2020/07/04

2016年2月18日の
NHKの朝の番組 あさイチで
脳脊髄液減少症とその治療法である「ブラッドパッチ治療」が
取り上げられました。
その時に書いた記事はこちら。
その感想の続きを
今日はまた書いてみたいと思います。
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脳脊髄液減少症の患者の実情を何も知らないマスコミの人たち
番組冒頭からの約10分間を使って、
「誰にでも起こりうる非常に身近なもので、
転倒でも起きてしまうもので、
こどもの発症事例も多くある、スキーやスノーボードなどでの転倒でも
発症してしまう事例が多く報告されている。」と
わかりやすい説明がなされていました。
脳脊髄液減少症とは、
病名が長ったらしく、まるで希少難病のような印象を与えてしまいがちですが、
実は、
誰にでも起こりうる身近な事故後遺症だということを
朝のNHKで伝えてくださったことは、
大きな意味があったと思います。
「大きく転倒して頭痛が止まらなかったら疑った方がいい?
普通の病院だったら気づかなかったりしません?」というゲストに対して
特徴的には激しい頭痛があるけれど、
他にも、
めまいや吐き気、だるさ、目のかすみ、
耳鳴り、ひどい物忘れ、など、実にさまざまな症状が出ること、
患者は内科や心療内科を受診しても
医師が脳脊髄液減少症だと見抜けず、
そのために患者が
周囲から「なまけ病」だと誤解されていること、
など、放送で
取材したアナウンサーが語ってくださいました。
「調子が悪いからと言って、病院に行って、すぐ脳脊髄液減少症だと診断してもらえるものなの?」という質問に対し、
取材したアナウンサーは
「それは今後の課題でもまさにあり、ブラッドパッチの治療、さらには脳脊髄液減少症そのものが
あまり知られていない現状がある。
厚生労働省のホームページなどを見ると、ブラッドパッチの治療が受けられる医療機関などが公表されている。
ただ、すべての街の病院でも全部見てもらえるというわけではない。
実際、脳脊髄液減少症というものが、医学界でも知られるようになったのが、2000年ごろで日が浅く、
適切に診断できる医師もまだ多くない。
画像診断で判断するが、それが非常に難しい。」という
なにより、(体に受けた)強いショック、外傷に覚えがあり、
症状があり、でもなんかわからないという時には、
脳脊髄液減少症を疑って診断を受けてみることをおすすめする。」という内容を
話していました。
確かにそうなのですが、それは、実際の患者の私には、
「脳脊髄液減少症は、誰にでも起こりうる、転倒などの、体に受けた衝撃での怪我で起こる症状なのに、
脳脊髄液減少症を知らない医師が多いため、
あなたの近所の病院に行ったとしても、脳脊髄液減少症自体を知らない医師も多く、
検査も診断も受けられない可能性が高いのが現状ですよ。」と言っているのと
同じに聞こえました。
そのアナウンサーの
「なにより、(体に受けた)強いショック、外傷に覚えがあり、
症状があり、でもなんかわからないという時には、
脳脊髄液減少症を疑って診断を受けてみることをおすすめします。
最初からこれ(脳脊髄液減少症)を疑って病院にいくことが
必要かもしれません。」
との言葉に続いて、
ゲストの、
「なんでもそうですが、
(患者側が)ブラッドパッチとかの(医学的な)知識を自分で持っていて、
一般の入り口(病院)に行って、
先生、こういうのも(脳脊髄液減少症の検査や治療を)受けた方がいいでしょうかね。
とこっちから相談する姿勢を持つのも
必要ではないでしょうか?」というのを聞いて、
私は
「はぁ~」とやりきれない、ため息が出ました。
この方がたは、伝える側にいるのに、
脳脊髄液減少症の患者の現状を
何もご存じないんだ・・・・と失望して・・・。
今まで医療現場で
脳脊髄液減少症患者がどんな目にあってきたのか?
医学界でどんな患者救済が置き去りにされ続けて、無意味な医学論争が繰り広げられてきたのか?
そのことをきちんと取材せず、
最近の患者さんのことだけを取材したところで、
この脳脊髄液減少症が抱えている深い問題点や
長い間、治療もされずにほうっておかれた人たちの苦しみは、
このままだと、知られないまま埋もれてしまうし、
これからの患者に同じ思いをさせないための、
教訓も
過去から学べないと思いました。
報道する側が、きちんとそこの部分を取材し、
現状にある問題点を整理してから、
その脳脊髄液減少症が抱える問題点の部分も含めて、
視聴者にもう一度、伝えてほしいと思いました。
でないと、
テレビを見ているであろう、
子育て中のお母さん方に、
こどもに関する重要な医学情報が、
伝わらないと思いました。
私がこの言葉に対して、
感じた違和感の具体的な内容に関しては、
次回書きます。
(つづく)