リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状に潜む脳脊髄液減少症の早期発見と回復、症状理解による患者に優しい社会の実現のために、私ができること

脳脊髄液の減少は“エネルギー恒常性”も崩す?

time 2017/09/15

2017年9月15日の朝日新聞記事で、「抑えられぬ食欲 仕組み解明」という記事を読みました。

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抑えられぬ食欲 仕組み解明

記事によると、愛知県岡崎市の基礎生物学研究所などの研究グループが「脳内で食欲を抑えられなくなるメカニズムを発見し、英科学誌 サイエンティフィック・リポーツで発表したそうです。

朝日新聞記事によると、

新谷隆史准教授(神経生物学)らの研究グループは脳細胞内にある酵素「PTPRJ」がレプチンの働きを抑えることを発見。脂肪が増えると、PTPRJが細胞内で増え、レプチンの働きを抑えて食欲を抑制しにくくなることを解明したという。

とのことです。

私の考え

脳脊髄液減少症でもレプチン拮抗性が起こっているのかも?

基礎生物学研究所のHPに、「肥満状態の人の摂食は必ずしも抑制されていません。その理由は、レプチンが効きにくくなる、「レプチン抵抗性」と呼ばれる現象が起こるからです。」とありましたが、

脳脊髄液減少症患者の脳でももしかしてなんらかの理由で「レプチン拮抗性」が起こっているのかも?それで肥満になるのかも?と思いました。
なぜなら脳脊髄液が漏れたり減ったりした状態の人の脳は、人が立った時、必ず重力の影響を受けて、正常な脳脊髄液量の中に浮かぶ脳より、重力で下に下がるはずだと思うからです。

重力で下に下がった脳は、正常な脳とは違った状態に置かれるはずですから、正常に機能できなくなったり、なんらかの機能障害が起こっても不思議ではないと思うからです。

それに、立った時脳が重力で下に下がるなら、脳の底の部分にある部分は脳の上の部分より、脳の自重で押しつぶされて、より機能障害を受けると想像するからです。

だとすれば、視床下部や下垂体が、脳脊髄液減少症患者の脳では、正常の健常者の脳より、機能低下や機能障害が起きているのではないか?と考えたりしています。

睡眠とレプチンの関係性

先日テレビでやっていた睡眠負債と肥満に関することを記事にしましたが、その中でスタンフォード大学の西野博士も、
「眠らないと摂食を抑制するようなホルモン(レプチンという物質)がそれがあまり出ない、逆に食欲を増進するグレリンという物質が多く分泌される。」と話していました。

肥満と睡眠時間の減少の関係は、先日のNHK海外ドキュメント「眠りの科学」でもやっていましたが、どこの世界の脳科学者も、脳脊髄液の減少と、睡眠障害と、肥満との関係を探る視点での研究はなされていないと思います。

 

レプチンとPTPRJ

以前から、食欲を抑えるレプチンがあまり出ないことで食べたい気持ちが抑えられなくなりその結果太ってしまうという現象は知られていましたが、その肥満を招く「レプチンがあまりでないという現象」を「PTPRJが細胞内で増えていることでレプチンの働きを抑えて」いたことを確認できたのが、今回の新たな発見なのでしょう。

その「PTPRJが細胞内で増え」ることの原因が「肥満で脂肪が増える」ことだとしたら、肥満が原因でさらに肥満を呼ぶという、悪循環に陥る危険があるということでしょうか?

人体は、自然に「エネルギー摂取量とエネルギー消費量のバランス」をとって健康に生き残ろうとしているのに、そのバランスが崩れたら、不健康を招くのだと思います。

脳脊髄液減少症の人体に起こっていること

脳脊髄液減少症の状態が長期間続いた人体では、その脳脊髄液が少ない状態でも生き残るべく、「脳脊髄液が少ない状態でバランスが取れてしまっている」から、ブラッドパッチをしても、なかなか症状が改善しないのかもしれないと思いました。

脳脊髄液減少症が長く放置された人体の脳では、エネルギーのバランスを含む、さまざまな「恒常性のバランス」が一度崩れてしまっているのかもしれません。

だから、早期発見早期治療で、発症から一ヶ月以内に脳脊髄液漏れがわかり、ブラッドパッチした人は「恒常性」が元にすぐもどるから回復が早いのではないでしょうか?

