リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

病院と医師の選び方・私からのアドバイス

脳脊髄液減少症の私が自分の経験からお伝えできる病院の選び方です。

正確に言えば、病院というより、医師、医師というより、助けてくれる「人」の選び方です。
脳脊髄液減少症について理解し、助けてくれる人が医師をはじめ数多くいる病院を選ぶということです。

ブラッドパッチが保険適用前のこれを書いている2016年2月現在と、ここから数年間は、あなたのご近所の病院の医師がその脳脊髄液減少症に詳しい医師の情報を持っていて紹介してもらえる可能性は、まだまだ低いと予想します。ですからあなた自らが、脳脊髄液減少症の医師がいる病院を探し、選らばざるをえないこともあると思います。その際の私からのアドバイスです。

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サバイバー患者からの病院選びのアドバイス

①厚生労働省の脳脊髄液減少症対応病院リスト、各都道府県庁ホームページの脳脊髄液減少症対応リストなどで自分が距離的、体力的に、長期戦になっても、無理なく行けそうな距離で病院で、「脳外科」が中心になって治療に取り組んでいる病院をリストアップする。
ブラッドパッチ1回で完治するとは限らないから、遠すぎる病院の医師は避けたほうがいいと思います。

「麻酔科」であっても、「脳外科」との連携は必須です。「神経内科」や「内科」「整形外科」より、私は「脳外科医」が脳脊髄液減少症治療の中心にいたほうがいいと思っています。

②それらの中からいろいろな情報を参考にさらに病院をいくつかに絞ることです。

③最終的には、自分がたとえ長期戦になっても、通いつづけられそうな病院か、自分を助けてくれそうな医師か?医師が大学病院からの派遣でコロコロ毎年変わる脳外科か、探りながら、本能的、直感的に決めます。

ここぞと思った病院の医師を見つけたら、実際に行って自分の主治医として適切か面接する気分で受診してみる。
実際に行ってみてからも、医師と医師の相性はもちろん、病院の雰囲気、清潔さ、事務員の対応なども含め、苦痛でないと感じる相性のいい病院か、医師か、これからも通いつづけられそうな病院か?医師か?最終的に決めます。

もし、最初の病院の医師とどうしても合わなかったら、次にリストアップした医師に会ってみることです。

自分の第一印象や、直感って、結構重要だと私は思ってます。人間には、自分を助けだすための、本能がそなわっているはずですから。
どんなに経験豊富な名医がいる病院であっても、あまりに距離が遠すぎて、 定期的な通院が続かない病院の医師や、医師がコロコロ変わって安定して同じ医師にかかれないようでは、その患者本人にとっても、家族にとっても、あまりいいとは思えません。

ただでさえ今まで医師に脳脊髄液減少症を見逃され続けた患者は、人間不信や医師不信になっていますから、医師がコロコロ変わって安定して脳脊髄液減少症治療に熱意と使命感を持って取り組んでいないようでは、患者本人にとってのマイナスです。
逆にいくらいい専門医でもあまりに遠すぎて通院が続かないのでは、患者本人のためにも、脳脊髄液減少症の研究の今後にもプラスにはならないと思います。なぜなら治療後の経過を医師が知らされないまま、患者が通院して来なくなれば、医師もその後を知るすべがないから、今後の患者に対しても、前の患者からの経験を活かしづらいと思います。

継続的に患者の経過を診られないことは、 患者本人にとっても、今後の脳脊髄液減少症の研究や症状の解明、治療法の開発にとっても、大きなマイナスだと思います。

結果的にそのことは、まわりまわって患者本人にも不利益となって、今後ふりかかってくるような気がします。

私の経験から皆さまへのアドバイスをさらに詳しく書くと、
1.長期戦になることも考えて、交通費や宿泊費、移動距離、移動時間など、自分の体の負担や、経済的、体力的、時間的、付き添いの家族の都合的にも、自宅から、無理なく通院可能な距離範囲で病院と医師を選ぶことです。

