2020/07/04
2017年10月12日、TBS ビビットの「ちょっと気になる調査団」でくしゃみについて取り上げられていました。
くしゃみにはリスクがあり、川村内科診療所・川村昌嗣さんによると、大きいくしゃみは体へのダメージがあるそうです。
住吉小学校前接骨院・田中俊和さんは一回くしゃみをすると腰に、自分の体重の約7倍くらいの負担がかかると言っていました。
つまり60㎏の人がくしゃみをすると、400㎏ぐらいの負担が腰にかかるそうです。
そこで、体に負担のかからない「正しいくしゃみ」のしかたが紹介されていました。
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ビビット流、正しいくしゃみのしかた
住吉小学校前接骨院・田中俊和さんによると、
① 右の腕の肘を曲げて二の腕部分で口と鼻あたりを押える。
②左の腕は体(肋骨あたり)からなるべく離して、手首から肘までを床と並行にするようにして、右手の腕のひじをつかんで抑える。
③腰は曲げずにまっすぐ伸ばして、
④軽く前かがみの姿勢でくしゃみをする
と負担なくくしゃみができる。とのことでした。
私の意見
たしかにくしゃみの時は、私はなるべく抑え気味にしてくしゃみをしていますが、この姿勢でのやり方を意識してくしゃみをしたことがないので、本当にいいのかどうかもわかりません。
今度くしゃみが出た時試してみます。
たしかに、腰に負担をかけない、安全な、くしゃみのやり方は、ブラッドパッチ治療を受けた患者にとって、試す価値があるかもしれません。
さて、以前「くしゃみで脳脊髄液が漏れて脳脊髄液減少症になった。」という方が番組の取材に応じて脳脊髄液減少症について世間に知らせてくれましたが、私は正直本当にくしゃみだけで髄液漏れが発症するのか?と疑問に思っています。
確かに「くしゃみ」で脳脊髄液が漏れるのも実際にはあるとは思います。
しかし、その確率はかなり低いのではないかと思うのです。
なぜなら、人類皆が、くしゃみごときで脳脊髄液漏れを発症していたら、髄液漏れによって動けなくなり、生活がなりたたなくなり、子育てができなくなり、種の保存がなりたたないと考えるからです。
普通の体であれば、くしゃみごときで髄液漏れは発症することは少ないと私は考えます。
私の仮説は、その、くしゃみ以前に、髄液漏れが起こっていたとしても、自覚症状が少なく、気づけない人が、くしゃみで症状が劇悪化した結果、「くしゃみで髄液漏れが発症した。」と医師も本人も思う例があるのではないか?
ということです。
もともと、なんらかの原因で、脳脊髄液が漏れていて、すでに天気の悪い日に「だるい」「眠い」「頭痛」などのなんらかの不定愁訴の症状があったのに、症状が軽く、天気がいいと回復してしまうため、その症状の意味に全く気づけていない人が大勢いて、その中の一人が、たまたま大きなくしゃみでの圧で、髄液漏れていた箇所からの漏れがわずかに増えてしまって、症状が悪化し、はっきりと苦痛を感じるまでの症状になっている例もあるのではないか?と思うのです。
たとえば、そのくしゃみの前に、転んで腰を打っているとか、交通事故に遭っているとか、柔道が趣味で体を強打したことがあるとか、
学生時代にラグビーをやっていて激突したことがあるとか、何らかの衝撃を受けていて、ちょろちょろ脳脊髄液が漏れていたものの、症状が軽かったために、
本人も日常生活を阻害されるほどでないのと、症状が天気がいいと回復したりして波があるため、それほど深刻に考えて、医師を受診していない例が、多数潜在しているのではないか?ということです。
たとえ、医師を受診していたとしても、眼科や耳鼻科、整形外科、内科を巡っても、医師が脳脊髄液漏れを疑えないから一向に髄液漏れの可能性に気づけないままという例もあると思うのです。
髄液が漏れていても少量であれば、脳脊髄液の補充でなんとかバランスが保たれて、つまり、脳脊髄液の供給量と脳脊髄液の漏れる量のバランスがなんとか保たれている例もあると思います。