 

肥満と脳脊髄液減少症

脳脊髄液減少症患者というと、吐き気や下痢、胃腸の不調で、やせ衰えるといった印象を持つ人もいるかもしれませんが、実際にはそうとは限らず、一見元気そうで、肥満の患者もいると私は思っています。

それは今まで、たとえ脳脊髄液減少症の患者を数多く診てきた脳脊髄液減少症の専門医であっても「もともと太っていた人が、たまたま脳脊髄液減少症になっただけ」だと考えていたかもしれません。

脳脊髄液減少症の治療現場では、殺到する患者をこなすのに医師たちも精一杯でしょうから、肥満と脳脊髄液減少症の関係性にまで、たとえうすうす気づいていたとしても、科学的に研究し実証するような時間的体力的ゆとりのある脳脊髄液減少症の専門医はいないと想像します。

だから、肥満と脳脊髄液減少症についての関連性を研究する医師はなかなかいないと想像します。

たしかに「もともと太っていた人が脳脊髄液減少症になる場合もあるでしょう。」しかし、その場合はさらに超肥満になる可能性もあるのではないでしょうか?
もともと太っていなかった私が、脳脊髄液減少症での闘病中、不可解な食欲のコントロール障害が起き、肥満になったのは事実で、脳脊髄液減少症の治療を重ねるうちに、「強烈に甘い物が食べたくなったり、症状がつらい時むさぼり食べる。」ような症状は消えていき、今は元の体重に戻ったのも事実です。

脳外傷の人が体重100キロを超える超肥満になってしまうことは、脳外傷の医師ならご存知かもしれませんが、脳脊髄液減少症で超肥満になるようなことは、脳外傷に詳しい医師では知らないかもしれません。

脳脊髄液減少症でも、脳に直接傷はなくても、その脳の周囲の脳脊髄液が減るだけで、なんらかの機能障害が起き、それが食欲の中枢のコントロールを失う原因になったりして、エネルギーの恒常性を崩壊させ、その結果肥満につながることもあると、考えています。

脳脊髄液が減った状態に置かれた脳、つまり脳脊髄液漏出症・脳脊髄液減少症患者の中には、急激に肥満してしまう患者もいると思います。私自身がそうでした。

私自身が脳脊髄液減少症の体の締め付け感などの体の症状がきつい時、なぜか同時に猛烈に甘いものや糖質が食べたくなり、ガツガツと物を食べたり、甘いものを食べたりしたことが何回もありました。その結果体重が13キロほども増えてしまいました。

私は今まで、体重が増えた原因は、脳脊髄液減少症で動けないで家の中で動けないでいるストレスや運動量の減少から太ったと思っていました。

しかし、最近では脳脊髄液減少症が原因で、脳が正常に機能しなくなり、それによりなんらかのホルモン障害も起こって、代謝異常や食欲のコントロール障害も起こっていて、動けないことによる「運動量の減少+摂取カロリーの過剰」に加え、その「ホルモン障害+代謝異常」とそれによる「エネルギー恒常性のバランスの崩れ」がさらに加わり、それらの相乗作用で結果的に太ったのではないか?と私は考えるようになりました。

脳脊髄液減少症とエネルギー恒常性の崩壊

肥満の脳脊髄液減少症患者は、吐き気などで食べられずやせ衰えている脳脊髄液減少症患者に比べて、医師も「軽視」しがちだと思います。

けれど、肥満の脳脊髄液減少症患者の体では、深刻な「エネルギー恒常性の崩壊」が起こっている可能性があるのではないか?と私は考えています。

脳脊髄液減少症になると、とにかく、睡眠リズム生活リズムが崩れ、体温調節、気温や気圧による体の対応能力、血圧の調整、食欲、水分を飲む出すの水分代謝、などすべてのバランスが崩れ「人体の恒常性の維持」ができなくなる感じです。

