2020/07/04

チョイス病気になった時で味覚障害が取り上げられました。
ストレスによる味覚障害は取り上げられても、脳脊髄液減少症での味覚障害については一切触れられませんでした。
以下は番組メモです。
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味覚障害はどうして起こるのか?
番組では味覚障害について任医師がこう説明して
「舌の表面には、小さなぶつぶつが無数にあり、そのひとつひとつの中に、味蕾(みらい)と呼ばれる味を感じるセンサーのようなものがある。味蕾で味を感知すると、その情報が脳へと伝わり人は味を認識する。その情報伝達に問題が生じるのが味覚障害。」と説明していました。
兵庫医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科講師の任智美さんによると、
「味を感じるのは舌だが、亜鉛が欠乏すると、味覚障害が生じる。降圧薬は亜鉛を排出しやすいので、亜鉛が欠乏する原因になりうる。その他にも100~200種類の薬で味覚障害になることが確認されている。」
と話していました。
体内の亜鉛が不足していると味蕾が障害を受け、そのために味を感じられなくなるそうです。
亜鉛製剤を飲み、一日2回飲み、薬を飲まなくても血圧の値が安定していて薬をやめることができた。その結果2か月ほどで徐々に味覚が回復、半年後にはこれまで通り食事が楽しめるようになった。
任智美先生はさらに「味覚がわからないことで塩味が濃くなってしまうとか、糖分をたくさん摂ってしまうとか高血圧や糖尿病などの二次的な健康被害を生む」と説明していました。
そもそも味覚とは何か?
味覚とは甘味、塩味、酸味、苦み、うまみ、のこれら5つの味を認識する感覚のことをいう。
味覚障害とは、この5つの味をひとつでもきちんと認識できない場合を指す。
味を感じるしくみ
任医師によると「辛いとかしぶいというのは、味の細胞とか神経を通らず、どちらかというと触覚とか痛みの感覚の受容体の神経を通っていくので、広い意味では味覚だが狭い意味では(味覚から)外れる。」と話されていっていた。
唾液に溶けた味の物質が舌の表面にくると、舌の味蕾の「味こう」という入り口に到達し、そこから入り、味の細胞が受け取り、そこから信号に変わり神経に送られて脳で認知され、基本の5味が区別される。味蕾は舌の上とかのどにも7000~9000個ぐらいある。
味蕾が障害を受けるのは亜鉛欠乏が多い。亜鉛は「味の細胞」の生まれ変わり(新陳代謝)を助ける役割をしているので、亜鉛が欠乏すると「味の細胞の生まれ変わり」が阻害され、古い細胞ばかりになり、数が少なくなる。
味覚は60代70代では機能が弱くなってくるが、食経験で補っていく。
味覚障害の症状
・味が薄く感じる・味がしない。
・口の中に何もないのに味がする。(苦味・塩味など)
・本来の味と違う。
・特定の味だけわからない。
・嫌な味がする。
・味がきつく感じる。
味覚障害を起こす可能性がある薬
・降圧剤
・冠拡張薬
・利尿薬
・肝治療薬
・抗菌薬
・抗ウィルス薬
・抗精神薬
・抗がん薬
・抗アレルギー薬
・糖尿病薬 など。ただし全員に「味覚障害」が起きるわけではない。
抗がん剤などやめられない薬の方の場合は、亜鉛を内服で増量することで対処できることもある。
食べる量で体の中の亜鉛を増やすのはなかなか難しい。薬をやめられるかやめられないかは各診療科と相談をしていただくのが好ましい。
亜鉛不足による味覚障害の治療によく使われるのは 「酢酸亜鉛水和物」という亜鉛を多く含む薬。
これに加えて自己治癒力を高めるための漢方薬を使うこともある。
治療には、亜鉛製剤での治療は半年から一年ほどかかる、早期治療ほど改善率が上がってくる。
