2020/07/04

昨日の
8月11日の
朝日新聞 患者を生きる3113 「ある日突然」読者編 4
を読んで、
脳脊髄液減少症の当事者の私が感じたことです。
脳脊髄液減少症は、衝撃を受けてから症状がでるまでに
10年もかからないと、
私は思いました。
私が想像するに、
以下の3つのパターンが考えられると思いました。
1、交通事故で体に衝撃を受け、
髄液が漏れていないものの、弱くなっている部分ができ、髄液が漏れやすい状態になっていて、
10年後に、転倒や尻もち、激しいくしゃみなど、
なんらかの衝撃が加わって、
その弱くなっていたところから髄液が漏れだして、症状を自覚しはじめた場合。
2、交通事故で体に衝撃を受け、
少量髄液が漏れていたものの、
髄液の供給量と吸収量の関係で、供給量が増えて補てんされていて、
少量の髄液漏れでは自覚症状がないまま10年間経過し、
10年後に脱水や低気圧がきっかけで髄液圧が下がって症状を自覚し始めた場合。
3、交通事故で、少量の髄液漏れが起こっていたが、上に書いたようなことで症状を自覚していなかったが、
その後の日常生活の中で、
転倒や尻もち、背中をたたかれるようなスポーツや、整体などの日常生活でのささいな衝撃が積み重なって、
10年後に、
何かのきっかけで髄液漏れの量が激しくなり、症状を自覚しはじめた場合。
4、事故後に、髄液は全く漏れていなかったが、微細な傷ができ、髄液が漏れやすい状態になっていた場合。
その後、なんらかの衝撃が加わったり、低気圧がきっかけで、症状が10年後に出始めた場合。
5、事故後に全く髄液漏れは発症していなかったが、
交通事故とは全く関係なく、
新たに、転倒などして、それが原因で10年後に症状が出始めた場合。
など、
いくつかの可能性が考えられると思いました。
5番目に書いた、
交通事故後に、全く髄液漏れを起こしていなかった場合、
10年後に、
10年前の交通事故が原因での、髄液漏れを起こすとしたら、
事故の衝撃で漏れやすい弱い部分ができていて、
そこに、
新たな衝撃や圧が加わったとしか、考えられません。
何も原因もなく、新たなきっかけもなく、
当然、今まで事故後症状がなかった人が、いきなり10年後に症状が出始めることは、
考えられないと思います。
その間、何かの素因と原因があったから
10年後に症状が出始めたと推測します。
交通事故で衝撃を受けても、
もし、その時、「髄液漏れが全くなかった。」としたら、
事故から10年後に、
いきなり症状がでてくることなど、
ありえないと私は思うからです。
何か交通事故で、漏れやすい弱い部分ができてしまったか、
すでに少量漏れていたのに自覚症状が出ていなかったか、
事故後に、
事故とは別な髄液漏れを引き起こすような原因がその間にあったか、のどれかだと思います。
私が体験から察するに、
衝撃から症状がでるまで、確かに時間差はあります。
「髄液の漏れ」がある一定の閾値を超すまでは、
自覚症状はでないのではないか?と考えます。
私の場合、
今思えば、交通事故から
すぐさま症状が出ていましたが、
それが、だんだんひどくなって、
はっきりとおかしいと自覚したのは
1か月後ぐらいでした。
そこから、診断まで、
記事に書いてある方よりも
はるかに長くかかりました。
その間、
ふわふわしためまい、
ぐらぐらしためまい、
吐き気、
車に酔いやすい、
眠気、
過眠、
睡眠リズムの崩れ、
睡眠障害による昼夜逆転、
生理周期の激しい乱れ、
月経前症候群の突然の激しい悪化
月経前の激しい頭痛、
激しいだるさ、
汗がでない、
暑さ寒さに非常に弱くなる。
しょっちゅう風邪をひくようになる。
感染症に弱くなる。
口内炎ができやすく治りにくい。
などなど、
数々の症状が出たり消えたり、組み合わさったりして繰り返されました。
体に衝撃を受けてから、
症状が出始めるまでに、
多少の時間差がある、
このことが、
症状の原因に気づけないわけだと思います。
子供の場合、
たとえば、
学校で、誰かに突き飛ばされて、激しい尻もちをついたり、
頭を激しく壁に打ち付けたとしましょう。
その時に「脳脊髄液漏れ」を引き起こしていたとしましょう。
しかし、
その時は、大丈夫に見えて、本人も起き上がり、
普通に家に帰ったとしましょう。
でも、
1週間後とか、
1か月後に、
だんだん朝起きられなくなって、学校へ行けなくなったとしましょう。
本人も頭痛やめまい、吐き気などの症状が、
あの学校で友達に突き飛ばされて転倒したことが原因だと気づけるでしょうか?
気づけないと思います。
本人が気づけないから、親にもその因果関係に気づきません。
もちろん、本人も親も気づけないことは、医師にも伝わらず、
医師も脳脊髄液減少症に気づけません。
これが出血や骨折を伴うケガだったなら、
転倒してすぐさま、激しい出血という、他人でも視覚的にも
原因とケガがすぐつながる状況があります。
たとえ出血がなくても、事故後、激しい痛みという自覚症状がでれば、
医師も、骨折などをX線で確認しようとしますし、
それを確認すればすぐさま治療にも手術にも入れます。
しかし、目に見えない、体内での髄液漏れは、
事故後、出血もしないし、すぐさま痛みもでませんでした。(私の場合)
ですから、衝撃を受けてから、症状がでるまで時間差、日数差があれば、
症状の原因がなにか、
気づくことは非常に難しくなります。
衝撃を受けてから、
誰にも異常を気づかれることなく、漏れ続け、
最初は、髄液の供給量を増やして自分の脳を守ろうとする自己防衛本能のような機能で、
なんとか耐えていた人体も、
髄液漏れの量がある閾値を超えた時、正常な脳機能を保てなくなった時、
症状が出てくるのではないでしょうか?
お母さんたちにだけは、
脳脊髄液減少症の知識を持ってもらい、
こどもが原因不明の症状で学校へ行けなくなった時、
その症状の1週間前、
1か月前までさかのぼり、
友達につき飛ばされて、しりもちつかなかった?
体育の授業で背中を強く打たなかった?
通学時、自転車で激しく転倒しなかった?
など、脳脊髄液減少症を頭に置いた質問が、
母親にできるようになったり、
あやしいと思ったら、
医師に、「脳脊髄液減少症ではないでしょうか?」と
言えるぐらいのお母さんが増えてほしいと思います。
素人ですが、
そんなことをいろいろ考えるきっかけになる記事でした。
記事の中で、
MRI検査の結果異常はなく脳外科医に「気のせい」と言われた方の例について、
考えたことは、
次回に書きたいと思います。