に関しては寝る前だろうが、夜中だろうがのどが渇いて飲みたい時に飲んでます。)

私の感想

ちなみに、私が、脳脊髄液減少症の症状がひどく睡眠障害にも苦しんでいた時期と、治療を重ねてかなり症状が回復した今とで、チェックしてみると、脳脊髄液減少症の症状がひどかったころと、回復した今とで点数に大きな差がでました。

脳脊髄液減少症の睡眠障害の症状がひどかった時代は、まったく眠れない、あるいはなかなか寝付けず、しかも眠っても悪夢や症状で起きてしまい、よく眠れず、夜中の2時ごろ目覚めて朝まで眠れないこともあり、睡眠時間も不足しがちだし、質も悪くて、日中には脳脊髄液減少症の過眠の症状や食後の猛烈な眠気もでて、日中の活動が思うようにできませんでした。睡眠リズムが崩れるのか昼夜逆転現象もおきたり、日中は気分も晴れずうつ状態のようで、精神的にも身体的にも不調でした。

そのころの私の状態でチェックしてみると、控えめぎみに症状を軽めにみつもってチェックしてみても、

①がD、②がD、③がB、④がC、⑤がC、⑥がB、⑦がC、⑧がDで合計17点でした。

これは、危険度高の10点の基準より、はるかに上回る値です。

では、現在の私の状態でチェックしてみると、

①がA、②がA、③がB、④がB、⑤がB、⑥がA、⑦がA、⑧がBで、4点でした。

実は8月は、上旬に実生活で、とても悲しくつらいことが起こりそれが原因でこの1か月とても気がめいっていたのですが、それは、今回は計算にあえて入れませんでした。睡眠不足が原因で気がめいったのではないからです。

もし、⑥をDの「非常にめいった」にしたとしても、7点で、脳脊髄液減少症の症状がひどかったころの半分の点数です。
かなり回復した現在では睡眠負債のリスクは低いようです。

脳脊髄液漏れが治療を重ねるごとに徐々に回復して、それによって、身体症状や睡眠障害も回復しつつあり、現在は睡眠負債もほとんどないようで、よかったです。

私のこの経験は、逆に言えば、脳脊髄液減少症の状態で、睡眠障害や、体の症状で十分な睡眠がとれないことが続くと、睡眠負債のリスクが高まると感じました。

脳脊髄液減少症になってから感染症にかかりやすく治りにくい経験から、脳脊髄液が減った人体では免疫力が下がったりしているのではないか?と考えています。とすると、がんにもなりやすいのではないか?と思います。
早く、脳脊髄液減少症と睡眠、脳脊髄液減少症と免疫力低下、脳脊髄液減少症とアミロイドβについての研究に着手される研究者が増えてほしいと願っています。

詳しい情報は あさイチホームページ(2017年9月4日)をご参照ください。

それにしても、「悪夢を見る時は、精神神経科か睡眠の専門医療機関を訪ねるといい。」と白川氏は答えていましたが、その精神神経科の医師も睡眠の医療機関の医師も脳脊髄液減少症になると「悪夢を見る。」ということをおそらくしらないということを、もしかしてご存知ないのでは?と思いました。

「悪夢の原因が脳脊髄液減少症だった」私から言わせれば、いくら精神神経科や睡眠の専門医を受診したところで脳脊髄液減少症に理解のない医師をいくら受診しても、原因を突き止めてもらえないと思いました。

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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