リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

大人の人見知り(SAD)に潜むもの

time 2016/03/30

大人の人見知り(SAD)に潜むもの

3月2日に、NHKの朝の番組「あさイチ」で取り上げられた

「侮れない!大人の人見知り」で社交不安障害について

その日のうちに「社交不安障害と脳脊髄液減少症」という記事にしました。

 

その時も、その番組を見て、

かつての私の症状と非常によく似ているなぁと感じました。

 

その後、先日3月27日に放送された、

NHKスペシャル、「ママたちが非常事態!?2」を見て、

さらに、気づいたことがあります。

これらの二つの番組を見て、

当時、脳脊髄液減少症になってからの私の脳に起こっていたことの意味が

やっとわかったような気がしています。

 

その気づきについて、これから書きますが、

ぜひ、脳脊髄液減少症の専門医や研究者の先生がたや、

ぜひ、精神科の先生にも患者の気づきを知っていただきたいと思っています。

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脳脊髄液減少症の一症状としての社交不安障害(SAD)の可能性

3月2日のNHKあさイチで、大人の人見知りが、

性格が原因なのか?病気が原因なのか?の

簡単チェックが紹介されていました。

その内容は、

①人前で発言するなど注目される状況が怖い。

②他の人がすでに座っている場所(縁かい・会議室)へ行くのが怖い。

③他人から否定的に評価されるのが怖い

④これらのことで、生活がさまたげられたり、耐え忍んでひどくつらいことが6カ月以上続く。

というものでした。

 

これら4つすべてにあてはまると、

人前で強い不安や恐怖を感じるという

社交不安障害(SAD)という病気にあてはまるというものでした。

 

ちなみに、

今の私は、①も②も④もあてはまりませんが、③が若干あてはまるかなといった程度です。

 

もともと私は誰とでも積極的にかかわることが苦ではない社交的な人間でした。

ところが、交通事故で脳脊髄液漏れを起こし、脳脊髄液減少症を発症していたと思われた時期、

さまざまな身体症状に加え、精神的にもおかしな症状が出ていました。

 

いくら検査をしても原因がわからない、数々の身体症状も辛いものでしたが、

おかしな精神症状もひとの目が怖いなど、けっこう日常生活に支障がでるものでした。

 

精神症状の方は、自分でおかしいな、?こんな自分ではなかったはずなのに?と思う程度のことで、

体の症状に比べれば、苦痛は少なかったため、

自分でも、それほど気にはしていなかったのですが、異変には自分でも気づいていました。

 

おそらく、私以外の脳脊髄液減少症の他の患者さんも、

頭痛や、全身痛や不眠、全身のだるさなど、言葉で表現しやすく、自分が一番苦痛を感じていることは、

医師に伝えるでしょうが、

言葉に表しにくく、たとえ言ったとしても、なかなか真剣に医師に捉えてもらえないような症状については、医師にも話さないと想像します。

身体の症状で受診している医師に、精神的な症状は話しにくいし、専門外だと相手にしてもらえないからです。

しかし、脳脊髄液減少症の場合、脳脊髄液が減ることで、

さまざまな異常が人の体と精神状態に起こるのですから、全体的に患者を診なければ気づけないのですが、

当時は、そんな情報は日本中のどこにもなく、

医師も知るよしもなく、

ましてや、患者の私が自分に起こっている現象の原因が、

脳脊髄液減少症にあるとは、想像すらできませんでした。

 

自分に起こっていることの意味がわかりませんでした。

それが、何の原因も思い当たる節がないのに、

「人が怖い。人と目が合うのが怖い。人に見つめられるのが怖い。」という

症状でした。

そのころ、私は、マスクやサングラスで顔を隠すことがよくありました。

人から見つめられることの嫌悪感、恐怖感、不安感がわけもなくありました。

自分の表情を見られてしまう恐怖や、

他人と、目と目があう恐怖心から逃れるために、

マスクとサングラスで自分の顔を隠すというよりは、

自分と他人との間に、一枚、壁をつくる感じで、自分にバリアを貼って、

守るような、そんな感じで、マスクやサングラスを使っていたと思います。

 

サングラスは、のちに、

脳脊髄液減少症の目の症状である、眩しさの軽減のために、愛用することになるのですが、

その時は、眩しさの症状もあったのだと思いますが、

それよりも、

人と目があうのが怖かった記憶の方が強く残っています。

 

サングラスをしないと、

人の顔をじっと見ることができず、目をそらしてしまいましたが、

 

濃いサングラスをすると、相手から私の目が見えないことで安心して、

こちらからは相手の目や顔をじっと見ることができました。

 

マスクと濃いサングラスで自分を相手から直視されないように

防御することではじめて、

安心して相手を見ることができたのです。

この自分に起こっていた不思議な現象がなんなのか?

