2020/07/04

「認知症かな?と思ったらすぐ読む本」という本を、読みました。
集中力が続かず、本を一冊まるまる読むことが苦手な私なので、まだ読み切れていませんが、最初に出てきた認知症のチェック表をやってみて驚きました。
最初の軽度認知障害チェックテストのほとんどで、脳脊髄液減少症の私の症状や状態が当てはまってしまったからです。
この本については、いろいろと感じるところがあるので、少しずつ感想を書いてみたいと思いますが、まずは最初のチェックテストについて書いてみたいと思います。
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軽度認知障害チェックテスト
まず本の巻頭付録として、最初に“軽度認知障害チェックテスト”が配置されていることに便利さを感じました。
注意力や集中力が落ちた当事者の私のような者でも目につきやすいし、まず最初に一番関心のあることがチェックできるからです。
普通、こうしたチェックテストなどは、本の中や最後についていたりするものですが、最初にあるのはとても便利です。
なぜなら、こうした本を手に取る人にとって、まず最初に知りたいことは、自分や家族が軽度認知障害に当てはまるか否かだと思いますから、とても親切だと感じました。
本のチェックシートの集計表をコピーして、本の軽度認知障害の質問を見ながら、コピーした紙に実際にチェックしていくよう指示があったので、その通りにコピーしてみました。
チェックシート集計表は、体調チェック、行動チェック、気分チェック、記憶チェックと四つに分かれていて、それぞれ質問を見ながらチェックしていって、それぞれのチェックの数を出し、それを集計するシートです。
ところが、集計表を普通にコピーしてみると、本のチェックシート集計表の体調チェック、行動チェック、気分チェック、記憶チェックの題字の文字がコピーされませんでした。その部分の文字がうすいブルーで記載してあったためです。そこで私は手書きでシートに、体調、行動、気分、記憶と上書きしてからチェックを始めました。
このチェック表の部分だけは、すべて黒い文字にするか、部分的に濃い青の文字だとコピーした時、文字がはっきりと読みやすかったかな?と思いました。
すると、どうでしょう?
過去の脳脊髄液減少症の私の状態でチェックしてみると、
体調チェックが9点、
行動チェックが10点
気分チェックが9点
記憶チェックが9点で
合計が、なんと、37点でした。
この本の結果診断によると、総計が20以上が軽度認知障害(MCI)の疑いだとのことで早めに「物忘れ外来」などで専門医の診察を受けてくださいと書かれています。
すると、37点の過去の私のような脳脊髄液減少症患者が今、もし、医師を受診したなら、軽度認知症障害を通り越して認知症の疑い濃厚という診断が医師によってなされてしまうのでしょうか?
実際に過去に、「物忘れ外来」を受診したり、神経内科医、脳外科医に症状を相談したことがある私の経験では、たとえどんなに認知症に詳しい専門医でも、脳脊髄液減少症についてはあまりよくわかっていない医師がいまだ多いと感じました。
そのため、主訴が認知症のような患者に、実は脳脊髄液減少症が潜んでいるのを見破れる医師はかなり少ないのではないかと感じました。
しかし、現在の私の状態で再びチェックしてみると、
体調チェックが3点
行動チェックが4点
気分チェックが0点
記憶チェックが2点で
合計9点でした。
これはこの本の結果診断にあてはめると、9以下が健常とのことですから、ぎりぎり「健常」ということになります。
ここまで回復したのは、もちろん主治医による脳脊髄液減少症の度重なる治療もありますが、やはりこの本に書かれているようなことを、私が偶然にもやってきたためかもしれません。過去から現在にかけて、自分で実施してきた有酸素運動、体幹を鍛える、ストレッチ、食生活、睡眠などの工夫ことが、そのままこの本に書かれてあったので、私のやってきたことは間違っていなかったと確信しました。
詳しくはこの本を読んでみてください。自分でできるいろいろなことが書いてあります。
ただし、脳脊髄液減少症の場合、症状が日によって波があり、先日4月27日には、一日に3度の物忘れによる失敗をしたこともある私です。
具体的には、朝、鍋をかけたまま忘れ、鍋をこがし、昼、知らない間に大切な物が落としたか失くしたか置き忘れたかで不注意でなくし、
夜、お風呂の栓をしないまま湯を張って多くのお湯を無駄にしたことです。
この日はかなり脳の調子が悪く、病院で点滴をしてきた日ですが、このように脳脊髄液減少症でも脳の調子が悪いと認知症のような状態になります。
