2018/04/15
NHKきょうの健康で「ナルコレプシー」について見た、私の感想の3回目の記事です。
繰り返しますが、
これから書くことは、ただの脳脊髄液減少症患者の私の感想と想像です。
医師でも専門家でもなんでもないただの普通の患者の、でも自身の実体験からの一私見です。
それをご了承の上、お読みください。
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耐え難い日中の眠気・ナルコレプシーの原因
NHKきょうの健康 で解説されていた
秋田大学大学院 准教授
睡眠覚醒障害、ナルコレプシーがご専門の神林 崇(かんばやし・たかし)先生によると、
ナルコレプシーの原因は、
「脳の視床下部から分泌される、神経伝達物質「オレキシン」が“何らかの原因”で不足してしまう」からだそうです。
NHKきょうの健康ホームページによると、
オレキシンは、脳の視床下部という場所から分泌されています。
分泌されたオレキシンを、脳のさまざまな場所にある受容体が受け取ると、脳が覚醒した状態となります。反対にオレキシンの分泌が減少すると、受容体にオレキシンが届く量が減り、脳が睡眠状態へと促されます。
このようにオレキシンの分泌量によって覚醒と睡眠がコントロールされています。
健康な人の場合、通常、日中はオレキシンが分泌され覚醒していますが、ナルコレプシー患者の場合、何らかの原因でオレキシンが分泌されなくなったり、不足してしまったりするため、強烈な眠気などの症状が起こってしまうのです。
とのことです。
ということは、“何らかの原因”でオレキシンが正常に分泌されなくなり、あるいは脳内でオレキシンの量が減少してしまうため眠くなってしまうということでしょうか?
だとしたら、その“なんらかの原因”のひとつに、脳脊髄液漏れによる、脳脊髄液の減少があるのではないでしょうか?
その可能性はゼロだとは言えないと思うのです。
脳脊髄液減少症によって、成長ホルモンの減少、女性ホルモンの減少など、内分泌異常が出る患者がいることは、脳脊髄液減少症患者を数多く診ている医師ならすでにご存じのはずです。
しかし、現状では睡眠障害だけをご専門にしている医師は、ほとんど患者の睡眠障害の背景に、脳脊髄液減少症の可能性を疑わないのが普通でしょう。
オレキシンの不足は、脳脊髄液漏れが原因のひとつではないか?
最後に番組内で気になる発言がありました。
番組司会者が、「オレキシンが不足してしまうのはどうしてなんですか?」と医師に聞くと
秋田大学の神林先生は、
「オレキシンがなぜ減少してしまうのか、ということに関しては、今まだわかっておりません。
ちなみに、オレキシンは脳内の隙間を満たしている脳脊髄液にも含まれていますので、それを採取測定して診断を確定することは可能です。測定は現在秋田大で行っています。」と言っておられました。
これを聞いて私は即座に、
オレキシンが脳脊髄液内に存在しているなら、そのオレキシン自体が含まれている脳脊髄液が漏れてどんどん少なくなっている状態なら、脳脊髄液の減少と比例して、オレキシンも減少してしまうのではないか?それが日中でも耐え難い眠気を誘う一因になっているのではないか?
と思いました。
さらに、脳脊髄液減少症患者で、傾眠症状が強い人、夜寝ているのに日中も何時間も眠り込んでいる患者に対し、脳脊髄液のオレキシン量を測ってみたら、もしかしたら、ナルコレプシーの診断に当てはまるぐらいの値の人がいるのではないか?と感じました。
脳脊髄液漏れによりオレキシンも減少し、それによってナルコレプシー状態になっている患者が見逃されているとしたら、
たとえ、ナルコレプシーかも?と思い、日本睡眠学会ホームページの認定医療機関で、脳脊髄液内のオレキシン量を測り、「ナルコレプシー」の確定診断がついたとしても、
それだけでは、脳脊髄液減少症は見逃されるのではないか?と思いました。
もし、脳脊髄液に含まれるオレキシン量が減少している事実が検査でわかったして、それだけなら、脳脊髄液減少症でもそうした検査結果が出るかもしれません。
脳脊髄液内のオレキシン量が正常より減少しているからといって、脳脊髄液減少症についての過眠症の症状の知識が医師に皆無なら、
その検査結果の背景に脳脊髄液減少症が潜んでいても、気づかれることなく、「ナルコレプシー」の確定診断されたことによって、ナルコレプシーだけの薬物療法だけが行われ、永遠に、患者本人も睡眠専門医も、脳脊髄液減少症が原因の過眠症が潜んでいる可能性には気づけないのではないでしょうか?
番組を見て、そのことにとても危機感を感じました。
今回の番組の講師の先生は、秋田大学の精神科の先生のようですが、私の地元ではまだまだ脳脊髄液減少症は精神科医の先生方には知られていないと感じます。
症状が原因不明であるために最後に精神科に回されやすい脳脊髄液減少症は、世界中の精神科医にこそ、一刻も早く脳脊髄液減少症の実態を知っていただきたいです。
そして、脳脊髄液減少症研究に精神科医もどんどんと加わり、脳脊髄液減少症のパイオニア医師たち(脳脊髄液減少症研究会に早くから参加し続けている、かつ実際に脳脊髄液減少症の患者の治療に臨床で数多く取り組んでいる主に脳外科医、麻酔科医、神経内科医の先生方)から今までわかってきたことについてプライドをかなぐり捨ててでも学び、精神科医の立場からも脳脊髄液減少症研究にお力を貸していただきたいと切に願っています。
特に“過眠症に関しては、日本で唯一のナルコレプシーの確定診断のための髄液オレキシンの測定を行っています。”という秋田大学付属病院精神科過眠症外来にかかわる医師の先生方には、一刻も早く、その知識とご経験を、脳脊髄液減少症研究者たちと共有していただきたいと思います。