リカ場 ~私の脳脊髄液減少症のリカバリー~

原因不明の症状が「脳脊髄液減少症」だった私が、世界中に伝えたいこと

ADHDと脳脊髄液減少症

脳脊髄液減少症では、心身に数々の症状がでますが、

その症状が多彩な上、気圧や季節や、気温や気候、体位、月経周期、脱水など、さまざまな要因で、症状が出たり消えたりします。

その中でも脳脊髄液減少症の数々の精神症状は、精神科医にもまだ十分理解されておらず、脳脊髄液減少症の治療に取り組む医師との連携も不十分で、支援体制は整っていないと感じます。

うつ、睡眠障害、記憶障害、高次脳機能障害などの脳脊髄液減少症の症状については、 以前よりは知識は広まってきたとは感じますが、一見普通に見える人に潜む、ADHDのような症状の影に、脳脊髄液減少症があることは、
まだまだ精神科医にも、ADHDの方の診断や支援や相談業務にかかわる専門家の人たちにも、知られていないと思います。

昨年、夏、女性誌を読んでいたら、「あなたもそうかも!大人のADHD」という気になる記事がありました。雑誌を片付けていて、出てきたので、改めて読み返しています。以下は、臨床心理士の南和行さんと、女性自身で作成したものだそうです。

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大人のADHDチェック表

1、つまらない、興味がないことをする際に、気が散りやすい。(興味があることには過度に集中することがある)
2、つまらない、興味がないことをする際に、ケアレスミスが多い。
3、物を置き忘れたり、物をどこに置いたかわからなくなって探すのに苦労する。
4、身の回りを整理できない。
5、じっくりと考える必要がある課題を避けたり、先延ばししてしまう。
6、計画的な行動ができない。
7、長時間座っている必要があるときに、そわそわして落ち着かない。
8、いつも頭の中が考えであふれていて、落ち着かない。
9、頭に浮かんだことを、タイミングや状況を考えずに口にしてしまう。
10、相手が話し終わる前に、さえぎって話してしまう。
11、衝動買い、ドタキャン、転職など、衝動的に行動してしまう。気分の浮き沈みが激しい。
12、気が短く、ストレスやフラストレーションに耐えられない。

診断結果

あてはまるものが8以上   ADHDが疑われます。発達障害を診ることのできる病院の受診を勧めます。

4~7以上 ADHD傾向があります。仕事・生活・対人関係の問題が続くようなら、病院やカウンセリングを利用しましょう。

3以下   ADHDの可能性は低いです。

というものでした。

現在の私がこのチェック表をやってみると、1と、3と、4と、5と、8と、10と、11の、7つが特に当てはまりました。ぎりぎりADHDで病院受診は避けられそうですが、「ADHDの傾向がある。」という結果になりました。

実は、少し当てはまるものも含めると、2と、6と、7と、9も、当てはまる部分、当てはまっていた時期もありました。すると、「ADHDが疑われます。」と病院受診を勧められてしまうレベルになってしまいました。

とはいえ、私の住む地域には、脳脊髄液減少症の体の症状を診てくれる専門医すらいないのですから、ましてや、精神科の症状、とくになんとか生活できそうなADHDの症状なんてものの、相談にのってくれる医師なんているわけありません。

私の脳脊髄液減少症のおかしな精神症状は、専門医の診断を受けられないままです。

今後は脳脊髄液減少症患者は、だれにでも表現しやすく医師にも伝わりやすい「頭痛」などの身体症状や、その他の体の症状のみでなく、一見わかりにくいけれど、患者を苦しめているような精神症状も見逃さず、それらも含めて、トータルに全人的に診て治療するような診療体制が必要だと感じています。