つまり、なるべく、移動に新幹線や飛行機などを使わないことです。(それらは気圧の変化や低気圧にさらされるので、治療しても帰り道のそれらの乗り物で症状が再発しては大変だから)

あと、病院にたどりつくために、ひどく渋滞するような道を通らなければならないとか、長時間車に乗っていなければならないとか、、船に長時間乗らないといけないとか、標高差のある山越えをしないといけないとか、そうした場合も患者の体の負担で通院が続かないと思います。だからなるべく近くに専門医がいてくれ、その病院でチーム医療で治してもらえるのが一番いいと私は思います。(そういう病院が私の近くも全くないんですが)

2.病院選びを人任せにせず、自分でできる範囲で自分で情報を集め、医師や病院について良く調べ、自分で病院に電話して聞くなど、どんなに症状が辛くても、自分を救いだすために残された力を振り絞って調べ、自分が納得した病院や医師を選ぶ。

3・病院を選ぶにあたっては、医師だけでなく、その医師を支える病院スタッフが、どれだけ脳脊髄液減少症について知識があるか、
あるいはこれから勉強していこうとしているかも探って、病院選びの参考にすること。

4・その病院に通ったり入院して治療を受けたりした先輩患者から、病院や医師の評判を聞くこと。
いい意見も悪い意見も両方聞いた上で、自分で判断して決めること。

5・実際に行ってみて、思っていたほど、医師が脳脊髄液減少症に対して理解がなく、これは「違う」と感じたら、病院を変える勇気も持つこと。

6・闘病中は、劇的にあるいは順調に回復する人もいる一方で、治療後一時的に回復しても、また一時的に悪化したようになったりすることもあるため、信頼できる医師でないと医師や治療に不信感がわいてしまい、治療を中断してしまい、治るはずの人が治らなくなる可能性もあると感じている。
そういうことがないよう、自分で信頼できる医師を決めたら、ある程度、信頼して通院を続けていく覚悟も必要。それが可能な距離、場所の病院の医師を選ぶこと。

7・厚生労働省や、都道府県庁の脳脊髄液減少症対応可能病院リストに載っている病院であっても、医師の退職や医師の異動などにより、いつも脳脊髄液減少症治療が可能である医師のいる病院であるとは限らないという現実を知ること。
したがって、基本、病院選びではなく、治してくれる知識と経験を持った医師選び、人間選びであるということを、常に頭に置いて自宅から通院可能な範囲で医師を探すこと。

8.症状悪化時にそなえ、通院中の脳脊髄液減少症治療病院の他に、自力で行ける範囲の自宅からすぐ近くにも、理解ある医師を見つけておくこと。自力で行ける範囲で、タクシー呼んで自分でも行ける範囲の病院やクリニックでで、心温かく受け入れて対症療法(点滴や痛みどめ、吐き気どめなど)ででも、助けてくれる医師がいる病院やクリニックなどを1キロ~3キロ圏内に、確保すること。(これがまた無理解な医師が多くて、非常に困難なんですが・・・・)

9.通院するに当たり、家族や知人や友人など、誰でもいいから助けてくれる協力者を確保し、その人に受診したい病院を説明し、協力者の同意を得た病院を選ぶこと。(治療後、自分ひとりでの退院が難しい場合など、協力者の存在は必要な場合が多いから。いくら自分が行きたくても、協力者の反対があって協力が全く得られない病院は通院が続かないと思う。)

10・一番大事なのは、実際に病院に行ってみたり、医師に会ってみた時、直感的に、本能的に、嫌な気持ち不安な気持ちがしないこと、ここなら自分を助けてくれると本能的に感じられるところを選ぶこと。