ところが、そういう体でなんとかバランスをぎりぎり保っていたものが、ある日の激しいくしゃみでの圧が、そのちょろちょろ漏れのところを一撃して、
髄液漏れが1ccでも多く漏れてしまった時、突然いろいろな症状が出てくる場合もあるのではないか?と考えます。
テレビでの「くしゃみで脳脊髄液が漏れた。」とされた事例でも、くしゃみの圧で首から髄液が漏れるというのもなんだか不自然で、もともと転倒やスポーツ事故などで首を痛めはいなかったか?と私は思ってしまいました。
もともとなんらかの原因によってすでに、首や腰に見えない傷やもろい部分を抱えていて、そこにくしゃみでの圧が加わって発症するような例もあるのではないか?と思います。
その大元の原因の過去に受けた体への衝撃で「その部分がもろくなって髄液が漏れやすくなっていた、あるいは体調にあまり影響がない程度のチョロチョロ髄液漏れがすでに起こっていた。」なんてことは、患者も医師も普通は考えないと思うのです。
脳脊髄液漏れの症状は、原因になる体への衝撃があってから、すぐ発症するのではなく、時間差で症状が出てきますから、脳脊髄液減少症の知識がない人や医師では、まったく原因と症状が結びつかない可能性が高いと思います。
たとえば、中高年男性が、趣味のサッカーで転んで腰を強打して、しばらくはなんともなかった人が、1か月後に目がぼやけてきたとします。
誰が、一ヶ月前のスポーツでの転んだことと、今の目のぼやけとの関係性に気づけるでしょうか?
患者はおろか、医師もその関係性に気づけないと思います。
そのうちに、3か月後に、ある日その人が大きなくしゃみをした時に、今度は、目のぼやけに加えて、腰が痛くなってきたとします。
そこではじめて、患者は、くしゃみをしたら、腰が痛くなったということの因果関係に気づいて、整形外科医を受診するかもしれません。
整形外科医は腰をX線検査して、「異常なしですね。」と言って、貼り薬をくれるかもしれません。
しかし、目のぼやけと腰の痛みは治まらず。眼科医に行って相談すれば、「加齢でしょう。」と言われるかもしれません。
目のぼやけと腰の痛みの関係性にも、患者本人も医師もこの段階で全く気付いていないとします。
患者は腰は腰で、なんで腰が痛くなったのかわからず、再度整形外科医を受診しても、「加齢も関係しているかもね」と言われて、また貼り薬の処方だけかもしれません。
そのうち、手足もしびれてきて、おかしいと感じ、医師をめぐるうちに、やっと「それちょっとおかしいから検査してもらいなさい。」と言ってくれる医師に出会って、紹介状を持って、地元の大きな病院へ、行ったとします。
でも、そこでも、脳脊髄液減少症に詳しい医師でなければ、どんな検査をしても、どんな科に回されても、「異常なし」で帰されてしまう可能性があるのです。
何年かすぎてやっと専門医にたどりつけて脳脊髄液漏れだと判明しても、患者の記憶の中には、「くしゃみから症状が出てきた」印象しかないでしょう。
最初のささいな目のぼやけまでが、髄液漏れと関係していて、それが最初に起こったのが、あの日のスポーツでの怪我だと、患者本人も、記憶から消えてしまっていたとしたら、そのことを医師にも伝えられないでしょう。
すると、「今回の髄液漏れは、くしゃみで発症した例」となってしまう可能性もあると思うのです。
脳脊髄液減少症は、原因があってから症状がすぐ出てくるとは限らないので、むしろ時間差で出てくるので、患者自身が症状とその原因の因果関係に気づきにくく、
原因ではなく、もともとあった原因に、さらなる原因が重なって症状が劇悪化してしっかり苦痛を自覚した時点
が、「発症原因」であり、「発症時点」だと誤認する可能性も高いと思うのです。
「本当の原因」と「本当の発症時点」がもっと以前にあったとしても、それを患者自身が記憶に留めることがなかなかできないのが、「時間差で症状がでてくる脳脊髄液減少症」なのだと、私は思います。