2020/07/04
昨夜、ザ・仰天ニュースでチック・トゥレット症候群について見ました。
実は、私は、脳脊髄液減少症でも、症状は軽いものの、チックに似た症状を経験し自覚してきました。
番組では、「ビスケット」という言葉や、「卑猥な言葉」が、意思に反して出てしまう外国の患者さんや、突然奇声が出てしまう患者さんのことが番組で紹介されていましたが、私も脳脊髄液減少症になってから、一時そういう症状が頻繁に出た時期があります。
その場に全くふさわしくない、ある決まったフレーズの言葉が自然に口から出てしまうことがしばしばありました。今も時々声はでます。
私の場合は、「奇声」というほどの声ではありませんし、がまんしようと思えば、なんとかできることがほとんどですが、気づいた時には、もう声や言葉が出ていたこともしばしばありました。家族には何も言われないので、「また独り言だ」ぐらいしか思われていないようですが、最近、声を出すべきではない公共の場で、声が出てしまい、人に振り向かれて、はっとしました。
脳脊髄液減少症でも、パーキンソン病と誤診されるほどのパーキンソン症候群の症状がでますから、おそらく脳の深部で、なんらかの異常が一時的に起こっているのかもしれません。まだ、私の脳機能は、正常になりきってはいないようです。
今年になっての脳のMRI検査でもまだ脳が下がっていたので、どこからかまだ脳脊髄液が漏れていて、脳の機能障害が起きているのかもしれませんし、漏れは止まっていてもなかなか髄液の量と髄液圧が正常値に近づかないために、そういう症状が出ているのかもしれません。
昨夜の番組の内容の患者さんも、自分ではどうすることもできない症状の数々が医師にも、「チックだから」ということで、積極的に問題解決に力を注いでいただけなかったようです。
脳脊髄液減少症同様、チック症状に苦しむ多くの人たちも、おそらく見た目が普通で、症状が出たり消えたりするために、「たいしたことのない症状」「命に別状ない」と医師にもあまり相手にされずその症状の深刻さや、その症状が及ぼすその人の人生の質の低下にまでは、
なかなか医師にもご理解いただけず、症状改善のための努力もしていただけないようで、それが、私もとても悲しく残念に感じました。
もっと多くの医師が一見健康そうに見える人であっても脳脊髄液減少症や、チックの患者さんのように、実際に、本人が苦痛に感じる「症状」があり、その症状が、その人の人生の選択肢を狭めていて、人生の質を低下させる恐れがあることの深刻さに気付いてもっと真剣に治療法の開発や、患者の苦悩に向き合ってくださっていればせめて、それだけでも、患者は救われる、と思いました。
「たいしたことのない症状だからほうっておいても大丈夫。気にしないこと。命にはかかわらない。だから医師の私は何もする必要がないし、何も手立てがない。」とほったらかされることが、どれだけ患者を失望させ、生きる意欲さえ奪っていくのかを医療者は想像してほしいと思いました。
パーキンソン病の治療法と同じ、脳の深部を電気刺激する治療で、症状を抑えられた外国の15歳の患者さんが出ておられましたが、日本でもチックの患者さんがその治療法で救われるなら、健康保険適用で、治療し、助けてあげてほしいと、心から思いました。
NPO法人日本トゥレット協会
があるので、患者さんは、一人で悩まず、こういった場で仲間とつながってほしいと思います。
また、私は、これから多くの研究者の皆さまが、脳脊髄液減少症の研究に取り組むすることで、脳の新たな発見があり他のいろいろな病の研究に生かせるはずだと考えています。
人生を狂わせるような謎の症状は、実は脳脊髄液減少症が原因の場合もあることを、ひとりでも多くの人に知っていただきたいです。