2020/07/04

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精神科治療学 第32巻08号
星和書店から、精神科治療学の最新号で、今月の特集として、「身体症状症お願いよび関連症候群の臨床」が特集されています。
私はとても興味がある内容です。
私は今まで、脳脊髄液減少症について、普通の検査をいくらしても患者の訴える症状の原因と思われるものが見つからないため、精神科の問題とされやすいことを書いてきました。
身体症状症と脳脊髄液減少症について過去に記事も書きました。
しかし、星和書店のホームページのこの本の内容紹介記事には、
痛みなどの身体症状を訴えるが、いくら検査しても異常が見つからない、いわゆる「身体症状をもっぱら訴える精神疾患」。これらは従来、心気症や身体化障害などと言われていたが、DSM-5では「身体症状症および関連症群」というカテゴリーにまとめられた。
とあり、脳脊髄液減少症の文字は見当たりませんでした。
ただ、線維筋痛症と慢性疲労症候群の病名については書いてありました。
私は、脳脊髄液減少症が、一見「原因不明」の「激しい痛み」や「激しい疲労感」で日常生活もままならなくなることを何度もここで書いてきました。
ですから、慢性疲労症候群、線維筋痛症と診断されている人たちの中に、実は脳脊髄液減少症が原因でそれらの症状が出ている人たちがいると考えています。
脳脊髄液減少症になると、うつ、強迫神経症的症状、不安感が強くなる、対人恐怖症的症状、まわりがゆがんで見える、時間の感覚がおかしくなる、など、言葉では言い表しきれないような、精神症状も現れます。
ただ、脳脊髄液減少症では、体の症状の方が患者が苦痛を伴うため、頭痛など、患者本人もわかりやすく、家族にも医師にも伝わりやすい症状だけが、まるでそれだけが脳脊髄液減少症の特徴的な症状であるかのように、多くの医師には思われている気がしています。
しかし、実際には、体の症状に加え、さまざまな精神症状が出て、精神症状の方が強く、本人の苦痛を伴っている人たちもいると私は考えています。
脳脊髄液減少症で起こっていると思われるさまざまな身体症状に精神症状も加わることによって、ひきこもらざるをえない状況に追い込まれている人もいると思われます。
しかし、脳脊髄液減少症が原因での、「身体症状症」の存在に気づいている医師があまりいない以上、これからも脳脊髄液減少症は、精神科から早期発見されることは難しいと思います。
精神科の先生方、が早く、脳脊髄液減少症でも、身体症状症と誤解されやすいこと、線維筋痛症と慢性疲労症候群とも関連が深いこと。脳脊髄液減少症でも、精神症状が出て、脅迫神経症や不安神経症、対人恐怖症、社会不安障害などの状態にもなるし、身体症状のつらさから、「救急車の頻回利用者」として心の問題と誤解されてしまう人もいる可能性について、早く気づいてほしいと思っています。
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