リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

脳脊髄液減少症・よくある誤解

脳脊髄液減少症について、 ありがちな間違った医師の考えや対応と、 その誤解に対する患者の私の気持ちをメモしておきます。

私はあくまで素人の患者なので、 ここに書いてあることの中には医学的に正しいとは言えないことも あると思います。ただ、私が実際に経験したことや、 医療現場の混乱を報道などで知って考えたことです。

他の患者さんから直接体験を聞いたりして、 私が「それは誤解だ」と感じたことも書いておきます。

その点、ご了承の上、お読みください。

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医師がよく誤解していると感じている点

[誤] 患者が歩いて診察に来ているからそんな人が髄液が漏れているはずがないし、脳脊髄液減少症ではない。

脳脊髄液が漏れている人は寝たきりか歩けず車いす。歩ける人で脳脊髄液漏れの人はいない。

→脳脊髄液漏れの私は髄液が漏れていても歩けました。したがって、髄液が漏れていても歩ける人もいます。
歩けるか歩けないがか、病院に自力で来れるかこれないか、寝たきりか寝たきりじゃないか、車いすか自力で歩けるかが、髄液漏れがあるなしの判断材料にはならないと思います。

その他、歩行障害だけでなく、実にさまざまな症状がでます。
目のぼやけ、手足のシビレが主な症状の場合もあります。

脳脊髄液減少症=寝たきりのイメージ、車いすのイメージを持ち、自分一人で歩いて病院には来れないと思っていると持っていると一見元気そうに見えて、不定愁訴に苦しんでいる患者の中に潜む脳脊髄液減少症患者の早期発見が不可能になると思います。

[誤] 頭痛がないから脳脊髄液減少症ではない。頭痛がないから髄液は漏れていない。→頭痛がない脳脊髄液減少症患者もいます。

[誤] 脳脊髄液が漏れているなら、頭痛が必ずあり、体を起こしてから15分以内に頭痛が悪化する。

→そうとは限りません。頭痛に限らず、症状の悪化は、体を縦にしてから(つまり朝、寝ている状態から起きてからの立位、座位での日常生活の姿勢)起きて3時間後のこともあれば、6時間後のこともあり、その人によって違う上、その人の中でも、日によって体を起こしてから症状が出始めたり症状が悪化しはじめる経過時間が違うことがあります。時間は関係ないと思います。要は健常者なら、朝起きて夜寝るまで横にならなくても別に苦もなくすごせるのに、脳脊髄液減少症患者はそれがかなわないのです。

患者の真実の姿は、よく言われてきたように“髄液漏れ患者は起きて〇〇時間後に頭痛が出る”ではなく
「脳脊髄液減少症患者は朝起きてから寝るまでの間、健常者のようにずっと体調の変化なく体を起こし続けることが難しい。体を起こしてから数分後~数時間後、症状で横に起きていられず横にならざるをえなくなる。」って表現が真実に近いと思います。

体を起こしているとだんだんいろいろな症状が出てきて苦しくなってくるけれど、一度横になると、脳の位置が一度重力の影響を得なくなってリセットするのか、その理由はわかりませんが、しばらく横になると、症状が改善し、一定時間その状態が維持することがあるのです。

したがって、脳脊髄液減少症では「○○」という症状があることが絶対条件で、それが体を起こすと何分以内に必ず悪化するという表現は、あまりにも乱暴な言い方だとかつて、患者として思っていました。

症状が悪化するのは、起きてから何分以内という判断では、脳脊髄液減少症患者を正確に見つけられないと思います。

[誤]患者が遠くの病院に通院できている段階で、脳脊髄液減少症はすでに治ってる。だから遠くの病院に通院できているあなたに点滴の必要はない。

→遠くの病院に行っているのは、近くでそのようなことを言う医師が多く、検査も診断も治療も望めず、脳脊髄液減少症の治療がしてもらえないからしかたなく遠くの病院にいかざるをえないのです。

このような言い方を、もし他の病名の患者さんだったら、言われるでしょうか?脳脊髄液減少症の存在自体が長く医学論争になってきた、脳脊髄液減少症の患者だからこそ、うける仕打ちのような気がしてなりませんでした。