私は、「先延ばし」という症状が強く、やるべきことはわかっているのに、なかなか手をつけられないのです。

興味があることに関心がどんどん移ってしまい、関心がないこと、苦手なことにはどんどん先延ばしにして、何年もほったらかしのものや、片付けられない症状があります。

自分の困った状態に対して、どう対処していいかわからななかったのですが、これを読んでなるほどと、方向性が見えた気がします。

脳脊髄液減少症で、私と同じADHD症状に気づき、自分が以前の自分と違って、片付けが苦手になったり、物事をスムーズにこなせず、先延ばしにしてしまったり、優先してやるべきことなのに、ついつい自分の関心のあることを優先してしまい、本来最優先にすべきことが、後回しになってしまうことでとても困っているのですが、
そういった人に対する対処法も書いてありました。

たとえADHDでなくても、脳脊髄液減少症で私のような症状で困っている人には参考になると思い、ここに紹介したいと思います。

これも、臨床心理士の南和行さんと、女性自身で作成したものだそうです。

大人のADHD対処法

“先延ばし”の対処法

・やるべきことをすべて書き出す。

・優先順位をつける。

・ほかのことをやりたくても優先順位に従って行動する。

・本来の締め切りよりも、締め切りを前倒しする。

・スケジュール帳をつけ、朝晩に見る。

“ケアレスミス”の対処法

・自分のミスの対策ノートを作る。

・自分を責めない。

・耳栓やイヤホンをして集中する。

・自分が集中できる空間を見つける。

・ネット環境から離れて作業する。

“片付けられない”対処法

・物の置き場所を決めて、必ずそこに置く

・物を元の位置にもどす1秒を惜しまない。

・3年着なかった服は捨てる。

・下着は引き出しに入る分だけ、それ以上は捨てる。

・食器棚や本棚に入らないものは捨てる。

・3か月前の新聞は捨てる。

・片付けはボックスを作って、とりあえずそこに入れて見た目をきれいにする。

“お金の管理が苦手”な対処法

・家計の管理を家族にまかせる。

・欲しいと思ってもいったん保留、後日欲しければ買う。

・クレジットカードを使わない。

“やる気がでない”対処法

・やり遂げたイメージを思い浮かべる。

・自分へのご褒美でやる気を出す。

・苦手に取り組んだらシールを貼る。

・シールがたまったら、自分にご褒美。

“人間関係が苦手”の対処法

・友達は少なくてOKと思う。

・職場では支障がなければ、同僚と仲良くなる必要はないと割り切る。

“家事”の対処法

・食洗器を使う

・なるべく食器を使わずにワンプレートで。

・アイロンのいらない服を選ぶ。

・ワイシャツはクリーニングへ。

・家事代行サービスを利用する。

 

私が“脳脊髄液減少症のADHD様の症状”対策でやってきたこと

・家のお金の主な管理を家族にまかせる。

・税金などのことも家族にまかせる。

・スーパーでのレジの計算は、信頼してレジの人にまかせる。

・クレジットカードは使わない。

・暗唱番号はあまり増やさない。覚えられる範囲で。万一忘れたり、メモをなくしたりしても想像できる範囲で。

・形状記憶ノーアイロンのワイシャツ、衣類を選んで買う。(なるべくアイロンがけをしないように)

・予定や、ゴミ捨て、資源ごみなどの日は、一日何度も目に付く場所のカレンダーに書いておき、一日何度もチェックする。それらをやってくれる家族がいるならゴミ出し関係はすべてまかせる。そのかわり他の家事を自分ががんばる。(食事づくりなど)

・複雑な料理はしない。簡単でもインスタントでも家族が満足する料理でいい、栄養だけバランス取れていればいいと割り切る。

・なるべくできあいの総菜は買わないが、冷凍食品などは常備しておく。お弁当のおかずなどはどんどん冷凍食品を使ったり、疲れてお弁当がつくれない時のために、冷凍パスタなどを常備しておく。(朝、短時間に複数のことを同時にやりこなすのは難しく、ましてや体調や脳の調子が悪いとさらに困難になるから)