11、総合診療医の診断では脳脊髄液減少症を見逃し「異常なし」としてしまう危険がある。なぜなら、総合診療医自身が脳画像のMRIから脳脊髄液減少症を読み取るのではなく、放射線科医に任せた場合、放射線科医が脳脊髄液減少症の画像の読影に慣れていなければ、画像の異常を見逃し「異常なし」というレポートを書く可能性があるため。必ず脳脊髄液減少症の脳画像の読影に慣れた脳外科医が診断する体制が整っている病院を選ぶこと。
総合診療医+麻酔科医+脳脊髄液減少症の典型例しか診たことのない神経内科医あるいは脳外科医の組み合わせだけでは、私のような患者は見逃される可能性があると思います。

さらに、病院選びのヒントとして、私が見ているポイントは、積極的に病院全体で脳脊髄液減少症について取り組んでいる病院は、その病院のホームページや医師の専門分野の紹介ページに「脳脊髄液減少症」の文字があることが多いと感じます。

その病院のサイト内検索で、「脳脊髄液減少症」「低髄液圧症候群」で検索しても、案内も何も出てこない病院は、私は個人的には「医師個人としても、病院全体としても、スタッフ全体としても、脳脊髄液減少症の理解も取り組みもまだまだ」だと判断しています。

病院のホームページで脳外科や神経内科や麻酔科などのページに「脳脊髄液減少症」や「低髄液圧症候群」「脳脊髄液漏出症」の文字があるところは、診断にも治療にもある程度、経験があるのが予想できます。

また、医師個人の紹介ページで、医師の専門分野にも診療科のどこにも、脳脊髄液減少症の文字も、低髄液圧症候群の文字もないとこころは、たとえ、厚生労働省のリストや都道府県庁のホームページの脳脊髄液減少症対応医療機関リストに載っていても、私は「本当に脳脊髄液減少症の患者を適切に対応できるのか?」疑問に思います。

厚生労働省が病院名だけを公表しても、結局は治療するのは医師ですから、治療する医師が誰かわからなければ、患者は困ります。
いくら厚生労働省や、都道府県庁のリストに載っている病院であっても、その病院のどの医師が、脳脊髄液減少症に取り組んでいるのかがわからず、患者は不安になります。

そのため、患者が自ら病院に電話したり、病院のホームページを見たりするわけですが、ホームページにさえ、その情報が書かれていない病院はとても不親切だと思います。

ただでさえ脳脊髄液減少症の情報が少なく困っている患者に、最初にそのような不安を与える病院は、その段階で、「本当に脳脊髄液減少症患者を今後積極的に助けてくれようとしているのか?」と私は思ってしまいます。

できれば、病院のホームページのどこかに脳脊髄液減少症の文字があり、医師の専門分野のところにも、脳脊髄液減少症や低髄液圧症候群や脳脊髄液漏出症と明記してある病院や医師はあるていど、経験があると推察できます。

反面、病院ホームページできれいに脳脊髄液減少症について詳しく書いてあっても、実際に行ってみると、決して脳脊髄液減少症患者に理解がある病院でもなかったことを、私は地元で実際に経験しています。厚生労働省のリストに載っていたのでその病院に行ったのに、
その病院は救急の脳梗塞や脳疾患の患者の対応に追いまくられている印象で、一見しては病人に見えない脳脊髄液減少症患者の私は、
「今日は混んでいて、待ち時間がかかるかもしれない。」と言われ、待っている時間が長いと具合が悪くなると自力では帰ることさえ困難になるからと、あきらめて帰ったことがあります。体調が悪い中、家族にも頼れず、やっとの思いで自力で運転して病院に行ったのに、帰らなければならない時の患者の失望感とショックは大きいものです。ただでさえつらい症状を抱えて病院に行く患者をこんな形で追い返すような仕打ちでさらに悲しみと苦しみまで与える病院は、脳脊髄液減少症の患者対応病院としては失格だと感じます。

