リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状に潜む脳脊髄液減少症の早期発見と回復、症状理解による患者に優しい社会の実現のために、私ができること

救急車の頻回利用者に潜むもの ①

time 2016/05/12

救急車の頻回利用者に潜むもの ①

昨日のNHK首都圏ネットワークを見ました。
内容は、救急車の頻回利用者の問題についてでした。

出動件数が年々増える一方で、緊急性が低いケースも多く、一刻を争う急病人などが手遅れになることが懸念されている救急車の問題、この問題の背景になにがあるのか千葉市が実態調査を進めた結果、頻繁に救急車を呼ぶ人の中に。「心の病」を抱えた一人暮らしの人たちの存在が浮かびあがってきたそうです。

背景にひとりぐらしの人の心の病と決めつけていましたが、本当にそうだろうか?と疑問がわきました。

千葉市の稲毛消防署年間3000件を超える救急車の出動要請に一台の救急車で対応しているそうです。

要請の多くは急病や怪我によるものですが、中には緊急性が低くても、繰り返し救急車を呼ぶ人がいるそうです。
千葉市の稲毛消防署の救急隊長さんは「本当に命がかかっている方に救急車がすぐに到着できない事態がこれからたくさん出てくるんじゃないかと思って危惧している。」とおしゃってました。
なぜ緊急ではないのに、救急車を呼ぶのか?

千葉市は年7回以上救急車を呼んだ人を救急車の頻回要請者を「頻回利用者」と位置づけ去年とおととしの救急要請のデータを分析したそうです。その結果、頻回利用者は2年連続で140人を超え、一年に121回も要請していた人もいたそうです。
要請回数は1739件

不搬送 825件

軽症 702件

中等症202件

87%は軽症や病院への搬送の必要がなかったそうです。

46歳の男性は 数年前に営業の仕事のストレスから突然強い不安に襲われて息苦しくなり、パニック障害を発症、その後リストラ、離婚を経験したそうです。

こうした中でおととし、一年に8回救急車を呼んでしまったそうです。

ご本人によると、救急隊と話しをすると、過呼吸などの症状が落ち着いたそうです。

「パニックを起こしている時って本当にどうしょうもないんですよ。僕のために 一生懸命行動してくれる人がいるっていうのに甘えてしまって救急車を呼んでいたっていう感じですかね・・・。」と話していました。

この男性の話しを聞いていて、私は、「仕事を失い、離婚して、一人になって、たびたび救急車を呼んでしまうほどのつらい症状がでて、本当につらかったろうな。NHKの取材をよく実名で受けてくれたな。
勇気がいったろうに、きっと、現状を伝えたいと使命感に燃えて取材に応じてくれたんだろうな。
こんなまじめな人は、もしかして、他に私と同じ脳脊髄液減少症のような原因があって、救急車を頻繁に呼ぶような症状が出てしまっていて、それを見逃されているのかもしれないな。」と思いました。

実際、私も、脳脊髄液減少症と診断がつくまえは、検査をしても異常がでないため、症状の原因がわからず、医師にも白い目で見られて、脳脊髄液減少症によって同じように人生を振り回されていましたから。

千葉市の委託で、NPOのVAICコミュニティケア研究所が行った頻回利用者の実態調査「救急車の適正利用促進事業」の報告書によると、
疾病・症状・主訴 として、不安神経症、過換気症候群・パニック障害・うつ病・過性意識喪失・不安訴え
統合失調症、アルコール依存症などがあげられたそうです。

半数が「独居・心の病」があったそうです。

仕事や家族間のトラブルなどで孤立、相談相手がいないために救急隊を頼っている実態があったそうです。
これの結果を知って、私は逆に、脳脊髄液減少症の文字がないことが、非常に不自然に感じました。
おそらく、調査した方も、調査された方も、脳脊髄液減少症については情報を持っていないのではないか?と
感じました。

脳脊髄液減少症になれば、医師にも見逃されやすく、治療にたどりつきにくく、放置され、それによって、誰にも頼れない環境の中、症状を抱えていて、それだけでも不安なのに、時には、救急車を呼んでもおかしくないほどの激しい症状がでることがあります。

調査を行ったNPOは、こうした人たちの相談に載っているといいますが、はたして、今回の調査を行ったそのNPO VAICコミュニティケア研究所の人たちは調査に上げられた病の他に、脳脊髄液減少症という病態の存在とその症状について知っているのでしょうか?。

VAIC コミュニティケア研究所の 専務理事は「一人でどんどんどんどん考えすぎていって不安になって、そういうことで救急車を要請していることだろうと思います。身近になんらか相談する人だったり、支援する人がいたらこういうふうに(救急車の頻回要請)にならないのではないかなと感じた。」とおしゃっていましたが、おそらく、脳脊髄液減少症の隠れ患者と、救急車の頻回利用者との関連性には、気づかれていないのではないか?と感じました。

