リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

私は、
最も支援が必要な人は声をあげられないと思っています。

東日本大震災の時も、そう思いました。

マスコミが避難所に取材に行って、
そこで取材に応じて、カメラに向かって

今何に困っているのか?
何が必要か?
何がつらいのか?

きちんと言葉で伝え、マスコミの取材によって映像で訴えられる人は、
まだいいのです。

それをマスコミが放送してくれ、
それを見た善意の人たちが、困っている被災者を助けるべく動き出す。

人が人を支える美談です。

しかし、本当に支援の必要な人は、
声があげられなかったり、

マスコミが全く取材にいかないような場所で孤立していたり、
誰にも気づかれず、
津波に飲み込まれたまま、壊れた家に
閉じ込められていたりしたと思うのです。

声があげられない人のところには、
救いの手は及びません。

何がつらくて、何が困っているのか、
誰にも伝わりません。

そして、遺体となって見つかった人たちも、
いたと思います。

天災に遭って、
本当は、そのものすごい体験から教訓を知っているのは、
命を落とした人たちだと思うのです。

しかし、
その人たちは、自分が経験したことも、
何が間違っていて、何が自分を死に至らしめたのかも、
後世に伝えることができません。

唯一伝えられるのは、
同じ災害に遭いながらも、命からがら生き延びた、
生きている人、
しかも、その経験をマスコミの前で言葉で語れる人だけなのです。

そこから、生き残った人よりさらにひどい目にあったであろう、
亡くなった人たちの、究極の死の直前の様子や、そこに至ってしまった判断ミスや
間違いなどを推測し、
そこから教訓を導きださなければならないのです。

脳脊髄液減少症も同じだと感じます。

本当に救いが必要な人は、声もあげられないはずです。

ネットでこうして声をあげられている患者たちは、
いくつものハードルを乗り越えた、
ごく一部の、恵まれた患者であると思っています。

配偶者に理解されて、
つい最近まで、治療が全額自費の治療を受けられる患者が、
全体の患者の、
一体何割いるでしょうか?

働かず、家族に生活を支えてもらっている患者が
全体の患者の何割いるでしょうか?

中には、配偶者に理解されず、冷たい仕打ちを受けている
患者もいることでしょう。

ネットの接続もない環境で、パソコンも携帯も持てず、
生きることさえこんなんな状態の患者もいることでしょう?

食べるものを買いに行ってくれる人もなく、地域の福祉にも理解されず、
孤立して絶望している人もいるでしょう。

情報もなく、
自分の原因不明の症状が、脳脊髄液減少症だと、気づけないまま、
周囲から誤解や偏見、嫌がらせに遭いつつ、泣いている人もいることでしょう?

あなたは、
そんな人たちの存在を考えたことはありますか?

同じ脳脊髄液減少症であっても、
ブログで発信できるだけの患者たちは、
もともと、症状が軽いのか、
あるいは、寝ながら文字を打つにしても、
文章を打てるだけの気力と体力と、高次脳機能障害と、
手の脱力があまりないことと、手が動くこととの、
脳の機能と手の機能とが保たれていたり、

その環境が、与えられている患者たちに限られることでしょう。

今、
マスコミに登場する脳脊髄液減少症患者や、、
ネット上に登場する脳脊髄液減少症患者だけを、

脳脊髄液減少症患者のすべてだと思わないでください。

声をあげられる人は、まだましな方の患者です。

本当に、苦しんでいるのは、
今も声をあげらえず、水面下で、家族にも支援されず、
マスコミにもその存在すら気づかれず、
生きるか死ぬかの瀬戸際にいる人たちだと、
私は思っています。

脳脊髄液減少症患者は、みな自分の苦しみだけで精いっぱいで、
誰もそんな声もあげられない状況の患者の存在など、あまり考えないのかもしれませんが

私は、
脳脊髄液減少症の病名がない時代を生き抜いてきたので、
それが想像できます。

当時の苦しみは症状だけではありませんでしたから。

恵まれた患者だけを、報道するのではなく、
もらい事故で、脳脊髄液減少症にさせられ、
なんの補償もなく、

裁判にもまけ、
仕事も失い、
家族にも理解されず、
誰にも大事にされず、

症状で思うように動けないことや、
頭がまわらなくて大人なのに、自分の症状の原因を検索で探ることもできず、
病院の予約さえ、自分でできないような、

そんな困難を抱えている人が、
かならず水面下に大勢いるはずです。

その人たちのうち、
なんの支援もなければ、生きていくのが困難な人たちも
大勢いるはずです。

そこのところを報道しないで、
恵まれた患者ばかりを表に出すのは、

本当の意味で、
救助を必要としている人全体を見る目を失っていると思います。

災害の場で
声なき声を探しだすのが、救助です。

脳脊髄液減少症の場合も、
声なき声の存在を、いかに探しだすかが、
大切だと思っています。

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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