2020/07/04
先日(2017年8月22日)「たけしの家庭の医学」で「腸漏れ」についての放送がありました。
横浜市立大学 大学院 肝胆膵消化器病学教室 主任教授の 中島 淳先生が解説されていました。
中島先生は、20年以上にわたり、腸など消化器の病の治療に携わり、慢性便秘研究会の幹事や腸の難病の研究班の班長をされている、腸の病に精通したエキスパートの先生だそうです。
その中島先生が、日本の中でもいち早く「腸漏れ」の研究に取り組まれてきたそうです。
いまだ謎の多い「腸漏れ」ですが、その原因や治療法などを解明すべく日々研究を行っているそうです。
番組での中島先生の解説をまとめます。
sponsored link
腸漏れとは「リーキーガット」という
リーキーは「漏れる」、ガットは「腸」という意味で文字通り「腸漏れ」
リーキーガットについて先生が、
「ここ数年ほどでやっとわかってきた最新の病態」
番組での中島先生の「リーキーガット」についての解説をまずはまとめます。
腸で何が起きているのか?
人の腸には大腸と小腸があるが、小腸で腸漏れが起きている。
小腸は食べ物を分解して栄養分を吸収する役割がある。小腸の壁を拡大すると、小腸の細胞の壁の外側には血管がある。腸の壁は細胞が一列にきれいに並んでいる。
腸の壁は、腸の中の物質が漏れ出ないように防ぐ役割がある。
しかし、腸の壁に炎症が発生すると壁の一部が弱くなり、(細胞と細胞に隙間ができるようなイメージの模型が示される)腸壁の細胞に隙間ができて、腸の中の物質が外に漏れだすことがある。
すると、腸の中には悪玉菌もいて、その悪玉菌が出す毒素も存在しているため、腸内の悪玉菌や毒素などが腸の外に漏れてしまい、血液に侵入する。
すると血液によって毒素や細菌が、全身にまわり、肺や血管など様々な場所で炎症を起こし、その結果、命に関わる重大な病気の原因にもなり得る。という説明でした。
私の感想
最初に、中島先生が、リーキーガットについて、
「ここ数年ほどでやっとわかってきた最新の病態」
というのを聞いて、私はなんとも複雑な心境になりました。
最近やっと「腸漏れ」という病態の存在があるということが認められてきたなら、最初にこの腸漏れについて学会で発表した医師は、多くの医師たちから、「腸から腸の中のものが体内に漏れるなんて、そんなことありえない!」と言われ続けたのかもしれないな、とふと思ってしまいました。
なぜなら、脳脊髄液減少症も、かつては、「脳脊髄液が漏れるなんてありえないし、あったとしても極めてまれ」と多くの医師たちに言われ続け、「髄液漏れはまれではなく起こる」と主張した医師がかなり叩かれ続けていた時代がありましたから。
今も多くの医師の「脳脊髄液減少症」に対する無理解・無関心・誤解が蔓延している感がありますが・・・。
この「リーキーガット」もやっと最近になってわかってきた病態なら、さぞかし病態の存在が認められるまでには、「リーキーガット(腸漏れ)」の存在を確信するごく少数の医師たちの地道な何年もの研究があったんだろうな、と感じました。
腸の壁が炎症を起こすと、腸から腸内の悪玉菌が体内に漏れ、血液にのって全身の回ることがあるのなら、脳脊髄液が衝撃によって、体内に漏れて減る」ことだって、髄液を入れている外側の膜の細胞だって、もしかしたら、炎症が起きれば同じことがおこるかもしれない、と素人の私でも考えそうなことなのに、どうして、多くの医師たちが、既存の医学書に書かれている「髄液は漏れない、漏れてもまれ」的な考え方しか今までできなかったんだろうと非常に残念に感じます。
人体で起こっていることの一部しか、医学書には書かれていないはずだし、医学書に書かれていないことこそが、最新の発見につながるかもしれないのに、多くの医師がそのことを忘れているような気がして、医学の教科書だけを猛進しているように私には感じます。
だから、一見「常識では考えられない」ようなことを、頭から否定するのだと思います。
でも実は、医学の世界では、「過去の常識は今の非常識、過去の非常識が今の常識」にどんどん変化していくのが「常識」だと、私は思います。
なのに、どうして多くの医師たちは、そのことを忘れてしまうのでしょうか?
おそらく、厳しい受験を勝ち残る人は、教科書に書かれていることだけを効率よく記憶する人たちだからかも?などと私は考えてしまいます。
番組で取材に応じていた「腸漏れ」が原因で喘息、糖尿病、脳梗塞、敗血症が起こったという車いすの女性が取材に応じられていましたが、私は個人的には、本当に「腸漏れ」だけが原因かな?ほかにも原因があったのではないか?と少し疑問を持ちました。
それに、たとえ、「20年以上にわたり、腸など消化器の病の治療に携わり、慢性便秘研究会の幹事や腸の難病の研究班の班長をされている、腸の病に精通したエキスパートの先生」であったとしても、脳脊髄液漏れで慢性便秘や腸の症状消化器の症状がでることについては、もしかして、あまりご存知ないのではないか?と感じました。
ぜひ、今後、腸の専門家の先生方も、脳脊髄液減少症についても関心を持っていただきたいと思いました。
なぜなら、頭痛などがなく、吐き気やむかむか、食欲不振、下痢、頑固な便秘、逆流性食道炎、など胃腸にかかわる症状が主の、隠れ脳脊髄液減少症患者は、 脳外科より、まずは内科や胃腸科、総合診療科を受診すると思うからです。
胃腸症状に詳しい医師の先生方にも「脳脊髄液減少症でも、頭痛がなくても、胃腸症状が主訴の患者は存在する」といいうことも知って頭に片隅にでも置いておいてもらいたいのです。
そうでないと、私のような髄液漏れ患者は必ず見逃します。
人体は不思議で未知の部分が多いことを忘れないでほしいのです。
人体で「腸漏れ」が些細な腸壁の炎症で起こりえるのであるなら「脳脊髄液漏れ」だってありふれた事故や転倒で日常でも起こりえることを忘れないでほしいです。