2020/07/04

NHKきょうの健康で「ナルコレプシー」について見た、私の感想の3回目の記事です。
繰り返しますが、これから書くことは、ただの脳脊髄液減少症患者の私の感想と想像です。
医師でも専門家でもなんでもないただの普通の患者の、でも自身の実体験からの一私見です。
それをご了承の上、お読みください。
sponsored link
耐え難い日中の眠気・ナルコレプシーの原因
NHKきょうの健康 で解説されていた秋田大学大学院 准教授、睡眠覚醒障害、ナルコレプシーがご専門の神林 崇(かんばやし・たかし)先生によると、ナルコレプシーの原因は、「脳の視床下部から分泌される、神経伝達物質「オレキシン」が“何らかの原因”で不足してしまう」からだそうです。
NHKきょうの健康ホームページによると、
オレキシンは、脳の視床下部という場所から分泌されています。
分泌されたオレキシンを、脳のさまざまな場所にある受容体が受け取ると、脳が覚醒した状態となります。反対にオレキシンの分泌が減少すると、受容体にオレキシンが届く量が減り、脳が睡眠状態へと促されます。
このようにオレキシンの分泌量によって覚醒と睡眠がコントロールされています。
健康な人の場合、通常、日中はオレキシンが分泌され覚醒していますが、ナルコレプシー患者の場合、何らかの原因でオレキシンが分泌されなくなったり、不足してしまったりするため、強烈な眠気などの症状が起こってしまうのです。
とのことです。
ということは、“何らかの原因”でオレキシンが正常に分泌されなくなり、あるいは脳内でオレキシンの量が減少してしまうため眠くなってしまうということでしょうか?
だとしたら、その“なんらかの原因”のひとつに、脳脊髄液漏れによる、脳脊髄液の減少があるのではないでしょうか?
その可能性はゼロだとは言えないと思うのです。
脳脊髄液減少症によって、成長ホルモンの減少、女性ホルモンの減少など、内分泌異常が出る患者がいることは、脳脊髄液減少症患者を数多く診ている医師ならすでにご存じのはずです。
しかし、現状では睡眠障害だけをご専門にしている医師は、ほとんど患者の睡眠障害の背景に、脳脊髄液減少症の可能性を疑わないのが普通でしょう。
オレキシンの不足は、脳脊髄液漏れが原因のひとつではないか?
最後に番組内で気になる発言がありました。
番組司会者が、「オレキシンが不足してしまうのはどうしてなんですか?」と医師に聞くと
秋田大学の神林先生は、
「オレキシンがなぜ減少してしまうのか、ということに関しては、今まだわかっておりません。
ちなみに、オレキシンは脳内の隙間を満たしている脳脊髄液にも含まれていますので、それを採取測定して診断を確定することは可能です。測定は現在秋田大で行っています。」と言っておられました。
これを聞いて私は即座に、
オレキシンが脳脊髄液内に存在しているなら、そのオレキシン自体が含まれている脳脊髄液が漏れてどんどん少なくなっている状態なら、脳脊髄液の減少と比例して、オレキシンも減少してしまうのではないか?それが日中でも耐え難い眠気を誘う一因になっているのではないか?
と思いました。
さらに、脳脊髄液減少症患者で、傾眠症状が強い人、夜寝ているのに日中も何時間も眠り込んでいる患者に対し、脳脊髄液のオレキシン量を測ってみたら、もしかしたら、ナルコレプシーの診断に当てはまるぐらいの値の人がいるのではないか?と感じました。
脳脊髄液漏れによりオレキシンも減少し、それによってナルコレプシー状態になっている患者が見逃されているとしたら、
たとえ、ナルコレプシーかも?と思い、日本睡眠学会ホームページの認定医療機関で、脳脊髄液内のオレキシン量を測り、「ナルコレプシー」の確定診断がついたとしても、
それだけでは、脳脊髄液減少症は見逃されるのではないか?と思いました。
もし、脳脊髄液に含まれるオレキシン量が減少している事実が検査でわかったして、それだけなら、脳脊髄液減少症でもそうした検査結果が出るかもしれません。
脳脊髄液内のオレキシン量が正常より減少しているからといって、脳脊髄液減少症についての過眠症の症状の知識が医師に皆無なら、
その検査結果の背景に脳脊髄液減少症が潜んでいても、気づかれることなく、「ナルコレプシー」の確定診断されたことによって、ナルコレプシーだけの薬物療法だけが行われ、永遠に、患者本人も睡眠専門医も、脳脊髄液減少症が原因の過眠症が潜んでいる可能性には気づけないのではないでしょうか?
番組を見て、そのことにとても危機感を感じました。
今回の番組の講師の先生は、秋田大学の精神科の先生のようですが、私の地元ではまだまだ脳脊髄液減少症は精神科医の先生方には知られていないと感じます。
症状が原因不明であるために最後に精神科に回されやすい脳脊髄液減少症は、世界中の精神科医にこそ、一刻も早く脳脊髄液減少症の実態を知っていただきたいです。
そして、脳脊髄液減少症研究に精神科医もどんどんと加わり、脳脊髄液減少症のパイオニア医師たち(脳脊髄液減少症研究会に早くから参加し続けている、かつ実際に脳脊髄液減少症の患者の治療に臨床で数多く取り組んでいる主に脳外科医、麻酔科医、神経内科医の先生方)から今までわかってきたことについてプライドをかなぐり捨ててでも学び、精神科医の立場からも脳脊髄液減少症研究にお力を貸していただきたいと切に願っています。
特に“過眠症に関しては、日本で唯一のナルコレプシーの確定診断のための髄液オレキシンの測定を行っています。”という秋田大学付属病院精神科過眠症外来にかかわる医師の先生方には、一刻も早く、その知識とご経験を、脳脊髄液減少症研究者たちと共有していただきたいと思います。
コメント
はじめまして、記事を読んで私もそう思いました。
同じ思いの人がいるとわかって。私の思ってる事もありうる事ではないだろうかと思いました。
現在、脳髄液減液で治療中ですが、いつも仕事をしてる日中にとても眠くなってます。睡眠がうまく取れないから?