脳脊髄液減少症の睡眠障害も深刻ですから、睡眠障害とホルモン障害と脳機能障害など、いくつかの原因が複雑に絡まって脳脊髄液減少症の症状につながっている気がします。

脳脊髄液漏れによる脳脊髄液の減少という原因の見逃しや放置が、どんどんと二次的、三次的原因を作り出し、それによって、人体の精神機能身体機能などのさまざまな恒常性を崩していくのが、脳脊髄液減少症の実態ではないか?と私は思っています。

もし、そうだとしたら、症状ごとに病名をつけたところで回復には程遠いと思います。

まずは、髄液が漏れているならそれを止め、髄液を増やし正常に近づけ、さまざまな崩れたバランスを正常化していくことで、ひとつひとつの症状が逆に回復していくのではないか?と私は考えていますし、その考えの元に自ら実践してきました。

肥満も睡眠障害もほぼ改善し、今、着々と症状も回復していくということは、私の選択は間違っていなかったと思っています。

まだ、現時点では、脳脊髄液減少症患者の、レプチンやグレリンと睡眠障害の関係性、PTPRJの量の増減と患者の肥満度の関係などについての研究はなされていないのではないでしょうか?

今後、脳脊髄液漏れ、脳脊髄液減少によって、人体には、なんらかの「恒常性の維持のバランスを崩す」ことが起こっている可能性があるといった視点での研究がなされていくことを期待しています。
今回の英科学誌サイエンティフィック・リポーツでの発表の中で

The cerebrospinal fluid (CSF)/serum leptin ratio is decreased in obesity17, and leptin transport by median eminence tanycytes is impaired in obese mice18

とあり、
つまり、「脳脊髄液(CSF)/血清レプチン比は肥満で減少し、メピアンエナンシンスタニサイトによるレプチン輸送は肥満マウスでは減少する」とありました。

脳脊髄液の中の血清レプチン比は、健常者と、脳脊髄液減少症患者とでどう違っているのか?ぜひ今後比較してほしいと思いました。

また、

The hypothalamus in the brain senses nutritional states in the body through hormone and nutrient levels in blood and via the autonomic nervous system, and, consequently, modulates food intake and energy expenditure5. Leptin, an adipocyte-derived hormone, is considered to be the most critical factor

ともありました。
もし、脳の視床下部がホルモンや血液中の栄養素レベルや自律神経系を介して体内の栄養状態を感知し、結果的に食物摂取量とエネルギー消費を調節しているなら、脳脊髄液が減って自律神経が正常に機能しなくなっているような脳脊髄液減少症患者の体では、「食物摂取とエネルギー消費量を調節」することも、その人が脳脊髄液減少症になる前の健常な時より困難になっている可能性もあるとは考えられないでしょうか?

脳脊髄液減少症患者は、血圧、体温、呼吸などの調節がうまくいかなくなることは脳脊髄液減少症を数多く診てきた専門医ならご存知のはずです。

脳脊髄液減少症が自律神経をなんらかの形で障害していることには一部の専門医は、多くの患者の臨床経験から感づいているはずです。

だとしたら、脳脊髄液減少症患者の体では「食物摂取とエネルギー消費量の調整」もうまくいかなくなっている可能性もあると私は思います。

脂肪細胞由来のホルモンであるレプチンは、エネルギー恒常性を制御する最も重要な因子であると考えられている

のであれば、「PTPRJ」がレプチンの働きを抑えることを発見した日本の研究者の方々も、健常者の脳と、脳脊髄液減少症の脳で、PTPRやレプチンがどう違い、どう変化しているのかについても、ぜひ研究していただきたいと願っています。

関連記事:
NHK 「眠りの科学」・睡眠と肥満

スタンフォード式・最高の睡眠

脳脊髄液減少症のサルコペニア

リンク:
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 基礎生物学研究所
プレリリース 2017年9月14日

肥満をつかさどる脳内メカニズムを発見

SCIENTIFIC REPORT

PTPRJ Inhibits Leptin Signaling, and Induction of PTPRJ in the Hypothalamus Is a Cause of the Development of Leptin Resistance

(PTPRJは、レプチンシグナル伝達を阻害し、視床下部におけるPTPRJの誘導は、レプチン抵抗性の発症の原因である)

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自己紹介

lily

健康オタクの脳脊髄液減少症のサバイバーです。「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

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