2020/07/04
医師は自分の知っている病気しか治せないし、病気だと認めることさえできない。
10年前の2007年に最初に草思社から出版された、医療法人社団明萌会大塚クリニック院長 大塚明彦先生が書いた、この本の改訂前の本「その痛みの原因うつ病かもしれません」の本の内容の一部を、Amazonのなかみ!検索で読みました。
10年前に草思社から出版されたこの本は、絶版になってしまったのでしょうか。
Amazonの中の商品説明にあったこの本の「なかみ!検索」の内容は、ぜひ多くの医師と、脳脊髄液減少症の今まで見逃されてきた患者さんにぜひ読んで、考えていただきたい内容です。
この本が書かれた2007年のころは、まだ脳脊髄液減少症の病態の存在すら否定する医師が多かった時代です。
おそらくこの著者の大塚先生も、脳の機能障害が、脳脊髄液減少症でも起こることを、当時はまだ気づいていなかったかもしれません。
でも、もしかして当時先生が脳脊髄液減少症についてご存知なかったとしても、
目次にあるように、医師の
「適当な病名でごまかす、適当な薬でごまかす、もっともらしい病名のあやうさ」そうしたことでの「本当の原因」の見逃しの危険性、医師の見逃しと患者の突き放しによる患者の自殺の危険性に気づいておられたとしたら、私は感無量です。
そんな考えをもって本を書いていた医師が、あの2007年当時、精神科医にいたことを、今日まで知らなかったからです。
なにしろ、脳脊髄液漏出症が病気として認められその治療が健康保険適用になったのは、昨年の2016年の4月のことなのですから今から10年前は、脳外科医も精神内科医も激しく脳脊髄液減少症の存在さえ否定していたのですから。
2007年と言えば、まだ脳脊髄液減少症の治療に取り組むごく一部医師たちが、「脳脊髄液減少症ガイドライン2007」を出しても、なお、脳脊髄液減少症を否定するその他の多くの医師たちに「そんな病気ありえない。」「ブラッドパッチ治療なんて効果がない」と激しく叩かれていた時代です。
そんな時代にひとりの精神科医の先生が、私と同じ問題意識をもっていてくださったことを知っただけで、救われる思いです。
しかし、2007年に書かれた、草思社の「その痛みはうつ病かもしれません ストレス神話をくつがえす新しい考え方」というこの本では、いくら精神科医だからといっても、原因不明の症状の原因が、脳脊髄液減少症にある可能性については気づいておられなかったかもしれません。
先生は、もしかしたら、原因不明の痛みなどの身体症状、電磁波過敏症、化学物質過敏症がセロトニン欠乏などによる脳の機能障害であり、それによるうつ病が原因」ということには気づけても、
その、原因不明の痛みや周期性嘔吐症や、パーキンソン症状や、電磁波過敏症、化学物質過敏症、セロトニン不足やうつ状態を引き起こす、その原因のひとつに、脳脊髄液減少症がある、ということは、本を出された2007年当時は気づいておられなかったかもしれません。
しかし、本に出てくるYさんが、もし「癒されて生きる」の著者のYさんであるとしたら、そのYさんがのちに脳脊髄液減少症と診断されたとしたら、Yさんとかかわっていた大塚先生も脳脊髄液減少症でさまざまな症状がでることに気づいておられるのかもしれない。
だとすると、昨年、2016年に、2007年の元の本を、新装改訂版として幻冬舎から出版した「新装改訂版 その痛みはうつ病かもしれません ストレス神話をくつがえす新しい考え方」という本では、もしかしたら、脳脊髄液減少症にも触れられているのでしょうか?
今回出した「精神病の正体」という本の中でも、もしかしたら、脳脊髄液減少症にも触れられているのでしょうか?
それとも、まったく触れられていないのでしょうか?
