2020/07/04
本日(2018年1月21日)の健康カプセル元気の時間で、一過性脳虚血発作と心筋梗塞について放送していました。
寒さがピークを迎えるこの時期は、寒さによる血圧の上昇により、脳梗塞や心筋梗塞など血管系疾患の発症もピークを迎えるそうです。
脳脊髄液減少症でも、一過性脳虚血発作や心筋梗塞とそっくりの激しい症状がでるので、この番組を関心を持って見ました。
その内容をまとめ、私の感想を書きたいと思います。
番組では、高血圧による疾患に詳しい、東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科教授の市原淳弘先生が説明されていました。
sponsored link
体験者から学ぶ脳梗塞の予兆
・体験者1:発症時期49歳の現在、67歳の男性Tさんのケース
・血圧も高く暴飲暴食の日々だった。
・寒い時期、今から18年前の1月の20日に脳梗塞を発症し倒れた。
・発症したのは朝方5時ごろ。
・トイレに行こうとすると右半身に力が入らず立ち上がれなかった。
・妻に支えられ、トイレに行って用を足してそのままばたんと倒れ、救急車で運ばれた。
Tさんが脳梗塞の発症前1か月から感じていた症状
・車を運転中に右手右足の感覚がなくなってきた。
・路肩に車を止めて休憩すると、右手右足のシビレや麻痺は消え、平常に戻った。
・そのため、一時的な麻痺症状だと思いあまり気にとめなかった。
・最初の右手右足の麻痺から、1週間後ぐらいにまたもう一度麻痺した。
・前は10分ほどで、麻痺から回復したが、2回目の麻痺症状の時は、回復するまでに15分ぐらいかかった。
・3回目の麻痺が現れた時は、麻痺が消えるまでに20分ぐらいかかった。
・4回目、5回目ぐらいの麻痺で、脳梗塞を発病した。
・すべて運転中に起こった。
・病院に行こう行こう行こうと思っていて、(病院に行かずに)そのままだった。
脳梗塞の予兆を見極めるポイントとは?
東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科教授の市原淳弘先生の解説では、
・車の運転中に半身まひの症状がでるのは、脳梗塞の典型的な症状。
車の運転は、「過度な緊張状態」にあるので、血圧が上昇して、その時に脳への血流が悪くなって、
梗塞の予備段階の兆しが起きてきたのではないか?
そのような状態を一過性脳虚血発作という。とのことでした。
一過性脳虚血発作とは
一時的に脳の血管が詰まること。
主に二つのパターンがある。
①心臓などでてきた小さな血栓が脳に流れ一時的に血管を詰まらせてしまう。
②悪玉コレステロールや高血圧が原因で脳の動脈硬化がおこり、血流が滞る。
いずれも、脳の機能に一時的な障害を起こす。
Tさんの場合、左の脳の血管が詰まったため右半身の異常が出たのだと考えられる。
ただし、血栓がとけ、血流が元にもどると、症状はすぐに治まってしまうため、多くの人が油断する。
これをほっておくと、15%~20%の患者さんが脳梗塞(元に戻らない状態)になっていくと言われている。
(日本脳卒中学会 脳卒中治療ガイドライン2015によると、一過性脳虚血発作後、90日以内の脳卒中発生率は15%~20%)
予兆の症状を放置しておくと、実際に2割近くが脳梗塞になるとのデータがあるそうです。
予兆の症状が出た段階で病院に行けば、その後、脳梗塞を確実に防げるんですか?との質問に対し、
「はい!防げます。予兆の段階できちんと診断して治療をしておくことが大切なんです。」と市原淳弘先生はきっぱり言っていました。
脳梗塞の予兆に気づく際の注意点
脳梗塞の予兆は数か月前から現れることもあるそうです。
一時的に片方の手足がしびれたり、麻痺したりするのは、脳梗塞の典型的な予兆、すみやかに医師の診断を受ける。
また、肩や腰のコリと勘違いすることもあるので、注意が必要。
脳梗塞の予兆で見落としがちな症状
・体験者2:8年前に48歳で発症した56歳の男性Mさんのケース。
・「日本語だけがでてこない」という脳梗塞になる3年前から予兆症状を経験した。
・日本赤十字社の仕事でインドネシアに赴任していた時それは起こった。
・外国語はいくつかしゃべれるが、不思議なことに日本語だけがしゃべれなくなる症状が出た。この症状は3~1週間ほどで改善。しかし脳梗塞発症前の3年間で合計3回経験した。
