リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

迷走神経反射と脳脊髄液減少症

time 2017/09/21

昨日、「バイキング」という番組で、腹話術で有名な、いっこく堂さんが、過去に、迷走神経反射で倒れ、怪我を負って、顔面麻痺になったのを克服したというのを初めて知りました。

調べてみると、昨年(2016年3月)のことらしいです。
私は全く知りませんでした。

スポニチの2016年3月23日の記事によると

腹話術師のいっこく堂(52)が軽い「外傷性くも膜下出血」「両側前頭葉脳挫傷」のため入院した。22日夜、所属事務所がブログを更新して報告した。
20日深夜、就寝前にトイレに行った後、めまいがして倒れ、フローリングの廊下に顔面を打ち、意識を失った。家族が救急車を呼び、緊急搬送。頭部のCT検査と血液検査は異常がなく、自宅に戻った。
21日は自宅で休み、22日は日中に番組の打ち合わせがあった。

22日に頭痛、吐き気が一向に収まらず、再度検査。ごく少量の脳内出血があることが分かった。20日に頭部を打ったため、出血が起こったという。頭痛、吐き気は脳しんとうによるものだという。さらに軽い「左眼窩~副鼻腔骨折」「左頬骨弓骨折」も判明した。
20日にめまいで倒れた原因は断定はできないものの「迷走神経反射」とみられる。普段、お酒は飲めないが「梅酒を2~3cm飲んだため、ちょっと気持ち悪かった」という。飲酒後、トイレに行った後に倒れた。

ということです。

救急車で搬送されて検査で異常が見当たらなくて、一度家に帰され、普通に仕事しようとしていたんですね・・・。

私の想像ですが、いくら頭を強打したといっても、検査の阿蔵にもしまったく異常がでなかったら、医師にまた「気のせいです。大丈夫です。」と言われて、家に帰されていたのかもしれませんね。

そういう意味では、二度目の検査で、軽くても「異常」が画像に映ってかえってよかったのかもしれないと思いました。

たって、軽い骨折も、軽い出血も、すべて検査の画像でわかったからそれを持って、「これは大変」と医師が思ったからこそ入院できたようなもので、

もし、二度目の検査でもそれらの画像になんら異常が見つからなかったら、いくら吐き気がしても、いくら頭痛がしても、誰も医師は「脳脊髄液減少症」なんて疑わないでしょう。

疑っていないからこそ、「脳脊髄液減少症」の精密検査は検査もしていないのでしょう。
昨年の3月では、髄液漏れの治療であるブラッドパッチが健康保険適用になる前ですから、医師にも「脳脊髄液漏れ」でも吐き気や頭痛の症状が出るといったことを知らない医師もまだまだ多かったはずですから。

逆に、軽くても、左頬の骨折や、軽い脳内出血の画像が撮れたからこそ、入院でき、それによって、安静が保たれ、それによって、もしかしたら髄液漏れがあったとしても、「入院で安静にできた」ことで、髄液漏れも自然に止まったりして、「大事には至らなかった可能性もあると私は思いました。

スポニチの記事には
所属事務所のブログ更新として、

「脳内の出血については、これ以上どんどん出血しなければ問題はないので、手術はしません。ただ食欲が全くなく、水分すら吐いてしまいますので、点滴が必要で、安静にしていた方がいいので 結局、今夜入院することにしました」。脳内出血の経過を見るのと倒れた原因を調べる検査入院で、約1週間の予定。」

だそうで、あのまま無理して仕事をせず、入院で安静にできたのは、怪我の証拠画像が、検査で撮れたからこそで、それこそが不幸中の幸いだったのではないか?と私は感じます。もし、あのまま、どんなに検査をしても、異常がひとつも見つからなかったとしたら、また家に帰されていたでしょうから、そう思うと、病院に入院で点滴してもらえてよかったと思います。

サンスポの記事では

薫子さんの119番で救急搬送され、自律神経のバランスが崩れる迷走神経反射が原因と診断された。その後、テレビの仕事をこなしたが、吐き気がひどいため再び病院へ。結果、外傷性くも膜下出血に加え、左目横とほお骨が骨折していることも分かり入院した。

とあり、いっこく堂さんの奥様が119番通報したようです。
これが一人暮らしの方に起こっていたらどうなっていたんだろうと怖くなりました。

ところで、迷走神経反射とは、なんでしょうか?