とても気になります。
もし、精神科医であるこの著者の大塚先生が、脳脊髄液減少症の研究に加わってくださったとしたら、脳脊髄液減少症の研究も進み、精神科分野からの視点でも早期に診断できる可能性も広がってくる気がします。
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私が精神科医にお伝えしたいこと
これから書くことは、私の経験から考えることです。
脳脊髄液が漏れて、脳脊髄液減少症になると、どうやら人の脳はうまく機能できなくなるようです。
脳が機能障害を起こすと、自律神経や免疫系がおかしくなるようです。
目の調節機能、胃腸の調節機能、血糖値、血圧、体温、汗などの調節もおかしくなります。
体も心も実にさまざまな症状がでます。
それは時に、慢性疲労症候群、線維筋痛症、電磁波過敏症、化学物質過敏症、パニック障害、周期性嘔吐症うつ病と診断されても少しも違和感のない症状です。
目は光の調節ができなくなり、瞳孔の調節がうまくいかないのか、まぶしくて光過敏になりますし、同様に脳の不調のせいか、臭覚も過敏になったり鈍くなったり、聴覚も過敏になったりします。
患者の訴える症状ごとに、病名をつけてしまうことで、その症状を出している本質である脳脊髄液減少症を見逃し続ける下地をつくってしまう可能性もあります。
素人の患者は、医療の専門家である医師が、病名をつければ、それを信じて、疑うことがない人が多いからです。
しかも、多くの医師に2017年現在、脳脊髄液減少症の知識が十分知れ渡っているとはとうてい思えません。精神科医の先生も、まさか自分の目の前にいる患者の中に、脳脊髄液減少症患者が潜んでいるとは想像もしていないことでしょう。
でも、いるのです。あなたの目の前の、一見、普通のその患者に、脳脊髄液減少症が潜んでいることがあるのです。
私は、当時の、私を見逃した先生に、あの時の、あの私の症状は、脳脊髄液減少症でした、と報告に行きたいぐらいです。
そうでもしなければ、当時私を診た医師は「脳脊髄液減少症」の自分の見逃しに気づけないでしょう。
でも、ほとんどの患者は、そんなことはしません。
わざわざ、かつての医師の前に再度現れて、「あの時、先生にこんな症状で相談したけれど、先生は〇〇病と診断したけれど、実はあの症状の原因は脳脊髄液減少症でした。脳脊髄液減少症の治療をしたらもうあの症状はでません。」とは報告にはいかないのです。
あなたは、自分の脳脊髄液減少症の見逃しに気づけないまま、今も診察を続けている可能性もあるのです。
脳脊髄液減少症は身近なケガで起こりえます。しかしその知識がないため、患者も医師もなかなか気づけません。
早く多くの医師に、「自分の目の前にも患者が現れる可能性があるのが脳脊髄液減少症」という認識をもって、自分の前に現れる、一見普通の患者に診える人たちの中に潜む脳脊髄液減少症患者を注意深く見破って、見逃さないでほしいと思います。
脳脊髄液減少症患者は、自分が一番つらいと思う症状ごとに、医師を受診するので、すべての診療科の医師に、脳脊髄液減少症について知っていてもらわないと困るのです。
脳脊髄液減少症は、脳外科医だけが診ればいいってものではないのです。
早期発見のためには、すべての医師のご協力とご理解が必須なのです。
脳脊髄液減少症は、「精神病」の原因にもなりかねないし、「原因不明」とされがちなさまざまな身体症状を引き起こすのです。
最後に今から10年前に書かれた「その痛みはうつ病かもしれません ストレス神話をくつがえす新しい考え方」の著者の先生にお伝えしたくなりました。
私の経験では、脳脊髄液減少症の症状に、「抗てんかん薬と、抗うつ剤が、対症療法的に効くということ」をです。
効くといっても、それはあくまで対症療法としての効果です。
ということは、この著者の先生が10年前の著書の中で、慢性疼痛と電磁波過敏症と化学物質過敏症で苦しんでいた患者さんを抗てんかん薬と抗うつ剤で回復させた、というのも、もしかして、その患者さんも、「抗うつ剤」と「抗てんかん薬」という「薬でごまかしている」状態なのかもしれません。
抗てんかん薬と抗うつ薬で症状が緩和したからといって「うつ病」だとは限らないのです。
セロトニンや各種脳内物質をおかしくさせるのは、「脳脊髄液減少症」でも起こりうると、自分の経験から私は思いますから。