2020/07/04
私が、脳脊髄液減少症で闘病中に感じたことです。
参考になる人だけ、参考にしてください。
何を言っているんだ、苦しんでいる患者のために、家族がいろいろ助けて何が悪いと、
お思いの方は、この記事は無視してください。
大切なのは自分で治す意識を持たせること
脳脊髄液減少症については、残念ながら、2017年3月13日現在、
日本全国、地球全部で、いつでもどこでも、誰でも、いつどこで発症しても、
すぐさま周囲や医師に助けてもらえるわけではありません。
暖かい家族、理解ある配偶者、支えてくれる親、理解ある地域医療に恵まれている、そんな患者ばかりではありません。
患者はいつも、
もし、それらの人たちの支えがなくても、最終的には自分一人で周囲に、どんなに理解がない人たちに囲まれていても、自分を救い出すだけの力を、自分でしぼり出せるか?を脳脊髄液減少症によって試されている、ぐらいに思って、自分で治す決意ぐらいは持ってほしいと思うのです。
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やってはいけない
子を思うあまり、早く治してもらいたい一心で、
医師を受診する際、お子さんに代わって、お子さんの症状や現状を、本人より先走って医師に話していませんか?
なかなか治らないからと、医師への不信感や怒りや失望を、あからさまに、患者本人の前で言葉にしていませんか?
患者の私から言わせれば、どちらもNG行為です。
今回は、最初のNG行為、「家族の先走り」にだけ詳しいことを書きます。
二つ目のNG行為についての詳しいことは、またUPします。(時々トップページをチェックしてみてください。)
なぜなら、患者でない人が、患者の症状など、わかりっこないのに、それを医師に伝えられっこないと考えるからです。
症状の体験のない者が医師に代弁して伝えるぐらいなら、不完全でも患者本人が医師に伝える方がマシだと考えるからです。
それどころか、患者でない者が、医師に、患者の症状を代弁して伝えると、医師に正確に患者の現状が伝わらず、よけいに医師の理解を得るのが難しくなると感じるからです。
体験したものでないと、医師にも正確に伝えられない
脳脊髄液減少症になって私が感じたことは、どんなに死にたいほど苦しい症状にある時でも、外見からでは、周囲に私の苦しみが全く伝わらない現実から、
「脳脊髄液減少症の症状の苦しみは、体験したものでないと、絶対にわからない。」と感じました。
どんなに思いやり、想像力ある親や恋人、配偶者であっても、
どんなに疲労感や痛みや精神的症状に理解ある、優秀な医師であっても、
どんなに脳脊髄液減少症に学問的に詳しい医師であっても、
脳脊髄液減少症を実際に体験していなければ、絶対にこの苦しみ、このしんどさはわかりっこない、と思いました。
私が必死で症状を言葉にしたところで、血を分けた家族であっても、そうでない身近な人でも、まったく脳脊髄液減少症の症状の苦しみなんて伝わらない経験から、そう感じました。
大人の私が、今までの経験を駆使して、表現力豊かに、何かに例えて、必死にその苦しみを言葉に表現したところで、全く医師(主治医以外の)にも、家族にも、地元医師にも、私の感じている苦痛が伝わらないのです。
患者でない人は回復への主導権は握らず、影の支えに徹する
いくら子を愛する親でも、愛する人の配偶者でも、基本的に、脳脊髄液減少症の経験がなければ、その苦しみはわかりっこないと、覚悟を決めてください。
その分かりっこない人が、患者の苦しみの代弁なんて、できっこないと、患者の私は思うのです。
もし、私が脳脊髄液減少症で感じている苦しみ、症状によって困っている状況を、
私に代わって、誰かが医師に受診の際に伝えてくれるといっても、それは無理だし、「できっこない」からせっかくの暖かい申し出ですが、断ります。
いくら親でも、その子の症状や、状態は、その子の外側からだけあなたが見ている現状であって、その子が感じていることではないことに気付いてください。
ならば、どうするか?
医師受診の際は、必ず、患者本人に、問診票を書かせ、
必ず、患者本人から医師に話させてください。
もし、家族の患者が、脳脊髄液減少症で声が出づらく声が小さくしか出ず、高次脳機能障害でうまく症状や現状が話せないとしても、
言葉が話せるなら、本人が症状などを話してください。
もし、手に力が入らずとも、なんとかミミズが這ったようでも字がかけるなら、
なるべく本人に書かせてください。
その文字の状況でさえ、医師の判断になる場合もあるからです。
本人ができることを、家族や親が奪い取って、先走ってなんでもやってあげないでください。
特に、症状に関しては、脳脊髄液減少症の体験のない人が医師に話せば、ますます、医師に性格な状態が伝わらなくなると思います。
自分を治せるのは最終的には自分
あまりにも幼い、または、あまりにも高齢な患者、以外は、
基本、脳脊髄液減少症の患者が、自ら、自分で、医師に話せるようにメモをあらかじめ用意させるなどして、
患者本人に話させてください。
高次脳機能障害や物忘れなどで、質問や、医師に聞くべきことや、薬をもらうことなど、患者本人が会話の中で忘れた場合、それを、指摘するなど、さりげなく家族がフォローしてあげてください。
それ以外は、患者に先走って、脳脊髄液減少症の体験もない家族が、患者に成り代わって、症状のことなど、話さないでください。
かえって、医師に伝わりにくく、医師も、患者の言葉として確認の必要を感じて二度手間となる可能性があると思います。
回復への近道は、自己決定で自分で自分を回復へ向かわせる力を引き出すこと
患者に対する本当の愛があるなら、あるいは、心から早く治してあげたいなら、
あなたが、すべて先回りしてやってあげることではなく、その人のできることはなるべく本人にやっていただき、
できないことだけを、さりげなくフォローすることだと心得てください。
あなたは、脳脊髄液減少症の体験がない以上、患者より詳しく、医師に話すことなどできないと、覚悟してください。
患者本人に、自分で、自分はどうしたいのか?話させてください。
症状や、検査や治療も含めて、自分で医師に話せるよう、それを周囲が支援してあげてください。
患者の家族が回復への主導権を握るのではなく、患者自身に回復への道を自力で進めるように、影で支えるのです。
これは、受診の際の注意点だけでなく、
早い回復のための療養中の生活でも、同じことです。
患者本人が、どうしてもこれは自分ひとりではできない、と自分から助けを求めたことだけは、
快く助けてあげてください。
それが、たとえ、一見患者が自分でできそうなことであっても、高次脳機能障害や、不潔恐怖症などで
できないこともあります。
本当に助けてあげるべきことと、そうでないものは、脳脊髄液減少症患者の場合、普通の病人やケガ人より、見極めが難しいと思います。
しかし、患者に甘えさせず、突き放すこともせず、患者より先走らず、かといって患者まかせの放任主義でもなく、
その兼ね合いを上手に見極めながら、フォローすることが大切だと思います。
こうして、書いているのは、
私が患者として、そうやって、家族にフォローしてもらいたいと常々感じてきたからです。