[誤]病院を受診しても、脳脊髄液減少症の病名を出しただけで、「うちでは診られない、相談にものれない」と追い返され、医師にあうことすらできない。会えても、「二度と来るな」とくぎを刺されるようなことを言われる。

→せっかくやっとの思いで病院に来た患者を会いもせずに、「脳脊髄液減少症で他病院で通院中」だというだけで、あるいは「脳脊髄液減少症」の既往歴があるというだけで、会いもせずに追い返すことはやめて、せめて一度は会って、どういう事情で自分を受診してきたのか?自分に力になることはひとつもないのか、医師には考えてから、他医師や他病院をすすめていただきたいものです。患者は患者なりに考え抜いた末に、その日、その医師を訪ねてきたのかもしれないのですから。

「脳脊髄液減少症」は何も特別な疾患ではなく、身近で発症している人もたくさんいるはずで、ただ認知度がにくいために発見に至っていないだけだと思いますから、もし、自ら尋ねてくる患者がいたら、生の脳脊髄液減少症患者から学べるチャンスととらえて、逃げないで、患者と正面から向き合っていただきたいものです。

[誤解] 点滴で痛みが改善することなど信じられない。開業医なら喜んで点滴してくれるだろうから、そっちへ行ったほうがいい。うちの脳外科では診られない。

[誤解] 患者が点滴してくれというのは、飲むより効くという思いこみ。点滴依存症。点滴が必要か否かは医師が決めることなのに、患者から点滴してくれと言われるのは医師として不愉快。

→脳脊髄液減少症では、その人に適切な点滴の種類、量、点滴速度で点滴すると、一時的に血液量が増え、脳脊髄液が増えて脳が浮くのか、症状が一時的に改善することがあります。

対症療法としての点滴なのですが、それさえ、地元の医師にはご理解いただけず、「あなたの症状が点滴でよくなるとは思えない」 とか「点滴が必要な人には見えない。」とか 「点滴が必要かどうかは医師が決めること。」などの言葉で、何もしてもらえず、帰されたりします。

患者はただでさえ、身体症状がつらく、普段は周囲の医師に理解がないのをわかっているからめったに近所の医師を頼りませんが、苦しさゆえに近所の医師をやっとの思いで頼っていくと、無理解な言葉で追い返されることが多々ありました。

しぶしぶ点滴していただけても、「 点滴が必要かどうかは医師が決めるのに、自分から点滴を指示してくる困った患者」という捉えられ方を医師にされることもあり、 精神的にとても悲しい思いをしてきました。

患者はただ、 体験的に、脳脊髄液減少症の自分の体は、点滴をすると、一時的に体調が良くなることを経験的に知っていて、あまりに具合が悪くなった時、 助けてもらいたくて、一刻も早く楽になりたくて、過去の経験を地元の医師に伝えようとしただけなのですが、 伝えると、上記のように「困った患者」と誤解されます。

それもこれも、医師が脳脊髄液減少症の知識がないことが原因であり、 それによって、患者が適切に助けてもらえないことは、とても悲しく、残念に思います。

[誤] 病院に一人で受診できている段階で脳脊髄液減少症ではない。
→見逃され続けて症状が悪化していた時は私もひとりで病院に行くことは体調的にも、高次脳機能障害的にも不可能でしたが、 そこまで悪化する前は、一人で行けました。
一人で病院に行ける軽症の段階で、脳脊髄液減少症を見つけることが大切なのですが、 ただでさえ元気そうに見える患者が軽症な時は、さらに病人に見られず、医師に、症状を理解してもらい、脳脊髄液減少症を疑ってもらうことは難しいと感じました。

[誤] 脳脊髄液減少症と歯の痛みは関係あるとは思えない。→脳脊髄液減少症は、脳が関係しているため、どんな症状が起こっも、不思議ではないと思います。こんな症状は関係ないと思っていると、見逃す危険があると思います。