・当時の様子を再現すると
たとえば日本語での「こんにちは」を言う時、
・英語:ハロー
・インドネシア語 :スラマッスィアン
・韓国語:アンニョンハセヨ
・中国語:タージャーハオ
・日本語:「・・・・・」という感じだったそうで、日本語だけが出てこなかったそうです。
一体なぜ、このような症状が現れるのか?東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科教授の市原淳弘先生によると、
「日本語を司る言語中枢の部分が一過性脳虚血発作を引き起こしてしまい、そのような症状が出たのではないか?」とのこと。
日本人が日本語だけが話せなくなる症状は「母国語と後から学んだ言葉を司る中枢が異なるために起こる症状」だと考えられているそうです。
さらに、東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科教授の市原淳弘先生によると、「ぱぴぷぺぽ」や「らりるれろ」だけが言えない予兆が起こることもある。脳梗塞の予兆にはさまざまな言語障害の予兆がでるので注意。
脳梗塞のさらに見落としがちな予兆症状
・性格が変わる
・体験者3:10年前に脳梗塞を発症した当時60歳、現在70歳のSさん。
・その娘さんの証言
・現在お父さんは脳梗塞の後遺症により、片目が見えない、右足が動かない状態だそうです。
・お父さんが発症する3か月ほど前から性格が変化していたそうです。
・もともと頑固で歩く活火山のような人が、急にいろいろな人にニコニコしはじめた。しかし当時家族は、そのお父さんの「性格が変わった」という症状が、脳梗塞の予兆だとは思いもしなかった。
東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科教授の市原淳弘先生によると、「大脳辺縁系が人の性格を決めている場所だが、そこが一過性脳虚血発作におちいれば、当然性格が変わることが十分考えられる。」とのこと。
他にも、脳梗塞の予兆として、あくびを連発する、片方だけの強いコリなども起こる。
脳梗塞の予兆まとめ
・半身のシビレや麻痺
・性格の変化
・様々な言語障害
・あくびを連発
・片方だけの強いコリ
脳梗塞の予兆は非常に多岐にわたるため、不安がある場合は検診を!と番組では呼び掛けていました。
私の感想
とにかく、番組を見ていて、私が脳脊髄液減少症で経験した症状は、一過性脳虚血発作にも心筋梗塞にも症状と似ていて、ぞっとしました。
少なくとも上に書かれている、脳梗塞の予兆と言われている症状
・半身のシビレや麻痺
・性格の変化
・様々な言語障害
・あくびを連発
・片方だけの強いコリ
のすべてを、脳脊髄液減少症で経験しています。
これらの症状が急に出て、もし、脳梗塞を誰もが疑い、救急車を呼び病院に運ばれても、もし症状の原因が
脳脊髄液減少症だったら、いくら脳を検査したところで、「脳梗塞」はみつかりません。
検査の結果「異常なし」「安心してください。」「ストレスのせいでしょう。」あるいは「精神的なものでしょう。」などと言われて家に帰されてしまうと思います。
けれど、脳脊髄液減少症でも半身に麻痺が起こる事があるのは私の経験からも事実で、これを放置すれば、一過性脳虚血発作同様、大事に至ったりその後入院もせず治療もせず、日常生活を続けさせられることで、交通事故にもつながりかねないと思います。
脳脊髄液減少症でも起こることを知らなければ、脳脊髄液減少症を見逃し、結果的に患者を大事に至らしめたり、事故を防止できなかったりすると思います。
一過性脳虚血発作を見逃すことの危険性や、脳梗塞について詳しい医師でも、脳脊髄液減少症でも
似た症状がでること、脳脊髄液減少症でも早期の予兆段階の症状で早期に見抜いて治療につなげることで重症化難治化を防ぐという事をご存知ない人が多いんだろうな、とあらためて思いました。
番組の心筋梗塞については、今日は書きませんが、脳脊髄液減少症でも、心筋梗塞に似た強い胸の圧迫感や痛みもでます。
心筋梗塞や脳梗塞に詳しい医師に限らず、すべての医師に、脳脊髄液減少症について知っていただきたいな、と思いました。
真実は、教科書には書かれていない、実際の患者、体験者の中にあるのです。
医師は、そのことを忘れないでほしいし、教科書に書かれていることがすべてだと思い込まないでほしいと思います。