ダイエット・偏食など、食生活が、原因となって味覚障害になることもある。
亜鉛を多く含む食品
・かき
・牛肉
・豚レバー
・チーズ
・卵黄
・ごま など、日ごろから亜鉛を多く含む食品を食生活に取り入れる。
「亜鉛」の吸収をよくしようと思ったら、「ビタミンC」と一緒に摂るとか、動物性のたんぱく質と一緒に摂ると亜鉛効率よく吸収される。
味がわからなくなったら、・舌の状態を耳鼻咽喉科で診てもらったり、採血してもらったり、味覚専門外来、歯科口腔外科に行くとよい。
味覚外来で行われる検査
①電気味覚検査
味覚障害の程度を調べる。正常な場合、舌の上にわずかな電流を流すと金属の味を感じる。金属の味を感じたら、ボタンを押す。流す電流のレベルを調整しながら、神経経路に異常がないかを調べる。
②ろ紙ディスク法
小さな紙を舌の上にのせた時、なんの味を感じるのか紙に書かれた文字を指で指して応えていく。
ろ紙の上に含ませる味と濃度は
味が4種類、濃度がそれぞれ5種類。
・「甘味」(S‐1、S‐2、S‐3、S‐4、S‐5)
・「塩味」(N―1、N- 2、N- 3、N-4、N-5)
・「酸味」(T-1、T-2、T-3、T-4、T-5)
・「苦味」(Q-1、Q-2 、Q-3、Q-4、Q-5)
濃度は1が一番味が薄く、5が一番味が濃い。
それぞれの味がどの程度感じられるのかを調べる。
「味覚指示票」という紙に、
・甘い
・塩からい
・酸っぱい
・苦い
・何かわからないが味がする。
・無味
の6つの答えが書いてあり、しゃべらずとも指で指し示すことで、何を感じているのかを伝えることで検査する。
この検査が終わると、医師による問診
・アレルギー
・クスリの使用歴
・味の感じ方など細かく聞き出し、味覚障害の原因が何かを聞き出す。
さらにストレスをチェックするための心理検査までする。
以上が番組の前半の内容でした。
(番組メモ後半はまた次回)
私の感想
ここまでの私の感想ですが、
おそらく、多くの医師、多くの耳鼻咽喉科医師も、脳脊髄液減少症で味覚障害が起こることをご存知ないのかもしれないと覆いました。
私も実際、こうした「ろ紙ディスク法」の味覚障害の検査を地元病院で受けたこともあります。
でも、その病院の医師は脳神経外科や神経内科、耳鼻咽喉科も含め、脳脊髄液減少症にはあまり詳しい医師はいないとかねてから感じてきました。
そこで検査で出会った、味覚障害外来の医師たちでさえも、脳脊髄液減少症での味覚障害が起こりうることを否定しなくても、私の症状の訴えに対して「だから何なの?」的な態度を感じました。
これはあくまで医師の態度や表情、言葉から私が感じとったことにすぎませんが、
味覚外来とはいえ、医師はまるで、「味覚障害があったって、命にはかかわりないでしょう?味がわからなくても食べられるんでしょ?髄液漏れ?脳脊髄液減少症が原因なら、そっちの脳外科の分野でしょう?主治医に任せれば?耳鼻咽喉科の私たちにはできることは何もない。もっと命にかかわるような重大な患者がたくさんいるんだから、私たちは忙しいんだから、さあさあそんなことで悩まず帰って」といったような(あくまでそんな感じたしたと私が感じただけですが)私という患者に対して「無関心さ・医師の興味関心のなさ」を肌で感じました。
味覚外来の医師がこんな風では、味覚障害の原因をいくら調べてもわからない、「原因不明の味覚障害」の患者さんは、いとも簡単に「心因性」にされてしまいかねないな、と感じました。
がん患者さんの味覚障害には、いろいろと支援が用意され、医師や専門家が患者支援や緩和ケアなどに熱心になっていても、脳脊髄液減少症患者には無関心な関係者が多いと感じます。
