リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

「救急車はタクシーではありません」そんなことはわかってます!

time 2017/12/07

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救急 1割が不搬送

12月3日の日曜日の朝、寝起きでつけたテレビ朝日のサンデーLIVE!!で、読売新聞記事の「救急1割が不搬送」という内容が解説されていました。

読売新聞記事を確認したら、

「救急1割が不搬送  15年63万件 不要不急の通報も」

という見出しの記事を社会面に見つけました。

記事の内容は

119番通報で出動した救急車が誰も搬送せずに引き返す「不搬送」の件数が2015年、約63万件に上り、救急出動件数の1割を超えていることが、総務省消防庁の調べでわかった。

タクシー代わりに救急車を呼ぶなど不要不急の通報が多く含まれているとみられ、重症者の搬送に影響する恐れがある。

というもの。

さらに、

不搬送の理由は、救急隊到着時に既に死亡していたケースや誤報、いたずらなど。さらに「受診できる病院がわからないので呼んだ」「家族が通報したが、高齢者本人が搬送を拒否した」「酔いつぶれている客がいる」などのケースも含まれている。

とのこと。

搬送した軽症者についても、脈拍や血圧に異常がないなど「搬送の必要性が低い」といったケースを集計し、事例を示して救急車の適正利用を呼びかける。

帝京大の坂本哲也・主任教授(救急医学)は「消防隊員や救急車に限りがある中、効率的な救急搬送や代替手段を考える議論のきっかけになる。」と指摘する。

と記事は結ばれていました。

テレビの解説と、記事を読んでいろいろと考えさせられました。

ひとつは、本当に「タクシー代わりに救急車を呼んだ人がどれだけいるのか?」ということです。

結果的に、軽症だったから、「タクシー代わりに使った。」と言われてしまっているだけで、

本当に、くだらないことで救急車を呼ぶような、悪意ある、本当に非常識な人たちが、いったいどれだけいるのか?が「不搬送」だけのデータではわからないと思うのです。

たしかに、虫歯が痛い、虫に刺されてかゆい、といった程度で、救急車を呼ぶような非常識な人間もいることでしょう。

しかし、たかが虫さされでも、過去に虫さされでアナフィラキシーショックを経験しているような人にとっては、刺された虫がどんな虫かわからない状態ではパニックになって救急車を呼んでしまう人だっているかもしれません。

脳脊髄液減少症では、心筋梗塞や脳梗塞のような胸の締め付けられ感や呼吸困難感など激しい症状が出たり、半身マヒのような症状やろれつがまわらないような症状がたびたび出ますから、そのたびに救急車で病院に運ばれても、検査で「異常なし」と医師に言われ続ければ、「あの人は軽症なのにすぐ救急車を呼ぶ困った人」のレッテルを貼られかねないと思うのです。

何度もそういう症状が出て、苦しくて耐えられなくて、自分で病院に行けなくて、行くにしてもどこに行ったらいいかがわからなくて、何度も救急車を呼んでしまえば、「救急車の頻回利用者」として「問題者」としてマークされてしまうことでしょう。

第一、

脈拍や血圧に異常がないなど「搬送の必要性が低い」

というのはどうかと思います。

脈拍や血圧に異常がないからといって、軽症とは限らないと思うからです。

髄液漏れの場合、急激な脳の下垂で、呼吸中枢がうまく働かなくなり、亡くなった例だって過去にたくさん潜在してあったのではないか?とさえ、昔からの患者の私は想像しています。

当時、「髄液漏れ」なんていう怪我があるなんて視点で医師は診ていないから、外傷もなく、ただの呼吸困難や胸の締め付け感、半身のシビレでこれは普通じゃないと救急車を呼んで搬送されても、搬送先の医師が、その当時のその医師の考えうる疾患を予想してその検査をしても「異常なし」と検査結果が出ると、医師は「なんだ救急車でくるような患者じゃなかったじゃないか」となると思います。

その昔、普通に髄液漏れ患者が見逃され、軽症扱いされてきたのは時代のせいで、しかたがなかったとしても、今も同じこと(髄液漏れ患者の見逃されと軽症扱いでの軽視)が繰り返されているような気がして私はとても怖いのです。

救急車の無駄な出動回数を減らすために伝えたいこと

今年になって、複数の病院で“救急車はタクシーではありません”というポスターを何度か見ました。

「そんなことはわかっているよ!」と思いましたが、おそらくこうしたポスターを作る人たちは、

「たいしたこともないような症状で救急車を呼ぶ、困った患者たちに相当嫌気がさしている人たち」なんだろうな、と思いました。

救急車の無駄な出動を減らしたいなら「髄液漏れ」医療の全国普及と整備徹底を!