ずっと疑問を持っていました。

なぜ、

マスクと濃いサングラスで自分の顔を覆うことなしでは、

人と目を合わせることができないのか、

その意味がわかりませんでした。

 

その後、ダテマスクをする人たちが、テレビで取り上げられ、

その方がたが、境界性パーソナリティ障害という言葉とともに、

症状の説明がされていたのをテレビで偶然見ました。

 

「境界性パーソナリティ障害」の言葉は、少しショックでした。

 

しかし、自分が境界性パーソナリティ障害だとは思えませんでしたし、

単にすっぴんを隠すためのマスクでも、

かっこつけのサングラスでもなかったため、

なぜ、私は人の視線が怖いのか?

 

なぜ、以前はそんなことはなかったのに、

対人恐怖症のようになってしまったのか?

 

なぜ、自分をマスクやサングラスで顔を隠すことで、人から見られないと安心すると、

相手を直視することができるようになるのか?

本当に当時は意味がわかりませんでした。

 

でも、脳脊髄液減少症とわかってから、ブラッドパッチ治療で、

脳脊髄液の漏れを止める治療を重ねるうちに、

そういった他人の目と目が合うのが怖くて、人と目を合わせられない、

面とむかって座れないので、

人と話す時には、目が直接合わないように、横に座ってもらう、

などの、

おかしな自分のおかしな精神症状は、次第に治まっていきました。

人と会う時、目が怖くて、サングラスをして、

相手に自分の目が見られないようにしたり、マスクをして顔を隠すと安心するようなことも

なくなりました。

 

これが何を意味するのか?と今、考えると、

脳脊髄液減少症によって、脳が機能不全に陥っていたと考えるのが、

自然ではないかな?と私は考えています。

 

脳脊髄液減少症の髄液漏れを止めるブラッドパッチ治療で、

私の社交不安障害的な症状が、次第に治まっていったということは、

それはつまり、

脳脊髄液減少症が原因での社交不安障害(SAD)症状だったということだと思います。

 

ということは、もしかして、まだまだ脳脊髄液減少症の存在を見抜ける医師が少ない現状では、

社交不安障害様の症状を訴える患者さんを診ても、

医師が、その症状の影に、脳脊髄液減少症が隠されていることに、

気づける可能性は、現状ではかなり低いのではないか?と

私は想像しています。

 

その人の性格とか、心の病だと思われて、精神科での薬物治療や、

認知行動療法の対応だと思われて

間違った方向性の治療がされている人もいるかもしれません。

もしかしたら、

髄液漏れで起こっている症状であるならば、

ブラッドパッチ治療で、それらの社交不安障害(SAD)的な精神症状も

治まる人もいるかもしれないのに、見逃されている危険を私は感じます。

 

さらに、

3月27日放送のNHKスペシャル「ママたちが非常事態 2」を見て、

この私の考えは、確固たるものになりました。

番組では、生後半年ごろから起こる赤ちゃんの人見知りについての実験が放送されていました。

同志社大学 赤ちゃん学研究センターの実験で、

生後10カ月の赤ちゃんに、大好きなママの顔と、知らない女性の顔を並べて見せると、

人見知りの子は、

ママも見るけれど、知らない女性の顔も頻繁に見るそうです。

 

人見知りをするようになる前の赤ちゃんの場合は、

ママの顔しか見ないそうです。

 

赤ちゃんの脳は、生後半年ぐらいまで、母親など、特に身近な人の顔しか認識できないそうです。

 

しかし、少し成長すると、

それ以外の人たちも認識できるようになり、関心を持つようになり、

この時起こってくるのが人見知りだそうです。

 

関心があるはずの相手なのに、泣いてしまうのは、相手の目を見てしまうからだそうです。

 

猿などの動物は、基本的に相手を威嚇するような時しか、目を合わせないそうで、

そのため、他と目が合うと

反射的に恐怖心がわき起こり、警戒心が高まるそうです。

 