[誤] 仕事ができているなら、脳脊髄液減少症ではない。
[誤] 学校へ行けているなら、脳脊髄液減少症ではない。→  私は髄液が漏れていて症状を抱えながらも、何度か仕事をしようとしてやっていた時期があります。 他の病名の患者さんが、そういう視点で、「仕事しているんだから病気ではない。」と言われることはないと思います。
仕事ができるとか、学校へいけているから脳脊髄液減少症ではないということではなく、 いろいろな症状がいかにその人の日常生活を阻害しているかを、みて、重症度を判断し、常に脳脊髄液減少症の可能性も視野に入れ、
診察していただきたいと思います。また髄液が漏れたままであっても、治療前でも、日常生活をなんとかこなせる人もいます。 ただ、常に症状に振り回され、健康だった時とはあきらかに、人生の質が下がります。それをわかったいただきたいです。

[誤] 診察時、座っていられるから脳脊髄液減少症ではない。→座っていられない人が脳脊髄液減少症とは限りません。

[誤] ろれつがまわらないとかじゃべりづらいと言っているわりには、今きちんと症状を話せるから脳脊髄液減少症ではない。→自分が話にくいと感じていても、第三者にはそれが伝わらないことがあります。これは、次のような力の入らなさとか、聴覚とかでもあてはまり、本人しかわからない異常であることも、脳脊髄液減少症の理解を遅らせていると感じます。

[誤] 手足に力が入りにくい、文字が書きにくい、と言っているけれど、握力計で調べると握力は正常範囲だから、脳脊髄液減少症ではない。

[誤] 歩きにくい、立ちあがりにくいと訴えるけれど、診察ではそんな風に見えないから脳脊髄液減少症ではない。 → 脳脊髄液減少症の症状や障害は、私の場合、固定しません。 出たり消えたり、ひどくなったり、軽くなったりします。 患者はその日は、たまたま体調がいいからこそ、医師を受診できているのかもしれません。そういう時には、さらに元気そうに見えるはずです。そういう調子がい時の患者の一時的な姿だけで、患者が日ごろ感じている症状を疑うのは、脳脊髄液減少症患者を見逃すことにつながると思います。私など、最悪の体調の時でも、家族にも、「元気そう」に見られます。

[誤] MRIの画像に異常がないから、脳脊髄液減少症ではない。 → MRIだけでは異常がとえられないことや、あまり変化がないことがあります。だからと言って、患者の症状が心配のないもの、 脳脊髄液漏れではないという判断にはならないと思います。微妙な漏れなら大丈夫と言うご意見おありますが、 患者が症状を感じている以上、たとえ微妙な漏れであっても、見逃さないような、検査方法を考え出していただきたいと
思います。

[誤] この患者は自分で脳脊髄液減少症だと思いこんでいて、そう診断する医師を訪ねているだけの神経症だ。
→ 違うんです。脳脊髄液減少症と診断する医師を、教祖のように盲信している信者みたいに扱わないでください。 誤解です。脳脊髄液減少症を見抜ける医師が少なすぎるから、困り切った患者が、ある特定の医師に集中してしまうために、 その医師に脳脊髄液減少症と診断される患者が増えるからだと思います。

[誤]一般的な検査に異常がないのだから、この患者の言っていることは嘘か精神的なものが原因。

[誤]検査に異常がなく、元気そうに見えるのに、患者の訴える症状が大げさに感じる。

[誤]症状を激しく訴えたり、ケロッとしたように回復したり、症状が出たり消えたりして検査しても異常がないのは精神的なものか、演技か、仮病か、身体表現性疾患。→脳脊髄液減少症は、なぜだかわかりませんが、症状が出たり消えたり、治まったりひどくなったりと症状に波があり、そのことで医師や家族に不審がられたり、仮病を疑われたり、精神的な原因を疑われたりします。私の経験から、症状に影響するものは、激しい気温や気圧変動、台風、朝起きてからの時間経過によって、その日の水分摂取量、生理周期などによって、症状が悪化したり軽快したりする傾向に気づいています。脳脊髄液減少症患者は外見からは、想像もつかない生き地獄のような、拷問のような症状のつらさに加えて、周囲の脳脊髄液減少症に対する誤解と、無理解、無支援という精神的辛さも、重なるのです。早く脳脊髄液減少症の正しい知識が広がって、せめて患者が周囲が脳脊髄液減少症について知らなすぎるために、誤解を受けて苦しむことはなくなってほしいと私は思います。

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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