リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状に潜む脳脊髄液減少症の早期発見と回復、症状理解による患者に優しい社会の実現のために、私ができること

ブラッドパッチは魔法の治療法ではありません

time 2016/07/01

脳脊髄液減少症への回復への道のりは、ブラッドパッチだけではないと、私は思っています。

ブラッドパッチ治療は、たった一度治療するだけで、症状がすべてたちどころに、しかも永遠に消えるような、そんな魔法のような治療法ではないのです。

脳脊髄液漏れを、血のりで止めようとする治療法であるブラッドパッチは、必要最小限の治療法であり、本当の回復はそこから自力で始まると思っているからです。

脳脊髄液減少症は、自分自身の能動的な行動が回復へ導くと思っています。
私自身の経験からそう思います。

症状はあっても、精神科通いで薬漬けになっていたり、線維筋痛症や慢性疲労症候群と診断する医師になんの疑いも持たず、回復しないままの方もいるでしょう。

たとえ、ご自身で情報を得て、脳脊髄液減少症に気づき、専門医を探し当て、予約を取り、その医師を訪ね、脳脊髄液減少症の検査を受けてそうだと診断されても、たった一度のブラッドパッチで治るとは限らないのです。

治らないと、医師や治療法に不信感を増し、通院や経過観察後の検査などをやめてしまい、そのままずっと治らないままの患者さんもいるでしょう。

たった一度のブラッドパッチで治る人もいれば、治らない人もいます。

数回のブラッドパッチで治る人もいれば、ブラッドパッチだけでは治らず、さらに先進的な自費の治療法(人工髄液注入・アートセレブ治療)をしてやっと改善傾向になる人もいます。

ブラッドパッチは、交通事故や転倒などで起こった、「脳脊髄液漏れ」を止めるための、必要最低限の治療法だと私が思っていることは先に書きました。

早期発見早期治療で髄液漏れが、たとえば腰椎部一か所であれば、検査でその漏れている部分がはっきり写るとか、専門医の経験からの読影力でかすかな異常を見抜いてその場所がわかれば、そこにピンポイントでブラッドパッチでき、たった一度のブラッドパッチ治療で改善することも夢ではないでしょう。

しかし、そんな幸運がすべて重なる患者さんばかりではないと思います。
第一、まだまだ現在では髄液漏れの画像を見慣れていない医師がほとんどですから、たとえ脳MRIを撮っても、脳脊髄液減少症の特徴を見抜けない医師では、ブラッドパッチ以前の問題です。

漏れた箇所もわからず、やみくもにブラッドパッチしたって、水漏れホースの穴がわからず、適当にガムテープで補修するのと同じです。

漏れた箇所がわからないホースを全部テープで補修するならまだしも、この辺かなと適当に予想してテープを張ったって、そこに偶然漏れた箇所がカバーできていなかったら、また水漏れするのと同じです。

胸椎部、頸椎部、仙骨部などでも髄液漏れが起こっていたら、果たして腰椎部のブラッドパッチ一回で治ると思いますか?

しかも、最初の脳脊髄液減少症の検査では、一番激しく漏れている腰椎部以外が画像診断で映らなかったら、医師だって、他の部分の髄液漏れには気づくことはできないでしょう。

さらに、髄液圧が低すぎて、漏れさえもなかなか画像にうつりにくく、他の漏出部の検討がつけにくかったら、医師だって、どこから漏れているのかわからないのが普通でしょう。

たとえば水漏れホースで、ホースに水圧をかけて初めて漏れた場所から水が噴き出てきて、漏れている個所がわかる場合があるでしょう?

人体でも同じようなことが起きているのではないか?と私は考えています。

髄液圧が低すぎる人体では、漏れは検査で画像に写りにくいのではないか?と。

医師は、そんな髄液圧の低い患者を何回検査しても写り難いのをわかっているから患者の体に負担をかけてまでのRI検査や治療に、慎重になるのは当然でしょう。
結果、慎重な経過観察になるわけです。

しかし、患者は症状がつらいから、その数か月の経過観察さえ、医師がまるで「なにもしてくれない。」と感じてしまい、家族ともどもいらだちを感じてしまうのでしょう。私も当事者ですから、その気持ちはわかるのです。

しかし、どんなにつらくても、最低3か月から半年は様子を見ることの大切さも痛感しています。

それなのに、ブラッドパッチを1度して、また症状が出たからといって、「ブラッドパッチしても治らない。」と医師を責め、治療を中断してしまう患者がいるのは非常に残念です。

これは単なる私の経験からの想像ですが、ブラッドパッチして一時的に強制的に血のりで髄液が入った袋の外側から圧迫されたことで一時的に脳が上がって症状が改善したのが、ブラッドパッチ後の即効性ある効果で、
一か月たって、また症状が出てくるのは、その血のりでの一時的な圧迫がなくなったために、また自然に脳が下がることで症状が出てくるのではないかと個人的には思っています。

