2020/07/04

以前から私が感じているレビー小体型認知症と脳脊髄液減少症の類似点がいくつかあります。
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「私の脳に起こったこと」という本を読んで
それは、最近、賞もとった、「レビー小体型認知症だという当事者」が書いた本の内容の、幻視を除く、その症状が、
あまりにも私が脳脊髄液減少症で経験した症状と似ていたからです。
特に、低気圧で自律神経症状が悪化するような症状が、脳脊髄液減少症の特徴的な症状だったためです。
本を読んだ限りでは、この著者は、いろいろな医師を受診し、誤診され、薬を投与され、その薬の副作用で苦しんだらしいけれど、脳脊髄液減少症については一言も書かれていなかったため、もしかして、脳脊髄液減少症だけは、除外診断も、詳しい検査も、専門医への相談もされていないのではないか?と強く感じました。
私は、その事を出版社の編集者にも伝えましたが、なんの反応もありませんでした。
もし、著者がレビー小体型認知症として本を出した以上、万一、脳脊髄液減少症の除外診断がされておらず、脳脊髄液減少症の可能性も残されていたとしたら、治療で治る可能性もあるかもしれないと、私は思ったのですが、著者本人に、その情報は届かなかったかもしれません。
先週、NHKの「きょうの健康」でこれも認知症 と題して、レビー小体型認知症についての放送がありました。
厚生労働省の発表では2012年の国内での認知症500万人中、約20万人と推計されていますが、実際には、認知症全体の約1割、50万人以上いると推計されているそうです。
レビー小体型認知症の初期症状チェックとして、
① 実際にはいないのに、「知らない人がいる・虫がいる。」などと訴える。(幻視)
② ぼんやりとはっきりの差が激しい
③ 小刻みにたどたどしく歩き、よく転びそうになる。
④ 睡眠中、大声で寝言をいう。手足を激しく動かす。
⑤ 落ち込むことが多くなった。
のうち、2つ以上あてはまれば、レビー小体型認知症が疑われるといいますが、私は②と③と⑤が当てはまることがありました。
④については、睡眠が浅く、色つきのリアルな悪夢を見るため、自分の声で目ざめたことは何度もあります。
寝ていても、眠りが浅く手足の力が抜けないためか、些細な音で目ざめ、普通ならねぼけまなこでトイレ行く時すぐ歩きだせるような手足が今まで寝ていた体のものとは思えない状態の時もありました。
それが、④にも当てはまるのであれば、④も含めれば脳脊髄液減少症で、4つもあてはまることになります。
つまり脳脊髄液減少症でも、レビー小体型認知症と似た症状が起こるということだと思うのです。
レビー小体型認知症での幻視の症状は脳の視覚連合野(頭頂葉・後頭葉・側頭葉)がレビー小体により障害されるのが原因で
起こると考えられているといいいますが、実は脳脊髄液減少症でも、視覚連合野が障害される事は、体験した患者以外、誰も知らないかもしれません。
認知症専門医であったとしても、脳脊髄液減少症に詳しい医師であるとは限りませんから、おそらく、こうした症状を訴える患者さんに、レビー小体型認知症は疑っても、脳脊髄液減少症は疑わないのではないでしょうか?
⑤の症状についても、
私は脳脊髄液減少症になって、四角い物が四角に見えない、人の顔が人の顔として正常に画像化できないといったような、物が歪んで見えた体験が数は少ないですが、体験があります。
普通の風景が、まるで夏の熱せられたアスファルトのかげろう越しに見るように、ゆらゆらと歪んで見えたこともあります。
目から入った映像を、正常に情報処理し、画像化するという、当たり前の脳の機能障害が起こり、視覚連合野が障害されるようなことが、脳脊髄液が漏れて減った脳でも、一時的に起こることがあるようです。
レビー小体型認知症の初期症状チェックの二番目のぼんやりとはっきりの差が激しいという「認知の変動」についても、
脳脊髄液減少症でも起こります。
これについては、説明すると長くなるため今回は書きません。。
NHK きょうの健康では、このレビー小体型認知症を疑った時の相談窓口として、全国にある、認知症疾患医療センターを受診する、認知症サポート医に指定されている医師を受診する、その上で専門医を紹介してもらい診察を受けることが可能で、こういった医療機関がわからない場合は、市区町村にある地域包括支援センターや各地にある認知症の人と家族の会、一部の都道府県にある、レビー小体型認知症サポートネットワークこういった機関に相談してレビー小体型認知症を疑っていることを告げると専門医のいる医療機関を教えてもらえることがある、と言っていました。
しかし、私が実際に自分の住む自治体で検索してみましたが、それらの医療機関ではいずれも、脳脊髄液減少症については理解があったとは言えなかった医療機関であり、もし、レビー小体型認知症と同じような症状を脳脊髄液減少症が原因で起こっていたとしても、その見わける検査も、検査結果の読影も、診断も、難しいのではないか?と感じました。
そもそも、医師はもちろん、認知症に関する数々の医療センターや家族会、患者会、市区町村の医療福祉関係者、介護担当関係者、地域包括支援センターなどの、脳脊髄液減少症と認知症との関係性への興味関心はとても低い状態だと感じてきました。全くの無関心と言っていいほどです。
認知症と脳脊髄液減少症の関係性について、医療福祉関係者に知識が広まり、早期発見と早期治療の重要性と、リハビリなどへの取り組みや支援が広がるのは、あと10年以上かかるかもしれないと、私はとても危惧しています。