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迷走神経反射とは

迷走神経とは、コトバンクによると、

第 10脳神経。延髄から出て頭部や頸部,胸部,腹部 (骨盤を除く) のすべての内臓に分布して,感覚,運動,分泌を支配している。その大部分の線維は副交感性である。脳神経でありながら腹部にまで達しており,その末梢分布が複雑でわかりにくかったので,迷走という名がつけられた。

なるほど!神経の分布が迷走していてわかりにくかったからそれで「迷走」というんですね・・・。

迷走神経反射とは、日本救急医学会によると、

ストレス,強い疼痛,排泄,腹部内臓疾患などによる刺激が迷走神経求心枝を介して,脳幹血管運動中枢を刺激し,心拍数の低下や血管拡張による血圧低下などをきたす生理的反応。

だそうです。

番組で説明していた迷走神経反射の例では、
・朝礼などで立ち続けての失神や、
・採血時などで血を見て気分が悪くなる

などで、そういえば、昔は朝礼で立っていたら倒れるとよく「脳貧血」と言っていましたがそれも迷走神経反射だったのかもしれませんね。

慶応大学の医療・健康情報サイトを読むと、たしかに アルコール失神も血管迷走神経失神に含まれるようです。

失神といえば、いきなり失神する症状を繰り返すPOTS(体位性頻脈症候群)について、POTSと脳脊髄液減少症は無関係ではないのではないか?という私の考えを過去にここに書きましたが、

この迷走神経反射とも脳脊髄液減少症は無関係ではない気がします。

私自身、過去に、脳脊髄液減少症で自律神経のバランスがひどく崩れていたのか、低血圧、徐脈などの失神につながりかねない症状を何度も経験しています。

逆に、脳脊髄液減少症が隠されている人が、血管迷走神経失神を起こすこともあると思います。

しかし、血管迷走神経失神のような症状からだけでは、脳脊髄液減少症が症状の背景に隠されていても、医師が見抜くのは難しいはずです。

「脳脊髄液減少症=起立性頭痛が必須」と考えている医師には「起立性頭痛がない、たびたび失神して倒れる患者」だったら、脳脊髄液減少症が隠されていても、なかなか見抜けないと思います。

迷走神経反射は脱水や起立でも起こるそうです。

脳脊髄液減少症の症状の悪化も、脱水や起立の姿勢でひどくなります。
その症状はまるで不整脈のようでもあり、起立性低血圧のようでもあります。

迷走神経反射の症状は起立性調節障害とも似ていると感じます。

起立性調節障害と言えば、特に、こどもの脳脊髄液減少症患者が間違われかねない病名として知られています。

失神に詳しくても、脳脊髄液減少症の自律神経障害について知っている医師がいったいどれだけいるでしょうか?

ぜひ、循環器内科の先生やいろいろな診療科の医師に知っていただきたいと思いました。

いっこく堂さんの迷走神経反射の場合

いっこく堂さんの場合、苦手な飲酒を克服しようと、梅酒を飲んだことで、体にストレスがかかり、意識を失い転倒しました。

その結果、・両側前頭葉 脳挫傷・外傷性くも膜下出血・左頬骨折 という大けがをしました。

搬送が早かったため、大事には至らなかったものの、腹話術師として致命傷とも言える後遺症が残り、

それは、左頬の神経が麻痺している状態で痛みはないが、触っても感覚がなかったそうです。(当時は)納得のいく声もでなかったそうです。

左頬の神経がマヒし、口が思うように動かせなかった。
リハビリを開始し、40日後には麻痺が回復したそうです。

いっこく堂さんの新ネタ

私がいっこく堂さんのすごいと思ったところは、怪我のリハビリ生活の中で腹話術の新たなアイディアが浮かび、それをネタにしてしまったということです。

いっこく堂さんが怪我のリハビリ中に開発した芸は、「言葉の数に対して口の動きが少ない芸」という意味の「口数が少ない人」という新技でした。

いっこく堂さんが言うには

『口が動きにくいからできた芸がある。「口数が少ない人」口数が少ないっていうと、「おとなしい」「無口」(と思われるかもしれないけど)そうではない。僕がいうのは言葉がどんどん出ていくのに対して、口を動かす数が少ない人』とのこと。

そのいっこく堂さんの「口数が少ない人」の新技をテレビで見ましたが、まぁ、すごいです。

まさに、腹話術でペラペラ話、それなのに口があまり動かないから、出てくる言葉が多いのに、口の動きが少ない「口数が少ない人」になってました。

失敗をして、転んでけがしても、「転んでもタダでは起きない」のことわざを、地でいっている感じで、リハビリ中に新ネタを考えだしてしまうなんて、

いっこく堂さんは、前向きで生きる、ピンチをチャンスに変えていける人なんだろうな、と思いました。

私も見習いたいと思いました。

最後に、脳脊髄液減少症と自律神経の関係性が、早く解明されることを願っています。

そして、脳脊髄液減少症と、起立性調節障害や、迷走神経反射、POTSとの関係性についても、研究が進むといいなと思っています。

失神についての参考サイト:
聖マリアンナ医科大学循環器内科

関連記事:

POTS・体位性頻脈症候群と起立性調節障害と脳脊髄液減少症 1

POTS・体位性頻脈症候群と起立性調節障害と脳脊髄液減少症 2

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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