・毎朝、今日やるべきことを紙に書きだす。なるべく優先順位をつけるが、その通りにはなかなかいかないが、やったことはマジックで線をひき消していく。(一日にやるべきことが、いくつかできると達成感がわく)

・ワンプレートの食器を使う。(なるべく使う食器を減らし、洗い物を減らす。それでも食器が擦れられずどんどん増えてしまうが)

・友達はいなくても、少なくてもしょうがない、自分がつきあえる範囲と、記憶できる数でいいと割り切る。

・散らかったらとりあえず段ボールに物を入れて見た目だけはきれいにする。(しかし、この段ボールがたまる。中に何が入っているかもはやわからなくなってくるのが今困っていることです。)

・食器棚に入りきれないもの、引き出しに入りきれないものは捨てる。(これは最近できるようになってきました。)

・着なくなった服は捨てる。(最近やっと、これができるようになってきました。)

対処法としてはなかなかできないこと

・家事代行サービス、家政婦さんなどに頼ること。

・便利屋さんに片付けや書類作成を手伝ってもらうこと。

・精神科医にADHD症状について相談すること。(内科医に相談したが真剣に向き合ってもらえずなかなか精神科を紹介してもらえない。脳脊髄液減少症患者は症状の訴えが多彩なので困惑している様子)

・食洗器を使うこと。(食器洗浄機の管理や掃除という新たな手間が増え、頭がまた混乱しそうだから。)

・お掃除ロボットを使うこと。(床が片付いていない部屋では使いたくても使えない。)

・クリーニングはたまに使うが、一見楽なようで、脳脊髄液減少症で体調に波があったりすると、意外に大変な作業。外出が困難な時期には、衣類を出しに行く体力気力、取りに行く体力、気力がなく、しかも、取りに行く日を覚えておかねばならず、忘れることもあって、ADHD的症状や記憶障害がある人間には、かえって課題が増える感じでハードルが高くなり使いにくい。

・やりとげたイメージを想像できないし、自分にご褒美を用意しても、苦手なことには、なかなか取り組めない。

・物の置き場所を決めて、使い終わったら必ず物を元の位置にもどすことが苦手で、今もなかなかできず、どんどん散らかってしまいます。(今後はこれをなんとか対処したいです。)

まとめ

脳脊髄液減少症でもADHDのような状態になり、日常生活に支障がでることがあります。

私のように、脳が長い間、脳脊髄液減少症にさらされた人だけかもしれませんが、 今後は脳脊髄液減少症の精神症状として、精神科医にも研究していただきたいと思います。

しかし、脳脊髄液減少症の後天的ADHDともいうべき症状は、髄液漏れの治療と脳のリハビリで改善する余地があります。

つまり“治るADHD”ともいうべきものが、脳脊髄液減少症の片付けられない、空気が読めない、思ったことを周囲を考えず口にしてしまう、というような、症状なのだと思います。

脳脊髄液減少症のADHD状態は、脳脊髄液減少症の症状自体の認知度が低いうえ、さらに、脳脊髄液減少症の精神症状はさらに知られていないため、患者家族自身も自覚していなかったり、そのため脳脊髄液減少症の治療医にも報告しないため、医師もあまり気づいていないものと思われます。

患者が身体症状の苦しみに加え、さらに、ADHDのような症状によって、 一見「だらしがない人、使えない人、変わった人、空気がよめない人、年齢にそぐわない非常識な人」という、誤解を受けないためにも、これからは脳脊髄液減少症でもADHD的症状が出るということ、それが治療とリハビリで改善可能であることに医師の多くが気づいていただき、回復への支援をいただきたいと思っています。

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自己紹介

lily

脳脊髄液減少症のサバイバーです。私が生きているうちに「原因不明」「異常なし」「精神的なもの」とされたり、何かすでに別の病名がついている人たちの中に、脳脊髄液減少症が隠れている可能性について、広く社会に伝えたいと思っています。

「脳脊髄液減少症を知っていますか」

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