2020/07/04

本島に機能性発声障害?心因性発声障害?
2018年8月29日、なにげなくNHKごごナマを見ていたら、「心因性発声障害」を克服したという歌手の森元嵐士さんが出ていました。
原因不明で声が出なくなると、医師は困って「心因性発声障害」と病名をつけるらしいです。
ネットで調べてみると、「機能性発声障害」ともいわれるらしく、
このサイトによると、「歌唱時機能性発声障害」なる病名まで出てきました。
音楽グループのflumpoolのボーカルである山村隆太さん(32)が「歌唱時機能性発声障害」で活動を休止した。所属事務所のアミューズが2017年12月6日、発表した。
機能性発声障害」は、声帯や喉頭などに異常がないのにもかかわらず、発声が思うようにうまくいかなかったり、発声時に痛みを伴ったりするといった症状が出る発声障害だ。「ハロー!プロジェクト」の音楽グループJuice=Juiceの宮本佳林さんや、ビジュアル系ロックバンドNIGHTMAREのYOMIさんも同じ症状に悩まされたことで知られる。 「日本耳鼻咽喉科学会会報」第119巻2号(2016年2月20日発行)の牧山清・日本大学医学部教授「機能性発声障害の診断と治療」によると、普通にしゃべっているつもりでもがらがら声やだみ声などが出たり、息漏れのような弱々しい声しか出なくなる「嗄声(させい)」という症状が現れたりするとしている。また、声が出なくなることもあるという。
とありました。
歌唱時機能性発声障害? 機能性発声障害?心因性発声障害?
どれも、脳脊髄液減少症でも起こりえる声の異常を知らない医師なら、「声が出ない出にくい小さくなる」と訴えてくる患者に対して、診断しかねない病名だな、と感じました。
その場合、脳脊髄液減少症のひとつの症状に病名をつけているにすぎず、何の解決にも至りません。
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脳脊髄液減少症、脳脊髄液漏出症でも声に異常がでます
声がガラガラになる。声が出にくい。声が小さくなる。声が変声したように低くなる。という状態は、私は髄液漏れで経験し、ブラッドパッチ治療で改善している経験をもっていっます。
しかし、脳脊髄液減少症、脳脊髄液漏出症患者は「歩けない」「血圧が低い」「寝たきり」「絶対に起立性頭痛がある。」などと思い込んでいて、脳脊髄液減少症の実態を知らない医師がほとんどでしょう。
患者が歩いて受診してきて、外見も普通に見えて、きちんと診察室で座っていられて、声が曲がりなりにも出ていて医師に症状を話せているのに、患者本人が「声がでにくい。歌おうとすると声がでない。」などという訴えをしたなら、医師は首をかしげることでしょう。
耳鼻科の医師なら、のどを診察してみて、咽頭や声帯に異常がないなら、「心因性発声障害」「機能性発声障害」歌う時に声が出にくいというのなら「歌唱時機能性発声障害」という名前をつけて、医師自身と患者を納得させるしかないでしょう。
でも、私は自分の体験から思うのです。
一見元気そうに見えて、歩けて、普通に活動できているように他人には見えても、
本人が気にするほど声が出ていないようには他人には思えなくても、
本人が「声が出にくい」と感じる場合、脳脊髄液減少症が隠れている可能性があると思うのです。
知ってますか?脳脊髄液減少症でも声が出にくくなること
耳鼻科の医師のみなさん、すべての医師の皆さん、ご存知ですか?