やはり、脳脊髄液減少症に関しては一般の外来と区別して、患者の診察用の枠を時間にゆとりをもってきちんと予約で用意している病院が本当の意味で今後、地域で、脳脊髄液減少症患者を救ってくれる病院として発展していくと私は思います。

[まとめ]
とにかく、大変でも、最後は実際に問い合わせてみたり行って、医師にあってみて、この病院の、この先生で納得できるか?と自問自答して、納得できたら、そこで精密な検査を受けるなり通院を始めるといいと思います。

しばらく通ってから病院を変えるのは、あまりにも、デメリットが大きく避けた方がいいと思います。

繰り返しますがいくら経験のある名医であっても、通院に遠すぎる医師はおすすめしません。
通院が体力的に患者一人では難しい場合があるし、家族に連れていってもらうのも交通費や宿泊費が二人分になり、なかなか経済的にも続かない可能性があるからです。
場合によっては長期戦になる場合があります。
病院選び医師選びは、自宅から無理なく通院可能な範囲で探すといいと思います。(現在の状況では理解ある医師が少なく、理解があっても経験が少なかったりして、それが難しいんですが)

なお、個人的には、検査入院、診断、入院での治療の一連の流れを、すべてひとつの病院ででき、脳脊髄液減少症のさまざまな症状にのちのち対応できるだけの、整形外科、眼科、ペインクリニック、耳鼻科、内科など、他科の医師にも脳脊髄液減少症に理解ある医師がいる総合的な病院が個人的にはおすすめです。

その後、闘病中は近くの病院やクリニックなどで、脳脊髄液減少症の症状に理解ある、個人のクリニックの先生にフォローしてもらいながら、脳脊髄液減少症を診る大きな病院にときどき通院し、必要があればその主治医と相談の上、検査や治療を重ね、普段は、近所の医師に支えていただきながら、闘病生活を続ける。というパターンが、私はいいのではないかと思います。

私はそうしています。
ただし、近所には、脳脊髄液減少症に理解ある医師がなかなか見つかりませんでした。

[今後医療機関に期待すること]

2016年1月14日行われた、厚生労働省の第38回先進医療会議で、脳脊髄液減少症の治療法であるブラッドパッチ(硬膜外自家血注入療法)が保険導入 「適」との結論を受けて、2016年1月20日、中央社会保険医療協議会で保険適用が承認されました。

いよいよ、2016年4月から、全国の病院で、脳脊髄液漏出症の治療法である、ブラッドパッチ療法が健康保険適用になります。

これにより、今後だんだんと、医師が実際に患者を診る機会が増え、脳脊髄液減少症患者の実態が知られはじめ、複雑な症状のことも少しずつ理解されて、適切に支援される時代がくることでしょう。

2016年2月13日(土)現在では、ブラッドパッチ療法は、先進医療 として扱われています。詳しくは、厚生労働省ホームページ 先進医療を実施している機関 の「硬膜外自家血注入」の項目をご覧ください。

また、お近くで相談先を探される場合は、都道府県庁ホームページで脳脊髄液減少症の対応医療機関を公開されている場合があります。

ただし現実には、脳脊髄液減少症の治療経験の多い医師は、全国でもまだまだ少ないのが現状です。
それをまずは、覚悟の上、まずは通院可能なお近くの相談先をお探しください。

これから少しずつ、脳脊髄液減少症に興味関心を持つ医師が増え、治療に取り組みはじめ、全国どこでも脳脊髄液減少症の治療が受けられる時代に年々近づいていくでしょう。

全国の医師の先生方の専門がなんであろうと、脳脊髄液減少症には無関係ではないことに早く気づいていただき、
一刻も早く脳脊髄液減少症患者に差し伸べられる医師の先生がたの救いの手が増えることを私は期待しています。

最後に皆さまに読んでいただきたい記事一時的にここにはっておきます。

毎日新聞記事

2016年2月18日ヨミドクター

ヨミドクター2016年2月14日
ぼやけて見えるには2種類の原因

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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