だから、症状が出てくること=ブラッドパッチは効果がないなどとは私はみじんも思ってはいません。

脳脊髄液減少症患者を見て見ぬふりして、他県の医師に押し付け、何もしようとしない地元の医師を責めずに、多くの脳脊髄液減少症患者が殺到する中、必死に脳脊髄液減少症患者を治そうと日々患者とともに考えながら治療に取り組んでいるごく少数の医師たちを「ブラッドパッチしたって治らないじゃないか!」と怒りをぶつける患者や家族がいることは、

同じ脳脊髄液減少症患者として非常に悲しく残念に思っています。

みんなが症状がつらい中受診の順番待ちをしているのに、すぐ診てくれと無理やり他の医師に紹介状を書かせてそれを使って、順番を優先してもらって割り込むような、わがままで、自分勝手な患者も中にはいるので、対応する医師も大変だと思います。

患者たちは、脳脊髄液減少症の耐え難い多彩な症状で、冷静さを失っている場合もあるし、普通の疾患のように、社会や医療の手厚い支援に恵まれていないから、

たまに行く脳脊髄液減少症を診てくれる医師には、張り薬をくれ、痛み止めをくれ、漢方薬をくれ、診断書を書いてくれのと、大変な要求ばかりをする脳脊髄液減少症患者が多いと思います。

そんな患者相手に、ごく少数の医師たちが必死に脳脊髄液減少症患者を治療してくれているのです。それだけでも頭が下がるのが普通ではないですか?

それなのに、まるで「ブラッドパッチが魔法の治療法」のように勝手に思い込んで期待して受けた患者たちが、今度は思うような結果がすぐでなかったからといって「期待はずれて、医師や治療に対して激しく怒りをぶつけたり非難しはじめる。」それは絶対にやめていただきたいと思います。

非難するのなら、地元の脳脊髄液減少症に無理解な医師のところへ行って、絶対、正しく診断も治療もできない医であっても、優しくお客様扱いしてくれるところへ行けばいいのです。

少数の脳脊髄液減少症専門医たちは、他の医師たちの冷たい目にさらされつつも、脳脊髄液減少症から逃げず、真摯に立ち向かっているのです。

そのごく一部の医師の先生方を、批判したり、責めることだけは、患者や家族はやめていただきたいと私は思います。応援することはあっても、非難するなんてもってのほかです。

どうせ怒りをぶつけるなら、脳脊髄液減少症の治療に取り組む医師ではなく、
あなたの住む地域で、脳脊髄液減少症患者に何もしようとしない、大多数の医師の方に、その怒りのエネルギーを向けてください。

特にこどもの患者のお母さんたち、自分のこどもがなかなか治らないのは、同じ母親として気持ちはわかりますが、ブラッドパッチして治らないからと言って脳脊髄液減少症の治療に取り組むごく少数の医師にその怒りをぶつけたり、批判したり、責めたりする大人げない行為は絶対にやめてください!。

そういうお母さんたちがいることは、私も脳脊髄液減少症の母親として、とても悲しく残念に思います。

治らない理由は、何なのか。
それはまだまだ脳脊髄液減少症の研究が発展途上にあってわからないことがたくさんあるからにほかなりません。
治らないのは脳脊髄液減少症の治療に取り組む先生方のせいではありません。

治らないのは、脳脊髄液減少症が早期発見できなかった他の医師の見逃しが原因の人もいるでしょう。でも、その後、脳脊髄液減少症だと原因を見つけて治療に取り組んだ医師が「治らないから」と責められた非難されるのはおかしいと思います。
責めるなら、まずはその見逃した医師の方でしょう。

治らないのは、他の疾患のように、脳脊髄液減少症の治療や症状について「多くの医師たちによって、研究されつくしていないから、わからないことが多い」から、に過ぎないと私は思います。

もっと、多くの他の分野の医師たち、研究者たち、専門家たちが、脳脊髄液減少症に興味関心を持ってくれ、大勢で、多方面から脳脊髄液減少症の研究に取り組んでくれれば、もしかしたら、もっと早く解決の糸口が見つかるかもしれなません。

怒りをぶつけるなら、無関心な医師たち、協力しない専門家たちにその怒りを向けてほしいと思います。

また、脳脊髄液減少症の研究が発展途上である以上、患者の自分がいろいろと一番気づきやすいはずですから、自分で考え自分で探って、再診時に、医師に進言するといいと思います。それが医師の脳脊髄液減少症研究のヒントになることもあるだろうし、あなた自身の症状改善のための医師が考える治療のヒントにもなるかもしれません。

患者として、自分でできるそれぐらいのことはして、超忙しい医師を支えてほしいと思います。

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とあるたとえ話

タイル張りのバスタブの底から水漏れをしていて、いくらお湯を張ろうとしても、お湯がたまらないバスタブがあるとします。

困って、左官屋さんに頼んでバスタブの底の穴を修理してもらいました。

けれど、またお湯を張ったら、半分くらいまでしかお湯がたまらない。

そこで、「バスタブの穴をふさいでもらったのに、お湯が半分しかたまらないじゃないか!どうしてくれるんだ!金返せ!」と
怒りを左官屋さんにぶつける人がいたとしたらどうでしょうか?