救急車をたびたび呼ぶ人たちの中に潜むものは、「心の病」や「寂しさ」だけでなく、本当の患者、たとえば、「髄液漏れを見逃され続けているような人」がいることには、想像したこともないんだろうな、と思いました。

そのポスターを作り、推進しているような人たちは、おそらく、脳脊髄液減少症の実態をご存知ないような気がします。

ご存知ないから、脳脊髄液減少症の早期発見・早期治療が、髄液漏れ患者の見逃し、自宅放置を防ぎ、そのことがひいては、無駄な救急車出動を減らすだろうことにも、まだ誰も気づいていないと思うのです。

脳脊髄液減少症が早期発見早期治療されなければ、患者はたびたび襲われる救急車を呼びたくなるような、恐ろしい激しい症状にのたうち回り苦しむこともあるのです。

症状ですでに働けなくなっていれば、お金もなく、病院まで6000円や一万円も払ってまでしてタクシーで行くこともできず、タクシーで病院にたどりついたとしても、医師が相手にしてくれないことを過去に経験していれば、わざわざタクシーを呼んでまでして病院に行こうとは思えないでしょう。

働けず、お金がないのに、お金を払ってタクシーでやっと病院にたどりついても、そこで、タクシーで来れるぐらいだからたいしたことがないのだろう、と医師の思われたり、検査で異常がないからと、「患者本人が死にそうな異常な苦しみ」を感じていても、はたからはそう見えないから、

医師にも相手にされず、そのまま家に帰されることが経験からわかっているなら、

イチかバチか今回は救急車で言病院に行けば、医師に相手にしてもらえるのではないか?症状を楽にしてもらえるのではないか?症状の原因が今度こそ検査でわかるのではないか?と期待して考える人がいたっておかしくないと私は思うのです。

そういう理由もあって、耐え難い症状が出た時、救急車を呼んでしまう人がいると、私は自分の過酷な症状の経験から思うのです。

だから一概に、救急車を呼んだけど、運ばれた病院で「軽症」で搬送の必要性が低かった。と思われた人のすべてが本当の「軽症」だとは私には思えないのです。

だって、脳脊髄液減少症は、一見外見では「軽症」に見えて、本人が感じている、痛みやしびれや苦しみは、本当に言葉で表現して医師に伝えるのが難しく、やっとの思いで言葉で表現して伝えたとしても、症状の重篤さが医師にわかってもらえないのですから。

なのに症状が「生き地獄か拷問」のようで、これが「異常でなかったら、何を異常というんだ。」「この症状で救急車が呼べないなら、どんな症状だったら救急車を呼んでいいんだ!」と本人が思うぐらいの激しい耐え難い症状も出るのですから。

すでに、自分の症状は「髄液漏れかも?」とうすうす気づいていたり、すでに「脳脊髄液漏出症」あるいは「脳脊髄液減少症」の診断がついて自分の症状は髄液漏れが原因だとわかっていても、激しい症状が再発すれば、自分で病院に行くこともできなくなり、救急車を呼びたくなる気持ちもわかります。

このブログの「自分で作る経口補水液の作り方」という記事のコメント欄にも、症状に耐え切れず、脳脊髄液減少症を疑いながらもなかなか診断に至らない中、

今日はあまりにも辛すぎて救急車を呼んでしまいました。

というコメントをくださった方もいます。
その気持ち、私はわかります。

脳脊髄液減少症では、本当に「これは救急車対応だろう!と思うような症状が出ますから。」

第一、心筋梗塞や脳梗塞で過去に治療を受けた人が、症状が再発した時は「救急車を呼ぶこと」が許されて、というか、自治体の呼びかけによって、「すぐ救急車!」が推奨されているのに、

脳脊髄液漏出症の患者で過去に治療を受けた人が、症状が再発した時は、自分で車で運転して病院まで来るか、タクシーで来るのが当たり前、と医療現場でも思われてしまっているのはなぜなんだろう?その差はなんなんだろう?と、その理不尽さに愕然としてしまいます。

救急車の無駄な出動を減らしたいなら「髄液漏れ」医療の整備徹底を!

こんな発想を持っているのは、私ぐらいでしょうか?

「大騒ぎして救急車読んで、検査で異常がみつからないなんて、そんな軽症者を排除せよ!」とか、
「救急車をたびたび呼ぶ人は、心や素行に問題を抱えた人」という見方の他に、

「軽症者扱いされやすい、重大疾患が隠されている可能性」という視点も、ポスター制作側の人たちにも持っていただきたいと思います。

たぶん、髄液漏れの実態を経験していない人たちには「髄液漏れ」の視点から「無駄な救急搬送を減らすには?」といった視点を持つのも、それに気づくのもかなり難しいとは思いますが・・・。

脳脊髄液漏れ患者を全国どこでも、もっと身近で、もっと早く、もっと確実に、早期発見早期治療し、疑わしい症状がある患者や症状が再発した時は、躊躇せずにどんどん精密検査する体制があり、早期に患者の苦痛の原因を調べ上げ、原因が見つかったら治療をすれば、

患者が「原因不明の症状」とされ続けたり、髄液漏れ診断され一度は治療で回復してもまた症状が再発した際は、検査待ちや、医師の診察待ちで自宅で苦痛に長期間耐え続けることもなくなるはずですから、その分、救急車を呼ぶ人もそれだけ減ってくるような気がしています。