一見歩けて普通に受診してくる人たちの「声がでにくい」という訴えの影に、脳脊髄液漏れが隠されていることを。
いくら、「機能性発声障害の診断と治療」の本を書かれたえらい先生であっても、脳脊髄液減少症についてまったくの無知であるのは困ります。
どうか多くの医師の皆さん、「脳脊髄液減少症=起立性頭痛」とか「低血圧」とか「歩けなくて車いす」とか特定の症状でイメージをもたないでください。
気づくポイントは一見「原因不明」の「人に起こるすべての症状」です。
ですから私は、「機能性~」とか「本態性~」とか「特発性~」とかつくもっともらしい病名をつけられた患者の中には実は、それらは脳脊髄液減少症が原因で起こっている可能性があると思っています。
脳脊髄液減少症で起こっている症状も、仕事を休んで安静に寝ていることで、髄液漏れが自然に治癒したり、症状が一時的に改善することは、私自身も、「髄液漏れ」と診断される前に経験済みです。
だけど、髄液漏れが止まらない場合、今度は声以外のいろいろな症状が出てきました。
患者の訴えが「声の異常、声が出ない」だったとしても、注意深く、他に症状がないか?過去に交通事故や体に強い衝撃がなかったか?歌手なら、ボーカルで激しく首を振り続けて歌ったコンサートの直後から症状が悪化してこなかったか?問診で聞いてあげてほしいのです。
そして、少しでも、脳脊髄液漏れでの発声機能障害が疑われるなら、躊躇なく、「ご自分の近くの、あるいはご自分の勤める病院の脳外科医や神経内科医の協力を求めて「髄液漏れ」の検査をしてください。
いつまでもいつまでも、自分たちでは脳脊髄液減少症はわからないと、遠いところの病院へ患者を紹介せず、数少ないただでさえ多忙な医師に自分の患者を押し付けず、自分にやってきた患者は自分の地域の病院で診断治療できる体制を早く整えてください。
そうすれば、患者の訴える症状の原因がわからず、困ったあげく、「機能性発声障害」とか「機能性ディスペプシア」とか「機能性~」とか「心因性~」とか「本態性~」とか「特発性~」とかと、本当の原因を見逃し、誤診することはなくなるでしょう。
原因を見逃し、治療せず、原因によって起こった症状だけを、対症療法の「治療」で紛らわせたとしても、それは本当の意味で、患者を救うことにはつながらないと思うからです。
もし、私が脳脊髄液減少症だとわからず、声が出ないという主訴だけで耳鼻科の医師を受診したなら、
その医師が脳脊髄液減少症で発声障害が起こることを知らないとしたら、
私は、家族に「家では普通に声が出るんですよね。」などと医師に告げ口され、医師は「はは~ん」と「心因性」を疑われ、「受診時高血圧」ならぬ「心因性、受診時、機能性発声障害」とでも思われてしまっていたことでしょう。
医師に脳脊髄液減少症の知識がないということはとても恐ろしいことです。
知ってほしいです。脳脊髄液減少症は「原因不明」の症状に隠されていることが多いことを。
その症状は人それぞれで多彩であって、その人が一番苦痛に感じ医師に訴える症状もそれぞれである場合もあるということを。
私は個人的mに「吃音」や「場面緘黙症」も、脳に何らかの原因があるのでは?と感じています。
しかしそれらも長い間、本人の苦しみを医師に理解されず、関心ももってもらえず、個人の特性、問題、あるいは心理的なものとされ、支援や治療の機会があまりなかったのではないか?と思います。
もっと医師や研究者たちは、脳が話すことと密接に関係しているということに興味をもって、それが障害された時の人の生活の質の低下の深刻さと真摯に向き合ってほしいと思います。
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参考になった過去の番組
NHKバリバラ 知られざる場面緘黙の世界
(場面緘黙の世界を見ていて、見ていて、「話したいのになかなか言葉が出てこず話せないシーンが過去の自分と重なりました。番組内では心理的援助が行われていたので、「心理的」じゃなくて「脳の器質的なもので、援助の方向が違うんじゃないか?」って感じました。その時の番組の感想を記事にしてUPしたつもりがしていなかったみたいです。)
この「知られざる場面緘黙の世界」は初回放送は2017年10月15日だったのですが、私は今年2018年2月18日(日)にアンコール放送されたのを見ました。
その後、深い興味を持ち、続編の場面緘黙の若者たちの
2018年1月21日(日)「どきどきコテージ前編」
2018年1月28日(日)「どきどきコテージ後編」も見ました。