お門違いではありませんか?

お湯が上までたまらない原因はなぜか?と考え、気づけるのは、たまに頼んでくるような他人の左官屋さんではなく、
毎日そのバスタブに入っている自分であるはず。

毎晩お風呂に入るたび、よくよくバスタブを見てみたら、
半分より上の部分にヒビが入ってお湯が漏れていたのを目にするかもしれません。

あるいは、水漏れは止まっていたのに、お湯が自動的にある一定量に達したら止まってしまっていたためにお湯がたまらなかったのかもしれません。

お湯が今までどおりバスタブにたまらない理由はいろいろとある可能性もあるのです。

そこで初めて、左官屋さんに 「すみません。この間、修理していただいたバスタブなんですけど、
実は今まで気づけなかったんですが、半分より上のところにヒビを発見しまして、
そこからお湯が外に漏れてまして、 それでお湯が上までたまらなかったようなので、また修理をしていただけませんか?」と連絡し、左官屋さんがきて、「あ、ほんとだ。気づきませんでしたね。たしかにここにヒビがありますね。」と 言って、 そこを治してくれた。

そうしたら、お湯がバスタブの上までためられるようになって快適な入浴ができるようになった。

あるいは、給湯の量が、一定量までこなかったのを、給湯器メーカーに連絡して治してもらった。

それに、 いくら左官屋さんが、 底と横と水漏れをふさいでくれても、給湯器が治っても、

お湯の蛇口をひねるのも、お湯を張るのも、 あとはすべて自分です。

自分で、お湯の蛇口もひねらず、あるいは、お湯貼りスイッチも押さず、
何もしないで、左官屋さんやメーカーに
「お湯が上までたまらないじゃないか!」と文句を言う人はいないはず。

こんなたとえ話で、私が伝えようとしていることが伝わるのは難しいでしょうが、つまり自分で何もしないで治らないことで他人を非難ばかりするのはやめようよ、ということです。

今現在で、できる、精いっぱいの治療をしてもらっているのですから。

あとは医学の進歩を待つしかないのですから。

あとは、自分でもできることを自分のためにやっていきましょうよ、ということです。

症状がつらいからと、朝から起き上がることもせず、ずっと寝たままの人もいるでしょう。

脳脊髄液減少症の子供を抱えた親が、朝起きてこないで一日中寝ている子供をそのままに、至れり尽くせりで介護して、 「治らない!」と主治医を責める親おいるでしょう。

私は患者として、そんな人たちに「治らないのは当たり前です。」とお伝えしたいです。

それは、お湯はりスイッチを押していないで、 左官屋さんに文句を言っているようなものだと私は感じるからです。

患者さんの中には症状再発のリスクを恐れて、自分では全く何も取り組まない人もいるでしょう。

薬や医師が治してくれるのではなく、自分自身で回復にいいと思われることはあくまで自己責任ですが、何でも挑戦してみることです。もちろん、医師にもやっていいこと悪いことを相談しますが、たとえ医師がいいといったことでも実行したのは自分自身です。

たとえば、「医師が旅行に行ってもいいと言ったから行ったのに症状が再発した。とか

「医師が運動してもいいと言ったからしたら、再発した。」などと言わないように、最終的には医師の意見を判断するのも、自己責任だと自覚して生きることです。

自分自身で自分のことを真剣に考えることは、社会や医療の支援体制が整っていない脳脊髄液減少症にはなおさら
とても大切なことだと私は思っています。

繰り返しますが、 ブラッドパッチは魔法の治療法ではなく、髄液漏れの必要最低限の治療だと私は思っています。

しかし、現在の非常に厳しい診断基準では、 はっきりとした画像には出にくい髄液漏れの患者たちが
診断基準から外されてしまい、その必要最低限のブラッドパッチ治療さえ、保険適用で受けられない
過酷な現状ですが・・・。

今年、2月18日、NHKあさイチで脳脊髄液減少症が初めて取り上げられ
が、まるですべての人がブラッドパッチがすべての患者に 簡単に健康保険適用で受けられ、1回で回復するかのような、 まるで、魔法の治療法であるかのような、 間違った印象を与えてしまったような放送内容は、私は、「まずかったなぁ」と感じています。

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自己紹介

lily

健康オタクの脳脊髄液減少症のサバイバーです。「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

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