しかし調子がいいと、そのようなことがなくなり、いわばまだら呆けのような状態になるのです。
しかし、そのことは、あまり認知症の専門医はご存じないと思います。
感想
軽度認知障害チェック表で気になったことは、質問項目がわかりやすいように言葉が工夫されていることです。
特に体調チェックや行動チェックの質問は短い言葉でわかりやすいと感じました。
気分チェックの質問については、どちらかというと当事者が自分でチェックするというよりも、家族が当事者の状態をイメージしやすい言葉が選ばれているように感じました。
気分チェックの4の質問の〇〇〇桟敷という言葉の意味がよくわからず、どういうことなのかイメージできず調べて理解してからチェックしてみました。
記憶チェックの10の質問の
あれとそれはどっちが先だったけ?物事の前後関係がわからなくなる
の言葉の意味も自分のどんな状態を当てはめるべきかイメージしにく考えこみました。
もしかして、二つのことのどちらを先にやるべきことなのかの優先順位ができないということなのか?それなら今の私の遂行機能障害そのものなのであてはまりますが、
違う意味で、二つの物事のどちらが以前で、どちらが最近のことかという、物事の時間の前後のことがわからないという意味なのかと結果的に理解し、それは私はあてはまらないのでチェックしませんでした。
脳が機能低下すると、文章を理解する能力も落ちるので、ひとつのことを理解するのも一苦労です。ですから難しい言葉ではなくイメージしやすい文章やイラストが多いと助かるのです。
また、結果診断の軽度認知障害の疑いのところに、感覚神経チェックはP118からとありましたが、実際にはP118ではなく、P122からの感覚神経の感度チェックのことなのかな?と思いました。
また、気分チェックで思い当たる点が多い場合は、うつ病の疑いがあるのでP30 P31を読んでくださいとありましたが、実際はP32P33に書いてあるように思いました。
これを読むと、脳脊髄液減少症の症状は、偽性うつ病+偽性認知症ともいえるようなもので、脳脊髄液減少症が原因での症状をうつ病や認知症と誤診されるのも無理はないな、と改めて思いました。
まだ、全部は読んでいない本ですが、多くが見開き2ページで読み切れるように工夫されているので、脳脊髄液減少症で集中力や理解力が続かない脳機能が低下した私でも気になるところから、さっと少しずつ読めます。
イラストも多く、わかりやすいと思います。
文字は私の目にはやや小さく感じますが、それでも他の本と比べれば大きい文字で、なにより行間に空間があるのが、脳脊髄液減少症の私の目には読みやすいです。
以前、目がチカチカしていた時、行間が狭い文章は、とてもつらく感じたからです。
私が楽だと感じるという事は、家族はもちろん、軽度認知障害の患者さん当事者でも、読みやすい本だと思います。
おまけに、集計表のところではコピーするとうすくなってしまうパステルカラーのブルーでちょっと残念だったのですが、不便はコピーするときのその1ページだけで、
あとはこの本は中身が黒の文字とうすいブルーだけの2色で統一されて書かれていることが、とても脳脊髄液減少症の私の目に優しく読みやすいと感じました。
脳脊髄液減少症の脳の私は、赤や黄色の原色ではチカチカするのですが、うすいピンク色やうすい黄色、うすい青など、パステルカラーだと比較的目に優しく感じて苦痛が減るのです。
ということは、もしかして、認知症の方の目にも見やすいのかも?と思いました。
“認知症かな?と思ったらすぐ読む本”は、脳脊髄液減少症の患者の私が今まで自分で自分を回復させるべく取り組んできたことが多く書いてあり、認知症の脳に効果があるということは、脳脊髄液減少症の脳にもいいことだったのだと確信して自信を持ちました。
運動についても、脳脊髄液減少症では安静が第一という考えが主流なので、運動で再発の危険もゼロではないので不安もありましたが、少なくとも、過去の症状がチェック表で、健常範囲に戻ってきたという事実は、私の脳も回復してきた証だと思います。
最近では腎臓病で透析治療中でも医師の指導の元、筋トレなどを行っているようです。
私は、誰も指導してくれる人などいなかったので、自分で勝手に自己責任でやってきてしまったのですが、そのうち脳脊髄液減少症にもリハビリの専門家たちが関心をもちはじめれば、リハビリ専門医も脳脊髄液減少症で衰えた脳や体や自律神経のリハビリについて指導してくれるような時代もくるでしょう。
とにかく、この本には私にも参考になることがたくさん書いてあります。
つづきの感想またいつか書こうと思います。まだ全部読みこなせていないので。