2020/07/04
本日の読売新聞 解説面に妊産婦自殺対策についての記事がありました。
これについて、私の考えを書きたいと思います。
ヨミドクター2017年2月16日記事 にも書いてあります。
しかし、やはり、うつを引き起こすことがある脳脊髄液減少症については、
何も触れられていませんでした。
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妊産婦自殺対策にかかわる人たちが誰も気づいていないこと
それは、脳脊髄液減少症を見逃されたままの女性が治療もされず、周囲に理解もないまま
「原因不明の不定愁訴」と症状を軽視されたまま妊娠出産をすると、
出産後に症状がひどく悪化したり、脳脊髄液減少症の
症状のつらさと育児のつらさが重なって自殺に追い込まれかねないということです。
すべての女性の、特に幼い子を育てる女性の、脳脊髄液減少症の見逃しは、致命的なことを引き起こしかねないこと。最悪、母子2人の命を同時に奪ってしまう危険が潜んでいる可能性があること。
だから、妊産婦の自殺予防対策を考える人たちのすべてが、脳脊髄液減少症の深い知識を持ち、
すべての医師、特に産婦人科医、精神科医、心療内科医、看護師、助産師、保健師、など、
妊産婦医療にかかわるすべての人たちが、
いつでも脳脊髄液減少症を頭の片隅に置き、早期発見、早期治療、早期の支援に動いてほしいのに、
それが、今現在も実現しているとはとうてい思えないことです。
2017年2月17日の読売新聞記事によると、
政府は、産後うつなどによる妊産婦の自殺対策に本格的に乗り出す。現在見直し中の「自殺総合対策大網」に妊産婦への支援を新たに盛り込み、実態把握も進める。
とあるが、その「妊産婦うつ」の影に、
脳脊髄液減少症が潜んでいる可能性については、関係者の誰も気づいていないことでしょう。
私個人の考えでは、産婦人科医の中には帝王切開後の妊産婦に激しい起立性頭痛が出ることを体験している医師もいると思う。
そして、起き上がれないほどの頭痛を訴える帝王切開手術後の患者に、ブラッドパッチをして、頭痛が回復し、退院していった産婦がいた経験もした医師もいることでしょう。
その症状も、私から見たら、手術のための腰椎麻酔時の麻酔の針を刺したことによって、いくらか髄液が漏れるなどし、一時的に「脳脊髄液減少症」になった状態なのではないか?と考えています。
もし、脳脊髄液減少症は、出産で起こる場合もあると言われています。
出産時の激しいいきみによる、母体にかかる圧のせいなのか、
それとも帝王切開による麻酔時の腰椎穿刺時のかすかな髄液漏れがきっかけなのかわかりませんが、
将来、産後、脳脊髄液減少症が発症した症例がたくさん集まって研究が進めば、そのへんもはっきりわかってくることでしょう。
まとめ
産後うつを防ぎ、妊産婦の自殺を防ぎ、母子の命と、心と体の健康を守るには、
脳脊髄液減少症を無視しては、ならないのです。
妊産婦自殺に限らず、男女とも自殺防止対策に真剣に取り組むのであれば、
政府は、脳脊髄液減少症の知識の普及と、その早期発見と早期治療の体制を整える努力を、
早急に整えるべきです。
たとえ、妊産婦時に自殺は免れても、
もし、脳脊髄液減少症を見逃されたまま、治療もされず、周囲にも症状を理解されないまま、
「なまけもの」扱いされたまま、子供が成長していけば、さらに母親の身体的精神的負担は増し続け、母親はさらに追い込まれてしまうからです。
脳脊髄液減少症の症状を抱えたまま、夫にさえ、症状を理解されないままの育児では、自殺には至らなくても、家庭崩壊にもつながりかねませんし、脳脊髄液減少症の高次脳機能障害や物忘れで、子供の安全を守り切れない危険もあります。
政府は妊産婦自殺の実態把握へ動き出すうようですが、
いつになったら、
誰にでもいつでもなる可能性のある脳脊髄液減少症の実態把握と、
うつ、引きこもり、不登校、精神疾患の影に隠された、脳脊髄液減少症の実態把握に動き出すのでしょうか?
早く国が先導して動き、「うつ」と脳脊髄液減少症、妊産婦と脳脊髄液減少症の関係性について、多くの関係者が気づいて、
脳脊髄液減少症患者の支援に動いてほしいと思っています。
誰も知らない自殺予防
脳脊髄液減少症の早期発見と早期治療のためには、社会全体の脳脊髄液減少症の認知度UPが必要で、
そのためには、
国の取り組みと先導が大切で、
それによって、日本のどこででもあたりまえに医療支援が受けられる、脳脊髄液減少症の早期発見、早期治療、さまざまな支援が実現していくと思うのです。
それが、今日、脳脊髄液減少症サバイバーの私がお伝えしたいことです。
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