リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

2月18日のNHKあさイチの違和感

昨日の、私の思いの続きです。

今年の、2月18日の
NHKのあさイチで、脳脊髄液減少症が取り上げられて、
10分間にわたり、詳しく説明された放送を見て、
感じた違和感について書きます。

脳脊髄液減少症の治療現場をよく取材していて、
わかりやすく説明してくださったのは、
NHKとしてはたしか、数年前に、
最後にクローズアップ現代で取り上げてから
ひさびさでした。

ですから、もう、それだけで、
感謝なんですが・・・・。

最後のゲストの言葉に、
「なにもわかっていないのね。」という思いともに、

患者が感じてきた
医療現場での実態をお伝えしたくなりました。

ゲストw氏が、
「なんでもそうですが、
(患者側が)ブラッドパッチとかの(医学的な)知識を自分で持っていて、
一般の入り口(病院)に行って、
先生、こういうのも(脳脊髄液減少症の検査や治療を)受けた方がいいでしょうかね。
とこっちから(医師に)相談する姿勢を持つのも
必要ではないでしょうか?」という言葉です。

たしかに、普通の病気や怪我でも、
患者が知識を持って、医師に提案する場面も
最近では増えてきたと思います。

そう患者に提案されて、
おへそを曲げてしまう医師も、
以前に比べたら、だいぶ減ってきたようにも思います。

けれど、こと、
脳脊髄液減少症に関しては、ちょっと違うのです。

「医師に、脳脊髄液減少症の病名と、検査の提案をする。」などと、
何も知らない人は簡単に言いますが、

それをそのまま実行すると、患者がどんな悲しい思いをするか?を
脳脊髄液減少症の今までの経緯を何もご存じない方は、想像できないから
そんな簡単にものをいうのだと感じました。

医師に、自らの症状が脳脊髄液減少症ではないか?と言った患者たちが、
医療現場で、どんな悲しい目にあってきたのか?

NHKは、ぜひ、全国の患者に、
今から16年前、脳脊髄液減少について、はじめて一人の医師が気づき、提唱し始めたころからにさかのぼって、
患者が主治医以外の
医療現場で受診の際、この病名を出すと、地元の医師たちからどんな態度をとられてきたのか、
その実態をアンケート調査でもして
調べてほしいと思います。

その実態が何も想像もできないから、
そんな言葉が簡単にでるのだと感じました。

今まで、患者たちが医療現場から受け続けていた実態を
知らずして、
脳脊髄液減少症のことは語ってほしくないと思いました。

もともと、医師の中には
患者の方から、新しい病態の概念や、検査法や治療法などの知識を話されることを
あまり心地よくは思わない医師が多いと、
私は感じています。

その上、今まで、激しい医学論争になっていて、
脳脊髄液減少症が存在するという医師を、
それを否定する多くの医師がスクラム組んでバッシングしていたような時、

まさにその渦中の最中にいた患者たちが
地元で医療支援を受けることの困難さを
NHKはしっかりと取材して把握してから放送してほしかったと思います。

私たち患者が、地元で脳脊髄液減少症に理解ある医師を探すべく、
家から近くの脳外科や神経内科やなどに行って、

もし、「私の症状は脳脊髄液減少症に似ています。脳脊髄液減少症の検査をしていただけませんか?」
などと、言おうものなら、どんなことになったか?
普通の病気や怪我の経験しかない方には、想像もできないでしょう。

医師がどんな反応を示すのか知っている人は、
実際に、そういう言葉を医師に言ってみた人だけでしょう。

まれに、医師の中には、

「そうですね。あなたの症状はもしかしたら、脳脊髄液減少症かもしれませんね。
脳脊髄液減少症かどうか検査してあげたいけれど、私は脳脊髄液減少症には無知で
ここでは検査はできません。
この地域で検査や診断ができる医師は知りません。
お力になれなくてすみません。」

そう言ってくださる心優しい医師もいることでしょう。

でも、私が出会った医師の中には
そんな医師は一人もいませんでした。

それどころか、ほとんどの医師が、
脳脊髄液減少症とその治療医に対し、批判的な言葉を口にするのを、
実際に聞き続けてきました。

一人二人ではありません。
何人もです。

初対面の私という患者に対して、
その患者を今まで救ってきたであろう、
脳脊髄液減少症の治療に取り組んできた数少ない医師たちを、
そうでない医師たちが、激しく批判しはじめるのを、
私は何度も、目の当たりにしてきました。

できないわからないを正直に患者に言ってくださる医師なら、
患者も心傷つかずにすむのですが、

自分が知らないこと、詳しくない上に、

数少ない脳脊髄液減少症治療医を批判しはじめるのを聞かされるのは、
患者として、
地元医師から見放され苦しんでいた自分を救ってくれた唯一の医師を、
批判されるのは、
とてもとても悲しいことなのです。

