2020/07/04
2016年8月11日(金曜日)の
朝日新聞 患者を生きる 3113 ある日突然 読者編 4を読んで私の感想の続きです。
脳脊髄液減少症の専門医を受診するのに、
予約から受診まで半年かかった方の記事を読んで、
「同じだ。」と思いました。
見た目では、
半年放置しても大丈夫そうに見えるかもしれない、
脳脊髄液減少症の症状の当事者のその半年間の苦しみを、
想像するだけで、
自分の体験と重なり、つらくなります。
何もご存じない人が見たら、
「受診まで半年待ち」のその過酷さが、
想像もできないことでしょう。
しかし、
座っていられないほどの、体の苦しみと呼吸困難の症状を抱え、
それでも地元の医師にも相手にされず、
ただただ、検査治療までの待ち時間の半年間耐え続けるしかなく、
その上、
一家の家事担当者として、
やらざるをえない日々を経験した私は、
地獄のような苦しみで、(第三者の目からはそうは見えなかったとは思いますが)
「こんな時に、苦しみから逃れたくて、死を選んでしまう人もいるのかも?」と
考えたほど、つらく苦しかったのです。
耐え難い症状があって、
すぐに受診さえできない状況が、
どんなに過酷で悲惨なものなのかは、体験したものでないとわからないと思います。
いかに、
この現代の、医療先進国の日本において、
脳脊髄液減少症患者のおかれている状況が異常な事態であったか?
その問題点に気づいて、報道してくれ、社会に問題提起してくれるマスコミも、
ごくごくわずかでしたし、
たとえ報道されたとしても、
医学界の批判と、社会の無関心で、
かき消されていくような
感じでした。
住んでいる地域の医師の理解状況、治療の取り組み状況、
受診した病院の患者の殺到具合にもよりますが、
本当に、受診や検査までの、半年待ちはつらいです。
以前は、たしか2年待ちというところもあったようですから、
恐ろしいことです。
その間に、
自殺してしまう人がいても、少しもおかしくないと
私は感じるし、
その待ち時間に、
症状が悪化して、突然死で亡くなったり、
脳脊髄液減少症の飲み込みにくさやむせやすさで誤嚥性肺炎で亡くなる人がいても、
おかしくないし、
脳脊髄液減少症の高次脳機能障害で、
交通事故や、火事を引き起こして、
亡くなってしまう人がいても、不思議ではないと、
自分の症状の経験から思います。
あのころから比べたら、
今は、
はるかに医師の理解は進んでいるだろうし、
経験は少なくても、治療に取り組みはじめる医師も
少しずつですが、増え始めていることでしょう。
しかし、今も、まだまだ脳脊髄液減少症に理解のない医師は多いし、
社会の理解も進んでいるとはいいがたい状況です。
たとえば、脳脊髄液減少症を知らないあなたが、
もし、体調を崩し、
高熱がでたり、
頭痛や腹痛など、耐えがたい症状があって、
病院に駆け込んでも、
かえってくれと、門前払いされて受診さえかなわないとか、
医師の予約とって、半年~2年待たねば受診さえかなわないとしたら、
あなたはそのことを、どう思いますか?
あなたは耐えられますか?
あなたがもし、
誰かの暴力で脳脊髄液減少症を発症しながら、そのことに気づけず、
原因不明の症状を抱えて、苦しんで苦しんで、やっと「脳脊髄液減少症では?」と偶然気づいて、
それを確かめるべく、医師を受診しようにも、脳脊髄液減少症に詳しい医師がいない、とか、
やっと医師を探しあてると、あまりにも距離が遠い、とか、
しかも、半年~2年待ちだとしたら、
あなたは耐えられますか?
こんなことが、
この病院やクリニックがたくさんあふれている
この医療先進国の日本で、
脳脊髄液減少症患者には、普通に起こってきたのです。
脳脊髄液減少症患者の生き抜いてきた、この過酷さが
この理不尽さが、
あなたに想像できますか?