2020/07/04
昨夜(2017年8月21日)きょうの健康で「肩こり」について取り上げられていました。
肩こりの原因と解消法について、愛知医科大学特任教授 岩堀祐介先生が解説されていました。
姿勢の改善や体操なども紹介されていました。
興味のある方は、きょうの健康ホームページでご確認ください。
私は、もしかしたら、この先生も、脳脊髄液減少症での肩こり症状をご存知ないのかもしれないな、と思いながら見てしまいました。
もし、脳脊髄液が漏れていても、起立性頭痛がなくて、肩こりだけが主訴である患者が、整形外科医や内科医の元にやってきたら、おそらく医師のほとんどが、「脳脊髄液減少症」を見逃すと思います。
実際、私がそうでした。
起立性頭痛がなく、肩こりがひどくてひどくて非常に苦しんでいた時期が、髄液漏れ発症後にあったのです。
しかし、当時は、マッサージをしたり、整形外科で低周波治療をしたり、首を引っ張ったりするのみで、誰も脳脊髄液減少症で起こっていた肩こりだと気づけませんでした。
ですから、脳脊髄液減少症について医師にも知識が広まりつつある現在であってもなお、「肩こり=脳脊髄液減少症の症状のひとつ」と思い浮かぶ医師は、まだまだ少ない、というより、ほとんどいないと感じています。
ましてや、脳脊髄液減少症の「特徴」とされてしまっている「起立性頭痛」を訴えず、肩こりオンリーを訴える患者の中に、髄液漏れで肩こりが起こっているなんて、考える医師は、まず皆無でしょう。
しかし、実際には、そういうことも起こりうるのが脳脊髄液減少症なのです。
経験のない医師には、にわかには信じてもらえないでしょうが。
たとえどんな症状であっても、問診で詳しく患者から情報を探り出せば、脳脊髄液漏れでの症状だと気づくことはできるはずなのに、そもそも、脳脊髄液漏れの患者が、症状を訴えて自分の前に現れることを想定していない医師が多いから気づけないのだと私は思います。
番組では、肩以外の病気が原因の場合のチェック法を紹介していました。
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肩以外の病気が原因?チェック
① 体を動かした時、息切れしやすい。(狭心症や心筋梗塞の可能性)
② 目の奥の違和感(脳動脈りゅうの可能性)
③ 頭が重く感じる。(脳動脈りゅうの可能性)
④ 舌に歯形がついている (歯列接触癖の可能性)
⑤ まぶたが黒目の真ん中までかぶさる。(眼瞼下垂の可能性)
と言っていました。
狭心症や心筋梗塞になると関連痛といって、肩など心臓とは別の場所に症状を起こすことがあるそうで、肩こりを突然感じて突然消える場合、胸の締めつけ感を伴う場合は要注意だとのことです。しかし脳脊髄液減少症でも、「肩こりが出たり消えたり、胸の締め付け感が得たり消えたり」の症状もでます。
また、 目の奥の違和感や、頭が重く感じる場合は、脳動脈りゅうの可能性があり、脳の血管にできたこぶが周りの神経を圧迫するため、肩こりが生じるとありますが、脳脊髄液減少症でも「目の奥の違和感や痛み、頭が重く感じる症状はでます。」
さらに、
「舌に歯形がついている場合、無意識に上下の歯をかみしめ続けてしまう歯列接触癖の可能性があり、かむ筋肉などの疲労により肩こりが生じることがあります。」
とありますが、脳脊髄液減少症になると顎関節症になるほど、かむ筋肉が固くこわばることがあります。そのため、私も無意識に歯をかみしめていたのか、舌に歯形がついていました。
上まぶたが黒目の真ん中あたりまでかぶさっている場合、加齢やハードコンタクトレンズの長年の使用によって、上まぶたを引き上げる筋力が低下してまぶたが下がる眼けん下垂の可能性があります。高齢者に多く、視界を確保しようとしてまぶたを無理に開けようとしたり、首を反らしたりするために肩こりが起こりやすくなります。
とありますが、脳脊髄液減少症が原因でも、眼瞼下垂が起き、実際に私は目が閉じてきてしまう症状を何度も体験しています。そのため、瞼が下がった目でなんとか視界を確保しようとして、あごを前に突き出すような形で首を後ろにそらす姿勢を取らざるを得なくなります。高齢者が脳脊髄液減少症になると、なんでも「高齢」のせいにされて、若い人より、「脳脊髄液減少症」が見逃されやすいのではないか?と私はいつも感じています。
「肩こり以外の症状がある場合や、生活習慣の見直しや体操を続けても肩こりが改善しない場合は、整形外科を受診してください。肩こり以外の症状があれば、必ず医師に伝えてください。 」
と言われても、その受診した医師に、脳脊髄液減少症での肩こりの知識が全くなければ、患者の症状の影に潜んでいるかもしれない「脳脊髄液減少症」については、一切気づいてもらえないでしょう。
たとえ、医師の判断で、「大事をとって」他の疾患が隠れている可能性を検査で詳しく調べたとしても、その検査内容に、「脳脊髄液漏出症」を検査するものが入っていなければ、ただの脳などの検査で終わることでしょう。
すると、狭心症でも、心筋梗塞でも、脳動脈瘤でも、歯列接触癖でも、眼瞼下垂でもないとされれば、たんなる肩こりと改めて診断されるでしょう。
そのため、肩こりの原因の除去の指導や、治療とリハビリ、体操などの指導がなされてますます「脳脊髄液減少症での肩こりの可能性」から患者も医師も意識がどんどん離れていくことでしょう。
そうなると、ますます「脳脊髄液減少症での肩こりの存在」には気づけなくなるでしょうし、もし「脳脊髄液減少症での一症状としての肩こり」であった場合、患者の症状は一向に改善しないことでしょう。
私の場合、髄液漏れを発症した事故直後からしばらくして、首から肩、肩甲骨の下あたりがガチガチに石のように固く凝ってしましました。
年齢が若いのに、肩がガチガチに凝っている人がいたら、ぜひ、背後に脳脊髄液漏れを起こすような事故が過去になかったか、問診で聞いてもらいたいと思います。
たとえ、中高年や高齢者であっても、たんなる「肩こり」と脳脊髄液減少症が原因での「肩こり」があることを、医師には知っていただきたいと思います。
医師は、「脳脊髄液減少症での肩こり」という症状があることを頭に入れ、怪しいと感じた患者がいたら、スノーボードで転倒したことはあるか?サッカーやラグビーで激しい衝撃を受けてケガをしたことはあるか?野球で背中や首にデットボールを受けたことがあるか?誰かに背中を殴られたことはあるか?などしっかりと問診してますます怪しいか探っていただきたいと思います。
脳脊髄液減少症でも、「ひどい肩こりが主訴の患者がいる!」ことをぜひひとりでも多くの医師に知っていただきたいと思います。