脳脊髄液減少症という病名を出したとたんに、
顔色が変わり、
脳脊髄液減少症の治療にかかわっている医師の名前もよく知らないのに、
その医師たちを非難しはじめるのです。

それだけでもう、脳脊髄液減少症が
医学界でどれだけ眉つばもの扱いされているかが、
わかりました。

話は前後しますが、
まだ、私が脳脊髄液減少症の専門医にたどりつく以前、
かかりつけ医に、
「私の症状は脳脊髄液減少症に似ているのですが?先生はどうお考えですか?」と
聞いてみたら、
一笑にふされました。

いかに人の脳脊髄液はそうは簡単に漏れないかをこんこんと説明されました。

私の「自分の原因不明の症状に対する、脳脊髄液減少症ではないだろうか?」という気づきは、
笑い飛ばされてしまいました。

それでも、私は自力で調べあげ、確信を持って、
脳脊髄液減少症の専門医にたどりつきました。

治療を受けるたび、症状が改善したことからも、
私の今までの原因不明の症状は、
脳脊髄液減少症によるものだったのだと思います。

脳脊髄液減少症の治療を受けてからも、
地元で何でも相談に乗っていただけるような、
理解ある医師を探そうとするのですが、
そうは簡単には見つかりませんでした。

病院の門前払いにあったことも、一度や二度ではありません。

医師に「ここでは診られないから来ない方がいい。」とまで
言われたこともあります。

言葉はやわらかくても、内容としては
「うちの病院には二度とこないで!
あちらの病院へ行ってくれ!」と言われ、

あちらの病院へ問い合わせていれば、
「そんな疾患を診る医師などうちにはいない。」と断られ、

本当に、
主治医以外、地元では誰も頼れない、
医療過疎地、医療の発展途上国にいるかのような錯覚を起こすほどでした。

ここは
本当に医療先進国の日本なのかと、思いました。

これが、
ごくまれな人にしか、発症しない難病でもなんでもなく、
誰にでも、転んで、交通事故で、スポーツ事故で起こるような身近でありふれた疾患の
患者に対して言われるのですから、困ります。

ただ、脳脊髄液減少症は長い間医学論争でもめていて、
マスコミも実情を取り上げる勇気のあるところが少なく、

そのため、情報がほとんど巷になく、
素人ではなかなかその症状が脳脊髄液減少症だと気づけないのです。

これが、脳脊髄液減少症の、社会と医学界の無知と無理解からくる、
無支援という、

理不尽で
他の病気や怪我には、なかなかないような、
患者を襲う、よけいな苦労と恐ろしさです。

病態自体は、誰にでも、事故や転倒で人体に強い衝撃が加わることで起こる
髄液漏れという状態が引き起こす、さまざまな症状なのですが、

そのこと自体を知らない医師と、
それが放置されることで起こってくる、さまざまな社会問題について、
気づいていない多くの人たちが、
ことを複雑にしていきます。

今回の、NHKあさイチでのゲストたちの発言も、

まさに、
今までの脳脊髄液減少症の医療現場の混乱を知らない人たちの
言葉であり、

それをそのまま放送すれば、
脳脊髄液減少症の医師たちの無理解による見逃されの問題点も伝わらず、

何も知らずに放送をうのみにして、
ゲストのアドバイス通り、

近所の病院に行って「自分の症状は脳脊髄液減少症ではないでしょうか?詳しい検査をしてもらえないでしょうか?」と言おうものなら、

現段階では、
まだまだ脳脊髄液減少症に理解がある医師が少ないのが現状でしょうから、

かつての私と同じような、
医師の無理解な言葉を投げつけられかねないと思います。

NHKをみて、

もしかしたら、
自分の原因不明の症状の原因は、

脳脊髄液減少症かもしれないと気づいて、

辛い体を押して、
やっとの思いで、病院に行って、

長い長い待ち時間を耐え抜いて、やっと順番が来て呼ばれて、
いざ医師に会ったら、

脳脊髄液減少症の言葉を出したとたんに、
医師に冷たい態度をとられたのでは、

患者さんがかわいそうでなりません。

放送する側は、
放送を見た人たちがとるであろう行動を予想して、

もっと、この病態の医療側の問題点も伝えてほしかったと
思いました。

脳脊髄液減少症の言葉を出して、医師がとる反応の可能性を
知っているのと、
いないのとでは、

病院に行く時の覚悟が違いますから、
たとえ、体よく断られても、
患者が
受けるダメージも少なくてすむと思いますから。

nhkはこれから、
しっかりと昔にさかのぼって、
当時の患者の話も取材して、

脳脊髄液減少症の抱える問題点を、
今後、はしっかりと取材して、
まとめて、
NHK特集などで放送してもらいたいものです。

期待しています。

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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