リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状に潜む脳脊髄液減少症の早期発見と回復、症状理解による患者に優しい社会の実現のために、私ができること

「ブルグミュラー」とつながっていた「幸せな記憶」

time 2017/08/10

「ブルグミュラー」とつながっていた「幸せな記憶」

最近、私の脳にちょっとした「いい変化」がありました。
「幸せな記憶」がよみがえってきたのです。

それは、youtubeで、私がこどものころ弾いていたピアノ曲のアレンジ演奏の動画を見たことではじまりました。
「音楽」と「記憶」がつながっていることに気づかされた出来事でした。

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音楽と記憶

こどものころ弾いていた曲とは、ブルグミュラーのピアノ練習曲の、「スティリアの女」です。

その「スティリアの女」の斬新な編曲の演奏が、動画で流れてきたのです。

ブルグミュラー・デスマッチ!~ブルグミュラー「25の練習曲op.100」による5つの演奏会用小品』という楽譜の編曲者自身によるデモ演奏でした。

これを聞いたとたんに、私の中に、「こどものころの幸せな記憶」が鮮やかによみがえってきました。

脳脊髄液減少症を見逃され、振り回された私の人生は「最悪」で「不幸」だと思っていたのですが、動画でなつかしい曲の編曲を聞いたことで、原曲のメロディの記憶も鮮やかによみがえり、同時に私にも幸せな時代があったことを思い出したのです。

ブルグミュラーの曲を弾いていたこども時代は、私の人生の中で、一番平和で、健康で幸せな時代した。

小学生の時、ブルグミュラーの曲を美しく弾きこなす同級生の女の子がいて、私もあんな風に弾きたいと、一生懸命練習したのを思い出しました。

ブルグミュラーの曲の中でも「スティリアの女」は特に何度も弾いていました。
スキップするような明るいメロディがとても好きだったからです。

そんなことがあって、この『ブルグミュラー・デスマッチ!~ブルグミュラー「25の練習曲op.100」による5つの演奏会用小品』というこの楽譜に興味を持って、今、実際に手にして見ています。

もうピアノなんて弾かないと思っていましたから、新しい楽譜を手にするのも、もう十何年ぶりです。

楽譜の表紙のイラストはプロレスの絵でしょうか?
大きなゴングやリングが描かれ、そこに覆面レスラー2名これから「デスマッチ」の闘いをしようとしているのでしょうか?。
とても大人向けの楽譜とは思えない楽しいデザインです。

楽譜の表紙

ピアノに長らく触れていなかった大人が、今更と思いつつ、恐る恐る楽譜の表紙をめくるときの、ためらいや近寄りがたさを、この愉快な表紙がやわらげてくれている気がしました。

目次をひらくと、・・・・

さりげなく「ピアノの鍵盤のデザイン」になっていることに気付きました。

楽譜の目次

この楽譜を書いた方は西澤健一さんという作曲家の方です。プロフィールによると「15歳よりピアノをはじめ、同時に独学で作曲をはじめる。」とあり、驚きました。
ピアノは幼いころから始める人が多い中、15歳からピアノを始め、しかも独学で作曲をはじめられ、その後の素晴らしい経歴をプロフィールで拝見して、私はなんだか「人の持つ偉大な力」を感じてなんだか勇気をいただいた気がしました。

この小品集「ブルグミュラー・デスマッチ!」は、「ブルグミュラーの25の練習曲」の中から「つばめ」「スティリアの女」「バラード」「貴婦人の乗馬」「タランテラ」の5つの曲を選んで、大人が演奏会でも弾けるようなものにレベルにアレンジしたもののようです。

編曲者と重なる私の思い

私はピアノを習っていたこどものころ、「バイエル」を終わった後に「ブルグミュラー25の練習曲」と出会い、それまでのつまらない曲とは違って、こども心にとてもワクワクしたものです。

この楽譜の編曲者は「あとがき」でこう書いています。

率直に言って面白くはないバイエルという苦行のあとにやってきたブルグミュラーの、なんと楽しかったこと。『貴婦人の乗馬』が弾けた時の、なんと嬉しかったこと。練習曲とは思えない豊富な楽想に心をときめかせた方も多かったと思います。

と。
私は、「うん、うん、そう!。あなたもそうだったんですね。」と思わず言いそうなくらいでした。
こども時代に心ひそかに感じていたけれど、そういうものなんだと不思議にも思わなかったことを、大人になってからこんな形で「はっきり言語化」していただいた楽譜の編曲者と共感しあえるなんて思いもしませんでした。

編曲者の「あとがき」を読んで、いろいろ気づかされたことがあります。
そのひとつに、こどものために書く曲は、手の大きさなどで使える音程に「しばり」があることを初めて知りました。