千葉市は 消防だけでなくNPOや福祉を担当する部署も参加して対策に乗り出しているそうです。

「頻繁に救急車を呼ぶこと」=「助けが必要なサイン」と考えるそうで、その考え自体はすばらしいことだと感じました。

4月21日の会合では、先のNPO担当者は「(頻繁に救急車を呼ぶ)理由のもとにある課題を明確にすることで、
それに何の支援ができるか?という計画を立てるっていうことだと思います。」と言い、

千葉市消防局担当者は「今後、消防と健康部だとかいろいろな関係部局と連携を取ることで頻回利用者はなくなっていくのかな」と言いますが、私は見ていて、正直、みなさん想像力がまだまだ足りないな・・・・
救急車の頻繁利用者の中に認知度の低い病態が潜んでいる可能性など、想像もできないんだろうな。と思いました。
「検査結果で異常なし」で病院からたびたび帰される人の中に潜む原因が、「心の病」だけじゃ救われない人も多いだろうな。と感じました。

今後千葉市は、支援が必要な、救急車の頻回利用者に対して、自治会などとも協力して、積極的に支援し、緊急性の低い救急車の要請を減らしていく方針だそうです。

すばらしいことですが、大きな対策が見事に抜け落ちているように感じました。

それは、「脳脊髄液減少症を見逃され放置されている患者の、さらなる見逃し」それに対する、知識も対策も皆無であるように感じること。

調査を依頼した千葉市も、消防署も、調査をしたNPOも、それを取材したNHKも、取材した記者も、そして、救急車で運ばれてきてもいくら検査をしても異常がでない患者を診ては「心の病」と決めつけている多くの医師たちも、だれも、「救急車の頻回利用者に潜んでいる可能性のある、脳脊髄液減少症の見逃され患者の存在」には気づいていないんだなと、私は感じました。

脳脊髄液減少症が見逃されるとその人の人生にどんなことが起こるか?

それについては誰も想像もしていないように感じました。

脳脊髄液が発症しても、患者の症状から見抜ける医師が少なく、多くの患者は、症状から考えられる検査をしても、異常がみとめられないために、「心の病」とされやすいこと。
脳脊髄液が漏れて減る状態のまま診断も治療もされずに放置されると、さまざまな症状が出てくること。
当たり前のことですが、脳が具合が悪くなれば、その人の心も体も不調になりすべてがうまくまわらなくなり、仕事もできなくなり、脳脊髄液減少症患者の中には、失業や離婚を経験した人も少なくありません。

さらに恐ろしいのは、脳脊髄液減少症について、世間一般にも、医師にも、社会にも、福祉関係者にも、
関係NPOにも、メディアにも、認知度が低いため、脳脊髄液減少症が見逃されることで人に巻き起こるさまざまな弊害について、周囲が全く想像もできないという問題点があります。

現状では、もし、脳脊髄液減少症が原因で、その人に、不登校や、ひきこもりや、失業や、離婚や、救急車の頻繁な要請 などの問題が起こっていても、その大元の原因である、脳脊髄液減少症によって、人の心と体を具合悪くしている、という問題点の存在に、周囲がまったく気づけないと思うんです。

周囲がまったく脳脊髄液減少症という隠れた真犯人に気づけないから、本人も気づけず、症状に苦しみ続けるのです。

自分に起こっていることの意味も分からず、自分を責め続け、周囲は周囲で方向違いの支援を行い、根本原因はそのままになり、目先だけの支援になる可能性と脳脊髄液減少症とう根本原因を見逃したまま放置される危険性を指摘したいと思います。

見逃せば、問題はさらに大きくなる危険性があります。命にもかかわることです。

関係者の皆さまには、救急車の頻繁な要請をする人の中に潜む、脳脊髄液減少症の可能性に気づくために、
脳脊髄液減少症について深く学び、できれば、救急車の頻回利用者の中から、脳脊髄液減少症患者を早期発見し、専門医での診断や治療へつなぎ、それによって、救急車の頻回利用者を減らし、救急車の適正利用につなげるような、そんな取り組みをお願いしたいと思います。

番組の最後に「日常で感じたことのない強い症状があれば、我慢せずにすぐに救急を要請いてほしい。」と消防は話していますと、うまくフォローしてまとめてありますが、その言葉すら、私にはむなしくひびきます。

なぜなら、脳脊髄液減少症の症状は「日常では感じたことのない強い症状」もでるからです。

脳脊髄液減少症の病名がついていない人なら、生き地獄のようなその激しさに、耐えきれず、救急車を呼んでしまうだろうと私は想像しています。

参考:
2015年10月2日放送 NHK くらし開設

総務省 報道資料

東京版 救急受診ガイド

↑ちなみに、この受診ガイドで、私の脳脊髄液減少症の症状をいくつかあてはめてみたら、いずれも、「救急車を要請したほうがいい。」と出ました。ここから考えても、救急車を頻繁に呼び、症状が軽く医師には相手にされず、あるいは「心の病」とされている人の中に、脳脊髄液減少症の見逃し患者が存在するように私は感じました。

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自己紹介

lily

健康オタクの脳脊髄液減少症のサバイバーです。「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

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