また、脳脊髄液漏れが原因での脳機能低下や神経障害による味覚障害だったばあい、いくら亜鉛製剤を摂ったとしても、亜鉛のサプリを摂ったとしても、亜鉛の多い食品を意識した食べたとしても、脳脊髄液漏れたまま、ブラッドパッチ治療も受けないままでは、延々と対症療法が続くだけで根本的な解決法にはならないでしょう。
といいつつ、私自身、髄液漏れが完全に止まったかどうかわからないころから、医食同源の考え方のもと、いろいろ試してきましたが・・・。
ただ、脳脊髄液減少症が原因での頻尿によって、亜鉛が普通の人より尿中に多く排出されてしまっていることでの、「亜鉛」の補充にはなるとは思いますが・・・。
(ちなみに私は昔から健康オタクなので、最近は、DHCの亜鉛とかビタミンCとか、アサヒのディアナチュラとか、その他もろもろを、まるで常備菜のようにいろいろと常備して持っており、その日の気分で摂ってます。「亜鉛」はメーカーやタイプによって、マカが入っていたり、セレンや銅が入っていたりといろいろなので、いろいろ集めて成分を見るのが趣味です。)
私は、今回紹介された食品の中では、豚肉、ごま、卵、チーズはなるべく食べるようにはしています。
特にチーズは毎朝必ず一切れ食べています。豚レバーはあまり好きではないのであまり食べません。
脳脊髄液減少症自体がまだまだあまり医療関係者にも理解されていないと思います。
脳脊髄液減少症=起立性頭痛と考えている医師が多いなら、味覚障害の症状から脳脊髄液減少症に気づけるはずがありません。
脳脊髄液減少症患者のひとつひとつの症状は、一見些細なものかもしれません。
しかしそれらが複数常に入れ替わり立ち代わり現れては消えたりしながら延々と患者を苦しめ続けることの過酷さを、医師たちは真剣に想像したり考えたことがあるのでしょうか?
そのことの意味や、患者の心と体に与えるダメージの深刻さと、患者の苦痛や人生の楽しみの味がおかしくなることでの食欲への影響や健康への影響について、あまり重要視しておらず、軽視されているのを感じてきました。
味覚外来の医師にも無関心な脳脊髄液減少症ですから、いくら患者が味覚障害に早く気づいて、「味覚外来の専門医」を受診したところで、今現在の耳鼻咽喉科の医師たちの認識では、脳脊髄液減少症が原因での味覚障害は専門医にもなかなか見破れないだろう、と思いました。
たとえ味覚障害外来の耳鼻科医なりが、同じ病院の脳外科や神経内科、放射線科にその患者を回して、脳脊髄液減少症かどうかの見解を聞いたとしても、それらの、その病院の脳外科医や神経内科医、放射線科医が「異常なし」の見解を味覚外来の医師に伝えてしまう可能性が高いと私は感じます。(脳脊髄液減少症の画像診断に慣れていないため見逃す可能性が高いから)
そうなると、いくら味覚外来の専門医でも、放射線科医と脳外科医と神経内科医が「異常なし」というのを「いや、脳脊髄液減少症ではないでしょうか?」などと歯向かえるはずもなく、そのままの診断を受け入れるしかないでしょう。
そのため、たとえ脳脊髄液減少症が原因での味覚障害が患者に起こっていたとしても、味覚外来の医師は、患者に「異常なしでした。」の診断を伝えるしかできないと思います。
そうして、その人の脳脊髄液減少症性の味覚障害は見逃され続けてしまうと思うのです。
原因不明の味覚障害、ストレス性の味覚障害と言われている患者さんたちの中に、脳脊髄液減少症が原因の患者がかならず紛れ込んでいる!脳脊髄液減少症では味覚機能に障害がなくても、脳への伝達に問題があって感じられなくなっていたり、脳の機能自体が落ちていて、味を感じられなくなっているから「味覚障害」になるのではないか?そうひとりで考えながら番組を見ていました。
(次回に続く)
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