私は個人的には、脳脊髄液減少症で、急な胸の締め付け、激しい頭痛、全身の激痛、呼吸困難などの激しい症状で死にそうに苦しく、自分で病院に行けないほどの状態の時は、他の病気やケガ同様、救急車で病院で、すぐさま対処療法で痛みや苦しみを緩和していただく権利があると思っています。

脳脊髄液減少症だから、どんなに症状が激しく、患者が動けないほど苦しんでいても、家族がいなくて一人で苦しんでいても、救急車は呼ばないでください、救急車は「生命に危険がある人用だから」脳脊髄液減少症患者はどんな場合もタクシーで来い、というのはおかしいと思います。

脳脊髄液減少症で「急激な髄液漏れ」による呼吸不全や脳血管障害で「亡くなっている人」は実際にいても、今まで表に出てこないから、いないものとされているように思えてなりません。

「髄液漏れ」だって一見不定愁訴に見えてそれが「命に係わる場合もある。」ことが、近い将来、研究が進めば絶対にわかってくると思います。

この記事を書いた日を覚えておいてください。今日は2017年12月7日です。

観察に基づいたアプローチ?なる本を見つけました。

見た目元気そうに見え、自分の症状の苦しさをはっきりと表現力豊かに話す患者を、いくら観察したところで、背後に「髄液漏れ」があるなんて、見抜けないのが普通でしょう。

関連記事:

救急車の頻回利用者に潜むもの ④

(「救急車の頻回利用者に潜むもの」の記事は①から④まであります。①②③の記事は「救急車の頻回利用者に潜むもの④」の記事の下にリンクが貼ってあります。)

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コメント

  • lilyさん、こんにちは。
    寒くなりましたね~
    その後、お体の具合は如何でしょうか?
    記事をたくさんアップされているので、
    うまく付き合われて、多分大丈夫なんだろうなと勝手に想像しています^^;

    私は、lilyさんも大変だと思いますが、
    それを長年支えて来られた配偶者やご家族も大変だったろうなと思います。
    私は介護を続けていますが、
    病人と暮らすことは、様々な面において大変です。
    支える方も、大きなストレスで、時々逃げ出したくなります。
    自分がストレスから病気になったこともありました。

    この病気のご家族は、、、一体、どの様に対処されているのか?
    介護をしている身として、ちょっと気になりました^^;

    by edo €2017年12月7日 4:28 PM

    • edoさん、コメントありがとうございます。本当に寒くなりましたね。
      大丈夫ではないのですが、一時期よりは、少しはマシになりました。怒りをぶつけるところも、思いを吐き出すところもないので、ここで吐き出しているので必然的に記事が多くなってしまいます。
      誤字脱字、段落、写真、気にしている余裕は、今はありません。
      今、感じていること、思うことを、リアルタイムで書き出しておこうと思っています。

      うちの家族は、通院と一部の家事の支援以外、私の体調にはいちいち一喜一憂せず、無関心なのがかえって良かったのかもしれません。

      お子さんの患者さんの場合「普通の病気やケガのようにはスムーズには治らない場合」親御さんがなかなか治らない怒りを加害者や、患者本人や、あろうことか治そうとがんばってくださっている数少ない医師にまで向けることもあるようです。

      私も親なので、あせるその気持ちもよくわかります。
      でも、脳脊髄液減少症は、普通の病気やケガのように、治療すれば、右肩上がりでスムーズに回復する人ばかりではないのです。
      発症から治療までの放置期間も関係あるとは思いますが、診断と治療が遅れて慢性化して難治性になると、回復と悪化を繰り返しながらも、長い目で見ると以前より回復しているといった、ジグザグの治り方をするので、目先のことにあまり振り回されていると、患者も家族も疲弊して、通院や治療が中断してしまう方もいるようです。
      そういう意味では、私の周りの人たちは「私の症状の変化にはあまり気にしない」人たちばかりなのが、かえって幸いしているのかもしれません。
      edoさんも、ストレスためず、年末ですので、くれぐれもインフルエンザなどにならないよう、お体大切にしてよいお年をお迎えくださいね。

      私も、来年こそは、さらに上に這い上がるつもりです。見ててください。

      by lily €2017年12月7日 5:49 PM

  • lilyさん

    返信ありがとうございます!
    lilyさんは、いつも、しっかりした文章ですよ~
    健常者でも、これだけ書ける人は少ないと思います。

    >うちの家族は、通院と一部の家事の支援以外、私の体調にはいちいち一喜一憂せず、
    >無関心なのがかえって良かったのかもしれません。

    なるほど、、、常に大丈夫?と聞かれても、返答に困るだろうし、
    本人が、してほしいことをしてあげて、あとは見守るというのがベストなのかもしれませんね。
    そういう意味では、lilyさんは恵まれておられますね(o^-^o)

    来年の、lilyさんの頑張り、楽しみにしていますv

    by edo €2017年12月7日 7:27 PM

    • edoさん、ありがとうございます。
      最近のこんな愚痴を吐き出しているだけのような記事であってもそうしたお言葉をいただけると、つらい時期だけにとても勇気づけられ励まされます。

      ありがとうございます。
      これからも、ありのままに運命を受け入れて生きていきます。

      by lily €2017年12月7日 9:06 PM

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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