曲を作る人が、こども用に曲を書かかなければならない時、その「しばり」の中で書かなければならないことを私は今まで知りませんでした。
ましてや、その「しばり」の中で、ブルグミュラーがどんな気持ちで、こども用の練習曲を書いていたのか?なんて、こどもの頃はもちろん、この「あとがき」を読むまで、私は考えたことなどありませんでした。

「デスマッチ(Death Match)」の意味を改めて調べてみたら、「プロレスの試合形式の一種で、ルールをより危険なものに変更したり、特殊なリングを使用したりするもの」だそうです。

編曲者は「あとがき」でブルグミュラーに対してこう書いています。

「私のこの編曲は、そのしばりの向こう側で彼が感じていたであろう音楽のよろこびを、少々誇張して、表現したものにすぎません。」

と。

この小品集は、編曲者が「ブルグミュラーの曲がもし大人用に書かれていたとしたら?」と着想したことで、
まるでプロレスの「デスマッチ」の特殊なリング上での試合のように、
ブルグミュラーが当時感じていたであろう「しばり」とか「ルール」を編曲によって大胆に破って、そこから解放されて、かつての子供だった人たちが大人になって自由に、ブルグミュラーを演奏できるようにと、
書かれた曲集なのだと思いました。

今は、私はまずは動画のデモ演奏を聞きながら、楽譜の音符を目で追っていますが、音符を見るだけでも、「決められたルールやしばり」から解放され、音符が自由に飛び回っているようなそんな感じが伝わってきます。

スティリアの女

ブルグミュラーの25の練習曲の曲名は、今は昔と違っているものもあるようです。
「スティリアの女」楽譜の出版社によっては、違う曲名になっているものもあるようです。

「貴婦人の乗馬」という曲名は誤訳だったということを私は今回はじめて「あとがき」を読んで知りました。
調べてみるとどうやら「貴婦人」の部分が間違っていたようで、今ではただの「乗馬」という曲名になっているようです。

これについても編者は「あとがき」で

ここはあえて私たちのノスタルジーのために、この誤訳を本題とします。

として昔のままの「貴婦人の乗馬」という題にあえてしていただいたようです。
こどものころピアノを習って以来ずっと離れていた大人は、こどものころの昔の曲名でしか覚えていませんから、こうした配慮はとてもありがたいです。

動画で聞いた、この編曲の「スティリアの女」の演奏の感想ですが、「女性」に例えていうと・・・。
原曲を「若くて化粧けのない普段着の細身の女性」とすると、この編曲の「スティリアの女」は「きらびやかなドレスとアクセサリーで着飾った大人の女性」といった印象です。

譜面を見ても、編曲の「スティリアの女」の方は、キラキラとした音で飾り付けられ、原曲よりぐんと大人びた曲に仕上がっているように感じます。難易度は上がっているのに、なんだか自分にも弾けそうな気がしてくるのが不思議です。

それに、たった譜面3ページの曲なのに、編曲された曲は、リピートがあることを差し引いても、もっと長い、壮大な曲に感じるのはなぜでしょうか?

こどものころ弾いていたあの「スティリアの女」が「こうもゴージャスになるの?」という新鮮が驚きが、ひさしぶりにピアノに触れる大人の「挑戦心」にも火をつける気がします。

付録の「おもしろ編曲」で脳裏に浮かんだ情景

また、おもしろい編曲にも出会いました。
この楽譜の巻末、付録としてついている『内気な6歳の男の子が最初のレッスンに持ってきた「スティリアの女」』という編曲の楽譜です。付録の楽譜

先に動画でもこの楽譜のデモ演奏を見たのですが、その「斬新な編曲」に驚きました。
それは編曲は編曲でも普通の編曲ではなく、「わざとヘタに聞こえるようなアレンジ曲」だったからです。

まるで『内気な6歳の男の子が、うまく弾けないまま、ピアノレッスン日が来てしまい、母親に連れられてしかたなくやってきて、ピアノの先生の前で練習不足の「スティリアの女」をたどたどしく弾いている。』といった、
そんなことが実際に目の前で起こっているかのような、そんな錯覚に陥るような、不思議な編曲なのです。

目をつぶって、動画でこのデモ演奏を聞くと、ますます、本当にこどもが目の前でつっかえつっかえ弾いているような感じです。

この『内気な6歳の男の子が最初のレッスンに持ってきた「スティリアの女」』という編曲について、編者の「あとがき」によると

「譜読みは面倒ですが、楽譜通りに弾けば弾くほど、かわいそうな子に見えてくる。そういうアレンジです。余興としてお楽しみください。」

とありました。

しかし、私はむしろ、この「おもしろ編曲」を聞いて、その子が「かわいそう」というより、その子のレッスンを見守っているであろう母親の姿が浮かんできて、そのお母さんの方こそ「かわいそう」な気持ちになってしまいました。