この仕組みが人間の脳にもあり、

知らない人と目があうと、恐怖・不安をつかさどる脳の中枢である

扁桃体が自動的に働くそうです。

 

大人なら、相手が危険ではないとわかれば、脳の前頭前野というところが働いて、恐怖を抑えることができるそうですが、

脳が未熟なあかちゃんでは、前頭前野が発達していないため、

目があうと、反射的に強い恐怖を感じて、泣いてしまうのだそうです。

 

ここまで番組を見ていた私は、

今までわからなかった謎が解けた気がしました。

 

自分に起こっていたあの「相手の目が怖い」現象の意味が、

やっとわかった気がしました。

 

そもそも、私には、人と目が合うのが怖いという症状のほかに、

脳脊髄液減少症になってから、

いろいろなおかしな症状が出ていました。

それは、

・本が読めなくなる。(集中力が続かない)

・数分前の自分の行為さえ記憶から消えてしまう。(短期記憶障害)

・怒りっぽい(些細なことでキレまくり、性格が変わったように怒りっぽくなる。)

・かたづけができない。(何を捨てていいのか、とっておくのか判断ができないため)

・二つのことを同時にできなくなる。ひとつのことをやっている最中に他に気がそれると

それ以前やっていたことを忘れてしまう。(注意欠陥)

・自分の行動すべき優先順位のとっさの判断が困難になる。

・行動と感情のコントロールがきかなくなる。

・相手の感情を表情から読み取ったり、その場の空気を読むなどの高度なコミュニケーション能力が落ち、自分の事ばかり話し始めるととまらなくなるなどの、発達障害の子に似た状態になる。

などの数々の異変です。

そのおかしくなっている自分を、客観的に見ている自分がいて、

自分の異常を自覚できました。

 

これは、当時、

私は、脳脊髄液減少症により、

認知症の原因になるとも言われているような、

前頭前野の機能低下があったのではないか?と今思います。

 

当時も医師に、さまざまな症状を訴えましたが、

脳の画像にも、何も異常がでなかったため、

医師にも私の訴えは、まともに受け止めてもらえませんでした。

 

当時は、まさか、脳脊髄液が漏れて減っていたために、そのような状態、症状が出ていたとは、

素人の私はもちろん、当時の脳外科医でさえ、

気づくことは不可能な時代でした。

 

なにしろ、

交通事故での脳脊髄液減少症の存在すら、

地球上の多くの医師が気づいていなかった時代ですから。

 

脳脊髄液が漏れて減ると、脳の全体的な機能が落ちて、

私の場合は、特に、前頭前野の機能が落ちていた。

そう考えると、今までの説明がつきます。

 

だから、

人と目があうと、本来大人なら、脳の扁桃体で起こった反射的な不安や恐怖を、

押さえるべき、脳の前頭前野が機能低下で、正常に働かず、

それで、強い不安と恐怖で人の顔がまともに見られない症状が続いていたのだと・・・。

いまごろになって、

自分に起こっていた不可思議な症状の意味が、

脳脊髄液減少症での脳の前頭前野の機能低下という、考え方で

きれいに説明ができ、納得できました。

 

精神科の分野で、薬や、

認知行動療法などで対応されている患者の中には、

脳脊髄液減少症が原因で、さまざまな精神症状が出ているケースも

見逃されている可能性を強く感じます。

 

現状では、精神科の医師の間にも、

まだまだ脳脊髄液減少症のことが知られていない以上、

脳脊髄液減少症が原因での精神症状を、見逃されている患者さんは

かなりいるのではないか?と想像しています。

 

交通事故や転倒、スポーツ事故、暴力などで、

人体に強い衝撃が加わることで、

脳脊髄液が漏れだしてしまったまま、気づかずにそのままでいると、

髄液の量が、その人の脳の正常な時に比べて、

減ってしまい、それによって、脳が本来あるべき位置よりも、重力で下がってしまい、

それによって、脳にさまざまな負荷が加わり、

脳が正常に機能しないことが起こるのかもしれません。

 

この辺のところは、

精神科や脳生理学の先生方が、

国の脳脊髄液減少症の研究班に加わって

積極的に、精神科症状と脳脊髄液減少症についての関連性を

研究していただかなければ、解明できないと感じています。

 

一刻も早く、精神科の先生がたも、

社交不安障害の脳の研究に取り組んでいる先生がたも、

脳脊髄液減少症の研究班に加わっていただきたいと

患者として願っています。

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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