悩んで検索したらこちらのページに辿りつきました。
とても励みになります。ありがとうございます。
by alocasia 2018年9月22日 9:03 PM
alocasia さん、せっかくこの記事にいただいた、貴重な体験コメント、いただいてから2年後の今頃になって公開して申し訳ありません。
当時は、コメント公開にとても慎重でしたので、なかなか全部をチェックできず、公開しないまま先延ばしになっていて忘れていたものもあり、そうした方々に今深くお詫び申し上げます。
貼っていただいたリンク先、今はもう非公開にされているのですね。
私のところには今も来てくださっているのでしょうか?
今は、日中の眠気は治まりましたか?
私はおかげ様で、今はよほどのことがない限り、日中の眠気は治まっています。
by lily 2020年6月27日 11:29 AM
alocasiaさん、はじめまして。コメントありがとうございます。まずは、いただいたコメント、ここに紹介させていただきます。
「はじめまして、記事を読んで私もそう思いました。
同じ思いの人がいるとわかって。私の思ってる事もありうる事ではないだろうかと思いました。
現在、脳髄液減液で治療中ですが、いつも仕事をしてる日中にとても眠くなってます。睡眠がうまく取れないから?
悩んで検索したらこちらのページに辿りつきました。
とても励みになります。ありがとうございます。」
とのコメントをいただきました。
こちらこそありがたく拝見いたしました。
alocasiaさんも日中に耐えがたい眠気に襲われるんですね。
脳脊髄液減少症の症状に対して、医師のほとんどはまだ理解していないと私は感じます。
脳脊髄液減少症の真実を身をもってしっているのは診断されて髄液漏れがはっきりした患者本人だけかもしれません。alocasiaさんからのコメントを読んで、日中に耐えがたい眠気に襲われるのが私だけではないとはじめて知りました。
私こそ、共感していただき、感謝申し上げます。
私は耐えがたい眠気にその場を抜け出して眠り込んでしまい、周囲のひんしゅくをかったことがあります。
当時は「脳脊髄液減少症だなんて誰も知らない時代でしたから、何の罪もない被害者である患者ばかりが周囲から避難を浴びていました。それは医師からもでした。つらい時代でした。
脳脊髄液減少症で「いくら寝ても寝ても眠い」「日中の耐えがたい眠気」という症状はでます。脳脊髄液減少症で夜眠れない症状の睡眠障害も出ますが、同時に「過眠」という睡眠障害も出るのです。でも、このことは、睡眠障害の専門医であっても脳脊髄液減少症と過眠との関係には気づいていないし研究もされていないことでしょう。
あと、これは私の体験ですが、食後に異常な耐えがたい眠気に襲われたり、運転中に異常な眠気に襲われたこともありました。これは脳脊髄液減少症によって何らかの内分泌異常が起こっていて、「血糖値が急上昇」したりするなんらかの「内分泌障害」が起こっているのではないか?と私は勝手に想像しています。これについても内分泌障害を専門にする医師さえ、脳脊髄液減少症患者が食後になぜ、耐えがたい眠気で眠りこんでしまうのかなど、まったく研究されていないことでしょう。
食後に運転して、耐えがたい眠気が起これば事故にもつながりかねません。
原因が見逃され放置されて交通事故と関係がある睡眠障害がでる疾患は、なにも睡眠時無呼吸症やナルコレプシーだけではないのに、と私は思います。
とにかく、脳脊髄液減少症になると、不眠にもなるし、過眠にもなる、血圧は上がったり下がったり安定しなくなるは、脈拍は遅くなったり早くなったりするは、しますから、とにかくいろんな症状がでるのに、今のところ多くの医師は「無関心」を決め込んで「自分には関係ない」と思っているような節を感じるのがとても残念です。このままでは、脳脊髄液減少症は脳外科の専門医にまかせておけばいいという風潮では、けっして脳脊髄液減少症の全体像が見えてこないと私は思うからです。
※なお、今回いただいたコメントをそのまま公開できなかったわけは、現在、事情があって、コメントいただいた方が張り付けてくださったご自身のURLのリンクは一切を公開するのを差し控えているからです。
そのため、いただいたURLを消してコメントを公開させていただこうかと思いました。
しかし、今回はこのような形でいただいたコメントを公開させていただくことにしました。
もし、次回コメントいただけます時には、URL欄には何も張り付けずにコメントいただければ、そのままコメントを公開させていただけると思います。
それならもともとここのURL欄を消しておけばいいのですが、「ソースを書き換える」とか、そういうことが私の今の脳では苦手なので、そのままです。申し訳ありません。
by lily 2018年9月23日 2:13 PM