『ピアノの先生の前で「スティリアの女」をたどたどしく弾いている内気な6歳の男の子』を見守っているであろうその子のお母さん。
さぞかし、ハラハラ、ドキドキ、イライラ、カリカリしながら見守っているのでしょう。
この曲を聞いているとそんなお母さんの気持ちになってしまうのです。

きっと「ヘタに聞こえる曲」ですら、私の過去の別の記憶を呼び覚まして、自分の過去の経験と重なってしまうのでしょう。

「おもしろ編曲」が私に教えてくれたこと

この「ヘタにしか聞こえない編曲」を動画で見て、これを楽譜に起こすと、どういう楽譜になるんだろう?と思っていましたが、実際にその『内気な6歳の男の子が最初のレッスンに持ってきた「スティリアの女」』の楽譜を見て、意外にも「難解」ということに気づきました。

あの「ヘタな演奏に聞こえる曲」の楽譜は、強弱とか、左右の手の指の休止符の取り方とかが、楽譜どおりに弾くのはかなり難しそうです。
普通にテンポよく「スティリアの女」を弾く方がはるかに簡単なんじゃないかと思うほどです。

これはかなり高度なテクニックがある人じゃないと「わざとヘタに聞こえるような楽譜どうりにはは弾けないな」と思いました。
頭が記憶している普通の「スティリアの女」のメロディが邪魔して、わざとヘタに聞こえるこの編曲はなかなか譜面どうり弾くのは難しそうです。

「ヘタに聞こえる曲」って、楽譜に起こすと、「かなり難しい譜面」になることを知って、私はあることに気づきました。
それは、「ヘタな人の演奏を実際に録音して、楽譜に起こすと、こういうふうな難しい楽譜の、ある意味、編曲になるの!。」ってことです。

そこまで考えて、私はさらに気づいたのです。こども時代の「ヘタ演奏」は、それはそれで「貴重な作品」かもしれないってことに。

それは、つまり、ピアノが上手に弾けない子の音を録音して譜面に起こしても、貴重な編曲の譜面ができあがるわけです。
ということは、「ピアノが下手な子を持つお母さん!、子どものレッスン見ながら、イライラ、カリカリしなさんな。それはたったひとつの、あなたの子の編曲の作品かもよ。」と、この「おもしろ編曲」に教えられた気さえしたのです。

『あなたの目の前の、その子の、その上手とは言えないその弾き方や音は、あなたには練習不足に聞こえるるかもしれないけれど、でもそれを実際に楽譜に起こすと難解な楽譜になるんだよ。
だからもしかしたら、その子のその演奏は、その時ならではの、今のあなたしか「生」で聞けない、その子だけの「貴重なアレンジ曲」なのかもしれないよ。』って、そんなことを私に教えてくれた気がします。

もし、昔の私に、今のようなこういう考え方、受け止め方ができていたなら、「うまく弾けない子」に対しても、もう少し冷静に、暖かい優しい目で見ることができ、その時の「今」を楽しみ味わえたかもしれない、と思いました。

私が、今ごろ、そんなことに気づいてもすでに遅いんですが、今、子育て中で、ピアノがうまくない子を持つ若いお母さんたちがもしいたら、この曲をお母さん自身が自分で弾こうとしたり譜面を読んだら、私と同じ「気づき」があるかもしれません。

もし、私と同じ気づきが得られたら、ピアノが下手な子を持つお母さんでも、レッスンのたびに子を見て、身の縮むようなストレスを感じず、温かい目でリラックスしてこどものレッスンを見守っていられるのではないか?と思ったりしました。

この付録の編曲は、お母さんたちにそういう「大切な気づき」を与える効果があるような気がします。

だから私は、「余興」だけでなく、子供を持つお母さんたちにこそ、この『内気な6歳の男の子が最初のレッスンに持ってきた「スティリアの女」』を一度は弾いてもらいたいし、譜面だけでも見てもらいたいと思いました。

懐かしいブルグミュラーのピアノ曲に触れて、楽譜を手にして、「幸せな記憶」「ちょっぴり苦い記憶」など、いろいろな記憶がよみがえり、思いが沸いてきて、これだけで充分、脳トレになりました。

最後に、謎がひとつ残りました。それは編曲者がなぜこの5曲をこの順に並べたか?という謎です。
編曲者はあとがきで

「なぜこの順に並べたのかは、楽譜をご覧いただけばご理解いただけるでしょう。」

と書いていますが、今の私では全くその理由がわかりませんでした。

実際に5曲全部を弾いてみないと、この謎は解けないのかもしれません。

謎が解けたら、またここでご報告します。

楽譜情報:

ブルグミュラー・デスマッチ!~ブルグミュラー「25の練習曲op.100」による5つの演奏会用小品~

ブルグミュラー作曲/西澤健一編曲

芸術現代社 刊 判型=菊倍判 頁数=28頁 900円+税

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自己紹介

lily

健康オタクの脳脊髄液減少症のサバイバーです。「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

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